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5腐活目.類は友を呼ぶというけれど…

(本当にこれどういう状況なわけ?!)


アンジェリカは目の前で土下座しながら求婚の言葉を大声で叫ぶ男性を見てあんぐりした表情でそんな事を考えていた。


(ついさっきまでレベッカの洋服でも買ってあげようと思って洋服見ててレベッカに似合うものを何着か買って沢山歩いたからハスパラに行ってお茶でも飲んで休憩しがてらハスパラのBLカップルを拝もうとしてたのに)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


(この男がどこからともなく現れて急に土下座して求婚してくるというカオスな状態どゆこと?!)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


(急に土下座とかしてくれる時点で怪しいというより頭いっちゃってるよこの男。頭いっちゃってるだけじゃなくて命知らずわけ?!)


アンジェリカは男を見て頭を抱えながらそんな事を考えていた。


(よりによってレベッカに求婚アピするなんて)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


そう…

この急に現れた土下座男はアンジェリカではなくレベッカに求婚していたのだった。


「レベッカ。一つ確認したいのだけどこの男性は知り合いなの?」


アンジェリカが何とも言えない表情でレベッカに小声で言った。


「いえ、知りません」


レベッカは男を睨みつけながら殺気混じりに言った。


(うん。でしょうね。知り合いだったらレベッカがこんなに殺意をむき出しにする訳ないもんね)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「アンジェリカお嬢様。この男どうしましょうか?」


レベッカが今にも男を噛みちぎってしまいそう表情で言った。


「う〜ん」


アンジェリカは困った表情で言った。


そして…


「あの、求婚する相手を間違えてはいませんか?」


アンジェリカが土下座をしたままの男へ言った。


(私はもちろんだけどレベッカも知らないならこの人怪しい人じゃない限り相手を間違ってるとしか思えないもんね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「いえ!間違っていません。俺は彼女に求婚していますから」


男は急にガバッと顔をあげて自信満々にGOODポーズをきめて言った。


(何この人?!)


アンジェリカは自信満々でポーズまでとる男を見てぎょっとした表情で言った。


「ですが私達はお会いした事はありませんよね?なのに彼女に求婚を?」


アンジェリカは呆れた表情で言った。


「は、はい。きょ、今日初めてこの場で会いました。会ったというよりは見たという方が正しいです」


男は自信満々に言った。


「見ただけでレベッカに求婚をしているということですか?!」


アンジェリカは驚き言った。


「はい。一目惚れですので。それよりも彼女の名前はレベッカというのですね」


男はまたもやGOODポーズをして言った。


(この男ある意味強者すぎない?さっきからあのGOODポーズ何なの?!何か既視感感じるわ。それにこの男どっかで見たことある様な気がするんだよね。あと微妙に言葉にしどろもどろしてる部分があるのが気になるね。)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「レベッカ、、レベッカ。あのレベッカ?いや、いやいや」


男が何やらぶつぶつと呟いていた。


(また何をぶつぶつとつぶやいてんだか)


アンジェリカは男を見てそんな事を考えていた。


「アンジェリカお嬢様、この男怪しすぎませんか?」


レベッカは殺気よりも引き気味な表情で小声で言った。


(そうだよね。普通はそう思うよね。うん。普通に考えて一目惚れだから結婚してなんてホストが女を落とすために使いそうな言葉だしね。でもレベッカがドン引きしてるお陰で殺気は消えたみたいで良かった)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「怪しいというよりはおかしいと言った方が合ってる気がするわ」


アンジェリカは苦笑いを浮かべて小声で言った。


「確かに。ですが私に求婚するなど何か企んでるのではないでしょうか。それ以外考えられません」


レベッカが目を細めて小声で言った。


「そうかな?それはなさそうな気がするけど」


アンジェリカは男を見て小声で言った。


(企んではなさそうな気がするんだよね。それよりどこかで見たことある気がするのは何でだろう)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「一先ずここは人目がありますし場所を移動して話の続きをしてもよろしいですか?」


アンジェリカが周りを見ながら言った。


(急に土下座してきた時は驚いて気づかなかったけどここ普通に人が通るからさっきから色んな人が何事?!って目で見てるんだよね。相手は土下座してるからよからぬ噂が立つ前に場所を移動しなきゃね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「分かりました」


男は笑顔で頷きながら言った。


(笑ってる場合かよ!自分のせいで周りがザワザワしてるのに気づけよ)


アンジェリカは呆れた表情でそんな事を考えていた。


「レベッカ、場所を移すわ」


アンジェリカが言った。


「承知しました」


レベッカが頷きながら言った。


「レベッカって名前なんですね。素敵な名前ですね」


男は笑顔でレベッカへ言った。


「黙っててもらえますか?」


レベッカは男を虫けらを見る様な目で言った。


「はい」


男は何故か目を輝かせて嬉しそうに言った。


(何であんな目で見られて嬉しそうにしてるわけ?本当にこの男いっちゃってるわ)


アンジェリカは男の表情を見てぎょっとした表情でそんな事を考えていた。


レベッカも男の表情にぎょっとして引いていた。


そして、アンジェリカ達は場所を移動して人気の少ない路地へ入った。


(ここなら人気がないし大丈夫かな)


アンジェリカが周りを見てそんな事を考えていた。


(この男のせいでハスパラに行く時間がなくなっちゃうじゃんか)


アンジェリカは残念そうにそんな事を考えていた。


(さっさと話終わらせなきゃね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


その時だった…


(あっ!)


アンジェリカは突然ハッとなりそんな事を考えていた。


(思い出した)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


「あぁ、どこかで見たことあると思ったら極悪性悪女のアンジェリカだ」


その時、男が突然何かを思い出した様に言った。


「ということはレベッカはあのレベッカだってことだよな?」


男はニヤつきながらぼそぼそと呟いた。


ドガッ!


男のその言葉を聞いた瞬間レベッカが瞬時に男の身体を羽交い締めにして地面に叩きつけた。


「レベッカ」


アンジェリカは突然の事に驚き焦り言った。


「お前今何と言った?アンジェリカお嬢様が極悪性悪女だと?」


レベッカは今にも男を殺してしまいそうは殺気をむき出しにして言った。


「うぐぅぅ」


男は苦しそうな声を漏らした。


「レベッカ!私は大丈夫だから離してあげて」


アンジェリカが慌てて言った。


(このままじゃ本当に殺しかねないオーラ出てるんじゃん)


アンジェリカはレベッカを見て慌ててそんな事を考えていた。


「ですがこの男はアンジェリカお嬢様を侮辱したのですよ?!」


レベッカが更に強く男を押し付けながら怒りに満ちた表情で言った。


(この世で誰よりも優しいお嬢様に向かってこいつは)


レベッカは手に力を込めながら怒りに満ちた表情でそんな事を考えていた。


「私は本当に大丈夫だから。ね?お願いよ」


アンジェリカが優しい表情で言った。


そんなアンジェリカを見てレベッカはぐっと表情を歪めながらゆっくり男から手を離した。


「ゴホッ、ゴホッ」


男はレベッカが離れると咳き込んだ。


「大丈夫ですか?」


アンジェリカが慌てて男へ言った。


「ゴホッ。だ、大丈夫です」


男は起き上がりながら言った。


「レベッカが大変失礼しました」


アンジェリカは男へ頭を下げて謝った。


「大丈夫ですから。俺も余計な事を言ってしまったみたいなので」


男は苦笑いを浮かべて言った。


(まぁ確かにレベッカの前では余計な発言だったね。でもまぁ貴族達の中ではアンジェリカはそー呼ばれてるしね。この男がそう言うのも無理はないかもね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「だけどおかしいな。確かに極悪性悪女だったはずだけど」


男はぼそぼそと呟いた。


(ん?何?今何か言った?まぁ今はそれより確認しときたいことがあるわ)


アンジェリカは男が何か呟いたのを見て??という表情を浮かべるもすぐにハッとなりそんな事を考えていた。


「あの、失礼ですがジード伯爵家の末のご令息のジェイド様ですか?」


アンジェリカが男へ言った。


(どこかで見たことあると思ったけど"うれかじ18"の原作で見たことあったんだ。この顔は間違いなくジェイドだ。ルエービ学園のシーンで何度も見たからね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「はい。会ったことないのによく俺がジェイドだとわかりましたね」


男が言った。


(そりぁ原作を読んでるからね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


彼こそ"うれかじ18"に出てくる登場人物の1人でもあるジード伯爵家の三男であるジェイド・ジードであった。


(ジェイドはロビンに密かに想いを寄せる人物だった。伯爵家の三男で上の兄たちに比べあまり出来が良くなくいつも兄たちと比べられ劣等感に押しつぶされそうだった時にロビンの存在に励まされてロビンと過ごすうちにロビンに惹かていくんだったよね。結局最後まで自分の気持ちを伝えられはいままロビンはフィルナンデスと駆け落ちしたんだよね)


アンジェリカは原作を思い浮かべつつそんな事を考えていた。


(だけど何でロビンに想いを寄せてるジェイドがレベッカに一目惚れして求婚してるわけ?!)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


「4年前に宮殿でお見かけした事がありましたので」


アンジェリカは笑みを浮かべて誤魔化す様に言った。


(4年前に宮殿に招待された時に伯爵家であるジェイドも招待されてたはずだからこれで誤魔化せるよね。本当は前世で漫画読んでたんで知ってるんです〜なんて言えるわけないもんね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「そうだったんですか」


ジェイドは何故か微妙な表情で言った。


「そうなのか」


ジェイドはボソッと呟いた。


「何か言いましたか?」


アンジェリカが言った。


「い、いえ」


ジェイドは笑って誤魔化す様に言った。


「ジェイド様?とお呼びしても?」


アンジェリカが言った。


「構いません」


ジェイドは頷きながら言った。


「ありがとうございます」


アンジェリカが言った。


「では、ジェイド様は先程私達と会うのは初めてだと仰っていましたが何故先程私がアンジェリカだと?」


アンジェリカはふと気になり言った。


(顔も見たことないのに私がアンジェリカだってわかるもの?)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「あぁ、えっと俺も4年前に宮殿で見かけたのをさっき思い出したんですよ」


ジェイドは笑いながら言った。


「確かご両親が令嬢を大切にしているで有名だと話を聞いていてどれほど大切にされているのだろうと思い宮殿で気になり見たのをすっかり忘れていました」


ジェイドは更に続けて笑いながら言った。


「そうだったのですね」


アンジェリカが言った。


(あの場にジェイドがいたなら私の事を見ててもおかしくないもんね。これ以上は余計な事言わない方がいいかな。本当は原作でしか見たことないのがバレたらまずいしね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「とろこでジェイド様は先程レベッカへ求婚なさいましたがあれは結局何だったのでしょうか」


アンジェリカは話題をさりげなく変えて言った。


(ジェイドはロビンに想いを寄せている訳だしレベッカに求婚する意味が分からない。もしかしてレベッカの言う様に何か企んでるとか?)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「何だったのもなにも本気でレベッカさんに求婚しているのです。一目見た瞬間にビビビっと運命感じました。ですのであの場で求婚したのです」


ジェイドは目を輝かせて胸を張りながら言った。


(さっきレベッカに羽交い締めにされたの忘れたのかしら?あんな事されも本気だって言い切るって事はらっぱり本気なの?!じゃぁロビンへの想いは?)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「俺にはレベッカさん以外に将来を共にする女性はいないと思ってます。これは断言できます。ですのでどうか俺と結婚してください」


ジェイドは自信満々に言うとレベッカへ手を差し出した。


「お断りします」


レベッカは引き気味にはっきり言った。


(さっきアンジェリカお嬢様の事を侮辱したくせになんて奴なの)


レベッカはそんな事を考えていた。


(まぁそうなるよね)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「分かりました」


ジェイドはしょんぼりしながら言った。


(諦め早っ)


アンジェリカは内心思わずツッコミを入れた。


「では、承諾してもらえるまで求婚し続けますね。その間に俺がレベッカさんに相応しい男かどうかを見極めて下さい。必ず相応しいと思ってもらえると思うので」


ジェイドはニカッと笑ってGOODポーズをしながら言った。


(ズコー。ポジティブすぎて草。分かりましたの意味ー。ていうかジェイドってレベッカが怖くないのかな?よくよく考えたらあんだけ殺気が漂ってたのにとくに怯んだりしてなかったよね。まぁあれだけポジティブニキだったら殺気すらもスルーするかもね。何かジェイドみてたら前世を思い出すんだけど)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「私はあなたみたいな人は、、」


レベッカはイラッとした様子で言いかけたその時…


バッ…!


