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短編

質の悪い虚偽及び脅し

毎週、水曜日に短編作品を投稿しています。

シリーズにまとめてありますので、よろしければ読んでみてください!

仲良しカップルの日常系ラブコメが主ですが、たまに獣人とかも出てきます。

 大抵のことは許せる。


 買っておいたプリンを食われていても、食べた彼が「ごめんね」と笑っていれば許せる。


 まあ、後から同じものを買ってこさせるけど。


 You○ubeの視聴を邪魔された挙句にスマートフォンの電源を落とされても、構ってよと眉を下げる彼を見れば怒りが引っ込む。


 彼は優しいから私を殴ったことは一度も無いが、一度までなら、未来永劫しないと誓えるなら、ギリギリで許せる。


 まあ、二度目は無いが。


 だが、浮気だけは駄目だ。


 一度でもされたら終わりだ。


 絶対に許さない。


 死んでも許せない。


 浮気をするくらいなら心が移った時点で振ってくれと頼んでいた。


 それにも関わらず彼の口から飛び出た言葉は、

「俺、浮気しちゃった」

 だ。


 妙にノリの軽い言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。


 誰と?


 いつ?


 どこで?


 なんで?


 多くの疑問が頭の中で駆け巡る。


 けれど、出た言葉は全く別の物だった。


「浮気だけはしちゃ駄目だよって言ったよね? 一回しか言わなかったから、本気じゃないと思ってたの?」


 彼がフルフルと首を振った。


 そうか。


 それなのにしたということは、そういうことだろう。


「そう、じゃあ、出てくから」


「え?」


「貴方と一緒の空間に居たくないから、出てく」


 財布とスマートフォンの入ったバッグを鷲掴んだ。


 ここに通帳とクレジットカードを入れて、家を出る予定だ。


 そして、多分もう戻らない予定だ。


 まあ、荷物を取りに来ることはあるかもしれないけど。


 でも、もう住まない。


「どこに行くの!? 男友達の家!? 浮気しちゃ嫌だ!」


 男友達は残念ながらいない。


 行くならビジネスホテルだが、空いているだろうか。


「それが浮気者の言葉なの? 大体、浮気して別れるんだから、これ以上は浮気もへったくれも無いでしょ」


 冷たく吐き捨てると彼が手を放してしょぼんと項垂れた。


「別れるの? もっとさ、なんで、とか、何したの、とか、聞いてくれても良くない?」


 どの口がほざくんだ。


 しかも、何でちょっと泣いてるんだ。


 泣き顔にキュンとしてたのは一分前までだぞ。


「浮気したのは事実なんでしょ。なら、これ以上聞いて何になるの? 私の貴方が、私の宝物だった貴方が他の女性のものになったって、何で聞かされなきゃいけないの? どうして心が離れたかなんて、聞いても意味ないでしょ」


 言葉に出すと心臓に跳ね返って来て、彼がもう自分のものではないのだということを実感する。


 もう、話をしたくない。


「そうだけど、だって、あのさ、もう、俺のこと好きじゃない?」


 彼は妙にモジモジ、ソワソワとしていた。


 不安そうで、いつもなら駆け寄って慰めたくなる、私の大切だった彼。


『喪失感が凄いが……まあ、本音を言えば、まだ好きだ。当たり前だ。今さっきで、そんなに簡単に感情が切り替わる訳が無い。でも、駄目だ』


 私は独占欲が強い。


 親と縁を切れとか、友達と遊ぶな、なんてことは言ったりしない。


 束縛は受け入れられる人と受け入れられない人がいるし、限度だってある。


 別に彼を社会的に孤立させたいわけじゃない。


 でも、甘える対象は私だけにしてほしい。


 キスをするのも、好きだよと声をかけて照れさせるのも私だけが良い。


 疲れたと落ち込む彼を抱き締めて甘やかすのも、世話を焼くのも、一緒に朝を迎えるのも、私だけが良い。


 気が狂いそうになるんだ。


 彼が他の女性と浮気したかもと考えるだけで。


 誰が一番かじゃない。


 どっちの方が好きとか、あるいは全員同じくらい好きとか、そういう発想が出てくる時点で過ちだ。


 恋愛対象や恋人関係の人間が複数人いる時点で間違っている。


 付き合っている人間がいるにもかかわらず目移りするって、どういう心境だ?


