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12月9日 フリッツ・ハーバー生誕
平和祭軍歌の響き白き手に忠君の二字爛れ落ちたり
狂ほしき青春の日々耐えかねて雪食みながら震えし言葉
聖母像×××たきかな吾が母の湯を沸かしたる手付きの悪徳
怒涛なる冬凍死して人眠る 吾は吾なり君は君なり
青年の無垢なる右手縻爛せり 眼球穿たれ祖国に平和
友人の哄笑耳に幻聴し振り向きし街冷徹に死せり
狂乱はニヒリズムの中冷笑を浮かべし人々没落しつつ
日本国に一億の良心煙りつつ革命の歌未だ唄われず
蒼白の父の死顔 やわやわと凍える頬に唇落とし
揚雲雀貪りて後微笑みし乙女の口に油生き生きと
Y:雪と少年
少年の細き頸筋寒々と雪降り落ちて紅の耳
湯気吐きて雪踏みしめる少年に不釣り合いなる黒の革靴
少年は雪食みて後微笑めり朱に染められし黄昏る空
寒雷に雪誘われて無音なる街眺むれば少年の胸
悪漢に雪人形の崩されし 少年の歪めし口の端遠く