レベッカが急に後ろを向いて警戒する様に振り向いた先を睨みつけた。


「レベッカ?どうかしたの?」


アンジェリカがレベッカの行動に驚き言った。


「何かあるのですか?」


ジェイドが不思議そうに言った。


「アンジェリカお嬢様逃げて下さい!急いで!」


レベッカがアンジェリカの方を向いて表情を歪めながら言った。


「え?」


アンジェリカは意味が分からず驚き言った。


そして次の瞬間…


「え?何?誰?」


アンジェリカは後ろに気配を感じて慌てて振り返るとそこに鼻から下を隠した見知らぬ男が数人立っていたのを見て状況が掴めず驚き言った。


その様子を見たレベッカが表情を更に歪めた。


(くそっ)


レベッカは現状を見て表情を歪めながらそんな事を考えていた。


(えっとこれはどーゆー状況?この人達何者?顔隠してるし明らかにヤバい人らだってことはわかるけど)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「えっとどちら様?」


ジェイドが近くにいた顔隠した男へ苦笑いを浮かべながら言った。


(この状況で普通にそれ聞いちゃうところ草すぎ)


アンジェリカはジェイドを見てそんな事を考えていた。


(まぁレベッカの殺気すらもスルーするくらいだから怪しすぎる人にそんな風に聞くのも何ともないってか)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


ジェイドに問われた男はジェイドの言葉に答えることなく黙っていた。


「レベッカ、この人達は知り合いかなにかなの?」


アンジェリカは周りを見渡しながらレベッカへ言った。


「それは」


レベッカが戸惑いながら言った。


(レベッカの知り合いで間違いなさそうだね)


アンジェリカはレベッカの表情を見てそんな事を考えていた。


(こいつらの事を知ってるとアンジェリカお嬢様に知られるのが怖い)


レベッカはそんな事を考えていた。


その時…


「おいおい。俺達は知り合いよりももっと深い仲だろう?」


薄暗い場所から体格のいい男がニヤリと不気味な笑みを浮かべながらアンジェリカ達の方へ歩き向かいながら言った。


「なぁレベッカ?」


男はレベッカの目の前で来ると更にニヤリと不気味な笑みを浮かべてレベッカに向かって言った。


レベッカはその男を前にして一気に苦渋の表情を浮かべた。


(あいつは誰?体格と偉そうな態度からしてこの覆面男たちのボスなのは間違いなさそうだけど。レベッカを知ってるって事はレベッカが殺し屋をしてた時の仲間ってとこかな。それもレベッカを裏切った奴ら)


アンジェリカはボスらしき男を見て目を細めながらそんな事を考えていた。


「用があるのは私にでしょ?そこの2人は関係ないわ」


レベッカは男を前にしても怯むことなく男を睨みつけて言った。


(こんな事になるなんて。アンジェリカお嬢様を巻き込んでしまうなんて)


レベッカはグッと唇を噛み締めて悔しそうにそんな事を考えていた。


「まぁ用があるのはレベッカお前だがそこの2人を帰すわけには行かないなら一緒に連れて行かせてもらう。特に女の方は上玉だから何かと使い道がありそうだからな。ちょうどあの女みたい女を求めてる奴がいるしな」


ボスの男はニヤリと不気味な笑みを浮かべて言った。


「ふざけるな!」


レベッカはボスの男をキッと睨みつけた怒りをあらわにして言った。


(これ以上アンジェリカお嬢様を巻き込む訳にはいかない。こいつらは血も涙もない奴らだからこのまま連れて行かれたらアンジェリカお嬢様が危険に晒されるのは間違いない)


レベッカは苦渋の表情でそんな事を考えていた。


「おいおい。レベッカよお今どんな状況なのか理解してないのか?俺にそんな態度をとっていいのか?」


ボスの男は冷たい表情でレベッカを見下ろす様に言った。


(まぁまぁヤバい状況だよね。ここは一先ずあのボス男の言う事に従った方が良さそうだね)


アンジェリカは状況を伺いつつそんな事を考えていた。


「レベッカ。今は彼らの言うことに従いましょう」


アンジェリカは真剣な表情でレベッカへ言った。


「しかし」


レベッカは戸惑い言った。


(こいつらは殺し屋なのです。このままこいつらについていけばアンジェリカお嬢様が殺されてしまうかもしれないのです。そんな状況に陥らせる事などできません)


レベッカは苦渋の表情でそんな事を考えていた。


「そちらの高貴なお嬢さんの方がよほど空気が読めて利口じゃないか」


ボスの男はニヤリと笑みを浮かべて言った。


「よし。ついてこい」


ボスの男が言うと覆面男たちがアンジェリカ達の腕を掴み押すように歩けと促進された。


(どこに連れて行かれるかわかんないけど人目がない場所なのは間違いないよね。どうにかして誰かにこの事を知らせないとだけどどうやって知らせればいいのよ)


アンジェリカは歩きながらそんな事を考えていた。


(それにジェイドまで巻き込んじゃったな。ジェイドずっと黙ったままだけど大丈夫かな)


アンジェリカは横並びに歩くジェイドを見て困った表情でそんな事を考えていた。


そして、アンジェリカ達はボス男達に連れられる事20分全く周りに人気を感じない場所へ到着した。


到着した場所は文字通りボロ空き家だった。


(いかにも悪党達が身を寄せる場所って感じだね)


アンジェリカはボロ空き家を見て苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「さぁ入れ」


ボスの男がぶっきらぼうに言った。


するとアンジェリカ達の腕を掴んでた覆面男たちはアンジェリカとジェイドの身体を押すように中へ入れた。


(痛っ。もーもうちょっと優しくできないかなぁまったく)


アンジェリカはイラッとしつつそんな事を考えていた。


「アンジェリカお嬢様」


レベッカが慌てて言った。


「大丈夫よ」


アンジェリカは優しく微笑み言った。


(アンジェリカお嬢様)


レベッカは胸を痛めながらそんな事を考えていた。


「腕を縛り上げろ」


空き家へ入るなりボスの男が覆面男たちに言った。


「「御意」」


覆面男たちが頷きながら言った。


そして、覆面男たちはアンジェリカ達の手首を縄で固く縛り上げた。


(う〜ん。これだけ固く縛られたら解けそうにないなぁ)


アンジェリカは縄の縛り程度を感じてそんな事を考えていた。


「よし。じゃあレベッカは俺と一緒に来てもらおうか」


ボスの男が冷たい表情でレベッカの腕を強く掴み言った。


「ちょっと!レベッカをどこへ連れて行く気なの?!」


アンジェリカが慌てて言った。


「悪いがお嬢さんには関係ないんだよ」


ボスの男が淡々と言った。


「関係なくはないわ。レベッカは今は私の家に仕えているのだから勝手にレベッカを連れて行くのは許さないわ」


アンジェリカは強気で言った。


(このボス男は"うれかじ18"の原作では一ミリも出てこなかったけどレベッカの元仲間なのは間違いないからこのままレベッカが連れて行かれたら間違いなくレベッカが殺されちゃう。そうだとわかっててやすやす連れて行かせる訳にはいかないわ)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「許すも許さないも俺とレベッカはお嬢さんの所へ仕える前からの古い付き合いの中なんだよ。だから別に許してもらう必要もないんだよ」


ボスの男は淡々と言った。


「古い仲だか知らないけどそんな事も私には関係ないことよ」


アンジェリカは更に強気に言った。


「チッ。顔は上玉だってのに強気で生意気なお嬢さんだな」


ボスの男は舌打ちをしながら面倒臭そうに言った。


(まずいわ。これ以上こいつを怒らせるとアンジェリカお嬢様に何をするかわからない)


レベッカは焦りそんな事を考えていた。


「アンジェリカお嬢様、私は大丈夫ですから」


レベッカが困り笑みを浮かべて言った。


「レベッカ」


アンジェリカが戸惑いながら言った。


(だめよ。このまま行かせる訳にはいかない)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


(アンジェリカお嬢様をこれ以上危険な目に遭わせる訳にはいかない。こいつは私を痛めつけて殺すことが目的だろうから私が従う代わりにお嬢様とあの男を開放する様に言おう。今頃屋敷ではアンジェリカお嬢様と私が帰宅してないことに誰かが気づいて何かあったのだとご主人様が気づいてくれるはずだからアンジェリカお嬢様の事をすぐに見つけてくれるだろうから)


レベッカはそんな事を考えていた。


(アンジェリカお嬢様を危険な目に遭わせてしまいご主人様と奥様には顔向けできないが私の命をかけるからどうかそれで償い拾ってもらった恩を返せたらいいな。あの2人は闇の中で生きてきた私にアンジェリカお嬢様という光を照らしてくれ生きる意味を与えてくれたのだから感謝してもしきれないけどね)


レベッカは切ない表情でそんな事を考えていた。


「お嬢さんは随分レベッカを大切にしてるみたいだがこの女にそれ程の価値があるとは思えないな」


ボスの男はあざ笑いながら言った。


「それはあなたが決める事ではないわ」


アンジェリカは強気で言った。


(このボス男は本当になんなの?!いちいち気に障るわぁ。あんたがレベッカの何を知ってるってのよ。腹立つー)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「そこの男もこんなレベッカごときの女に惚れただのこの女の本性を知っても果たしてそう言えるのだろうか見ものだな」


ボスの男はニヤリと不気味な笑みを浮かべて言った。


「どういう意味ですか?」


ジェイドが言った。


(ずっと黙ってたのにようやく喋ったわね。急に理由も分からず連れてこられてぴえん状態かと思ったけどそれはなさそうだね。むしろ何か怒ってない?気のせいか?)


アンジェリカはジェイドをチラりと見てそんな事を考えていた。


「この男は今日初めて会った奴だ。こんな男は私は何の関係もない奴だ」


レベッカが慌てて言った。


(急に現れたと思えば求婚してきたかと思えば急にアンジェリカお嬢様を侮辱するわで変な奴だけどこの男こそ本当に関係ない奴だ。それに貴族の息子のようだしこれ以上巻き込む訳にはいかない)


レベッカはジェイドを見てそんな事を考えていた。


「関係ない奴なら尚更お前の本性を知ったらすぐに軽蔑の眼差しを向けるだろうな」


ボスの男は更に不気味な笑みを浮かべて言った。


「一体何が言いたいの?」


アンジェリカは眉を細めて言った。


「同じく」


ジェイドが頷きながら言った。


「レベッカはお前達が思ってる程善人な奴じゃないって事だ」


ボスの男はニヤリと不気味な笑みを浮かべて言った。


(こいつまさか2人に私の過去を話すつもりか?!)


