4腐活目.腐女子の前にW主人公のおな〜り〜
(まったく今日は朝から踏んだり蹴ったりな日だなぁ)
アンジェリカはお茶を一口飲むと内心お疲れモードでそんな事を考えていた。
(さっきの乙な状況だけでもとんでも案件だっていうのにまたこの目の前のカオスな状況ときたら)
アンジェリカは目の前の光景をみて呆れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。
現在、クライシス侯爵邸の客間にアンジェリカを初めデビッド、メアリー、ユリウス、カシア、フィルナンデス、オルシアン、ロビンがいて皆でお茶を飲んでいた。
「ユリウス、そのお茶を飲んだらすぐに帰れ」
デビッドが不機嫌MAXな表情で言った。
「まだ来たばかりだというのに?」
ユリウスは首を傾げながら言った。
「招かれざる客なのだから当たり前だろ」
デビッドは更に不機嫌そうに言った。
「私達の仲で招くも何もないだろう?それに今日はロビンの顔を見に来たのだから」
ユリウスは何のそのいわんばかりに微笑みながら言った。
「ロビンの顔が見たいなら宮殿に呼び出したらいい話だろう。わざわざ連絡もなしにここへ来る必要などないだろう」
デビッドは不満気に言った。
「別にそうしても良かったんだけどジョーディー達の墓に参ったらロビンの顔が見たくなったからその足でここに寄ったまでだよ」
ユリウスは微笑みながら言った。
「チッ。相変わらずマイペースな奴だな」
デビッドは不機嫌そうに言った。
(お父様も相変わらず陛下に舌打ちなんてしてこちらの身になって欲しいもんだわ。本当に心臓がいくつもあっても足りやしないって話だよ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「ロビンが思ったよりも元気そうで安心したわ」
ロビンを見てカシアが安堵したように微笑みながら言った。
「本当だね。葬儀の時以来ロビンに会えていなかったから心配していたんだけれど思ったよりも表情が落ち着いていて安心したよ」
ユリウスも微笑みながら言った。
「フィルナンデスもオルシアンもロビンをとても心配していたし2人共ロビンと会えてホッとしたのではない?」
カシアがフィルナンデスとオルシアンに微笑みながら言った。
しかし、フィルナンデスもオルシアンもカシアの言葉に反応しなかった。
「フィルナンデスもオルシアンどうかしたのか?」
ユリウスが不思議そうに2人に言った。
「え?あ、はい。あ、安心しました。ロビンが元気そうで何よりです」
「ほ、本当に。ロビン兄様が元気そうで良かったです」
フィルナンデスとオルシアンはハッとなり慌てて言った。
「い、色々とご心配をおかけしましたが私はもう大丈夫です」
ロビンも何故か慌てて言った。
「3人共どうかしたの?何だか話し方がおかしい気がするのだけれど」
カシアが心配そうな表情で言った。
「そ、そんな事はありません」
「あ、兄上の言う通りです」
フィルナンデスとオルシアンは更に慌てて言った。
「本当に?」
カシアが更に言った。
(おいおいおい。フィルナンデス、ロビン、オルシアンよ。あからさまにきょどりすぎでしょ。3人がおかしいのは間違いなくさっきの事が原因だよね)
アンジェリカは顔を引きつらせながらそんな事を考えていた。
♡〜ω〜♡
それは今より少し前にアンジェリカのDIYの作業部屋にて…
(どうしてフィルナンデス達がここにいるわけ?!)
