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恋仲に問題あり?

俺、森川桜もりかわさくらは朝からテンションが激減していた。

俺には恋人ができた。しかも同性ね。

名前は神谷彰かみやあきら。俺と同じ高校に通っている。

元々彰は男好きだった。ある日彰に目を付けられた日から俺は彰の恋人になることが

決まっていたんだろうか?

決まっていたんなら俺は悟って避けれていただろう。

なんといっても俺は未来を読めるからだ。

運悪いのかなんなのか・・・自分が使いたいときに使えない力だ。

実を言うと彰は超能力者だ。

俺と友達になるため?なのかわからないが勝手に近づいてきて勝手に明かして俺の

共感を種に絡むようになった。

彰はイケメンだから男好きだろうが女子にも男子にもモテる。

恋人として誇らしいのかなんなんだか複雑な感じ?

「神谷くんよぉ!」

「神谷さんっ!俺と一日でいいから付き合ってくださいよぉ!!」

俺にとって貴重な長い休憩時間である昼休みにまで毎日毎日飽きずにやってくる

一年生や三年生たち。

鬱陶しいきわまりない。

「あっくん、みんなが呼んでるよぉ・・・。」

俺は自分の席でチョコレートパンをかじりながら目線で入口に

溜まっている生徒たちを示す。

「何?桜ちゃんもしかして嫉妬してくれてるの?そんなつれないこと言ってぇ。」

彰は俺の口はしについていたチョコを指で絡め取りながら言う。

「そんなんじゃないよっ!ただただみんなが呼んでるよって教えてあげただけじゃんか。」

俺は机の上の左側にあったいちごミルク味のパックを取って

ストローを口の中に突っ込みながらぶっきらぼうに言う。

もちろん内心俺のあっくんだぞって叫んでんだけどね。

「やっぱり妬いてんじゃんか。桜ちゃんかっわいぃ♡」

彰はそう言って俺の頭をぽんぽんと叩きながら立ち上がった。

「だからぁ人の心を勝手に覗くなっつぅんだよっ!」

立ち上がった彰の顔を見上げながらそう言った。

「まぁまぁ。ちょっと待っててね。」

「へ?どこ行くの?」

「ちょっとそこまで。もぉそんな置いていかれそうな猫ちゃんみたいな顔たまんないね。

大丈夫だよ。俺は置いていかないから。少しだけ待っててねん。」

スタスタと入口付近に近づいていく彰の後ろ姿を睨みながら

「誰が置いていかれそうな猫ちゃんだよ。ったく。」

まだ半分残っているチョコレートパンを口に頬張りながらじっと彰のようすを伺いみる。





「あのねぇ気持ちは嬉しいんだけど俺今とっても可愛くていい子な恋人がいるから

君たちの要望には答えてあげられないんだ。ごめんね。じゃっ。」

彰はものの数分で大勢の取り巻きを追い払って帰ってきた。

「もてる男はつらいよってな感じ?あはは」

彰は俺の前に置かれた椅子にストンッと腰を下ろしながらつぶやいて

一人で笑っている。

「どうしたの桜たん。そんな嬉しそうな顔しっちゃってぇ。」

俺は知らないあいだにニヤケていたようで彰に言われるまで気づかなかった。

「べ、別に嬉しそうな顔なんてしてねぇしっ。」

焦るようにいちごミルクジュースを流し込む。

「あーあ照れちゃってぇ!でもそんなところがまた可愛くてしかたなぁーいっ!」

俺はそれ以上言う気が失せてはぁと溜め息を吐きながら肩を落とした。

俺のほっぺに頬擦りしながら彰も別の意味ではぁぁぁとため息を吐いている。

この時点で俺が彰の恋人ということが同じ空間にいたクラスメイト全員が

察知したであろう。

そう考えるとなんとなぁく気恥ずかしくなってきて残り少ないいちごミルクジュースを

一気に飲み干した。

彰は俺のほっぺにまだ頬擦りしながら

