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12月8日 真珠湾奇襲

胎児らの声なき悲鳴 蒼白の枕懐いて若者もがけば


乙女子の柔く白い手蒲公英の茎を手折りて血潮滴る


未だ飽かず赤子背負いて見つめいる少年の瞳革命は来ず


ふつふつと土鍋の汁に煮られいる寒大根の末の我が子ら


他人の死も他人事なれば街の良心 黙して歩く寒雷の中に


子供らの瞳に祖国消え失せり百貨店脇死せる浮浪者


地下鉄に枯枝の如く人の群 明日なき中で死なぬための生


咳薬買い求め歩く札幌に薄雪凍り熱き乙女ら


バス停の老婆達の口もごもごと飽かず貪る街の良心


臓腑熱帯びて縻爛せし時友人の死を聞かされし夜煌々と


言葉涸れ窓眺むればぬらぬらと薄暗き夜所狭しと


テレビの灯落ちぬ時なし詰襟の罵り叫ぶ青春の間にも


寒雷に人の子走れば束の間は夢見るばかり街の良心


とろろ汁作りし母の老いたる手 時同じくして父は死にけり


処女雪を踏み行く男卑小なる微笑みの中渦巻く良心

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