アンジェリカは自分のラフな姿に奇妙な踊りまで見られて穴があったら入りたい状況でそんな事を考えていた。
(一先ず何でフィルナンデス達がいるかより先に、、)
アンジェリカは一旦冷静になりそんな事を考えていた。
そして…
スガスガとフィルナンデス達の元へ歩いて行くと…
「申し訳ありませんが少し外でお待ち下さい」
アンジェリカはニコリと微笑むと3人を外へと追いやりバタンッと扉を閉めた。
(よし)
アンジェリカは扉を閉めるとそんな事を考えていた。
そして…
(必殺早着替え)
アンジェリカは目をギラッと見開くと心の中で叫んだ。
そして、アンジェリカは物凄い速さで着替えを始めた。
※説明しよう。必殺早着替えとはアンジェリカが前世で"うれかじ18"を夜な夜な読み過ぎて何度も寝坊をした際に培った着替えの必殺技である。
ガチャ…
アンジェリカは着替えを済ますとまるで何もなかったかの様な表情で扉を開けた。
扉を閉めて開けるまでの時間はじつに1分。
普通の貴族令嬢ではとても成し遂げる事のできないタイムを叩き出してアンジェリカは再度フィルナンデス達を部屋へ招き入れた。
「その、、クライシス令嬢先程は一体」
フィルナンデスが明らかに動揺しながら言った。
(先程の彼女は見てはいけない状態
だった気がする。先程の令嬢の姿は何だったのだ?下着でもないのに肌の露出が。それにむ、胸の形がくっきりしていた上にお尻をあの様に振るなんて)
フィルナンデスは混乱しつつそんな事を考えていた。
(どうやって誤魔化したらいい?よりによってフィルナンデス達にあんな姿見られるなんてね。失態だわ。俗に言うお嫁にいけないっていうのはこういう案件の事だね)
アンジェリカは動揺するフィルナンデスを見てそんな事を考えていた。
「ま、まったく貴族令嬢とはお、思えない行動だな。兄上達に見苦しいものを見せるなんて」
オルシアンが動揺しながら言った。
(いやいやそっちが勝手に入ってきたんでしょ?こっちは見せたくて見せたんじゃなくてそっちが勝手に見たんだよ?こちらとて前世でもきよしとあつしぐらいしか私のあんな見てないってのに)
アンジェリカはあんぐりした表情でそんな事を考えていた。
(ん?でも待って。確かにオルシアンの言う通りかもしれないわ。オルシアンはともかくフィルナンデスとロビンはBL男子なんだなら私のあんな姿見たら不快に思うよね。そうだよー何でそこに早く気付かなかったんだろう。だからだよ。だからフィルナンデスもロビンもあんなに動揺してるんだわ。あの動揺は女である私のあんな姿を見てしまったから不快に思ってうわぁ〜きっつ。の意味だったに違いないわ)
アンジェリカは何故か一人納得した表情でそんな事を考えていた。
「先程は大変お見苦しい、、いや大変不快なものを見せてしまい申し訳ありませんでした。この作業部屋には普段私と侍女のレベッカや数人の使用人しか出入りしないものですからまさか殿下達がいらっしゃるなど思いもせずいつもの様な形で作業していましたので」
アンジェリカは申し訳なさそうに言った。
("うれかじ18"のファンである私がよりにもよって主人公2人を不快にさせてしまうなんて思ってもなかったよ。私としたことが何ていう失態)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「侍女以外の使用人達というのは男性の使用人もいるのかい?」
フィルナンデスが戸惑いながら言った。
「?はい。2人ほど男性の使用人がいますけど」
アンジェリカは?という表情で言った。
(ムスカとオルンだけどね。ムスカとオルンはBLカップルだから私があんな格好したって別に興奮したり何だりする訳じゃないし不快にも思ってないみたいだったしね。それにここでは今ムスカとオルンの結婚祝いのものを作ってるから少し意見を聞いたりする為にここに出入りしるだけだしね。こないだはムスカとオルン様にタンクとショーパン作ってプレゼントしたあげたらお互いそれを試着した時にお互いその姿を見て照れてたよね。あの姿がマジでたまらなかったんたよね。いつもと違うファッションにお互い何かと意識してて悶々したっちゃありぁしない)
アンジェリカは内心にまにましながらそんな事を考えていた。
(先程の格好は肌の露出が大半を占めていた。それなのに侍女は女性だからともかく男性の使用人も出入りしているだと?それならばその男性使用人達は令嬢の先程の様な格好を見ているということか?!令嬢の周りに近づく男性を威嚇している様に感じた侍女がその光景を見て激怒しないのか?侯爵夫婦はその事実を知っているのか?)
フィルナンデスはモヤモヤしながらそんな事を考えていた。
(フィルナンデスの表情が何だか変だけどどうしたんだろう。あっ。まさか男性使用人が出入りするってのを聞いて気を悪くしたとか?男性使用人が不快な思いをするんじゃないかと思って?!)
