プロローグ
はじめまして
拙い文章ですが一生懸命書いて行きますので生暖かい目で見てください
琵琶湖の湖畔に、戦の風が吹く。1570年、近江の地は織田信長の野望に震えていた。鉄砲の煙と血の匂いが漂う中、浅井長政、朝倉義景、武田信玄、本願寺顕如らが手を組み、「信長包囲網」を築いていた。だが、その網は湖面の波紋のように脆く、戦乱の嵐に揺らめいていた。
九条葵、26歳。父の戦死で家督を継いだ若き女城主は、青い小袖に鎧をまとい、薙刀を握る。彼女の姿は戦場の花のようだが、瞳には領民を守る重圧と、男社会での孤独が宿る。女性ゆえに軽んじられ、心の弱さを湖の底に沈めて生きてきた。「誰かに頼りたい」――そんな思いを、葵は決して口にしない。
一方、遠い未来、2025年の東京。高校2年生の彩花は、SNSに夢中で歴史は赤点ギリギリの17歳。テストをサボるため、友達の美咲と学校の蔵に忍び込み、古い勾玉を見つける。キラリと光った瞬間、彼女は光に飲み込まれ、戦国時代へ飛ばされる。「うっそ、マジでタイムスリップ!? 織田信長とか、ガチやばいんだけど!」
戦場の森で、彩花は葵と出会う。セーラー服とスマホで浮きまくる彩花に、葵は「妖術か?」と薙刀を向けるが、彼女の澄んだ目に警戒を緩める。「そなた、何者だ? だが…そばにいてもよい気がする。」彩花は葵の凛とした姿に、「めっちゃ推せる! 戦国のアイドルじゃん!」と興奮。葵の微笑に、なぜか胸がドキッとする。
戦国の炎と琵琶湖の月光の下、彩花の純粋さと葵の孤独が交錯する。勾玉の光が導く運命は、友情か、それとも時を超えた恋か。信長の影が迫る中、二人の物語が静かに始まる。湖面に映るのは、戦の火花と、二人だけの光――。