レベッカはぎょっとした表情でボスの男を見てそんな事を考えていた。


「レベッカはな、、」


ボスの男が言った。


「やめて」


レベッカは血相を変えて慌てて言った。


(アンジェリカお嬢様だけには私の悍ましい過去を知られたくない。まだ幼かったアンジェリカお嬢様の事を思ってご主人様達も私の過去は徹底して隠してくれていた。だからたとえ私がここで死ぬとしてもアンジェリカお嬢様にはお嬢様の侍女である私のままでいたい)


レベッカは苦渋の表情でそんな事を考えていた。


そんなレベッカを見てボスの男は更にニヤリと不気味な笑みを浮かべた。


そして…


「ククク、、レベッカという女は元々俺達の仲間で幼い頃から殺し屋として働いていた奴だ。それも金の為に親に売られた殺し屋だ。親に捨てられ何の価値もない奴に俺達が価値を与えてやったんだ。女という武器の使い方も人を殺す術も全てな。この女はお前らみたいな貴族に仕える価値もない奴ってことだよ」


ボスの男は声を出してあざ笑いながら言った。


「そんな生きる術を教えてやった俺達の恩を仇で返すような事をしでかしやがったから粗末な命だが楽に捨てさせてやろうと、、死んたと思っていたのにまさか生きていたとは驚いたけどな。生きていると聞いた時はどれほど腸が煮えくり返りそうだっか。レベッカが貴族の家で働いていると聞いて覗きに行った時に俺に気付いたレベッカは顔を真っ青にして驚いていた姿が何とも言えなかったな。あの時すぐに俺の元を訪れていたならこんな手荒な真似などしなかったんだがな」


ボスの男は冷たい表情になり言った。


「お前の大事なお嬢様をこんな目に遭わせたのはお前のせいだってことだ」


ボスの男はまたニヤリと不気味な笑みを浮かべてレベッカに向けて言った。


「さぁさぁお嬢さんにお坊ちゃん。こいつの本性は女の身体を武器にしながら人を何十人何百人殺してきた見窄らしい何の価値もない殺し屋だ。その事を黙って貴族の家に仕えているとんでもないやつなんだよ」


ボスの男はニヤリと笑みを浮かべたまはまアンジェリカとジェイドに言った。


ボスの男の言葉にアンジェリカとジェイドは黙っていた。


(あぁ、アンジェリカお嬢様に知られてしまった。一番知られたくなかった相手に。それも私が親に売られた事や自分自身の身体をターゲットに委ね油断させていたことも。きっとアンジェリカお嬢様がいくら優しい方でも私を軽蔑するでしょうね。あいつの言葉に何も反応しないのがその証拠だもんね。それにあの令息も自分が一目惚れだ何だの調子のいい求婚を相手がこんな過去の持ち主だと知って幻滅したでしょうね。別にあんな奴に何て思われようが知ったこっちゃないけどいい気はしないね)


レベッカが絶望を叩きつけられた様な表情でグッと唇を噛み締めながらそんな事を考えていた。


「ほら見てみろレベッカ。お前の本性を知ってお嬢さんもお坊ちゃんも黙ってらぁ。よほど衝撃だったんだろうよ。何と言っても自分の過去を隠して自分に仕えてたんだからよ。裏切れたと思うのも当然なことだなハハハ」


ボスの男は目の前の状況をあざ笑いながら言った。


「ていうか知ってたけど?」


その時アンジェリカは沈黙を破り平然とした表情で言った。


「何だと?!」


ボスの男はアンジェリカの言葉に眉間にシワを寄せながら言った。


(え?)


レベッカもアンジェリカの言葉に驚きそんな事を考えていた。


「いや、だからレベッカが元殺し屋だって知ってたって言ってるの」


アンジェリカは更に平然と言った。


(まぁ"うれかじ18"の原作のアンジェリカは知らなかっただろうけど私は原作読んでるから知ってるよね。まぁこんなグズ中のクズみたいな男たちの仲間だったことまでは原作に書いてなかったから知らなかったけどね。レベッカは私が原作で読んだより遥かに辛い思いをしてきたんだね。それだというのにあのクズ男ときたら。許せないね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「な、何故知っていたのに自分に仕えさせているんだ?!殺し屋だぞ?」


ボスの男は予想外のアンジェリカの言葉に戸惑いながら言った。


「何故ってとっくの昔に両親がレベッカの話をしているのを盗み聞きした事があるからよ。それに元殺し屋だとそこらの侍女より何百倍も強いから絶対私を守ってくれて安心できるじゃない。私は強い女性は大好きなの。だから私の侍女はレベッカ以外に適任なんていないわ。それに当主である父が認めてるんだからその時点でレベッカは我が家に受け入れられてるって事でしょうに」


アンジェリカは平然かつ堂々と言った。


(私は小さい時からレベッカと過ごしてきてレベッカがどれだけ素敵な人間かよく知ってるんだから。まぁジェイドはさすがに衝撃を受けてるようだけどね)


アンジェリカはジェイドをチラりと見てそんな事を考えていた。


「そうですとも。元殺し屋だから何だというのですか。むしろ最高の元殺し屋の侍女なんて最高すぎてますますレベッカさんを好きになりました」


ジェイドは突然ガバッと顔を上げて目を輝かせながら言った。


ジェイドの言葉に覆面男たちもボスの男もレベッカまでも一瞬ポカンとなった。


(あぁ。ジェイド。あんたはアッパレだわ。本当にぶっ飛んでるよ。だけど最高だね。あたしはそのぶっ飛び具合嫌いじゃないよ。前世でもジェイドに負けないくらいぶっ飛んでる奴が身近にいたから驚くどころか段々親近感さえ感じるよまったく。それに何よりもレベッカをもっと好きになったってとこが100点すぎるよ。あんな話を聞いてからのあの目の輝きとあのポーズは本当にぶっ飛んでるけどね。笑)


アンジェリカは思わずクスっとなりそんな事を考えていた。


「つまり私も彼もレベッカが元殺し屋だろうが何だろうが関係なくレベッカが好きだし大切だってこと。わかった?」


アンジェリカはニヤリと笑みを浮かべてボスの男へ言った。


「クソッ。頭のイカれた奴らだな」


ボスの男は悔しそうな表情で乱暴に言った。


「レベッカ。何も心配なんてしなくていいからそんな悲しい顔はしないで」


アンジェリカがレベッカの方を見ていつも通りの優しい笑みを浮かべて言った。


「アンジェリカお嬢様」


レベッカはそんなアンジェリカを見て目に涙を浮かべて言った。


「その通りですよ」


ジェイドもレベッカに満面の笑みを浮かべて言った。


レベッカはそんなジェイドを真顔で見ていた。

そして何故だか真顔のレベッカを見てジェイドはニヤニヤしていたのだった。


(何かジェイドって原作でのキャラとまぁまぁ違う様な気がするけど本当は随分Мっ気があったのかなぁ。"うれかじ18"の主要登場人物に会えて嬉しいはずなのにキャラの濃さが強すぎてフィルナンデスやロビンに会った時のような感動がないわ)


アンジェリカはジェイドがニヤニヤしているのを見て引きつり笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「それに頭がイカれてるのは私達じゃなくてあなた達のほうじゃない?」


アンジェリカは冷たい目でボスの男を睨みつけて言った。


「何だと?」


ボスの男は眉間にシワを寄せながら言った。


「だってそうでしょう?年端もいかない子供のレベッカに身体を武器にしろだの人の殺し方を教えるだのまともな人間の教える事じゃないでしょう?だからあなたがまともな人間とは到底思えないって話よ」


アンジェリカは軽蔑の眼差しを向けながらボスの男へ言った。


(レベッカを売った親も最低最悪だけど更に小さい子供にそんな事を叩き込むなんて死刑になったっておかしくない事なんだから。このクズ男のせいでレベッカがどれだけ辛く悲しい思いをしたのか計り知れないよ)


アンジェリカは悔しそうにそんな事を考えていた。


「貴様、ボスに何て口の聞き方をふるんだ」


すると近くにいた覆面の男の1人が怒りを込めてアンジェリカの髪の毛を引っ張り言った。


「うっ」


アンジェリカは思い切り髪の毛を引っ張られて鈍い声を漏らした。


「アンジェリカお嬢様!」


レベッカが声を上げた。


(このクズ野郎。手加減なしに引っ張ってくれるじゃないの)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「おい!やめろ。勝手な真似はするな」


ボスの男が低い声で覆面男へ言った。


「申し訳ありません。この女が生意気な口をきくもんですからつい」


覆面男はアンジェリカの髪の毛なら手を離し言った。


「なぁに、お前が手を出さずとも口の聞き方がなっていないお嬢さんにはしっかり口の聞き方を教えてくれる方がいるから心配するな」


ボスの男は不気味な笑みを浮かべてアンジェリカ見て言った。


(どういう意味なわけ?)


アンジェリカはボスの男の言葉を聞きそんな事を考えていた。


「御意」


覆面男が頷きながら言った。


「さてと、無駄話はここまでにしてレベッカは俺についてこい」


ボスの男が言った。


「わかった」


レベッカが頷きながら言った。


「だめよレベッカ」


アンジェリカが慌てて言った。


「本当に大丈夫ですから」


レベッカが微笑みながら言った。


(アンジェリカお嬢様が私の過去を知ってそれでも大切だと言ってくれた事だけで何も思い残す事はありませんから。私はお嬢様さえお守りできるのであれば自分の命など惜しくはありませんから)


レベッカは笑みを浮かべたままそんな事を考えていた。


「お前とお前は例の奴をここへ連れてこい。それからお前は外を見張っておけ。いいな?」


ボスの男が覆面男たちに指示を出した。


(例の奴?)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「「御意」」


覆面男たちが言った。


「さぁお前はこっちへついて来い」


ボスの男が再びレベッカの腕を強く引っ張り言うと足早へ外へ出ていった。


「レベッカ!」


アンジェリカが叫んだ。


しかし、その叫びも虚しくレベッカはボスの男に連れてその場から出ていったのだった。

そして、覆面の男たちもボスの男の指示通り動きその場から出ていった。


「どうにかしてレベッカを助けに行かなきゃ」


レベッカは真剣な表情で言った。


「まずはこの縛られてる状況をどうにかしなきゃだけどどうしたらいいのか」


アンジェリカは行き詰まった表情で言った。


(持ってた荷物もあいつらがどこかにやったみたいだし縄を切れそうな物が見たところなさそうだよね。あそこに古いハンマーはあるけどあれじゃ切れそうにないよね)


アンジェリカは周りを見渡しながらそんな事を考えていた。


「俺ならこの縄をどうにか出来るかもしれないです」


ジェイドが言った。


「本当ですか?!でもどうやって?」


アンジェリカが驚き言った。


「俺は床担当なんで床で培った動きで縄を緩めることができるかもしれません」


ジェイドが真剣な表情で言った。


「はい?床?ですか?」


アンジェリカは??という表情で言った。


「あっ、床って言ってもここじゃ通じないか。えっとつまり床とは床に体をこすりつけるというか何と言うか子供が駄々をこねる時に地面に寝転び暴れるみたいな感じの動きですかね」


ジェイドはハッとなり困った表情を浮かべて説明した。


(子供が駄々をこねる時みたいな動きを床?ん〜まさかあの床じゃないよね?)