アンジェリカはフィルナンデスの表情を見てそんな事を考えていた。
「先程着ていた洋服は初めて見る形の物だったがどこで仕立てた物なんだ?あんな下着に近い洋服を仕立てるなどありえない仕立て屋だ」
オルシアンが不満気に言った。
(あ、あんな肌の露出が高い物を仕立てて成人にも満たない令嬢に着せるなど。着る方も着る方だけどな。あんな胸元が開いて今にも胸がこぼれ落ちそうだったというのに)
オルシアンは何故かイライラしながらそんな事を考えていた。
「あの洋服を仕立てたのは私です。この小屋で作業する為だけに作った洋服ですから」
アンジェリカはきょとんとした表情で言った。
(あれくらいの服にわざわざ仕立て屋なんて呼ぶわけないでしょうに。あれくらいだったら前世でオタライブに着ていく用のきよしの服作ってたのもあって簡単に作れたしね。オルシアンったらあんなに不満な顔してその仕立て屋がいたら抗議でもする勢いだね。まぁフィルナンデス大好きなオルシアンならフィルナンデスを不快にさせただの何だの言いそうだわ)
アンジェリカはオルシアンを見てそんな事を考えていた。
「何?!自分で仕立てただと?!」
オルシアンは驚き言った。
(この令嬢は洋服まで仕立てる事ができるのか?!それも見たこともないおかしなデザインの洋服を)
オルシアンは驚いた表情のままそんな事を考えていた。
「?はい。別にドレスを仕立てる訳ではありませんからあれくらいの洋服でしたらすぐに作れますので」
アンジェリカは?という表情で言った。
(本当にあのレベルの服を作る仕立て屋がいると思ったわけ?あんなレベルの服を貴族の前に出したら店ごと潰されるわ。笑)
アンジェリカは笑いを堪えてそんな事を考えていた。
(あれを自分で作っただと?何故あの様な露出の高い洋服をわざわざ作ったのだろうか)
フィルナンデスがアンジェリカとオルシアンの会話を聞いてそんな事を考えていた。
(アンジェリカは普通の令嬢とは違うとは思っていたがまさか洋服まで仕立てる事ができるとはな。しかしあの様な露出の多いデザインはいかがなものか)
ロビンもアンジェリカとオルシアンの会話を聞いてそんな事を考えていた。
「令嬢は洋服まで仕立てる事ができるのか?!」
オルシアンは驚いた表情のまま言った。
「はい。簡単な物でしたら」
アンジェリカは頷きながら言った。
(前世で着てた様な服ならまぁ作れるよね。貴族のドレスとか無理だけどね。てか、オルシアンは仕立て屋うんぬんより服が作れるってことに食いついたんかい)
アンジェリカは拍子抜けな表情でそんな事を考えていた。
「この作業小屋を見ても思ったが令嬢は本当に物作りをしている様だな」
オルシアンは小屋の中をチラりと見ながら言った。
(前に物作りをすると聞いて貴族令嬢がと半信半疑だったがここを見る限り本当のようだな)
オルシアンはそんな事を考えていた。
「まさかは第二皇子殿下は私を疑っておられたのですか?」
アンジェリカは目を細めてオルシアンへ言った。
「べ、別に疑っていた訳では」
オルシアンが慌てて言った。
そんなオルシアンをアンジェリカが目を細めたままじっと見た。
「な、何だ?」
オルシアンはたじたじになりながら言った。
「まっ、ここを見てもらって嘘ではない事を理解して頂けたかと思いますので」
アンジェリカはニヤリと笑みを浮かべて言った。
「なっ」
オルシアンはハッとなり言った。
(また私のことをからかったな)
オルシアンはアンジェリカをキッと睨みつけて言った。
そんなオルシアンを見てアンジェリカはくすくすと笑っていた。
