こわれもの
「ただいまー。」
「おかえりー。暑かったやろ?」
「めっちゃ暑かったで!」
「何でこんな暑い日に外に出るん?こんな日は、エアコンと扇風機が織り成すグレイトフルヘブンスハーモニーの中、ビール呑みながら野球見るに限るで!」
「なんや、微かに中二病臭いフレーズがあったのは、とりあえず無視しとこ・・・なぁ、野球っておもろい?」
「おもろいわ!野球をdisrespect、略してdisってるんか?」
「なんで一々、正式名称言うん?いや、野球って勝つか負けるか引き分けかのどれかやん?3割強で結果が解るのにおもろいんかなーって。」
「逆に聞きたいわ。それ以外の結果を。」
「あぁ、やだやだ。すぐ答えを知ろうとする。聞けば何でも答えてくれると思うな!このgoogle病患者め!」
「何でキレ気味なん?解らんから聞いたんだけど?」
「思考は人生の栄養やで?」
「大して上手ないで?意味が解らんし。」
「考えるな!感じろ!」
「もう、ええから。なぁ、一つ疑問なんだけどな。オレの野球好きやん?」
「見たいやな。」
「オマエ、野球嫌いやん?」
「嫌いちゃうで?興味が無いんやって。」
「何で一緒に住んでるん?」
「何で、って。アカンのか?」
「いや、別にええんやけど。あと、オマエ何処行ってたん?」
「何処、って。」
「『ただいまー。』って帰って来たやん。どっか行ってたんやろ?」
「か、買い物や。」
「何買いに行ったん?」
「それは、その・・・あっ!アレや!アレ!アイスとジュースとビール買いに行ってたんやって!今日暑いやん!」
「何処に買物に行ったん?」
「えっ?何処・・・き、近所のスーパーや!あるやろ?あるはずや!」
「オマエ、手ぶらで帰って来たよな?」
「無かってん!」
「ビールはまぁ、無い可能性はあるかも知れへんけど、アイスとジュースが無いスーパーってどないやねん。」
「ほ、欲しいやつや!欲しいやつが無かってん!」
「まぁ、落ち着け。薄々気づいてるんやろ?自分の記憶の曖昧さ。それを受け入れたく無いのも解る。」
「意味が解らん。」
「オレは一つの結論に達した。オレらの生活は繰り返されてる。」
「暑さで脳みそ沸いたか?」
「この仮説を証明するために実験が必要やねん。ちょっと台所行こか?」
「台所来たけど、何すんねん?」
「壁際に立っといてくれ。」
「立ったけど、何する・・・包丁なんか持ってどうした?」
「実験や。今からオマエを殺す。」
「はっ?いや、待て!落ち着け!な?包丁置けって!何、腰落として構えてんねん!解った!信じる!信じるから!落ち着け!いやや!」
「オレの仮説のためや。」
「こいつ、ホンマに刺しやがった・・・何でや・・・オレが何した?・・・死にたくない!死にたく!しにたく・・・シニタク・・・シニタク・・・シニタ・・・」
「これでオレの仮説が確かめられるな。間違ってても特に問題無いけどな。あいつ野球に興味無い見たいやしな。」
初めましての方は初めまして。
二度目の方は二度目まして。
三度目の方は三度目まして。
無目的に髪を伸ばしていたら、エライ事になって来たので『風になる』の時のつじあやのさんくらいにバッサリと行きたい、とだです。
さて、蛇足の様な後書きです。
昔、どこぞに書いたショートショートです。
不意に思い出したのですが、完全に消去してしまったので思い出しながら書きました。
昼休みのちょうど良い暇潰しとなりました。
なんでしょうね?
私が病んでた時なんでしょうかね?
自分では病んでいた時期なんて無い!と思ってはいるんですが自信が無くなって来ました。
確かに、基本的には人見知りですが、慣れた人にはうざい位に明るいですよ?
かなり残念な人です、とださんは。
タイトルなんですが、Yesと言うプログレバンドの二番目に好きなアルバムから付けました。今聞いていたので、なんとなく。プログレッシブロック界では、超!メジャーなアルバムです。一番好きなのは・・・(長くなるので割愛します。)
最後に一言。
御一読頂きましてありがとうございました。
それでは。
あっ!ちなみに、野球は好きです。