「桜ちゃんほっぺもちもちしてて気持ちいいねぇ。」

なんて呟いている。

嬉しいような嬉しくないような・・・・。

「ほら、あっくん。速く食べないと昼休み終わっちゃうよ。食え食え。」

複雑な気分で食事を急かす。

「桜ちゃん、なんだか俺を誘ってるみたいだね。速く俺を食べないと逃げちゃうよぉってな

感じでさ。・・・・ヤバイ・・・鼻血出そうっ。」

「あっくん!」

周りの目が痛い。

「あはははっ!可愛いっ♡」

案の定彰は昼休みのあいだに昼ごはんを食べきることはできなかったとさ。





「あっくん遅いなぁ・・・。」

俺は靴箱の近くで恋人を待っていた。

大事な話があるとか。

机の中に彰からの手紙が入っていたのだ。

2年生になってから生徒会に入ったらしい。

どうやら先生に推薦されたとか。

本人はかなり面倒くさがっていたが先生に頼まれれば彰もしぶしぶ頷くしかなかったらしい。

それにしても・・・・遅い。

彰は5時には終わると言っていた。

しかし今はもう6時に近い時間。

すれ違ったとかかなぁ?

そんなことも考えたが考えてみれば俺は授業が終わってからはずっとここにいる。

トイレにだって一回も行っていない。

彰の靴箱を見てもまだ上履きは残っている。

「おかっしいなぁ・・・。やっぱり生徒会が長引いてるのかなぁ・・・。」

俺は身につけていた腕時計に本日何度目か分からないが目を落とした。







その頃彰はというと・・・

「桜ちゃんおっそいなぁ。」

誰もいない図書室で最愛なる可愛くて仕方がない桜を待っていた。

道に迷ったとかかなぁ?

それなら俺の千里眼で見つけられるんだけど・・・桜ちゃんに

学校ではあまり超能力を使うなと言われていたためにむやみに探すことが

できない。

さんざん桜の心を覗いているくせに何を今更と誰かにつっこまれてもおかしくない奴が

ここに一名。

なぁんて暇過ぎて内心一人漫才なんてしている。

「なんとなぁく嫌な予感がするようなしないような・・・。」

探しに行こうかと思ったがすれ違っては困るということでずっととどまっている。

「それにしても桜ちゃん大事な話ってなんなんだろぉか。」

俺は図書室に備え付けられている時計に本日何度目か分からないが目を向けた。






「森川くん?」

俺は呼ばれた方向に目をやった。

するとそこには生徒会長の河合玲也かわいれいやがいた。

「生徒会長?」

河合と話したことがない俺は疑問形で彼の役職名を口にした。

「そうそう。俺は生徒会長の河合玲也って言うんだけど。知っててくれた?」

俺はもちろんですと言わんばかりに何度も頷いた。

そりゃあ彰のほうがカッコイイけど

河合もかなりのイケメンだ。

「そう。嬉しいよ。」

さりげなく微笑んだその表情一つまでもがイケメンだ。

河合は彰と同じくらい人気がある人だ。

頭が良く美しく優しい。まさにモテる対象の塊だ。

もちろん、

「生徒会長ってことはあっくん・・・神谷くんと知り合い何ですか?」

ってこと。会社的にいったら上司的な感じかな?

「あっくんって呼んでるのかい?」

河合はクスクス笑いながら訪ねてなくる。

「は、はい。あっくんって呼んでます。すみません・・・つい」

「いいんだよ。面白いね。あの彰がハマるわけが分かる気がする。可愛いしね。」

え・・・今なんて?

いま、河合さんはあっくんのこと彰って言ったよね?

「あのぉ・・・あっくんとはどういう関係なんですか?」

あ、彰とは生徒会の関係だよな。

そう気づいたのは口にだしてみてから。

「あははっ!君は彰が言った通り嫉妬深いんだね。」

笑い方が誰かに似ている。誰だろう・・・。

てかあっくんは俺のこと生徒会長にベラベラ言ってたのか?