アンジェリカはジェイドの説明を聞き目を細めながらそんな事を考えていた。


「一先ずその床とやらの動きをしてもらってもよろしいですか?」


アンジェリカが言った。


「任せて下さい。一刻も早く縄を解いてレベッカさんを助けに行きましょう」


ジェイドが真剣な表情で言った。


「はい」


アンジェリカも真剣な表情で頷きながら言った。


そして、ジェイドが早速縄を緩める為の動きを実践し始めた。


グルグル…

グルグル…


(この動きってもしかしなくてもあの床ってことじゃない?前世でヲタク達が使う用語の床)


アンジェリカはジェイドの動きを見て驚きながらそんな事を考えていた。


(でもどうしてジェイドが床やってんの?!この世界にも床たる用語が存在するわけ?!)


アンジェリカは更にそんな事を考えていた。


(いや、待って。もしかして)


アンジェリカはハッとなりそんな事を考えていた。


「あの、ジェイド様一度止まってもらってもよろしいですか?!」


アンジェリカは慌ててジェイドへ言った。


「え?どうしましたか?」


ジェイドが動きを止めて言った。


「あの、もしかしてなのですが床の他にも例えばリフトなんてあったりします?」


アンジェリカは恐る恐る言った。


「え?リフトですか?!アンジェリカ様はリフトをご存知なのですか?!リフトは俺の担当ではなく友達が担当していたので俺はあまり上手くはないんですけど」


ジェイドが驚き言った。


(やっぱりジェイドは転生者だわ。間違いないよ。床に加えてリフトまで知っててリフト担当とか言っちゃてるんだから間違いないよ。前世がヲタクの転生者)


アンジェリカは確信した様にそんな事を考えていた。


(ん?でも待って。床担当にリフト担当。ん〜何か既視感が、、あっ!)


アンジェリカはそんな事を考えながらハッとなった。


そして…


「振り向けば〜♫」


アンジェリカは急に歌い出した。


「君の瞳にズッキュンドッキュン♡うぉいっ!うぉいっ!うぉいうぉいうぉい♫」


ジェイドはノリノリで手もアンジェリカの歌に続いて歌った。


「あつし?!」


アンジェリカはジェイドの返しを聞いて確信を得て驚いた表情で言った。


「なっ。な、何でその名前を?!」


ジェイドが驚き言った。


そして、驚いていたジェイドは何か思いついたのかハッとなった。


「まさか、、お前麻美か?!そうなのか?!」


ジェイドは驚き言った。


「そうだよ」


アンジェリカは驚いた表情のまま頷き言った。


「マジかよ」


ジェイドは驚いたまま言った。


「こんなことってありえるわけ?!私もあつしもこの世界に転生したってことでしょ?」


アンジェリカは驚いたまま言った。


「本当に嘘みたいな漫画みたいな話だけどそうみたいだな」


ジェイドは驚いたまま言った。


「びっくりだわ」


アンジェリカは更に言った。


「あぁ」


ジェイドは頷きながら言った。


「あぁ、これで何か納得したかも」


アンジェリカはある事を思い出して言った。


「何をだよ」


ジェイドが??という表情で言った。


「あんたが突然レベッカに求婚してきたことだよ」


アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。


(どうりでBLのはずのジェイドがレベッカに求婚するわけだよ)


アンジェリカは妙に納得した表情でそんな事を考えていた。


「きよしもあつしも癒やし系アイドルじゃなくてオラオラ系アイドル推してたでしょ?それもあってか私が"うれかじ18"を読んでみなよって漫画貸した時に主人公でも悪役令嬢でもなく何故かモブっちゃモブのアンジェリカの侍女のレベッカが最高だって言ってたでしょ?まさに理想の女性だって。それを思い出してあんたがレベッカに求婚したのも納得だなって思ってさ。最初は初対面相手にぶっ飛んだ奴だなって思ったけど"うれかじ18"を読んでるあつしならレベッカを知ってるもんね」


アンジェリカがスッキリした表情で説明した。


「何だそういう事かよ。まぁ確かに俺は"うれかじ18"の中ではレベッカ推しだったからな。もはやお前の言う通り推しというより理想の女性だな。レベッカを見るまで正直この世界が"うれかじ18"の世界だって気づいてなかったんだけどレベッカを見た瞬間ピンときたのと同時にレベッカに運命を感じたんだよ。そう思ったら体が勝手に動いて求婚してたって訳さ」


ジェイドはニカッと笑いながら言った。


「どうりでレベッカの殺気に動じるどころかレベッカの冷たい態度にニヤニヤしてたわけだわ」


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


(あつしは前世できよしに負けないくらいМっ気があったからね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「あの冷たい目つきやばかったんだよ。あの目に見られて幸せだったよ。思わず踊りそうになったからな」


ジェイドは笑いながら言った。


「あそこで踊らなくて正解だったね。まぁそれでも何か謎が解けたみたいでスッキリしたわ」


アンジェリカはふっと笑みを浮かべて言った。


「俺も"うれかじ18"の漫画だと相当な性悪ぶりだったから漫画と違う性格でてんぱったんだよ。全然漫画と違うじゃんってな。でも中身が転生した麻美だったなら納得だな」



ジェイドが納得して頷きながら言った。


「で、箱推ししてた漫画の世界に転生して腐女子生活謳歌してんのかよ」


ジェイドが笑いながら言った。


「もちろんよ。既にW主人公の2人にも会ったわよ。もう輝きすぎててキュン死しまくりだよ」


アンジェリカはニヤつきながら言った。


「ハハハ。そりぁたまらねぇな。推しを目の前にしたら床にならずにはいられないな。俺も主人公達とは学園で会って一緒に過ごしてるけど主人公達だけあって眩しい奴らなのは間違いないな」


ジェイドはニカッと笑いながら言った。


「そっか。ジェイドなんだからそりぁフィルナンデス達と既に会ってるのか」


アンジェリカは納得しながら言った。


「てことはいつこの世界に転生したわけ?」


アンジェリカが言った。


「学園に入学する半年前だよ。前世できよしとライブ行った帰りに別推しの配信イベ観ながら歩いてたらその配信中に重大発表があってそれ聞いて興奮しすぎてて工事中のマンホールに気づかなくてそのまま蓋の開いたマンホールにズドーンと落ちて意識が薄れる中次に気づいたらジェイドになってたってわけだよ」


ジェイドがヘラヘラしながら説明した。


「本当につい最近じゃん。急に転生しててんぱったでしょう」


アンジェリカが驚き言った。


「まぁな。日本とはまるで違うし自分の見た目も違うしで焦ったよ。まぁでも前世で転生ものはよく見てたお陰で状況を飲み込む事はできたけどな」


ジェイドが苦笑いを浮かべて言った。


「でも、まさか前世で麻美が激推しだった漫画の世界に転生するとはな。それもまさかの麻美も同じ世界に転生とは。本当に漫画みたいな展開だな」


ジェイドは笑いながら言った。


「確かにそれは間違いないね。こんな漫画みたいな事そうそうないよね」


アンジェリカが笑いながら言った。


「お前いつ転生したんだ?」


ジェイドが言った。


「私は生まれた時からよ。ただこの世界が"うれかじ18"の世界だって気付いたのは4年前だけどね」


アンジェリカが説明した。


「生まれた時からか。それもそれですごいな」


ジェイドが言った。


「私とあつしでは前世で死んだ時期が違うからとか?」


アンジェリカが言った。


「あぁ確かにそれはあるかもな。俺が前世で死んだのは麻美が死んでたから10年以上経ってたからな」


ジェイドが言った。


「10年?!人のことは言えないけどあつしも若くして死んじゃったんだね。きよしは妹も親友も亡くしてまぁまぁダメージあるだろうね」


アンジェリカは複雑な表情で言った。


「麻美よりは生きたけどな」


ジェイドは笑いながら言った。


「きよは麻美が死んだ時は随分落ち込んでたけど時間が経ったら立ち直っていつも通りにヲタ活してたさ。麻美が作った棚もきよが使ってたぞ」


ジェイドは少し複雑な表情をするもすぐに笑顔で言った。


「げっ。やっぱり?!あの棚は絶対きよしが使うと思ってたんだよね」


アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。


(やっぱ私が思ってた通りだったわ)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「まぁ俺達は前世では早死したけど今世ではアンジェリカとジェイドとして長生きしようぜ。麻美は腐女子生活謳歌しながら。俺はレベッカと結婚して幸せな家庭を作るからよ」


ジェイドは笑顔で言った。


「レベッカとの結婚は絶対事項なんだね」


アンジェリカは笑いながら言った。


「もちろんだとも。俺がこの世界に転生したのは間違いなくレベッカと一緒に幸せになる為だろうからな」


ジェイドはニカッと満面の笑みを浮かべて言った。


「そうかもね」


アンジェリカはフッと笑みを浮かべて言った。


(あつしは前世から何も変わんないね。Мっ気はあるけどいつも笑顔が耐えないポジティブな奴だったもんね。きよしの次に兄貴みたいな存在だったもんね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「となったら募る話はまた今度ということで今は早いとこレベッカを助けにいくとしますか」


アンジェリカなニヤリと笑みを浮かべて言った。


「おう!もちろんだ」


ジェイドもニヤリと笑みを浮かべて言った。


「あのボス男みたいな奴は原作漫画には登場してなかったよな?」


ジェイドが言った。


「そうなんだよね。だからどんな奴なのかいまいち分かんないだよね。昔レベッカがいた殺し屋グループのボスだってことはわかってるけどね」


アンジェリカは困った表情で言った。


「とりまあのボス男がどんな男だろうと関係ないわ。レベッカを助ける為ならボスだろうが何だろうが成敗するのみよ」


アンジェリカは力強く言った。


「間違いないな」


ジェイドは頷きながら言った。


「一先ずはこの縄を解こう。あつしさっき床になって縄緩めれるって言ってたよね?それ早くやってくれる?」


アンジェリカが言った。


「おう!任せろ!俺の床レベル見せてやるよ」


ジェイドは自信満々に言った。


「頼んだ」


アンジェリカは頷きながら言った。


そして、ジェイドが床へと寝転がった。

そして、深呼吸をすると物凄い勢いでクルクルと回りだした。


「おぉぉ」


アンジェリカはクルクル回るジェイドを見て感心しながら言った。


「レベッカ待ってろよー」


ジェイドがそう言うと更にクルクルが加速した。


そして…


「よし!」


ジェイドはそう言うと動きを止めた。


「どう?縄緩んだ感じ?」


アンジェリカが真剣な表情で言った。


「あぁ。この通りな」


ジェイドはドヤ顔で縛られてるところを見せた。


「わぁ、本当に緩くなってるじゃん」


アンジェリカはジェイドの手首を見て驚いた表情で言った。


「こんなの朝飯前だよ」


ジェイドはドヤ顔で言った。


そして、ジェイドは緩んだ縄なら上手いこと手を出した。


「あつしナイス!」


アンジェリカは笑顔で言った。


「麻美の縄も解いてやるから貸してみろ」


ジェイドが言った。


「うん。よろしく」


アンジェリカは頷きながら言うとジェイドの方へ手を向かた。


「しっかしどんだけキツく結ぶんだって話だよな。床になるより手で解く方が大変とかよ」


ジェイドはぶつぶつ言いながら縄を解こうとしていた。


「よし。もう少しだ」


ジェイドが笑顔で言った。


その時だった…


コツコツ…

コツコツ…


「あつし、誰かがこっちに向かってきてるみたい。一旦離して元の位置に戻ってあつしは一応縄にもっかい手を入れといて」


アンジェリカが近づいてくる足音を聞いて慌てて言った。


「お、おう」


ジェイドは慌てて頷きながら言うと縄を手首にかけて元いた場所に戻り座った。


「ボス男が戻ってきたのか?」


ジェイドが小声で言った。


「いや、足音が違うから多分ボス男じゃないと思う。恐らくさっきボス男が言ってた"奴"じゃないかな」


アンジェリカが顔をしかめて小声で言った。


「"奴"って誰なんだろか」


ジェイドが顔をしかめて小声で言った。


「分からないわ」


アンジェリカは目を細めて言った。


(誰かは分かんないけどボス男と繋がってる奴なんだからろくな奴じゃないってことだけはわかるわ)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