 少なくとも私は付き合っている人間がいたらその人間にしか恋愛感情と性欲を抱けない上に、嫌だなと思ったらその時点で別れ、そこから次を探すという考え方をしている。


 だから、一ミリも理解できない。


 一つしか抱えられないから、複数持っている人間が解らない。


 浮気をする人間は、同じように浮気をする人間と付き合っていたらいいんじゃないか?


 それならフェアだ。


 やっぱり、その人たちの感覚は私には解らないが。


 精々、裏切り合っていろ。


 私は相手の笑顔も体も独り占めしたい。


 私だって独占されてるんだ。


 独占させてほしいと願ってしまう。


 だから、あんまり人に甘えない彼を選んだ。


 甘え下手だった彼を少しずつ甘やかして過ごして、すっかり懐いてくれた時に喜びを覚えた。


 家に籠るのが好きで、飲みにも遊びにも行かない性格や趣味が好ましかった。


 気性が大人しくて、言葉選びが可愛らしくて、甘える代わりに世話を焼くと「ありがとう」と笑ってくれるところが好きだった。


 大好きだった。


 心の底から。


『なんで、こんなに好きなとこばっかり出てくるんだ。でも、やっぱり駄目だ。他の女とシェアなんてしたくない。私のものだ。私のものでいて欲しかったんだ』


 気が付けば泣いていた。


 しまった。


 ムカつくから泣き顔は見せないつもりだったのに。


 彼が慌てて私の目元にティッシュペーパーを押し当ててくる。


「触らないで。浮気者は嫌いだから」


 零れる鼻声が惨めで汚い。


 もう、できることなら話をしたくない。


 あっちへ行ってくれ。


 私はペシンと彼の手を叩き落した。


「え、あ、ごめ、でも、違うから」


「何が? 浮気者でしょう?」


「いや、あの、浮気してない。ごめん、泣くと思ってなくて。あの、嘘ついた……」


 しょぼんと告白する彼に、怒りというよりは呆れと驚愕で、

「はぁ!?」

 と、大きな声が飛び出した。


 これに対して彼は俯き、再度「ごめん」と謝ってモジモジしている。


 本当だろうな?


 せめて、本当に嘘なんだろうな?


 ごめんで済んだら警察はいらないからな?


 私は彼に向って手を差し出した。


「スマホ、出して」


「えっ、あっ、はい」


 ズシリと重量のあるスマートフォンが私の手のひらの上に乗せられる。


 なんかスマホケース、ぼろくなってきてるな。


 本体を購入したのも二年以上前だし、そろそろ新しいのを購入する時期か。


 本当に浮気が嘘なら、今度、一緒にスマートフォンを買いに行こう。


 希望をチラつかせておいて、本当に浮気だったら絶対に許さない。


 このままスマホをかち割る。


 安心していいよ。


 ゲームデータは死ぬけど、新しいスマートフォンを買って弁償してあげるから。


 最新式のアイフォンでもいいんだよ?


