何故たかし君は「チーズケーキ課題」を誤答するに至ったのか
※この物語はフィクションです。
※作中の問題文は主にインターネット上で「チーズケーキ課題」「大人用サリーとアン課題」などと称され、出典不明の思考実験として流通している問題をもとにしたものです。
特定の著作物や学術論文等で定義された正式な心理検査ではありません。
僕は病院の待合室の椅子に座り、気まずい思いで時間が過ぎるのを待っていた。
周りにいるのは大人とお年寄りばかりで、僕みたいな子供は見かけない。 今は平日のお昼過ぎ。 普通なら学校で授業を受けているはずの時間だからだ。
手持ち無沙汰に弄んでいた76と書かれた番号札が掌の中でくしゃくしゃになっていた。
「76番の方、第六診察室へどうぞ」
待合室のスピーカーからアナウンスが流れる。
母さんが僕の手を取って立ち上がった。
「ほら、呼ばれたわよ、たかし。 行きましょ」
母さんに連れられ、「心療内科」と書かれた案内板の先の診察室に入る。
若い女性のカウンセラーの先生が、にこやかに迎えてくれた。
この先生に会うのは二回目だ。 前はいくつかテストを受けさせられたっけ。
「こんにちは、たかし君。
先生はお母さんと少しお話があるから、終わるまで待っていてね」
先生は僕と少し離れて座る母さんに向き直り、声を落として説明を始めた。
「先日受けた知能テストですが、結果に問題はありませんでした。 むしろ小学六年生としては全体的に高い水準です。 ですが……」
声はさらに小さくなり、その先を僕は聞き取れなかった。
しばらくして先生は母さんとの話を終え、僕の方を向いて座りなおした。
「お待たせー、たかし君。 元気にしてたかな?」
いくつか当たり障りのない会話を交わした後、先生は一枚の紙を取り出して、僕の前に置いた。
「今日はね、たかし君にクイズに挑戦してもらおうと思ってるの」
紙にはこう書かれていた。
恵さんの家におじさんが遊びに来ました。
恵さんはお母さんに手伝ってもらって、チーズケーキを作りました。
恵さんは食卓で待つおじさんに言いました。
「おじさんのためにケーキを作っているの」
おじさんは「ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね」と言いました。
ここで質問です。気まずいことを言ったのは誰ですか?
また、なぜ気まずいのでしょうか?
僕が問題文を読み終え、顔を上げると先生は言った。
「これはね、本当は大人向けの問題で難しいかもしれないけれど、
たかし君はお勉強得意だから大丈夫かなと思って。 どう? 分かるかな?」
「ええっと……」
僕が問題文を一読して直感的に思いついた答えはこうだった。
気まずいことを言ったのは誰ですか? → おじさん
なぜ気まずいのでしょうか? → おじさんは恵さんがチーズケーキを作ったのに「チーズはダメ」だと恵さんを傷つけるようなことを言ってしまったから
……あれ? たったこれだけ? おかしいぞ……
先生は「大人向けの問題で難しい」と言った。
けれど、これが答えだなんてあまりにも簡単すぎる。
間違える要素なんてどこにあるんだ? きっと何か見落としがあったに違いない。
問題を整理してもう一度考えてみよう。
まず、登場人物は「恵さん」「お母さん」「おじさん」の三人。
この中で発言をしたのは二人で、各一回のみ。
・恵さんの発言「おじさんのためにケーキを作っているの」
・おじさんの発言「ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね」
なので「気まずいことを言ったのは誰ですか?」の答えはこの二人のどちらかに絞られる…………いや「恵さんとおじさんどちらもが言った」あるいは「気まずいことを言った人はいない」という答えもありえるか。
次に「なぜ気まずいのでしょうか?」という問いの”気まずい”を掘り下げてみる。
この話の中で発生した”気まずさ”でまず思いついたのはこの二つだ。
・おじさんの気まずさ → 恵さんが作ったのがチーズケーキだとは知らずに「チーズはダメ」だと言ってしまった。
・恵さんの気まずさ → おじさんが「チーズはダメ」だとは知らずにチーズケーキを作り、「おじさんのために作った」と言ってしまった。
ケーキ作りを手伝ったお母さんも気まずいだろうが、恵さんと同様の気まずさと考えられるし、発言者ではないのでいったん考慮から外そう。
ここで重要になってくるのが”知らずに”ということだ。
悪意無く”知らずに”した行為が”知って”しまった後に相手を傷つける行為だったと判明して気まずくなってしまう、というのがこの問題の肝なのだろう。
そして、最初に思いついた答えではおじさん側の発言に気を取られて”恵さん側の発言も気まずさの原因になりえる”という視点を見逃していたことにも気付けた。
恵さんの発言「おじさんのためにケーキを作っているの」を聞いたおじさんは「チーズはダメと言ったのは失言だった」という気まずさと共に「それなら無理してでも食べなくちゃいけないかなぁ」という気まずさも発生するだろう。
恵さんも自身の発言を振り返って「苦手なチーズが入ったケーキを『あなたの為に作った』だなんて、まるで嫌がらせみたいなこと言っちゃった」と気まずくなるだろう。
だから「気まずいことを言ったのは誰ですか?」の答えは「恵さんとおじさん」………いや、待てよ、違うぞ……結論を出すのはまだ早い!
