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転移先は絶望的な世界?  作者: 氷見 一樹
序章 〜出会い〜
2/8

〜過去と戦争〜

ーーようこそ、と言いたいけど…ちょっとだけ説明が必要なんだーー


「そもそもここはどこ!?」


ーーまあ、キミたちの世界とボク達の世界の境界線…って感じかな?ーー


(待て待て。コイツとは世界が違っていたのか?)


さらにおかしなことになった。空間転移、そして他世界。いくら世界が広いと言っても、常識からしてありえない話だ。


ーー多分キミは今かなり困惑してるだろうけど、ちょっと昔話をするねーー


「待ってはくれないのか…」


こっちの心境がわかっているなら少しくらい待って欲しい。今までの常識が根底から覆ったのだ。


ーーこの話を聞けばある程度整理できるはずだよーー


どういうことなのかさっぱりわからないが、コイツの言う昔話というものを聞いて多少整理できるならと俺は話を聞く体制を整えた。


ーー長くなるから、楽な体制で聞いていいよーー


そう言ってから昔話が始まった。


ーー昔、それも人間が文明をつくり、反映していた頃の時代ーー


謎の声が話すのに合わせて自分の周りの景色が変わる。そこは何も無い荒野だった。


ーー人間と魔法使いという2種族が共存していた。そして、同時に世界には魔物が溢れていたーー


俺のよく知る人間と、少し耳が長く、尖っている魔法使い、そして動物の姿をしている凶暴そうな魔物があらわれる。


ーー魔法使いは、人の病気を治したり、魔物討伐をして人間の平和を守っていた。人間は作物をつくり、猟をし、人間と魔法使いの分の食物をまかなっていた。この時は魔法使いも人間も互いに助け合い、尊重し合って暮らしていたーー


目の前には魔法を使いものを直したり、そんな魔法使いの後ろでご飯を用意している人間の姿があった。


ーーしかし、人間も魔法使いもそれぞれに力をつけ、種族間でちょっとしたいざこざが起こるようになったーー


何で争っているのかわからないがとにかく言い争ってる人間と魔法使いの姿があった。


ーー人間は騎士団や軍を整備し、武器や防具などを作る技術を磨いていった。そして、とある魔法使いを捕らえ、魔法使い達の前で処刑した。とある魔法使いというのは、その当時とても力を持ち、魔法使いの中でかなり人望のある人物だったーー


処刑が行われるときの光景が目の前に広がる。既に身体中に傷があり、生きているのが不思議なくらいの姿の魔法使いが連れられ、仲間の目の前で処刑される。あまりにも残忍な行為に俺は吐き気を覚えた。


ーー言うまでもないが、この事件が起こった直後、魔法使いと人間の全面戦争が始まった。中には平和に暮らしたいとして今まで通り生活を送るため、遠方に逃げるものもいたが、戦火はどんどん広がっていったーー


目の前にはその当時のものと思われる地図が広がっていた。最初は真ん中の方が赤かったが、次第に広がっていき、ほぼ全域が赤くなってしまっている。


ーー最初は魔法使いの方が優位に立てていたものの、人間は持てる知恵と力を合わせ徐々に対策を立てていったーー


魔法使いの魔法に一方的にやられていた人間が見える。しかし、時間が経つにつれ、魔法が弾かれたり、受けてもほぼ無傷でいることが多くなった。


ーー戦争は一層激化し、家族が殺されたからや、友人を殺されたという理由で罪のない者達まで巻き込まれ、そのことを理由にまた争いが起こるという憎しみの連鎖が起こってしまっていたーー


目の前には親の死を悲しむ子供の姿がある。そしてその子供は武器を持ち、魔法使いと戦う。


ーーその頃になると全てのものが戦争のために費やされ、魔法使いの魔法は傷を癒すもの、相手を傷つけるものばかりが使われるようになってしまう。そして人間の技術は今まで魔法使いに頼っていた分野にまで伸び、大型兵器や高性能戦闘アンドロイドなどが作られていったーー


大きな戦艦や、戦車、そして縦横無尽に動き回っているのは戦闘アンドロイドだろう。

俺たちよりずっと前の時代なのにここまで技術が発展してるのは驚きだ。


ーーこの兵器は数こそ少なかったが、たった1つで街1つは簡単に破壊できるほどの威力を持っていた。魔法使いたちはこの兵器を前になすすべはなかったーー


魔法使いたちの魔法が全く効かず、大きな砲身から放たれる砲撃で一人、またひとりと倒れていく。


「ひでぇ…これじゃ、まるで…」


ーーそう、一方的な侵攻だった。そして魔法使いは徐々に追い詰められていった。追い詰められた魔法使いたちは最後の手段に出ることに決めたーー


「最後の…手段?」


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