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不思議
桜は青年の手を引いて馬車に一緒に乗った。青年も周りの人も、なぜ桜がこんなに貧しそうな青年を舞踏会に連れて行くのか不思議でたまらなかった。
「私は桜!あなたの名前は?」
「僕の名前は“あおい”です」
「へ〜あおいって言うんだ!いい名前だね!」
「ありがとうございます」
そろそろ舞踏会の会場に着きそうになったとき、馬車の運転手が振り返って言った。
「衣装部屋に行きますか?」
「うん!おねがい!」
あおいは不安そうにキョロキョロしながら座っていた。
「本当に僕なんかがここに来てしまって良かったのでしょうか。」
「え?じゃあ逆になんでダメなの?」
「え、なんでって…そりゃあ舞踏会とか来たことがないし、それにお金をたくさん持っている人が集まる場所ですよね?」
「それは誰が決めたの?私の夢は貧富の差がなくなることなんだ。綺麗事って言われるかもしれないけど本気で願ってる。誰もが教育を受けられる世界であってほしいし小さい子どもが働かなくてもいい世界にしたい。」
桜の言葉にあおいは目を見開いた。この国の偉い人たちは自分たちが幸せならそれでいいと考えている人たちばかりだと思っていた。