恥ずかしくなって下を向くと河合は笑うのを止めた。

「ごめんね。別にからかったわけじゃないから。それでさっきの質問の答えは・・・

僕は彰の兄です。いつも弟がお世話になってます。」

河合は軽く頭を下げた。

「お兄さん?あっくんの??え、でも苗字違いますよ。あっくんは

神谷で生徒会長は河合・・・。」

「僕と彰は兄弟なんだけど、訳あって両親が離婚しちゃってね。

僕は母方の方に。彰は父方の方に引き取られたんだ。たまたま同じ高校に

通ってるんだけどね。誰も僕と彰が兄弟って気づかないんだ。

それがまた面白くってね。誰にも言ってなかったんだ。だからみんなには

内緒だよ?」

「は、はい・・・。」

俺は内心この人なんとなく腹黒だったりするのかなぁなんて考えてたりする。

「そういえばこんな時間にこんなところでどうしたんだい?」

言われてみて思い出す用事。

「あ、そういえばあっくんはもう帰りましたか?」

俺は不安になって河合に聞いてみる。生徒会長の河合なら、わかるかもしれないという

ひそかな希望を片隅に聞いてみる。しかし

「生徒会はちょうど5時には終わったはずだよ?彰っていつも終わったらすぐに

帰っちゃうからねぇ・・・。今日も普通に生徒会室を真っ先に出て行ってたよ。

どうしたの?もしかして彰を待ってたのかい?」

嘘だ・・・もしかしてすっぽかされた?

それとも何か気に障ること言ったかしたか・・・。

俺・・・嫌われた?

「も、森川くん?!どうしたの?」

俺はポタポタと堪えきれずに涙を流していた。

「俺っあっくんに嫌われたのかなぁ?・・・ひっく・・うぅっどうしよぉ河合さんっ・・・ひっくっ

・・・俺あっくんに嫌われちゃったよぉ!!」

俺はついにその場に泣き崩れてしまった。

「森川くん・・・大丈夫だよ!君は何か悪いことをやった覚えはないんだろう?」

「分からない・・・友達を・・・恋人を持ったことなんていちどもなかったから

分からないよぉ!俺、俺ね、ただただあっくんが好きなんです。大好きなんです。

だから分からないんです!」

俺は何かに抱きつきたい衝動にかられて目の前にしゃがんでいた河合さんに抱きついた。

「森川くん・・・・」

どうしよう、どうしよう。

俺はその言葉しか頭に浮かばなくなってずっとずっと彰のことを

彰の顔を思い浮かべていた。

そんなことを頭で繰り返しているとそっと

河合さんが俺の背中に手を回してさすってくれた。

そんな些細な優しさは今の俺には影響が強すぎる。

大事な人ができるとこんな感じなのかなぁ・・・。

一人でいる時よりも二人でいるときの方が俺の人生では少ないから

二人になったとき、暖かくなったときはもうそのときは遅く暖かさを手放せなくなる。

俺の暖かさは彰だ。彰がいないと俺は凍え死んでしまう。

そんんな錯覚に陥った俺に河合さんの暖かさは・・・。

「落ち着くか分からないけど僕の家においで。

温かい飲み物を飲んだら落ち着くかもしれないから。ね?」

河合さんの家に行くことになった。

このあと何があるかも知らずに。いや、知れずに俺は河合さんについていった。







「神谷さん。」

俺は呼ばれた方向に目をやった。

そこには可愛らしい男子がいた。

「誰?」

俺は首を傾げながら尋ねる。

「俺のこと覚えていませんか?」

「悪いけど全然覚えてないや。」

男子は可愛らしい顔を少しだけ横に振った。

「いいんですよ。神谷さんはみんなに取り囲まれててひとりひとり覚えていられる

わけありませんもんね。無理言ってすみませんでした。で、俺は3年生の

安形実あがたみのる。よろしく。」

「えぇ!先輩なのぉ!?1年生かとおもってたぁっ」

ま・じ・でっ!?

驚き桃の木ィ!