僕は問題文を読み直すうちにその中に潜む恐るべき罠に気づいてしまった。
それは「おじさんは未だ気まずくなっていない」ということだ。
問題文にはおじさんが恵さんが作ったのはチーズケーキだと”知って”しまう場面は書かれていない。 それは問題文の後の場面で起こる可能性が高いだけの憶測にすぎない。
例えば、おじさんは「チーズはダメ」だと知った恵さんが「ケーキ作り失敗しちゃった」等と偽って、市販の菓子を出したりすれば、おじさんは自分の発言が失言であったことに気づかずに気まずくはならない。
問題文の中で気まずさが確定したのは恵さんだけだ。 未確定のおじさんの気まずさは考慮すべきではない。 この問題では”恵さんの気まずさ”だけを考慮すべきなんだ!
危うく罠に引っかかるところだった。 なんて手の込んだ問題なのだろう。 これは一筋縄ではいかないぞ……。 僕は冷や汗をかいていた。
それでは、恵さんが気まずくなった原因の発言はどちらなのか?
「ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね」発言が該当して、「気まずいことを言ったのは誰ですか?」の答えは「おじさん」になる…………いや、本当にそうだろうか?
恵さんにとっておじさんのこの発言は、ただ事実を知らされただけに過ぎない。
”知って”しまった恵さんの頭の中では、ほんの少し前に口にした自分の言葉、「おじさんのためにケーキを作っているの」がまるで別の意味を持ってよみがえったはずだ。
善意だったはずの言葉が、相手の事情を知らなかったがゆえに、まるで相手を追い詰める言葉に変わってしまった。 恵さんが気まずくなったのは、間違いなくこの瞬間だ。
そして、その気まずさを生んだ直接の原因は、おじさんの発言ではない。 恵さん自身が口にした、あの一言だ。 そう考えたとき、答えは一つしかなかった。
「気まずいことを言ったのは誰ですか?」の答えは「恵さん」だ!
「先生、分かりました! ええっと…………」
僕は喉まで出かかっていた「答えは『恵さん』です」という言葉を飲み込んだ。 なぜなら問題文が視界に入り、そこに書かれたある単語にふと違和感を覚えたからだ。
「たかし君? どうしたのかな?」
「すいません、ちょっと待ってください。もう少し考えてみたくなって……」
「うん、ゆっくり考えてみてね」
僕は問題文を読み返し考察を再開した。
違和感を覚えた単語とは「おじさん」だった。
家に遊びに来て手料理をふるまわれるほどの仲だ。この「おじさん」は一般的な中年男性、赤の他人を指す言葉ではありえないだろう。
父母の兄の「伯父さん」か父母の弟の「叔父さん」のどちらかのはずだ。
「おじさん」は恵さんのお父さんの兄弟、という可能性は低いだろう。 なぜならこの問題文には”お父さん”は登場していないのだから。 国語の文章問題だったら解くときに書かれていない要素は考慮から外すのが基本だ。
そして「おじさん」はお母さんの兄か弟だとすると一つの疑問にたどり着く。
お母さんは”実の兄弟が「チーズがダメ」なことを知らない”だって?
一緒に育ったであろう兄弟が一般的な食材であるチーズを嫌うのを知らずに生きてきた? そんなことは常識的にありえないだろう!
仮に「おじさん」が可能性が低い方のお父さんの兄弟だとしたって、家に遊びに来るほどの仲の義兄弟だ。 好みを知らないとは考えにくい。 知らなくても手作りの料理をふるまう前に好き嫌いの確認くらいするだろう。
だとすると”お母さんはおじさんがチーズがダメなことを知っていた”のが自然だ。
そして知っていたなら、恵さんに伝えてチーズケーキ作りを止めさせるはずだ。
なんてこった! 僕は問題文に書いてもいない「お母さんと恵さんはおじさんがチーズがダメなことを知らない」という勝手な思い込みを前提に考察していたんだ。
こんなことでは正解にたどり着けるはずがなかった。 一から考察のやり直しだ!
