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12月12日 三無事件発覚 エドヴァルド・ムンク生誕

鳶堕落せり乳白の空見つめつつ 聖人殉教街の路傍に


少年誌立ち読みしをり大学生・サラリーマンの毛深きうなじ


人また人沈黙の中寒々と仏文権威荒々しき袖


立ち枯れの楡腐敗せるその間にも愛紡ぎつつ婿入りの蝿


白雪に叫びたきかな没落の未だ止まざる 死につつある国


ある時は街の良心踏みしめて生きたき心髭剃りし後


説教の最中僧侶は震えけり 染みたる右手経典避けつつ


護謨靴は雪深々と突き刺さり法なき罪に吾は怯えり


聖夜近し街の良心跳ね踊りドラッグストアに黄赤の光


青年の無垢なる右手コンドーム購いし後蒼白のまま


詰襟を隠れ蓑にし喉仏震える如く青年跳ねる


初夏は父母の忌日 御影石苔剥ぐ少女十四なれども


紅葉数葉岩波文庫栞失せ濡れるが如き少年の指


闇乾き菓子皿の上赤赤と喀血の如き桜桃揺れる


死にし父地獄落ちなれば遠からず熱されし鉄ベーコン爆ぜて

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