「図書委員長なんだ。神谷さんのファンの一人なんですよ。

いつも取り巻きの端っこにいるんです。覚えてもらえなくて当然ですね。」

「あ、あのぉ・・・安形さん?タメでいいですよ。ましてや先輩なんですから。ねぇ?」

「だったら君もさん付けはやめてよ。実でいいよ。実。ね、彰君。」

「え・・・さすがに呼び捨てはどうかと思いますよ・・・。」

「じゃぁさん付けでもしてよね。」

「は、はぁ・・・。」

「それにしても嬉しいなぁ!彰君と話せる日がくるなんて思っても見なかったよ。」

実は大きな目をうるうるさせながら俺の手を見かけに合わずスゴイ力で取って握手してきた。

黙ってたらこの人の調子に乗せられそうだ。

「あの、それで俺に何か用ですか?」

俺はこっそり実の手をはがし取りながらそう言った。

「あ、そうそうもう図書室閉めるから出てくれって先生が言ってたんだよ。」

「え・・・」

桜ちゃんが来ない。まだ桜ちゃんが来ていない。

どうして来ないの桜ちゃん。

話があるんじゃないの?てか俺、桜ちゃんに今すぐにでも

会いたいよ。

どこにいるの?・・・・会いたいよ。

「誰かを待ってたとか?」

「はい。桜ちゃ・・・恋人を待っているんです。

手紙が机の中に入っててここで待ち合わせすることになってたんですけど・・・

いくら待っても来ないんです。」

「そっかぁ・・・外で待つっていう手もあるけどもう寒い時期だから

風邪引いても困るだろうしねぇ・・・。どうするの?ケータイは

持ってないの?その恋人って。」

「それがその子ケータイ持っていなくて・・・親に持たせてもらえない

らしいですよ。すごく残念そうな顔をしていました。

そんな顔も可愛くて。」

「彰君はその子にベタ惚れなんだね。

羨ましいなぁ・・・彰君にそんなに好かれるなんて羨ましくて仕方がない。

恨んじゃいそうだよね。」

実は語尾に気になる単語をつけながら吐き捨てるように言った。

「俺と一緒に帰らない?せめて校門の外まで一緒に行こうよ。」

「でもまだ桜ちゃんが・・・」

「明日にでも謝ればいんじゃないの?その恋人ってそんなにキレ症なわけ?」

いろんな意味でキレ症だよなぁ・・・

「でも・・・」

「考えてもごらんよ。怒るべきなのは彰君じゃないの?

