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全部はこっから①


俺はサンセット。


太陽のように優しく人を照らし続けるような子になってほしいと願って付けられた俺が今、気がつけば薄暗い部屋でイラついている。


言っとくけど俺の部屋じゃない。

何の意味があるのか天井からは鎖がぶら下がっている。

床のタイルは割れていて…。


……あれは…よく分かんない。


「お洒落でいいかも」


回想タイム。



~1週間前~



「ガキども起床だ、朝だっての!チンタラすんな!」


孤児院に朝がやってきた。

いち早く目を覚まし、チビどもを叩き起こすのが俺の日課だ。


「顔洗って、歯磨いて、飯の支度だ!さぁさぁさぁ!」


「…まだ眠いよー…」


「眠くても起きるんだよ、ほら!行けって!」


「…はーい」


これこそが正しきリーダーってやつだよな。

朝食の準備も済んだらテーブルを全員で囲む。

……おい、今日のお祈り当番は誰だ?




「…なんだこのシチュー?味が変だぞ?どいつが」


言ってる途中に院長が俺に声をかけてきた


「今日をもって、お前には、ここを出ていってもらう」


「作っ……な…、え…?出ていってって……なんで!?」


全員の箸が止まる。


「お前がこの施設に来てから何年だ?」


「…あ…え…?…10年…と、ちょっと」


「18年だ、お前が27歳になった今ここにいるべきではない」


「出ていけ」


院長はいつになく俺に厳しい目を浴びせる。

こりゃあ…なるほどね…、そういうことかよ。


「そうかい!長いことやってきたのに、こんなんで終わりかよ!」


「…そうじゃない」


「外じゃツテはねぇし仕事もろくにありつけねぇこったろう!」


「そうじゃないと言ってる、話はまだある、聞け…」


「そんで路頭に迷うんだ!やがて地上にも身を置けなくなり下水道に姿を隠す、どうすっかって?ミュータントタートルズの仲間になんだ!名前はもう決めてる、タロ・オカモト…」


「…」


院長がたまらず口を閉じてから懐に入れていた紙を俺に差し出す。


「え?」


「お前宛に、手紙が届いてるんだ」




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