 代わりに、特に大切にしていたパ○ドラのデータを殺すね。


 水攻めか、火あぶりか、電流か。


 スマートフォンの処刑方法を考えていた私に、

「パスワードは○月×日を数字に置き換えたやつだよ」

 と、彼があっさりパスワードを教えてくれた。


「何の日付? 私のでも、貴方の誕生日でもないよね」


「初デート記念日だよ」


 えへへ、と笑う彼に今だけはイラつきを覚える。


「あっそ」


 冷めた言葉に彼が冷たい! と嘆いた。


 そうだよ。


 私は浮気者には冷たいんだよ。


 こういうのは、調査している間は意外と冷静だ。


 スイスイと画面をスワイプしてL○NEのメッセージやメール、SMS、SNS、着信履歴を確認していく。


 確かにめぼしい物は無い。


 得た情報は最近、彼がダイエットを試みて運動しているらしい、ということだけだった。


 つい、腹に目をやる。


『まだ太ってないよな。ちょっとだけプニッたお腹が可愛いし、ダイエットしない方がよくない? 私、肉付きいい方が好きだよ』


 モッチリなお尻が小さくなるのも嫌だ。


 今くらいが可愛いのに。


 脱線しかけたが、引き続き調査をしよう。


 今度は写真フォルダを漁る。


 隣で、急に彼がソワソワし出したが、知ったことではない。


 むしろ、この反応、何かあるのではなかろうか。


 念入りにチェックしよう。


 人差し指で押した写真は何らかのメモをスクリーンショットした物だった。


 見知らぬ女性の写真と名前、体重、性別、それに性格などが、ごく簡単に書かれている。


「何これ?」


「あの、浮気相手の設定。真実味を持たせたくて、三日かけて考えたやつ。あ、その画像はフリー素材だよ」


 ほら、とスマートフォンを使って「女性 綺麗 画像」で検索をかける。


 確かに全く同一の写真が出てきた。


 というか最近、熱心にスマートフォンを弄っていると思ったら、こんな物を作っていたのか。


 三日間もドブに捨てて……


「この、やたらと詳細なスケベ設定は何?」


「されたいなあって」


「フェ○に興味がおありなんですね」


「さ、されたいなぁって」


 チラッチラッと唇を見つめる。


 かわいいが、今じゃない。


 私は怒ってるんだぞ。


 おねだりされても知らん!


『この感じだと、本当に浮気はしてなさそうだな。まあ冷静に考えてみれば、ここ最近も変わらず家にいたし、いつもと違うことと言えば、それこそ熱心にスマートフォンを弄っていたことくらいか。証拠隠滅が完璧なら自分から白状する理由もないしな。しかし、何を思って、こんな質の悪い悪戯を……』


 とはいえ、ワンナイトラブの可能性もあるし、気が付かない間に浮気をされていたという話もよく聞く。


 あっさり信じるのも良くないだろう。


 念には念を入れて、もう少し調査を進めよう。


 スマートフォンと同様にPCも確認し、財布と鞄、名刺入れ、それに洗濯前の衣服類をあるだけ持ってこさせた。


 丁寧に中身を確認したが、私と彼以外の人間を思わせる髪やコン○ーム、怪しい名刺など、それ系のものは特に無い。


 服も嗅いだが、汗臭い彼の良い匂いがした。


 多分、大丈夫だろう。


『ああ、もう、鞄にゴミを溜めるんじゃない。広げて確認するのが面倒なんだってば! お財布は……レシートがいっぱいだな。あれ? ダイエットしてるのにアイス食べたのか。ダイエット非推奨派だし別にいいけど、なんか可愛いな。今度、一緒に食べに行くか。ただ、やっぱりレシート溜め過ぎじゃない? コレ、全部確認するの面倒くさいよ!』