そうなると、「なぜお母さんは”おじさんはチーズがダメ”だと知りながら恵さんがチーズケーキを作るのを手伝ったのか?」を解き明かす必要がある。
この理由として僕は二つの仮説を思いついた。
仮説A:おじさんのチーズ嫌いを克服させる為
仮説B:おじさんに悪意を持っていた為
まず仮説A。 恵さんはおじさんのチーズ嫌いを克服させるためにチーズケーキを作っていたというシナリオだ。
お母さんはケーキ作りを手伝う際に、おじさんのチーズ嫌いを恵さんに伝えているだろう。チーズ嫌い克服の提案者はお母さんなのかも知れない。
この場合、恵さんは「チーズがダメ」だというおじさんの発言を受けても承知の上なので気まずくはならない。
問題文の次の場面で恵さんは「チーズ嫌いでも絶対に美味しく食べられるケーキを作ったから試してよ!」等と言うのだろう。
これを聞いたおじさんは気まずくなるかもしれないが、問題文外で起こる可能性が高いだけの憶測を考慮に入れるべきではない。
よって「気まずいことを言った人はいない」がこの仮説Aの解答となる。
次に仮説B。 おじさんに不快な思いをさせることを目的にチーズケーキを作ったと考える。
この仮説を検証する前に、お母さんは恵さんに情報を共有したのか、つまり恵さんは「おじさんはチーズがダメ」だと知っていたのか否かという場合分けが必要になる。
仮説B-1:恵さんは「おじさんはチーズがダメ」だと知っていた
仮説B-2:恵さんは「おじさんはチーズがダメ」だと知らなかった
仮説B-1は、恵さんとお母さんは結託しておじさんへの嫌がらせを企んだというシナリオだ。
問題文の次の場面で恵さんは「え、そんな! せっかくおじさんのために頑張って作ったのに……」とウソ泣きでもしながら、してやったりとほくそ笑むのだろう。 その内心には気まずさなど存在しない。
この企みにかかったおじさんは大いに気まずくなるだろうが、仮説Aと同様に考えられ、「気まずいことを言った人はいない」がこの仮説B-1での解答となる。
仮説B-2は、お母さんは何も知らない恵さんを利用しておじさんへの嫌がらせを企んだというシナリオだ。
恵さんはB-1と同様に「え、そんな! せっかくおじさんの為に頑張って作ったのに……」と言うだろうが、これは本心からの言葉だ。
この場合恵さんの置かれている状況は前に考察して結論を出したときと一緒なので、「気まずいことを言った人は恵さん」がこの仮説B-2での解答となる。
そして問題文の次の場面では
「姉さん! 俺がチーズ嫌いなことは知ってるだろ!?」
「え!? お母さん、どうして教えてくれなかったの!?」
「あらー そうだったかしら? うっかりしてたわ。
それよりせっかく恵が作ったんだから好き嫌い言わずに食べなさいよ!」
などと会話は続き、気まずさは最高潮に達するのだろう。
以上の仮説をまとめると結論は、
仮説Aまたは仮説B-1であるならば答えは「気まずいことを言った人はいない」
仮説B-2であるなら答えは「気まずいことを言った人は恵さん」
…………いやいや、さすがにこんな場合分けまで含むような歪な答えが正解だとするのは無理があるだろう。
僕がまだ思いつけていない”お母さんはおじさんはチーズがダメだと知りながら恵さんがチーズケーキを作るのを手伝った理由”があるのだろうか? あるとしても他の仮説を否定して答えを一つに絞れるようなシナリオなのだろうか?
考察が行き詰まってきた。
それに「おじさんが困るのを見て内心ほくそ笑む恵さん」だの「純粋な恵さんを利用しておじさんに嫌がらせをしかけるお母さん」だのを想像していたら悪意に当てられて、なんだか気分が悪くなってきた。
「たかしくーん? 黙ってうつむいちゃって、どうしたの? 具合よくないのかな?」
「い、いえ、 大丈夫です…… もう少し、考えさせて下さい」
「そう? 無理はしないでね。 具合悪くなったら言ってね」
そうだ、もう一度問題文を最初からじっくり読み直してみよう。
何処かに突破口があるかもしれない…………
…………!! あ、あああああ!!
それに気づいた瞬間、僕は雷に打たれるような衝撃が走り、思わず声が出そうになった!
”恵さんはお母さんに手伝ってもらって、チーズケーキを作りました”と、過去形でチーズケーキはすでに完成していると書いてある! にもかかわらず、その後の文章で恵さんは「おじさんのためにケーキを作っているの」と、ケーキ作りはまだ進行中であると言っている!
「作りました」と「ケーキを作っているの」
過去形と現在進行形。
「チーズケーキ」と「おじさんのためのケーキ」
材料が特定されたケーキと未特定のケーキ。
こんなにも意図的にケーキの情報が書き分けられている!
そうか! ……そうだったんだ!!
恵さんは「チーズケーキ」と「おじさんのためのケーキ」
二種類のケーキを作っているんだ!!