(やっぱりオルシアンはからかい甲斐があるわぁ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「フィルナンデス。オルシアンが貴族令嬢にあんな風に接するのを初めて見たよ」
アンジェリカとオルシアンのやり取りを見てロビンがフィルナンデスに耳打ちした。
「私もだよ」
フィルナンデスは少し不満気に言った。
(やはり私の思っていた通り令嬢とオルシアンは会うと明らかに仲良くなっている様に感じる。オルシアンと私に対してだと態度が違う気もするしな。4年前のあの日はあんな見た目の私にも関わらず顔色一つ変えず真っ直ぐに私に接してくれたのに。見た目が変わったら何か変わると思ったが令嬢はあの時の私が私だとも気づかないままだしね。私も令嬢と仲良くなりたいというのに)
フィルナンデスはモヤモヤしながらそんな事を考えていた。
(ちょっとフィルナンデスとロビンが耳打ちし合ってる。な、な、なんてエロスな光景なの?!原作で何度か2人が耳打ちし合う光景を見て悶絶したけど生で見るあの光景はヤバい。ヤバすぎて今すぐ叫んでしまいたい)
アンジェリカはふとフィルナンデスとロビンを見た光景に内心よだれを垂らし悶えながらそんな事を考えていた。
(きっと、ロビンが「先程はあんな物を見て気分が悪くなっただろうに大丈夫か?」って言ってフィルナンデスが「大丈夫さ。不快に思ったのは確かだが横に君がいてくれたから」とか言ってんだろうね。くぅ~。たまりませんなぁ)
アンジェリカは更に内心悶えながらそんな事を考えていた。
しかし、悶えていたアンジェリカが急にハッとなった。
(ちょっと悶えてる場合じゃないわ。そろそろレベッカが戻って来る頃じゃない?レベッカにこの状況を見られたら何となくヤバい気がするんだよね)
アンジェリカはハッとなりそんな事を考えていた。
「御三方を不快にさせてしまった事は謝ります。ですので何故皇太子殿下と第二皇子殿下が我が屋敷にいるのかは存じ上げませんが今は一刻も早くこの場から離れてください」
アンジェリカは慌てて3人へ言った。
「何故急に?」
ロビンが言った。
「もうすぐ冷たい飲み物を取りに行ってくれたレベッカが戻ってきます。レベッカがこの状況を見たらなかなか面倒な事になりかねないのでどうか早くここから離れてください。これは御三方の為に言っているのですから早く」
アンジェリカは更に慌てて言った。
アンジェリカの言葉を聞いた3人が一瞬考えた。
3人はレベッカがアンジェリカの事を凄く大切にしている侍女だと知ってるが故に何故かレベッカと共に侯爵夫婦の顔も浮かんだ。
その瞬間3人はぎょっという表情を浮かべた。
(3人共状況を把握したみたいね。把握が早くて助かったわ。レベッカに私のあの姿をこの3人に見られたなんてバレたら間違いなく殺意をむき出しにするもんね。ムスカとオルンはBLカップルだってレベッカも知ってるからあの2人私のあんな姿を見ても何ともないけどこの3人は違うからね。レベッカにバレるともっとややこしいのがお父様とお母様だからとにかくバレない様にしなきゃ)
アンジェリカは慌ててそんな事を考えていた。
「状況が把握できたようですね。では、早く屋敷へ向かって下さい」
アンジェリカは慌てて言った。
「あ、あとここへ来たことはくれぐれも知られない様にして下さいね」
アンジェリカが更に言った。
するとアンジェリカの言葉に3人は頷くと足早に小屋から離れて言ったのだった。
(これでどうにかバレずに済みそうだね)
アンジェリカはホッとした表情でそんな事を考えていた。
(それにしても何でうちにフィルナンデスとオルシアンがいるんだろうか?)