君を誘ったのは誰なの?誘ったのに来なかったのは誰なの?」

「それは・・・」

「ほらっ先生が速く出ろだってさ。行こう行こう。」

「えっ」

強い力で図書室から強引に引っ張り出された。

「ほらほら行こうよ。」






「大丈夫かい?森川くん・・・。」

「はい。すみません。わざわざ・・・・」

河合さんは俺が落ち着くまで待ってくれた。

俺が落ち着いたのを見計らって今は校門近くを歩いている。

「それにしても誘っておいて来ないとはどういうことだ彰は。」

「・・・・・・」

なんとも言えないなぁ・・・。

そう心で呟いた途端頭にいつものあの衝撃が走った。

「あぁっ!」

そう。いつもの先読みだ。

ん?これは・・・俺?風景はまさに今までいたところだ。

だが一つだけ違うのは俺がまた泣いているってこと。

どうしたんだろう・・・俺。

「大丈夫っ?森川くんっ」

河合さんの声によって覚醒した。

「河合さ・・ん?」

「はぁ、どうしたの?どこかケガしてるとかっ?」

「すみません・・・俺貧血おこしたみたいで。心配かけてすみません。」

「僕は全然平気だけど・・・森川くん本当に大丈夫?」

「俺も全然平気ですから。」

「そう。ならいいけど。」

俺と河合さんは再び歩き出した。





「あれは・・・桜ちゃんと・・・!・・・・・・兄貴?!どぉしてあの人が?」

「あの子が恋人なの?」

隣にいた実が尋ねてきた。

「はい・・・。そうですけど」

「俺がガツンと言ってきてあげる。」

「え・・・ちょっ」




「ちょっとそこの彰君の恋人さんっ!話があるんだけどっ」

いきなり声をかけられ驚きながら振り返る。

「な、なんですか?」

「聞いたよぉ!自分からした約束すっぽかしたんだって?」

いきなり声をかけてきた人は俺の前にツカツカと近づいてきて言った。

「え・・・自分からした約束って・・・何ですか?それにあなたは誰ですか?」

「俺は安形実。3年生だ。」

「さ、3年生っ?」

「そううだよ。てかそんなことどうでもいいよっ。

彰君のこと。自分から誘っておいてすっぽかすってどういうことだよっ」

「あ・・・」

安形の後ろに彰がいたのだ。

「桜ちゃん・・・どうして兄貴と・・・?

俺、待ってたんだよ?ずっとずっとずーっと・・・どこにいたの?兄貴なんかと

どこにいたの?」

「どこって・・・言われたところにいたよ?」

「嘘だっ!だっていなかったじゃんこの子。あそこには

俺と彰君しかいなかったんだもん。ねぇ?」

「はい。・・・・桜ちゃん・・・俺のこと嫌いなの?嫌いだから

わざと来なかったの?」

彰は俺に悲しそうな顔をしながら言った。

「今までの言葉そっくりそおままお前に返してやるよっ彰。

お前にはがっかりだ。約束を破るなんて。しかも自分から

誘っておいて来ないなんて。」

河合さんが俺の前にかばうように立った。

「二人共俺のことが嫌いだから手を組んだんだね。

分かったよ桜ちゃん。そんなに俺のことが嫌いなら別れてあげる。

ばいばい。森川君。」

彰はそう言い捨てて走っていった。

安形はそれを追いかけるように彰のあとを追った。




「あっくん・・・・どうして?どうなってるの?」

俺は泣いている。

あぁこういうことだったのか・・・あのとき俺が泣いていたわけは

こういうことだったのか。

なぁんだ。そんなことか。

「そんなことか・・・うぅ・・あっくん・・・そういうことだったんだね・・ひっくっ」

俺はあっくんのことが大好きなのに分かってもらえなかった。

悲しい。悲しい。悔しい。

「森川くん・・・」

あーあまた河合さんに迷惑かけちゃったよぉ・・・。

泣いちゃった。

「僕の恋人にならないか?僕なら君を泣かせたりしないよ?

僕は君の笑顔が好きだ。」

俺は有無もいわず河合さんに抱きついた。








「彰君っ!止まるんだ。」

実が近づいたとき、彰は笑っていた。

「桜ちゃん・・・俺のこと嫌いなんだってさ。あはは」

目が笑っていない。

「彰君・・・」

俺は近くにあったベンチに座り込んだ。

「あ・・・そういえばこのベンチ

桜ちゃんと座ったベンチだ・・・。ここで桜ちゃんに鼻血を拭いてもらったんだっけぇ・・・。

優しいんだよねぇ・・・桜ちゃんって。」

なんでだろう。涙がだんだんこみ上げてきた。やばい。止められない。

「彰君・・・もし良かったら俺と付き合ってくれない?

俺は君を決して泣かせたりしない。俺は君の笑顔が好きなんだ。だから」

俺はやけくそになって実にキスしていた。

実の唇をやっと離すと実はニヤッと笑った。

「こんなんじゃ足りないよ。今度は俺からね。」

実は俺の唇に吸い付いた。

しまいには舌まで入れてきた。

離されたときには呼吸が荒れていた。

「はあ、はぁ・・・意外とテクニシャンなんですね。あはは」

そう言うと実は笑いながら「意外は余計だよ。」と

言って笑った。

もう終わったんだ。桜ちゃんとは終わったんだ。

これからは実だ。実が俺の恋人だ。



                               続く✩







本作品を読んで下さり誠にありがとうございました!

今回の作品はいかがでしたでしょうか?

少しでも面白いと思っていただけたなら幸せです。

次巻も書かせていただきたいと思っていますので

どうかご贔屓をお願いします。

ご感想など待ってます。

では、またお会いしましょう。

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