そして…


ガチャ…


アンジェリカ達のいる部屋の扉が開き1人の男が部屋へ入ってきた。


(あいつは)


アンジェリカはその男を見て表情を歪めて言った。


「これはこれは、、」


男がニヤりと笑み浮かべて言った。


「あんただったのね」


アンジェリカは表情を歪めて言った。


部屋に入ってきた男は4年前に"ハスパラ"前でロビンが購入したケーキを踏み潰しアンジェリカが腹を立てて喝をいれた貴族の男だった。


「久しぶりだな。4年ぶりかな」


男はニヤリと笑みを浮かべて言った。


「この男知り合いなのか?」


ジェイドがアンジェリカへ言った。


「知り合いなんていいもんじゃないわよ。4年前出会い頭に私が喝をいれたクズ男よ。レベッカの殺気に怖気づいてたヘタレ野郎よ」


アンジェリカが吐き捨てる様に言った。


「そんな野郎が何でこんなとこにいるんだよ」


ジェイドが意味が分からないという表情で言った。


「私が知るわけないでしょう。今の今まで忘れてた存在なんだから」


アンジェリカは呆れた表情で言った。


(本当に忘れてたもんね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「それで何であんたがここにいるわけ?」


アンジェリカが男を睨みつけて言った。


「どうしてかって?それは天が俺の味方をしてくれたからさ」


男はニヤリと笑みを浮かべて言った。


「天が味方してくれたですって?」


アンジェリカは呆れた表情で言った。


(この男宗教にでもハマってるわけ?)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「そうだ。少し前にたまたま酒場で酒を飲んでいた時にあの殺し屋の男たちがある女を探しているという話を耳にしたんだ。よくよく聞いているとその男たちが探している女が4年前にお嬢ちゃんが連れてた侍女だとピンときたんだよ。そして俺はあの男たちに探している女の居場所を知っていると。女の居場所を教える代わりに俺の願いを聞いてくれと提案したんだよ。あの男たちはすぐに提案をのんでくれたよ。お陰で俺の願いであるお嬢ちゃんに会うことができたってわけだ」


男がニヤニヤしながら経緯を説明した。


「つまりあんたのせいでレベッカの居場所ががあの男たちに知れてレベッカが今危険な状況に陥ってるってこと?」


アンジェリカは低く冷たい声で言った。


「俺はおんな女なんてどうでもいいからあの女がどうなろうと知ったことではないがまぁそういうことになるな」


男は平然した態度で言った。


(ハッ。元はと言えばこの男のせいってことね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「俺はお嬢ちゃんさえ手に入れば後の事はどうだっていいからな」


男は淡々と言った。


「それより4年前よりも更にいい女に成長したな」


男はアンジェリカをなめ回す様に見ながら言った。


(4年前も少女とは思えない程だったが今はそれよりも更に美しく体の発育も飛び抜けているな)


男はアンジェリカを見ながらニヤつきそんな事を考えていた。


「俺がこれからはたっぷりと可愛がって更に俺好みの女にしてやるからな」


男は更にニヤつきながら言った。


「が、その前お前は邪魔だな。連れて来るのはお嬢ちゃんだけだったはずだが」


男は冷たい表情でジェイドへ言った。


「勝手に連れて来られたの俺なんだぞ?」


ジェイドは呆れた表情で言った。


(こいつヤバい奴だな。前世でもこういう類のヲタクいたけったな)


ジェイドは男を見て前世を思い出しつつそんな事を考えていた。


「何だお前は?生意気な奴だな」


男はジェイドの態度にイラつきながら言った。


「お前だけは言われなくないわ」


ジェイドは呆れた表情のまま言った。


「何だと?!」


男はカッとなり言った。


「あんたみたいなクズ野郎のせいでレベッカをあんな悲しくて苦しい表情にさせるなんて」


アンジェリカが俯きながらボソッと言った。


「なにか言ったか?」


カッとなっていた男はアンジェリカが何かを言ったのに気づき言った。


「ん?もしかして泣いているのか?」


男は俯いているアンジェリカを見てニヤリと笑みを浮かべて言った。


(泣いてる顔もさぞ俺を満足させてくれる表情なんだろうな)


男はニヤつきながら俯くアンジェリカを見てそんな事を考えていた。


「どれどれ。俺が慰めてやるから顔を見せてみろ」


男はニヤついたままアンジェリカの前に腰を下ろすとアンジェリカの顎を触り顔を見ようとしながら言った。


「キモい手で触るな、、」


アンジェリカがボソッと言った。


「何だって?もう一度言ってみろ」


男は聞こえなかったのかアンジェリカに自分の顔を近づけ言った。


「キモい手で触るなって言ったのよ」


アンジェリカはそう言うとバッと顔を上げて男の画面に思い切り頭突きを喰らわせた。


「ぐわぁぁっ」


男は突然の頭突きに受け身など全くとれずもろに頭突きを受けて鈍い声を上げてバランスを崩した。


それと同時にアンジェリカは緩んでいた手首の縄を急いで動かして無理矢理縄から手首を抜いた。


「本当にあんたみたいなクズ野郎がこの世に存在する事自体が世の中の為にはならないわ。本当にむかつくしキモいわ」


アンジェリカは怒りに満ちた表情で男へ怒鳴り言った。


「あんたのせいでレベッカに危険が迫った事を一生許さないから」


アンジェリカは続けて言った。


そして…


ドゴッ…


「ぐぁぁぁぁぁ」


男が悲鳴をあげて寝そべりうずくまった。


アンジェリカが怒りを込めて思い切り男の股間を蹴り上げたのだった。


「今のは私とジェイドをこんな目に遭わせた分よ」


アンジェリカが痛みに悶える男に冷たく言った。


「そしてこれはレベッカをこんな目に遭わせた分よ」


アンジェリカは男を睨みつけながら言った。


そして、もう一度先程よりも強く男の股間を蹴り上げた。


「ぐはぁっ」


男はとても鈍い声を上げた。


「ひぃっ」


ジェイドがゾッとした表情で声を漏らした。


「なんであつしがそんな声出すのよ」


アンジェリカがジェイドを見て言った。


「いや、俺も男だからその男が股間蹴られたのみて反射的にな」


ジェイドは苦笑いを浮かべて言った。


(初めて会った気持ち悪い野郎だけど、、ご愁傷さま。麻美は前世の時から怒らせると怖いんだぞって教えてやったら良かったか?)


ジェイドは男を見ながらそんな事を考えていた。


「あぁそう」


アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。


「とりま痛みで悶えてる間にこの男を私縛られてた縄で縛り上げよう」


アンジェリカはハッとなり慌てて言った。


「そうだな」


ジェイドが頷きながら言った。


そして、アンジェリカとジェイドは痛みで意識が朦朧としている男の手足を自分達に使われていた縄で固く絞め上げた。


「これでよし」


アンジェリカは満足気に言った。


「この結び方何だ?」


ジェイドが男の手足を見て言った。


「これは軍人さんが使う縄の結び方よ。昔友達が軍人系のBL漫画貸してくれんだけどその時に見た結び方よ」


アンジェリカはドヤ顔で言った。


「状況すらBL漫画から得てんのかよ」


ジェイドが思わずくすっと笑って言った。


「当たり前よ」


アンジェリカがニカッと笑みを浮かべて言った。


「よし。これでレベッカを助けに行けるわ」


アンジェリカが言った。


「あぁ、そうだな。急ごうぜ」


ジェイドが頷きながら言った。


「うん」


アンジェリカが頷きながら言った。


「でも待って。レベッカ達はどこに行ったんだろう」


アンジェリカが困った表情で言った。


「あっ、確かにそうだな」


ジェイドも困った表情で言った。


すると…


バチンッ…


アンジェリカが意識が朦朧としている男の頬を思い切り叩いた。


「お、おいっ」


それを見たジェイドが慌てて言った。


「ちょっと、あのボス男達ととレベッカはどこへ行ったの?!」


アンジェリカが男の胸ぐらを掴みながら言った。


「うぅぅ。あぁ」


男はまだ痛みで意識が朦朧としているのか半目を開けて言った。


バチンッ…


「しっかりして。レベッカ達はどこへ行ったの?!」


アンジェリカはもう一度男の頬を思い切り叩いて言った。


「はっ」


すると男はハッと目を開けて言った。


「うぐっ」


そしてすぐに股間の痛みを感じたのか表情を歪めて鈍い声を出した。


「痛いのとかどうでもいいから早くレベッカ達がどこへ行ったのか言いなさいよ」


アンジェリカが強めに言った。


「し、知るか」


男は焦り言った。


「ボス男と取引きしたんだから知らないわけないでしょう?!もっかい痛い目に遭いたいわけ?!」


アンジェリカはキッと男を睨みつけながら脅す様に言った。


アンジェリカの言葉にまたまたジェイドが反射的に自分の股間を守るように押さえた。


(反応しすぎ)


アンジェリカはそんなジェイドを見て苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「し、知らないと言ってるだろうが」


男は投げやりに言うと手足を縛られているにも関わらずアンジェリカを思い切り突き飛ばした。


「きゃぁっ」


アンジェリカは咄嗟の事に防ぎ切れず尻もちをついた。


「痛っ」


アンジェリカは尻もちをついたと同時に近くに落ちていたガラス破片が手のひらに軽く刺さった。


「おい!大丈夫かよ」


ジェイドがそれを見て慌てて言うとアンジェリカの元へ駆け寄った。


「大丈夫よ。それよりもあの男口を割らないつもりなわけ?!」


アンジェリカはジェイドに言うと男を睨みつけた。


(早くレベッカ達の居場所を聞き出さないとレベッカが危険だっていうのに)


アンジェリカは焦りそんな事を考えていた。


その時だった…


「あそこだ。あそこから声がした。急げ!」


外から男性の声がした。


と同時に数人の足音がアンジェリカ達のいる所へ近づいてきた。


「何?!他にも仲間がいたわけ?!」


アンジェリカが表情を歪ませて言った。


「足音的に2人はいそうだよな」


ジェイドは眉間にシワを寄せて言った。


(この状況でボス男の仲間が来るのはマズすぎるよ)


アンジェリカは焦りそんな事を考えていた。


「ハッ。結局天は俺の味方なんだよ。後で覚えておけよ。泣いて止めてといっても俺が満足するまで可愛がってやるからな」


男はニヤリと勝ち誇った様な笑みを浮かべて言った。


バタバタバタ…

バタバタバタ…


バンッ!!


その時、部屋の扉が思い切り開いた。


(終わった)


アンジェリカは扉が開いた瞬間目をつむりそんな事を考えていた。


「アンジェリカ」


「アンジェリカ」


アンジェリカが腹をくくった瞬間自分を呼ぶ声が聞こえた。


(え?)