アンジェリカはふと疑問に思いそんな事を考えていた。
フィルナンデス達が小屋を離れてから5分後にレベッカが戻ってきた。
「戻りました」
レベッカが戻ってきて言った。
「ご苦労さま」
アンジェリカが笑顔で言った。
「アンジェリカお嬢様着替えられたのですか?」
レベッカがアンジェリカを見て言った。
「ええ。暑いしそろそろ作業を切り上げようと思ってね」
アンジェリカは笑顔で言った。
(本当は着替えるしかない状況だったなんて口が避けても言えないね。本当についこの間ロビンの件が落ち着いたと思って安心してたらまた一難だよ。私は一難も何もなくムスカとオルン始めBLカップルをただただ拝みたいだけなのにさ)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「それよりレベッカ飲み物はどうしたの?」
アンジェリカがレベッカが手ぶらなのを見て言った。
「それが飲み物を用意している最中にミゲルフ樣がいらしてお客様が訪問されたのでアンジェリカお嬢様を呼んできて欲しいと言われましてすぐにここへ戻ってきました」
レベッカが説明した。
「お客様?」
アンジェリカが言った。
(フィルナンデスとオルシアンでしょうね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「はい。皇帝陛下、皇后陛下、皇太子殿下、第二皇子殿下が訪問されたそうです」
レベッカが言った。
「え?陛下達が?!」
アンジェリカは驚き言った。
(フィルナンデス達だけじゃなくて家族御一行で来てたんかい。これはお父様とお母様は不機嫌そうだね。陛下達が訪問するなんて聞いてないからアポ無しで来たっぽいもんね)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「ならばすぐに支度をしてお父様達のところへ行かないといけないわね。すぐに支度しましょう」
アンジェリカは慌てて言った。
「はい」
レベッカは頷きながら言った。
そして、アンジェリカはすぐに汗を流して着替えを済ませるてフィルナンデス達が待つ部屋へと向かったのだった。
そして…現在に至るのだった。
(フィルナンデス、オルシアン、ロビン!そんなおどおどしてたら何かあったってすぐバレるでしょうが。いくら不快な思いしたからってそんなに尾を引かなくてもいいでしょうが。まったく。さっきの事バレたらお父様とお母様とレベッカが怒り狂う姿が想像できるんたから)
アンジェリカはフィルナンデス達のしどろもどろした態度を見て苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
(陛下はあの感じだとお父様が嫌がってもまだここに居座りそうだしこのままだとバレそうだからどうにかこの場からあの3人を退避させなきゃだわ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(どうやって退避させる?う〜ん。何かいい方法ないかなぁ)
アンジェリカは頭を悩ませながらそんな事を考えていた。
(あっ、そうだ)
アンジェリカはピンっと何かひらめいた表情でそんな事を考えていた。
「あのお父様、少しよろしいですか?」
アンジェリカがデビッドへ言った。
「ん?アンジェリカどうしたのだ?」
デビッドはつい先程まで苛立っていたがすぐに笑みを浮かべて言った。
「以前、宮殿で殿下方に素敵な庭園を案内して頂いたお礼に殿下方を我が屋敷に招待するという話をしていまして」
アンジェリカはにこりと微笑みながら言った。
「何?殿下方を我が屋敷に招待だって?!」
デビッドは一気に冷たい表情を浮かべて言った。
デビッドだけではなくアンジェリカの言葉を聞いたメアリーも冷たい表情を浮かべていた。
(やっぱりそういう反応になるよねぇ。それもお母様までも)
アンジェリカは内心苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「はい」
アンジェリカは顔を引きつらせながらも笑顔を作り言った。
「それは何やら楽しい話だね」
ユリウスが笑顔で言った。
(ごめんなさいけど陛下、今は黙ってて下さい。陛下が口を出すと余計に事がややこしくなるので)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「黙れユリウス」
デビッドがユリウスを睨みながら言った。
(お父様、確かに陛下が口を出すとややこしいけれど皇帝にその態度で黙れは死罪に値しますよ)
アンジェリカは内心苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
デビッドにそう言われてもユリウスには慣れてるといわんばかりに余裕の笑みを浮かべていた。
「お父様、招待するのにも理由がきちんと理由があるのです」
アンジェリカが切実な表情で言った。
「理由だと?」
デビッドは不機嫌なまま言った。
「はい」
アンジェリカは頷きながら言った。
そして、チラりとオルシアンを見た。
すると、オルシアンと目が合った。
(何で私を見るんだ?)