 札入れに溜めこまれているレシートに苦笑いが浮かぶ。


 クシャクシャになった紙束のせいで、財布のチェックにかなり時間がかかってしまった。


 食べ物系が多いし、捨てても問題ないだろうか。


「この辺、捨てちゃってもいいの?」


「お昼のレシートばっかだから大丈夫だけど、会社の備品を買ったヤツがもしかしたら紛れてるかもしれないから、後で念のために確認する」


 なかったけどな。


 インドカレーのレシートとサバ定食のレシートばっかりだったけどな。


 ブームなんだね。


 サバの味噌煮なら作れるし、今度作ってあげようかな。


 まあ、ともかく、自分で調べないと納得いかないのだろう。


 私はレシートの群れを財布に返した。


「まあ、問題ないだろうけど、一応、身体をチェックするから服脱いで」


「え? ここで? 電気消さない?」


 キスマーク等を調べるために服を脱がせるんだぞ。


 電気を消してどうする。


 照れてモジモジする彼に首を振る。


 彼が恥ずかしそうに部屋着を脱ぎ始めて下着一枚になった。


『なんてもったいぶり方! 真っ赤な顔に恥じらいモジモジがエッチすぎるな……って、魅入ってる場合じゃなかった! 跡は……特に無いな。白いお肌と体格の良い体つきが大変スケベ!!』


 ここまで調べた私だが、正直スマートフォンからしょうもない設定が出てきた時点で、あまり疑ってはいなかった。


 ただ、改めて確認するとやっぱり安心する。


 そして、安心した後に眺める彼の身体は格別だ。


 調査するという大義名分を振りかざし、脇やひざの裏、太ももの内側、足の裏なんかも確認していく。


 へへ……


 愛らしい、愛らしい。


 床に這いつくばって下から眺めると、彼が目を丸くした。


「ね、ねえ、そんなに疑わなくても良くない? 確かに俺が発端だけど、わぁ! ス、スケベ!」


 みょいんと布を引っ張って下着の中を確認すると、彼が顔を真っ赤にした。


「あれ? お尻に六個もキスマークがあるみたいだけど、誰とイイことしたの?」


「昨日、君が付けたやつでしょ! ねえ、何か遊んでない?」


 バレたか。


 それにしても、結構つけたなぁ。


 つききらなかった分を考えると、十個以上になるのか?


 お尻が好きすぎて止まれない時がある。


 というか、止まれない時しかない。


 かわいいなぁ。


 そっと一揉みしてから下着の中に仕舞った。


「で、浮気してないのは分かったけど、そもそも、なんでこんな嘘をついたの? 私、浮気は大っ嫌いなんだけど? ちょっと冗談にしては悪質過ぎるよね?」


 本当に愛しい彼だけれど、流石に私だって怒っている。


 ジトッと睨むと、彼が目を逸らした。


「だって、寂しかったから」


 どうやら、少し前まで忙しくしていて、口数が減ったり、すぐに眠ったり、世話焼きが雑になったりと冷めた態度をとる私に憤りを感じたらしい。


 ここ最近では再び構うようになったが、それでも寂しかったと。


 そこで、意地悪をするついでに反省を促そうとしたそうだ。


 私が浮気を嫌悪しているからこそクオリティの高い嘘を吐き、私が信じて落ち込んだタイミングで種明かしをしようとしたのだという。


 鬼畜だ。


 いくら何でも、少々、酷すぎやしないだろうか。


 浮気されるよりはましだ。


 浮気されるよりはましだけど!!


「何? 私が縋る様を見て悦に浸ろうとしたの?」


 ジロリと睨めば、目線を下げる。


「あ、いや、そんな悪い事はちょっとしか……あの、本当に浮気しちゃうかもって脅そうかと」


 余計に質が悪い。


 悲しいことに、一番効く脅しだ。


 頬を抓ってもいいだろうか。


 流石に許しがたい。


「怒ってる?」


「怒ってないように見える?」


 彼がしゅんと項垂れた。


 赤外線でサツマイモを焼くが如く何年もかけてジックリと甘やかしてきた、かわいい彼。


 命よりも大切な宝物。


 浮気されたかと思うと本当に怖かった。


 怖かったんだ。


 私は人間が嫌いで、選り好みが激しくて、好きな人が極端にできにくいから。


 だから彼みたいな、おっとり控えめでかわいらしい人間に巡り合えたのも、恋人になれたのも奇跡なのに、浮気者だけは愛せないから。


 浮気されて彼を振ったとて、痛手を負うのは、失うのは私なんだ。


 最愛を失いたくない。


 抱き締めていたい。


 もしもの恐怖が安心と一緒にせり上がって心臓に絡んで、モフッと彼を抱き締めた。


「あのさ、私も、構えなかったの悪かったよ。寂しがり屋なの分かってたのに、冷たくしてごめん。でも、本当に浮気系だけはやめて。気が狂いそうになったんだ。浮気だけは嫌だよ。これからは忙しくても、構ってってされたらできるだけ構うからさ」