アンジェリカは扉の方を見て驚きそんな事を考えていた。


「殿下?お義兄様?」


アンジェリカは信じられないという表情で呟いた。


そう…扉を開けてやってきたのはフィルナンデスとロビンだった。


(なんでここに2人が?)


アンジェリカは驚いたままそんな事を考えていた。


「アンジェリカ大丈夫か?!」


フィルナンデスが心配気にアンジェリカに駆け寄り慌てて言った。


「え?あ、だ、大丈夫です」


アンジェリカは驚きいたまま戸惑いながら言った。


「アンジェリカ何が大丈夫だ。怪我しているじゃないか」


ロビンがアンジェリカの額と手の平を見て表情を歪めて言った。


「え?あ、これは別に大した事はありません」


アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。


「大した事ないわけないじゃないか」


フィルナンデスが苦渋の表情を浮かべて言った。


(もう少し早くここへ到着していたらアンジェリカに怪我をさせずに済んだというのに)


フィルナンデスは悔しそうにそんな事を考えていた。


「本当に大丈夫ですから」


アンジェリカがフィルナンデスの表情を見て慌てて言った。


(フィルナンデスにこんな顔させちゃうなんて"うれかじ18"ヲタ失格じゃない)


アンジェリカはフィルナンデスを見てそんな事を考えていた。


「一先ず早く傷の手当てをしなければ」


ロビンが言った。


「そうだね」


フィルナンデスかが頷きながら言った。


「えっと、俺のことを忘れてないか?」


ジェイドが苦笑いを浮かべて言った。


「何故ジェイドがここにいるんだ?!」


ロビンが驚いた表情で言った。


「え?俺がここにいる事すら気づいてなかったのか?!」


ジェイドはぎょっとした表情で言った。


(ドンマイあつし)


アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「あ、あぁ」


フィルナンデスが気まずそうな表情で言った。


「しかし何故ジェイドがここへ?」


ロビンが戸惑い気味に言った。


「確かに。何故ジェイドがこんなとこに?それもアンジェリカと」


フィルナンデスは目を細めて言った。


(アンジェリカはジェイドとは会ったことなどないはずだが何故一緒にいのだ?)


フィルナンデスはそんな事を考えていた。


「それにはまぁ色々あってな」


ジェイドは苦笑いを浮かべて言った。


(おい!麻美。ここは何て説明したらいいんだ?!)


ジェイドはチラりとアンジェリカを見て目で訴えた。


(どうって。正直にあつしがレベッカに求婚したって言ったらいいんじゃないの?)


アンジェリカはジェイドをチラりと見て目で訴えた。


(そうか。まぁ確かに別に隠す必要ないよな。それを言ったからって俺が転生者だってバレる訳じゃないしな)


ジェイドはホッとした表情で目で訴えた。


(何故ジェイドはアンジェリカをチラチラ見てるんだ?もしかしてアンジェリカにつきまとっでもいるのか?)


フィルナンデスはジェイドを見たながらそんな事を考えていた。


「それがだな」


ジェイドが説明しようとた時…


「ま、まさか、、殿下とは皇太子殿下でいらっしゃいますか?」


男がアンジェリカ達の会話を聞いていたのかつい先程までの余裕な表情を一切消え顔を真っ青にして言った。


「あぁ」


フィルナンデスが男を見て言った。


「ひぃぃぃ」


男は思わず悲鳴を漏らした。


(な、何故こんな所へ皇太子殿下が?!それも見たところお嬢ちゃんを助けに来たようだしあの坊っちゃんとも知り合いのようだ)


男は更に顔を真っ青にしながら自然に体が震えてくるのを感じつつそんな事を考えていた。


「あら?神が味方してくれたんじゃなかったの?」


アンジェリカはニヤリと笑みを浮かべて男へ言った。


(さっきは本当にヤバいって思ったけどどうやら神が味方してくれたのは私達だったみたいだね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


(この男はあの時の奴か?!)


その時ロビンが男の顔を見てハッとなりそんな事を考えていた。


「お、お、俺は、、その、、」


男は更に体をブルブル震わせて顔を真っ青にして慌てて言った。


「アンジェリカ、この男が君に傷を負わせたの?」


フィルナンデスはアンジェリカの傷を見て切なさと悔しさの混じる表情を浮かべて言った。


(どう考えても大丈夫だとは思えない怪我。下手をしたら傷が残ってしまうくらいの傷だ)


フィルナンデスはアンジェリカの怪我をチラりと見てそんな事を考えていた。


「え?あ、そうなりますね?」


アンジェリカは微妙な表情で言った。


(正確に言えばこのおでこのやつは私が頭突きしたせいなんだよね。まぁ手の平の傷はこの男が突き飛ばしたから出来たんだからそういう事でおkか?)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「そうなんだね」


フィルナンデスはグッと拳を握りしめ悔しそうな困り笑みを浮かべて言った。


「殿下。殿下のせいではありませんからその様な顔はされないで下さい」


アンジェリカはフィルナンデスの表情を見て慌てて言った。


(ちょ、ちょっとフィルナンデスそんな顔しないで。いや、私がさせてるのか?!フィルナンデスがそんな表情をすると"うれかじ18"ヲタとしては心が痛むと言うよりヲタ失格だから。フィルナンデスにそんな切ない表情をさせていいのはロビンだけなんだからね。ね?)


アンジェリカはフィルナンデスの思いとは全く別の思考でそんな事を考えていた。


「あぁ、、」


フィルナンデスは優しい笑みを浮かべて言った。


(君はこんな時でさえ私の心配をしてくれるんだね)


フィルナンデスは胸がキューっとなるのを感じつつそんな事を考えていた。


(良かった。いつもの神的なフィルナンデスの優しい笑みだ)


アンジェリカはホッとした表情でそんな事を考えていた。


「そなたには色々と聞かなければならない事がある様だな」


フィルナンデスは男の方を振り向くとアンジェリカに見えないようにとても冷たく凍りついた様な目で男を見下ろしながら言った。


「あ、ああぁぁ」


男はそんなフィルナンデスの表情を見て恐怖から思わず声を漏らした。


(まずいぞ。このままでは俺はどうなるか分からない)


男は恐怖と戸惑いに襲われながらそんな事を考えていた。


「えっと、俺の説明は」


ジェイドが割り込み気味に戸惑いながら言った。


「お前は彼女がクライシス侯爵家の令嬢だと知ってこの様な事をしたんだよな?」


ロビンがジェイドの言葉をバッサリ遮る様に冷たい表情を浮かべて男へ言った。


「あっ」


ジェイドは苦笑いを浮かべて言った。


(俺はお呼びじゃないってか。"うれかじ18"の漫画ではこの2人ってこんなキャラだったか?)


ジェイドはそんな事を考えていた。


(ドンマイあつし)


アンジェリカは同情するように表情でそんな事を考えていた。


(それよりこんな状況でこんな事考えたら不謹慎かもしれないけどロビンのクールビューティーとは違う冷たい目をした表情もありだわ。"うれかじ18"の原作ではアンジェリカがロビンに冷たい目をしていたことは多々あったけどロビンがこんな風に冷たい目をする描写ってほぼなかったから新鮮でいい)


アンジェリカはこんな状況下でもしっかり腐女子脳でそんな事を考えていた。


(麻美の奴絶対今ヲタク脳になってるな。あの顔は。さすがだな)


ジェイドがアンジェリカを見てそんな事を考えていた。


「し、知りませんでした」


男はロビンの圧に怯えて思わず嘘をつき言った。


(は?この男この場でよくそんなしょうもない嘘つくね)


アンジェリカがぎょっとした表情でそんな事を考えていた。


(ハッ。そんな嘘が通じると?)


ロビンは軽蔑の眼差しを男へ向けそんな事を考えていた。


「殿下、お義兄様。今はこんな男の事はどうでもいいのです。それよりも早くレベッカを助けに行けなければレベッカが危険なのです」


アンジェリカはハッとなり慌てて言った。


(フィルナンデスとロビンが急に現れたからびっくりして気を取られてたけどレベッカ)


アンジェリカは深刻な表情でそんな事を考えていた。


「どういう事だい?」


フィルナンデスは慌てるアンジェリカを見て慌てて言った。


「説明はレベッカを見つけながらお話します」


アンジェリカが慌てて言った。


「分かった」


フィルナンデスは頷きながら言った。


その時…


「アンジェリカーー」


「アンジェリカ」


馬が走ってくる音と共に誰かがアンジェリカを大声で呼んだ。


「え?!お父様とお母様?!」


アンジェリカがその声を聞いて驚き言った。


「アンジェリカ」


そしてアンジェリカが驚いてる間にアンジェリカ達の元へデビッドとメアリーがやってきてデビッドが血相を変えて言った。


「お父様とお母様が何故ここへ?!」


アンジェリカが驚き言った。


(フィルナンデスとロビンの登場でも相当驚いたけどこれは一体どういう状況なわけ?!)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「アンジェリカを助けに来たに決まっている」


デビッドは焦った表情で言った。


「そうよ。出先から帰宅したらアンジェリカとレベッカが帰宅してない上にロビンが殿下と共に急ぎ出ていったと聞いて私達もすぐに屋敷を出てきたのよ」


メアリーが焦った表情で言った。


「そうだったのですね。心配をかけてしまい申し訳ありません」


アンジェリカは申し訳なさそうに言った。


(皆が助けに来てくれたのは嬉しい事だけどこんなに皆に心配させてしまったのは申し訳なさすぎるよ)


アンジェリカが落ち込み気味にそんな事を考えていた。


「アンジェリカ、そんな申し訳なさそうに言わないでくれ。アンジェリカが無事だったのならそれが何よりなのだから」


デビッドがアンジェリカの表情を見て慌てて言った。


「そうよ。アンジェリカがこうして無事だった事が何よりよ」


メアリーはアンジェリカを優しく抱きしめながら言った。


「お父様、お母様」


アンジェリカはメアリーを抱き返しながら言った。


(2人ともありがとう)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「あ。お父様、お母様。レベッカを早く助けに行かなければ。レベッカが危険なのです」


アンジェリカがハッとなり慌てて言った。


「アンジェリカ。レベッカの事は心配することはない」


デビッドが優しい表情を浮かべて言った。


「どういう意味ですか?」


アンジェリカは??という表情を浮かべて言った。


「レベッカ」


メアリーがレベッカの名前を呼んだ。


すると…


部屋の外に隠れていたレベッカがひょっこと姿を見せた。


「レベッカ」


アンジェリカがレベッカを見て泣きそうな表情で言った。


「アンジェリカお嬢様」


レベッカは涙を目に浮かべながら言った。


「レベッカー!」


アンジェリカはバッと立ち上がりレベッカの元へ駆け寄り思い切り抱きしめながら言った。


「レベッカ。レベッカ。心配したのよ。あのボス男と出ていってレベッカが危険だって」


アンジェリカはレベッカの前で初めて涙を流しながら言った。


「アンジェリカお嬢様、、申し訳ありません。お嬢様をこんな危険な目に遭わせてしまい、、」


レベッカも初めてアンジェリカの前で涙を流しながら声にならない様な声で言った。


「そんなのいいのよ。私はあんな奴らなんかに負かされる訳がないんだから」


アンジェリカは首を横に振りながら言った。


「アンジェリカお嬢様」


レベッカは涙が止まらず言った。


「それに私の過去を黙っていて申し訳ありません」


レベッカは申し訳なさそうに言った。


「その事だって気にする必要なんてないのよ。誰にだって秘密にしておきたい事の1つや2つあるんだから」


アンジェリカが言った。


(私だって転生者だっていう秘密があるわけだし)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「それよりもこうしてレベッカが無事でいてくれる事がなによりも良かったわ」