オルシアンはアンジェリカと目が合うと一瞬ドキッとしてそんな事を考えていた。
(オルシアン先に謝っとくね。ごめん。オルシアンを犠牲にさせてもらうわ)
アンジェリカは困った表情を浮かべてそんな事を考えていた。
そんなアンジェリカの表情を見てオルシアンは??という表情を浮かべていた。
「その理由とは何なのだ?」
デビッドは不満気に言った。
「宮殿で殿下方に庭園を案内して頂いた際に第二皇子殿下が少し機嫌が悪そうにしてらしたので私にあまり印象をお持ちでないとすぐに分かりました」
アンジェリカはしょんぼりした表情で説明し始めた。
「何だと?第二皇子殿下が?」
デビッドはアンジェリカの言葉を聞いた瞬間鬼の面相になりオルシアンを見た。
メアリーも同じ様にオルシアンを見た。
そんな表情で見られたオルシアンはえ?と驚き動揺した表情を浮かべてアンジェリカを見た。
(一体何を言い出すんだ?俺が侯爵に殺されてもいいというのか?!)
オルシアンはそう言わんばかりの目でアンジェリカを見た。
(そんな物騒な事は起きないから大丈夫よ。だからごめんって先に謝ったでしょ?)
と言わんばかりの目でオルシアンを見た。
「それで?」
デビッドが額に血管を浮かばせながら血走った目で言った。
(いやでも早く説明しやきゃ本当にオルシアンが殺されちゃうかも)
アンジェリカはデビッドを見て苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「どうやら第二皇子殿下は私が皇太子妃の座を狙っているのではないかと思われていた様で皇太子殿下の事を案じてその様な態度だったようです。ですが、私は皇太子妃の座など少しも狙ってなどいないのでその旨をお伝えしました。しかし、やはりこれまで色々なご令嬢を見てこられたのもあり上手く伝わらなかったので私ははっきりと誰とも婚約するつもりはないですと。婚約よりも私はやらなければならない事がありますと。そのやりたい事は物を作る事だとお伝えしたのです」
アンジェリカは説明を続けた。
アンジェリカの説明を聞いたデビッドとメアリーは更に表情を強張らせて今にも爆破しそうな表情を浮かべていた。
(あららお父様もお母様も爆破寸前の顔してるよ)
アンジェリカはデビッド達を見てそんな事を考えていた。
「ですが、はやり貴族令嬢が物作りをするなど聞いたことがないと信じてもらえずでした。ですので私が本当に物作りをしているという事を知ってもらい皇太子妃はおろか婚約の事なども一切考えていないと第二皇子殿下にもですが皇太子殿下にも自分の目で見て確かめて知っておいて頂きたいと思い素敵な庭園へ案内して頂いたお礼に我が屋敷に招待するとお伝えしたのです」
アンジェリカは真剣な表情で説明した。
「私はお父様やお母様やお義兄様にも素敵な物を作って贈ったということも知っておいて頂きたかったのです。特にお父様達にお渡しした物は特別な思いがこもってる物ですから」
アンジェリカは切実な表情で言った。
「うちのアンジェリカはその辺の頭が悪そうな上に容姿も大したことのない令嬢達とは違うというのにそんな事もわからないというのか?それもアンジェリカ本人が婚約よりも大切な事があるとわざわざ説明したにも関わらずその話を信用していないと?」
デビッドは口をピクピクさせながらオルシアンをガン見しながら呟いた。
(お父様、他の令嬢をここでディスる必要はないんだよ?だけどこの感じだと恐らくお父様はきっと、、)
アンジェリカは呆れつつもすぐにニヤリと口角を上げてるそんな事を考えていた。
デビッドの視線にゾッとしたオルシアンはアンジェリカの方を見た。
(おい!君のせいで私が侯爵に殺されそうになってるというのに何故ニヤニヤしてるんだ?!一体私をどうする気なんだ?あの時の態度は仕方ない事くらいわかるだろう?くそっ。やはりこの令嬢はいけすかない奴だ)
オルシアンはニヤリと口角を上げていたアンジェリカを見て苛立ちながらそんな事を考えていた。
「そこまでアンジェリカの言う事が信じられないのであればご自分の目で見られてはどうすですか?!どうやら第二皇子殿下は人を見る目が乏しいようなので」