 出てきた言葉と自然と下がる眉に苦笑した。


 恋愛は惚れた方が負けるのだが、それにしても限度がある。


 ここまで惨敗してどうするんだ?


 甘やかしすぎだぞ。


 だから、彼がこんなにかわいい我儘ちゃんに育ったんだろう?


 ムカつくなぁ。


 自分に。


 でも、割と心地の良い諦めも感じてる。


「うん。俺も、ごめん。つい甘え過ぎた。疲れてる時くらい気遣うべきだったよ。浮気の嘘も、結構軽い気持ちだったんだ。嘘だし平気かなって。でも、予想以上に傷つけた。本当にごめん。もうしない……あ、でも」


「でも?」


 落ち込みがちな彼に聞き返す声が優しくなった。


 我ながら、本当に甘い。


「やっぱり構ってって言う前に構われたい。構ってって言うの、なんか嫌だ。女の子みたいだし。あと、冷たいのも嫌だ」


「わ、我儘! 流石に無理だよ。疲れてるときは視野が狭くなるし、冷たくしたというか疲れて言葉がぶっきらぼうになったというか。いや、まあ、それは気を付けるけど。本当に申し訳なかったんだけど」


 慌てる私に、彼は少し不満そうだが嬉しそうだ。


 やっぱり、常日頃から気力を溜めておいて甘やかせるようにしていないといけないんだろうか。


 面倒だけどキュンとするな。


 彼に手間暇かけるのは何だかんだ言って好きだ。


 サボっちゃ駄目だったよな。


 できるだけ頑張るよ。


 毎日フルでは甘やかせなくても、せめて良くない態度はとらないようにするとかさ。


 考えてみたら、彼だって不機嫌に当たってくることは滅多にないし。


 疲れてる時に引っ付いてきてたの、構って欲しかったのもあったのかもしれないけど、今思えば私を和ませようとしてたのもあると思うんだ。


 アイスとか、買ってきてくれたし。


 やっぱり、私の彼は甘えん坊だけど素敵な人だな。


 買ってきてもらったアイスは後で食べるねって言って、冷凍庫の底に仕舞われたままだ。


 よくなかったよな。


 ありがとう、美味しいよって、その場で食べて、彼の頭を撫でたら良かったんだ。


 本当に、私は私で反省しよう。


 あんまり傷つけたくない。


 笑顔を守って大切にしたい。


 ところで、彼が愛しいことや自分で反省すべき事柄があるのとは別に、やっぱりイライラするのとムラムラするのは治まらない。


 何というか、仮に誰かに触れられてたらと思うだけで、上書きするように触れたくなるんだよね。


 いや、誰も触れてないんだよ。


 分かってるんだけど、ムラムラする。


 あと、やっぱり怒ってはいるというか。


 流石に逆鱗に触れたというか。


 浮気系はアウトが過ぎるというか……


 ごめん、こればっかりは理屈の範疇じゃない!


『噛みたい。全身軽~く噛みつくしたい。大丈夫。痛くさせるのは嫌いだから、唇で食むだけに留めるし、傷つけないから! だから、お願い! 噛ませて!!』


 今度、彼の趣味に付き合ってあげよう。


 だから、少なくとも今夜は私の趣味に付き合ってほしいな。


 腕の中にある、おいしそうな肌にニコッと笑った。

流石に可愛くない嘘ですね~

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