二種類のケーキの存在を前提に問題文を読み直してみると、これが真相だと確信できるような情景が浮かび上がってきた。
キッチンで「おじさんのためのケーキ」を調理中の恵さんと食卓で待つおじさん。
”作りました”と完成が保証されているチーズケーキはオーブンにも冷蔵庫にも入っていない。 おじさんから視認できる所にあると考えるのが自然だろう。 食卓に並んでいてもおかしくはない。
そして恵さんがまだ調理中な姿を見るおじさんは、チーズケーキが自分のための物ではないことなど承知の上だ。 そもそもおじさんのチーズ嫌いはお母さんと恵さんには周知の事実だ。
この状況では「ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね」という発言から”気まずさ”なんて発生するはずもない。
そして恵さんは言うのだろう。 「おじさんのためのチーズが入っていないケーキがもうすぐ出来上がるから待っててね」と。
なんてこった! またしても僕は問題文に書いてもいない「おじさんは恵さんが作ったのはチーズケーキだとは知らない」という勝手な思い込みを前提に考察していたんだ。
その誤った前提が有りもしない”おじさんにチーズケーキを食べさせようと企むお母さんの悪意”みたいな幻想を作り出していたんだ!
悪意の幻想が晴れて僕の心は清々しい気分になっていった。
そして正解にたどり着けたという確信に胸が高鳴ってきた!
思い返せば問題を一読したときの僕は浅はかにも二つの勝手な思い込みをしていた。
・お母さんと恵さんはおじさんがチーズがダメなことを知らない
・おじさんは恵さんが作ったのはチーズケーキだとは知らない
これらの思い込みを打ち破る根拠は問題文の中に巧妙に隠されていた!
「おじさん」という言葉の持つ意味、そして「二種類のケーキの存在」
これらに気づければ思い込みを打ち破れる!
その先には悪意も気まずさも存在しない世界が広がっていた!
”思い込みに惑わされること無く文章から真相を読み解け”それがこの問題の真意なんだ!
大人向けと言われるだけのことはある。 なんて良くできた問題なのだろうか。
僕は問題の制作者に尊敬の念を抱かずにはいられなかった。
高揚感に包まれ、僕の全身は熱くなってきた。
そうだ、答えは……『気まずいことを言った人はいない』だ!
僕はついに……正解に至ることができた……!!
「たかし君? ずいぶん考えこんじゃってるみたいだけれど、難しかったのかな?」
「いえ、もう大丈夫です! 今……やっと分かりました!!
答えは…………『気まずいことを言った人はいない』です!!!!」
僕はまっすぐに先生の目を見て自信をもって堂々と答えた!
……ところが、予想外にも先生の返答は否定的なものだった。
「ええ? どうしてそう思ったのかな?
先生はね、この問題、気まずいことを言った人は一人いると思うなー」
え…………? そんな、まさか……間違えた!?
さっきまで満ち溢れていた自信は急速にしぼんでいく。
高揚感で上がっていた体温が急激に下がり、血の気が引くような感覚がした。
い、いや、落ち着くんだ。 冷静に考え直そう……
先生の言い方だと、気まずいことを言った人は存在していて一人に限定されるみたいだ。
それならば途中で言いかけた答えの方なのか? あれもそれなりに考察した結果だった。
「あ、あの……それじゃ、答えは『恵さん』……です」
先生はため息混じりに明らかに残念そうな表情で言った。
「あのね、たかし君。 当てずっぽうで答えちゃダメよ。
この問題はね、答えを当てることじゃなくて、どうやって考えたかの理由が大事なの。
分からなかったのなら『分かりません』って言っていいのよ。
それとも『恵さん』って答えた理由はちゃんとあるのかしら?」
先生の口調と表情から「恵さん」という答えも間違っていたであろうことが伺えた。
絶対の自信を持っていた回答があっさりと否定され、次善の回答も誤りだと知った僕は完全に打ちのめされていた。
僕にはもう……答えに至った経緯を説明する気力は残っていなかった。
「え…… あ、あの…… いや、……すいません……分かりません……」
答えに至ったと確信したときの高揚感はもはや完全に消え失せていた。
脳を駆け巡っていた思考は停止し、頭の中に鉛が入っているような感覚がした。
僕は…… 何を……間違えてしまったんだろうか……?
その後先生と何を話したのか、よく覚えていない。
気が付けば先生は母さんの方を向いて座りなおし、何かを話し続けている。
その言葉は僕の頭の中を素通りしていった。
「……ですので、この問題に『おじさん』と正答できないたかし君は他人の気持ちを想像するのが苦手な……
……の特性を持っていると知能は高くても集団になじめずに不登校の原因にも……
……が困りごとにつながることもあるので、これから一緒に様子を見て……」
僕は診察室の椅子に座り、気まずい思いで時間が過ぎるのを待っていた。