デビッドは口元をピクつかせながらオルシアンへ言い放った。
「アンジェリカ。今すぐにうちの娘がどれだけ凄いかを殿下方にお見せしなさい。今すぐにだ」
デビッドは大声で言った。
「ですがよろしいのですか?私が殿下方を招待した事をよく思われていませんでしたが」
アンジェリカは困り顔で言った。
「構わない。うちのアンジェリカがまるで出来損ないの嘘つきの様に言われている事の方がよほど不快で仕方ないからな。一秒でも早くアンジェリカの凄さを見せつけ殿下方の鼻をへし折ってやるといい」
デビッドは堂々と言った。
(陛下達を目の前にして鼻をへし折ってやれって。こっちがへし折られる様な事を平然というのやめてくれる?てか、両陛下もほっこりしてないで怒ったら?明らかに不敬罪に値するよ?まぁ本人達がいいなら私は命繋がるしいいんだけどさ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(それよかやっぱりお父様ならああ言うと思ってたよ。私が馬鹿にされるの物凄い嫌がるからね。オルシアンを犠牲にしちゃったけどこの作戦は大成功だわ)
アンジェリカは内心ガッツポーズをしながらそんな事を考えていた。
「分かりました。今すぐに殿下方をご案内して私の作った物を見せてきます」
アンジェリカは頷きながら言った。
「あぁ」
デビッドが頷きながら言った。
メアリーもデビッドに賛同する様に頷いていた。
「殿下方、ご案内致します」
アンジェリカが優しく微笑みながらフィルナンデスとオルシアンへ言った。
「あぁ」
「あぁ」
フィルナンデスとオルシアンが戸惑いつつも頷きながら言った。
「お義兄様もご一緒にどうですか?殿下方と久々に会われたのですから募る話などもあるでしょう?」
アンジェリカがロビンに言った。
「義父上、私も同行しても構いませんか?」
ロビンがデビッドに言った。
「あぁ。構わない」
デビッドが頷きながら言った。
「分かりました」
ロビンが言った。
「では、御三方行きましょう」
アンジェリカが微笑みながら言った。
(よし、カオスなこの場から抜け出す作戦完了。あのままあの3人のしどろもどろ具合が露呈したらまずかったもんね)
アンジェリカはホッとしながら言った。
「レベッカも一緒に行きましょう」
アンジェリカが笑顔で言った。
「はい」
レベッカは嬉しそうに微笑みながら言った。
「ミゲルフ。私達が行ったら厨房へ行って私が使う専用の調理器具近くに昨日焼いたクッキーがあるからお父様達に出してあげてちょうだい。私が作るクッキーはお父様もお母様も好きでしょ?それを食べたら機嫌も直るはずだから」
アンジェリカは席を立つとミゲルフにそっと耳打ちした。
「承知致しました」
ミゲルフは微笑みながら言った。
そして、アンジェリカ達は部屋を出ようとした。
「アンジェリカ。先程の話の内容だが婚約については全く考えていないという言葉は最高だったぞ。さすが我が娘だ。そもそもアンジェリカに見合う男などこの国にはいないのだから婚約も何もないからな」
その時、デビッドがとても満足気に言った。
「デビッドの言う通りよ。よくぞ言ったわ」
メアリーも満足気に言った。
「はい」
アンジェリカは笑顔で言った。
(そこ褒めポイントなの?!他の皆もそこ?って顔してるけど?まぁ私に見合う男がいないってのは合ってるかもね。だって基本BLな世界な訳だし女である私は対象外だからね。でも私的には悠々BL達を拝めるからいいんだけどね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
そして、アンジェリカ達は部屋を出て行った。
「レベッカ。殿下方を作業小屋に案内するから冷たい飲み物を人数分持ってきてくれる?あと、今日はムスカ達のところにお茶菓子を持っていけそうにないから代わりに持っていってあげてくれる?」
アンジェリカが残念そうにレベッカに言った。
「承知しました」
レベッカは頷きながら言った。
レベッカが厨房へと向かった。
そして、アンジェリカ達は作業小屋に向かって歩き始めた。
「おい。令嬢は私を殺す気なのか?」
オルシアンがレベッカがいなくなったのを見計らって言った。