アンジェリカが泣きじゃくった顔で笑みを浮かべて言った。


「お嬢様、、」


レベッカは胸が締め付けられるくらい温かい気持ちになり言った。


「?!アンジェリカお嬢様お顔の傷はどうしたのですか?!それに手からも出血が」


レベッカがふとアンジェリカの額の傷が目に入りぎょっとした表情で言った。


「何だと?!」


レベッカの声にデビッドが反応して言った。


「アンジェリカ見せてみなさい」


メアリーがぎょっとした表情でアンジェリカに駆け寄り言った。


「お、お母様?!」


アンジェリカは驚き言った。


「なんてことなの。アンジェリカの綺麗と手に傷が、、。先程はアンジェリカが無事だった事に安心して傷に気づかなったわ。母親失格だわ」


メアリーは泣きそうな表情を浮かべて言った。


「お母様。私は大丈夫ですし母親失格などありえませんから」


アンジェリカは慌てて言った。


(お母様、極端すぎる)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「アンジェリカ」


メアリーは目を潤ませながら言った。


「アンジェリカ。アンジェリカにそんな傷を負わせたのはそこに転がっている奴か?」


デビッドがとても低い声で男を見ながら言った。


「えっと、、」


アンジェリカは戸惑いながら言った。


(お父様の声のトーンはやばい気がするんだけど)


アンジェリカが苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「義父上。この男の仕業です」


ロビンがはっきり言った。


「そうか」


デビッドはロビンの言葉を聞いて静かに言うと男を見た。


「ヒィッ」


男はデビッドの視線に思わず声を漏らした。


「一先ず、ロビン。アンジェリカとレベッカを屋敷へ連れ帰り2人の傷を治療してやってくれ」


デビッドが低い声のままロビンへ言った。


「承知しました」


ロビンが頷きながら言った。


「殿下も皇宮へお戻り頂いて結構です。ここは私にお任せ下さい」


デビッドがフィルナンデスへ言った。


「分かりました」


フィルナンデスが頷きながら言った。


「あ、あのお父様。そちらのジード伯爵家の御子息も一緒に屋敷へ連れ帰り治療して頂いてもいいですか?ジード伯爵令息様がいなかったら私はそこの男にもっと危険な目に遭わされていたかもしれませんので」


アンジェリカが慌てて言った。


(とりまあつしをここへ置いていったらまずい気がするもんね)


アンジェリカがそんな事を考えていた。


「ジード伯爵令息が?」


デビッドはジェイドを冷たい視線でチラりと見て言った。


そんなデビッドの視線にもジェイドは特に動じる事もなかった。


(あつしはさすがだわ。お父様の視線にはフィルナンデスやオルシアンですら息を呑むっていうのに。現代の日本で生活してたら正直不理屈な事と腹立つ事とか平気で言われたりヲタクに対する冷たい視線とかも浴びた経験あるからお父様のあの目線にも特に怯むこともないのかな)


アンジェリカはジェイドを見てそんな事を考えていた。


「分かった。ロビン、そこの令息も一緒に連れ帰ってやれ」


デビッドがジェイドを見た後に間を置いて言った。


(ジード伯爵家の末っ子でロビンと同じ学園に通っている殿下やロビンとは幼い頃から交流があるという令息だよな。確かジード伯爵家の息子達は上2人が出来がよく末っ子はあまり出来が良くないと耳にした事があるが私の視線にも全く動じないところを見る限り末っ子の彼が一番出来がいいのかもしれないな。男がアンジェリカの近くにこれ以上近寄るのは許しがたいところだがアンジェリカを助けてくれたとなると話は別だからな。まぁアンジェリカに対してやましい思考など巡らせているのならまた話は変わってくるがな)


デビッドがそんな事を考えていた。


「承知しました」


ロビンが頷きながら言った。


「ありがとうございます、お父様」


アンジェリカはホッとして笑み浮かべて言った。


「あぁ」


デビッドは優しく微笑み言った。


「さぁ早く屋敷へ戻りなさい。私とメアリーもすぐに戻るから」


デビッドは微笑みながら言った。


「はい」


アンジェリカが頷きながら言った。


「では、アンジェリカにジェイド屋敷ヘ向かおう」


ロビンが言った。


「はい」


「あぁ」


アンジェリカとジェイドが頷きながら言った。


(あつし良かったね)


(ああ)


アンジェリカとジェイドが目でやり取りをした。


「あぁそうだ。レベッカ。先にアンジェリカとジェイドを外へ連れて行ってくれるか?」


ロビンが何かを思い出した様に言った。


「承知しました」


レベッカが頷きながら言った。


「行きましょう」


レベッカがアンジェリカとジェイドへ言った。


「ええ」


アンジェリカが言った。


(ロビンはどうしたのかな)


アンジェリカはチラりとロビンを見てそんな事を考えていた。


アンジェリカ達が外へ出た後…


「義父上、少しよろしいでしょうか?」


ロビンがデビッドへ言った。


「どうしたのだ?早くアンジェリカ達を連れ帰れ」


デビッドが言った。


「少しだけこの男に言いたい事があるので伝えてもよろしいですか?」


ロビンが冷たい目をして男を見て言った。


「?少しだけなら。一秒でも早くアンジェリカを屋敷へ連れて帰らないといけないからな」


デビッドが言った。


「承知しました。ありがとうございます」


ロビンが頷きながら言った。


そして、ロビンは寝そべる男の胸ぐらを掴み男の体を起こすと自分の顔を男の耳元へと近づけた。


「久しぶりだな」


ロビンが男の耳元で呟いた。


ロビンの言葉を聞いた男は怯えつつも??という表情を浮かべた。


「覚えていないのか?4年前に会ったというのに?」


ロビンが更に呟いた。


そして、男は更に意味が分からないという表情を浮かべた。


「4年前、お前は私にぶつかり謝るどころか私の持っていたケーキが落ちそれを踏み潰したんだったな?そして私にえらく醜い言葉を投げつけたよな?」


ロビンは冷たく微笑みながら呟いた。


「ま、ま、まさか、、あの時の、、」


男はロビンの言葉を聞くなり顔を真っ青にさせて唇を震わせるながら言った。


(まさかあの時の奴がこの目の前の男だというのか?!先程クライシス侯爵の事を父と呼んでいたよな?まさかこの男はクライシス侯爵家の息子だったのか?!)


男は頭を混乱させながらそんな事を考えていた。


「あぁ、確かあの時はアンジェリカにも色々と言っていたよな?」


ロビンは更に続けて言った。


「あぁ、あぁぁぁぁ」


男は声にならない声を漏らした。


「まぁ、今後は義父上が取り仕切ると思うから気を確かに持てとだけ助言しといてやるよ」


ロビンがニヤリと笑みを浮かべて言った。


男はとうとう声も出ずただただ体をガタガタと震わせていたのだった。


そして、ロビンはそんな男を冷たい目で見て立ち上がるとデビッドの元へ行った。


「義父上。この男は4年前にもアンジェリカに対し失言ややましい目線を向けていました」


ロビンがデビッドとメアリーへ小声で言った。


「何だと?!」


「何ですって?!」


ロビンの言葉を聞いた2人は怒りの表情で言った。


「詳しいお話は落ち着いてからお伝えします。一先ずこの男は今回アンジェリカだと知っていてアンジェリカにやましい危害を加えようとしていた事は確かです。詳しい状況は分かりませんが恐らくレベッカの件もこの男が絡んでいると思われます」


ロビンが更に小声で言った。


「そうか。分かった。ここは私達に任せて早くアンジェリカを屋敷へ連れ帰れ」


デビッドは額に血管を浮き上がらせて今にも男を殺してしまいそうな表情で言った。


「承知しました。後はよろしくお願いします」


ロビンは頷きながら言った。


「あぁ」


デビッドが言った。


「フィルナンデス。我々は外へ出よう」


ロビンが扉付近にいたフィルナンデスへ言った。


「あぁ」


フィルナンデスは頷きながら言った。


(ロビンはあの男を知っているようだな)


フィルナンデスがそんな事を考えていた。


「後で詳しい話をするさ」


ロビンがフィルナンデスの表情を見て察した様に言った。


「ああ」


フィルナンデスはフッと笑みを浮かべて言った。


(ロビンには私が何を考えているのかすぐわかってしまうな)


フィルナンデスはそんな事を考えていた。


そして、ロビンとフィルナンデスは外へ向かった。


「貴様、よくも我が娘のアンジェリカに傷を負わせてくれたな」


デビッドはロビン達が外へ出たのを確認すると男へ殺意剥き出しの表情で言った。


「お前は死に値する程の行為を犯したのよ」


メアリーも同じく殺意剥き出しの表情で言った。


「今回お前が殺し屋の男達に協力した事はすでにわかっている。あの殺し屋達はすでに我々が捕らえたからな。後はお前から話を聞くだけだ」


デビッドは男の元へ近づくと更に殺意の湧いた表情で言った。


男は声すらも出せない程に恐怖にかられ震えていた。


「そんなに震えなくても大丈夫よ。きちんと話を聞くまでは命は繋いであげるのだから」


メアリーが身震いするほどの不気味な笑みを浮かべて言った。


「あ、あぁぁ」


男は2人の言葉を聞き自分の命が危ない事をすぐに察して震えながら声を漏らした。


「一先ずあの男達と一緒に収容しておこう」


デビッドが言った。


「そうね」


メアリーが頷きながら言った。


「あぁ、でもその前に舌を噛んで自害する可能性があるから、、」


デビッドが男へ冷たい目を向けて言うと男へ近づいた。


そして…


グッ…


「ゔんんん」


男が苦しそう表情で苦しそうな声を漏らした。


デビッドが男の口の中へ自身のハンカチを思い切り詰めてから持参していた縄で口とハンカチを固定して舌を噛めない様にキツく縛り上げた。


「これで自ら舌を噛むことは不可能だろう。アンジェリカを傷つけた代償が簡単な死だと思うなよ?」


デビッドは凍りつくような目で男を見て言った。


「お前には地獄よりも苦痛な死を味あわせてやるからな」


デビッドは更に言った。


男は声を漏らすこともできない状況で目を真っ赤にさせ目から涙を鼻からは鼻水を垂れ流し恐怖に怯えていた。


(間違いなく殺される。チクショウ。あの殺し屋達がもっと上手くやっていればこんな事にはならなかったというのに。何故俺がこんな目に合わなければならないんだ)


男は恐怖の中そんな事を考えていた。



♡〜ω〜♡


デビッドとメアリーが男と空き家へ残っていた頃アンジェリカ達はデビッドが事前に呼んでおいた馬車に乗りクライシス侯爵邸へと向かっていた。


馬車の中では…


「レベッカも一緒に乗れば良かったのになぁ。頑なにそれは拒否するんだもんね」


アンジェリカが残念そうに言った。


「そうだよなぁ。レベッカだって怪我してんだからよぉ」


ジェイドが賛同するように頷きながら言った。


馬車の中にはアンジェリカとジェイドの2人きりだった。


「本当にそうだよ。でも今はレベッカがそう言うならそれを尊重してあげようと思ってしつこくは言わなかったんだけどね。きっとレベッカは私が気にしないでって言っても今回の件は自分のせいだって気にしてるだろうからさ」


