表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移先は絶望的な世界?  作者: 氷見 一樹
序章 〜出会い〜
3/8

〜終戦と危機〜

戦争を終結するための最後の手段とは?

そして新たな脅威が立ちはだかる!

「最後の…手段?」


全く想像のつかないが、いったいどうしたと言うのだろう?


ーー魔法使いたちは大型兵器を止めるため、人間を別世界に飛ばす事を考えた。しかしそれでは根本的な解決にはならない。だから亜空間を作り、記憶を操作する魔法も使って全ての記憶を改竄する作戦だったーー


「そんなことできんのか…」


ーーただ、新しい空間を作ったり、記憶を改竄したりする魔法は超高度な魔法である上、膨大な魔力を必要とするものだった。故にデメリットも大きく、今まで使用された例はなかったーー


世界の禁忌に触れるわけだから当然だよねと、そう言って続ける。


ーー失敗しないように作戦を練り、いよいよ作戦が決行された。大型兵器は跡形もなく消え、戦いを続ける人間は全ての記憶を失い、平和主義の人間たちと和睦を結んだ。何人もの魔法使いと多くの命と引き換えに世界はようやく戦争の終結を迎えたーー


目の前ではたくさんの魔法使いが集い、呪文を唱えている。ひとり、またひとりと力尽きるように倒れていき、最後のひとりが呪文を完結させる。その瞬間、その魔法使いを中心に大きな爆発が発生した。これが亜空間を作り、記憶を改竄する術式であろうことは明らかだ。


ーー人間は友好的な者を残してすべて亜空間へ、そして魔法使いもほとんどの者が力を失ってしまった。戦争の終焉と共に人間と魔法使いは平和協定を結び、共に歩んでいくことになったーー


兵器は解体され、設計図はすべて焼却処分、兵器の記憶は人間、魔法使い共に消去されたらしい。目の前ではまさに兵器が解体されていた。


ーー戦争が終わったとはいえ、お互いに大きな傷を負い、街も生活できるような環境ではなかった。しかし、人間と魔法使いは互いに協力し、数年後には以前よりも遥かに大きな都市を築き上げたーー


中心にはとても大きな城や、運河、道が整備され、その周りにたくさんの商店や住居が立ち並んでいた。人々が盛んに行き交い、都市は活気に溢れている。


ーーこれからはずっと平和に豊かに暮らせると思われていた。しかしある日、そんな平和は唐突に、なんの前触れもなく崩れ去ったーー


「また戦争が?」


ーーあながち間違ってはいないけど、戦争というよりは元の形に戻った感じかなーー


「元の形?」


ーーボクは言ったよね"3種族いる"ってーー


「魔物?」


ーーその通り。戦争の戦火に巻き込まれていなくなったと思われてた魔物が世界を闊歩するようになったんだーー


ゴブリンやオーク、ドラゴンのようなものまで街を焼いている。街の人々はただただ逃げ惑っていた。


ーー戦争などは起きないとされていたから防衛設備などもほとんど作られておらず、被害は拡大した。だけど、ボク達もただやられてばかりではなかったーー


「どういうこと?ボク達って…?」


ーーボク達は魔法使いの中でまだ魔法が使えるもの…戦争当時赤ん坊だった魔法使いが集まって人間の結成した騎士団と協力して共同戦線を組んだ。しかし、それだけでは数が圧倒的に少なく、焼け石に水のようなものだったーー


目の前ではその騎士団がゴブリンやオークと戦っていた。魔法が使える魔法使いを騎士が護るような戦い方だ。人数は圧倒的に魔物の方が多く、あたり一面どこを見ても魔物だ。


ーーだからボクはキミのような存在を呼び戻しているんだーー


「俺のような存在?」


ーーボク達魔法使いは戦争の終結の際、何人かの魔法使いをそれぞれ別の世界に転送した。ボク達の世界に何かがあった時に守れるように。だけど、その人たちはとっくにいなくなってたーー


ここまで言えば分かったんじゃない?と言って俺の正体を告げる。


ーーキミはその魔法使い達の子孫だ。これからキミには騎士団に入団するためにあらゆることを学んでもらう。そしてどうかーー


今までの口調とは打って変わって何倍も真剣な声音で、そして痛切な声で、


ーーどうか、この世界を救ってほしいーー


そう告げられた。


この話で過去のことは終わり、現在の話に戻る…と言うか現在の話がこれから始まります。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