アンジェリカは複雑な表情で言った。


(本当に私は気にしてないんだけどね。私もあつしもレベッカも無事だった訳だし)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「レベッカらしいと言えばレベッカらしいけどな。"うれかじ18"の漫画読んでた時も思ったけどレベッカは意思が強いだろ?自分の意思は貫くみたいなとこがよ」


ジェイドが言った。


「確かにその通りだね」


アンジェリカは頷きながら言った。


(だから原作では最後まで自分の意思を変えることなくアンジェリカと共に死ぬことになっちゃったんだけどね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


レベッカはアンジェリカが一緒に馬車へ乗ろうという提案を二つ返事て断ったのだった。

レベッカは馬車ではなく馬車と共にやってきていたクライシス侯爵家の騎士の1人の乗っていた馬に同乗していたのだった。


「まぁレベッカのそういうところも魅力の1つなんだけどよ」


ジェイドがニカッと笑いながら言った。


「プッ。何よそれ。どんだけレベッカラブなのよ」


アンジェリカは思わず声を出して笑って言った。


(アンジェリカは何をあの様に楽しそうに笑っているのだ?ジェイドとの話がそんなに面白いというのか?!ジェイドも怪我を負っているかとあの2人を一緒に乗せるべきではなかったね)


フィルナンデスは馬車からアンジェリカの笑い声が聞こえてふてくされた表情でそんな事を考えていた。


(ジェイドとアンジェリカは初めて会ったというのに何故あんなに笑い声がここまで聞こえてくる程楽しそうにしてるんだ?ジェイドもジェイドだ。どうもアンジェリカに軽々しい気がするな)


ロビンもアンジェリカの馬車から聞こえる笑い声を聞いて不機嫌そうにそんな事を考えていた。


「それより今日は本当に驚いた1日だったよね」


アンジェリカが言った。


「確かに。悪党に拉致られたのもまぁ日本では早々ない経験だってのにまさか俺と麻美が同じ世界に転生してたなんてな」


ジェイドがフッと笑みを浮かべて言った。


「本当にそれな。私らが同じ世界に、それも前世で読んでた"うれかじ18"の世界に転生したんだから本当に驚きたよ。類は友を呼ぶって言うけど私のヲタク糸強すぎな」


アンジェリカはくすっと笑いながら言った。


「上手いこと言うな。類は友を呼ぶか。きっと麻美が俺を呼んだんだな」


ジェイドが笑いながら言った。


「間違いないよね」


アンジェリカも笑いながら言った。


「てかワンチャンきよしもあっちの世界で万が一があったならこの世界に転生してきたりして」


アンジェリカは笑いながら言った。


「それありえまくりじゃないか?もー麻美、俺ときたらきよしは間違いなく来るだろう」


ジェイドは笑いながら言った。


「それな。でもまぁ実際きよしにはじーちゃんなるまで長生きしてじーちゃんなるまでUO炊いて光害であって欲しいのが本音だけどね」


アンジェリカは笑いながら言った。


「ハハハ。確かにきよしには長生きしてもらいたいもんだな。今もあっちで光害全開だろうしな」


ジェイドは笑いながら言った。


「おっ。そーいやーきよしの奴俺

死ぬちょっと前に一緒に言ったライブで退場喰らわされたんだぜ」


ジェイドは腹を抱えて笑いながら言った。


「マジ?!何その草すぎる状況は」


アンジェリカも腹を抱えながら笑った。


「オモロすぎるだろ?本当にきよしの奴はいつも楽しませてくれる奴だよな」


ジェイドは笑いながら言った。


「確かにきよし伝説まぁまぁ凄いのあるもんね」


アンジェリカは笑いながら言った。


「伝説作りまくりだよ」


ジェイドは笑いながら言った。


「今頃きよしの奴きっとくしゃみしてるわ」


アンジェリカが笑いながら言った。


「間違いないな」


ジェイドも笑いながら言った。


※"へっくしゅん"まさに同じ頃日本ではきよしが「これは誰か俺の話してるな」と言いながらくしゃみをしていた。


その時…


コンコンッ


馬車の窓を叩く音がした。


アンジェリカとジェイドは突然の音に一瞬ビクッとなった。


「まさか私らの会話外まで聞こえてないよね?!」


アンジェリカは慌てて小声で言った。


「大丈夫だろ」


ジェイドも慌てて小声で言った。


そして、アンジェリカはゆっくりカーテンを開けた。


窓を叩いたのはフィルナンデスだった。


「殿下どうかなさいましたか?」


アンジェリカは平然を装い言った。


(ちょっ、マジで私らの会話漏れてたとか?!)


アンジェリカは内心ドキドキしながらそんな事を考えていた。


「いや。ただジェイドに言いたい事があってね」


フィルナンデスは首を小さく横に振りながら言った。


「え?俺?」


ジェイドが予想外の事に驚き言った。


「あぁ。アンジェリカは怪我を負っているし疲れてるんだ。クライシス侯爵邸へ着くまでアンジェリカを少しでも眠らせてやる配慮はできないのか?」


フィルナンデスが不満気にジェイドへ言った。


「え?あ〜あぁ分かったよ」


ジェイドは一瞬??という表情でぽかんと口を開けていたがすぐに慌てて頷きながら言った。


「理解してくれて助かるよ」


フィルナンデスがやれやれといった表情で言った。


「では、アンジェリカ。クライシス侯爵邸に着くまで眠り休むといいよ」


フィルナンデスは優しい笑みを浮かべて言った。


「分かりました。お気遣いありがとうございます」


アンジェリカは少し戸惑いつつ言った。


「あぁ」


フィルナンデスは優しい笑みを浮かべて言った。


そして、アンジェリカは再びカーテンを閉めた。


「何で俺が責めらてんの?」


ジェイドは意味がわからないという表情で小声で言った。


「分かんない」


アンジェリカは笑いを堪えながら小声で言った。


「俺だって少しは負傷してんのによ」


ジェイドはしょぼんとした表情で小声で言った。


「フィルナンデスってあんなキャラだったか?もっとこう誰にでも優しいキャラじゃなかったか?」


ジェイドは不満気な表情になり小声で言った。


「誰にでも優しい訳じゃないよ。ロビン限定よ。ロビン限定」


アンジェリカはビシッと指を前に出して自信満々の表情で小声で言った。


「今は麻美にも優しかっただろうが。俺だけ悪もんみたいになってよ」


ジェイドは不満気に小声で言った。


「多分それはお父様達の目を気にしてだと思うよ。帰り際に私が体調崩したらお父様達は容赦なくフィルナンデスにもグチグチ言うだろうから」


アンジェリカは確信した表情で小声で言った。


「あぁ、そういうことか。噂になるほど今の麻美の父さんと母さんは親バカなんだもんな。さっきも空き家で俺の事殺しそうな目で見てたもんな」


ジェイドは納得した表情をして小声で言った。


「お父様のあの目つきによく普通でいられたのよね。やっぱり前世で日本に暮らしてたお陰だよね。あのお父様の視線に皇太子であるフィルナンデスですら狼狽えるんだから」


アンジェリカが感心しながら小声で言った。


「確かに前世が日本人だったからか麻美の父さんのあの目つきは別に何ともなかったな。ああいう目つきは前世で幾度となく向けられてたからな。ライブ会場、特にオルスタのライブはとにかく最前を取るのが戦争だったからな。最前を取るために周りの野郎達を威嚇する目つき皆してたからな。俺ときよしが最前を取ろうもんなら殺されるんじゃないかってくらいの目で視線浴びせられたもんな。麻美の父さんのさっきの目つきは完全にヲタク野郎達のあの最前取るための血走った目つきだったよ」


ジェイドは小さく頷きながら小声で言った。


「例え方よ」


アンジェリカはプッと笑いながら小声で言った。


「でも皇太子のフィルナンデスでも狼狽えるんだから俺が前世日本人じゃなけりぁあの目つきには耐えられなかったと思うとゾッとするな」


ジェイドが苦笑いを浮かべて小声で言った。


「確かに。フィルナンデスがロビンだけじゃなく私にも優しくするくらいだからよほどお父様が怖いんだろうからね」


アンジェリカは頷きながら小声で言った。


「まぁなにはともあれこの世界に麻美が転生してくれてて良かったよ。いくら前世で転生ものを読んでる俺でもやっぱり不安なとこもあったからよ」


ジェイドは困り笑みを浮かべて小声で言った。


「私も馴染みのあるあつしが転生してきてくれて良かったよ。何か一気に心強くなったって感じがするよ」


アンジェリカはフッと笑みを浮かべて小声で言った。


「ハハハ。麻美らしい言い方だな」


ジェイドはニカッと笑いながら小声で言った。


「これからはアンジェリカとジェイドとしてよろしくね」


アンジェリカは笑顔でジェイドに手を差し出しながら小声で言った。


「あぁ。もちろんだとも」


ジェイドはニカッと笑みを浮かべてアンジェリカと握手を交わしながら小声で言った。


「今後はジェイドとレベッカがカップルになれる様に全力で応援するからね。レベッカに幸せになって欲しいから相手がジェイドなら私も大賛成だからさ」


アンジェリカは笑顔を浮かべて小声で言った。


「おう!頼んだぜ。俺が絶対レベッカを幸せにしてやるからよ」


ジェイドは自信満々に微笑みながらグッドポーズをしながら小声で言った。


(このグッドポーズはあつしが前世でよくやってたポーズだったのにあのポーズでジェイドがあつしって気づかなかったとはね)


アンジェリカはそんな事を考えていた。


「頼んだわよ」


アンジェリカが笑みを浮かべて小声で言った。


「あ、ジェイドはフィルナンデスとロビンと学園一緒なんだから色々情報提供よろ。私の腐女子生活を潤わしてくれる救世主現れた〜」


アンジェリカはニヤリと笑みを浮かべて小声で言った。


「はいはい。まったくぬかりねえな」


ジェイドは苦笑いを浮かべて小声で言った。


「当たり前でしょ」


アンジェリカは自信満々の笑みを浮かべて小声で言った。


「これからは"うれかじ18"のこの世界でジェイドは推しキャラのレベッカと幸せを築いて、私は推しキャラ達を見ながら腐女子生活を存分に謳歌するのよ」


アンジェリカはハイタッチの構えをしながら満面の笑みを浮かべて小声で言った。


「あぁ」


ジェイドは笑顔でアンジェリカにハイタッチをして小声で言った。


こうして麻美、あつし改めアンジェリカとジェイドは共に貴族令嬢と令息として"うれかじ18"の世界を自身の目的の為に過ごそうと約束したのだった。


しかし、この時のアンジェリカはこれから腐女子生活が謳歌できるどころか気づいたら腐女子生活を妨害されてしまうことを…


そんな事を想像すらもしていないアンジェリカはジェイドと共に一気に気が抜けたのか馬車の中でクライシス侯爵邸に到着するまで爆睡していたのだった…


その寝顔は今日1日大変な事に巻き込まれた事など忘れたかの様に満足気な表情で眠っていた…


「あぁ〜これからは誰にも邪魔されず今までよりもより一層楽しい腐女子生活が送れるわ〜」


なんて寝言を言いながら素敵な夢を見ていたのだった…

ご覧頂きありがとうございます★


他にも連載中の小説がありますのでよろしければご一緒にご覧下さい★


↓↓↓↓



私が悪役令嬢?!…ならばシナリオ無視して全力で推しを守り愛し共に幸せになる所存です!!

〜じゃじゃ馬令嬢は異世界でも推し活に励む〜(※不定期更新)


ヤンデレ公爵令息の溺愛ストーカー日記♡転生令嬢の破滅回避生存日記☆(※不定期更新)



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