「いいえ?そんなつもりはありませんけど?」
アンジェリカはきょとんとした表情で言った。
「では、何故あの様な事をわざわざ侯爵のいる前で言ったのだ?侯爵があの様な今にも殺しにかかるのではないかと思うほどに血走った顔で私の事を見ていたんだぞ?」
オルシアンは更に不満気に言った。
「ですが、第二皇子殿下が私にあの様な態度を取られたりあの様な発言をされたのは本当のことでしょう?それにあの場ではあの様に言うのが一番の最善策でしたからね。お父様とお母様は私が侮辱されるのを嫌っていますからああ言えば必ず殿下方に証明して見せなさいというのが目に見えてましたからあえてあの場であの話をしたのです」
アンジェリカは歩くのをやめるとオルシアンに対して前のめりになり堂々と言った。
「だ、だからといってあの様な事を言わなくてもどうにかなっただろう」
オルシアンは急に前のめりになり顔を近づけてきたアンジェリカに慌てて言った。
「いいえ!あの場ではあれが最善策でした。そもそも殿下方やお義兄様があの様にしどろもどろした態度をなさらなければ私はあの様な言動はしなかったのですよ?あんなあからさまにしどろもどろしたらお父様達も陛下達もおかしいと思うでしょう?」
アンジェリカは慌てるオルシアンなどお構い無しに更にグイグイ言った。
「あのままだとお父様達がおかしいと思い凄い圧をかけて何があったかを問いただしていたに違いないです。もしも、御三方が作業小屋での私の姿を見たと分かればそれこそ本当にお父様とお母様に文字通り何をされていたかわかったものではありませんでしたよ?」
アンジェリカは更にグイグイ言った。
「そ、それは」
オルシアンはアンジェリカとの距離感に困惑気味にたじたじになり言った。
(ち、近すぎるぞ)
オルシアンは困惑気味にそんな事を考えていた。
「はい。そこまでだよ」
その時、アンジェリカとオルシアンの間を割って入ってきたフィルナンデスが困り笑みを浮かべて言った。
(オルシアン。令嬢と距離が近すぎるぞ?)
フィルナンデスは内心はアンジェリカとフィルナンデスの距離が近い事が気に食わずわざと2人の間に割り入りそんな事を考えていた。
「確かにクライシス令嬢の言うよにもしもあのまま侯爵達に圧をあけられて問いただされたら大変な事になっていたかもしれないね」
フィルナンデスは困り笑みを浮かべて言った。
(あの時の侯爵の顔は本当に殺気が出てたからね。私達が令嬢のあんな姿を見たと知ったら夫婦共に私達が皇族だろうと関係なしに私達に剣を向けていただろうな。まぁ侯爵夫婦だけではなくあのレベッカという侍女も何をしでかすかわからなそうだからね。それだけ令嬢が大切なのだろうけど)
フィルナンデスは内心は苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「しかし兄上」
オルシアンは戸惑いつつ言った。
「まぁまぁ。オルシアンは侯爵に睨まれ大変だったかもしれないが結果何事もなかったし良かったじゃないか」
フィルナンデスは優しく言った。
「それはそうですが」
オルシアンが戸惑いつつ言った。
「フィルナンデスの言う通り何事もなく済んで良かったじゃないか。何事もなかったのだからこの話はもういいだろう」
ロビンがやれやれといった表情でオルシアンへ言った。
(まだ侯爵家の養子になってさほど経ってないが既に侯爵や夫人がアンジェリカを大切にしている事はわかるしアンジェリカの事となると過激になるからな。父上達が話していた意味がここに住んでいるとよくわかる気がするな)
ロビンはそんな事を考えていた。
「ロビン兄様まで」
オルシアンは少し不満気に言った。
「とにかく御三方がしどろもどろした態度を取っていたから私があの様な手を打つしかなかった事はご理解下さいね。いくら不快なものを見てしまったからといっていつまでも引きずっていても仕方のない事なのですから作業小屋で見た光景は忘れて下さい。いいですね?それから国の皇太子や第二皇子、侯爵令息なのですからあれくらいの事で動揺した態度を見せてはだめですよ?御三方の今後の為でもありますからね」
アンジェリカは鼻を鳴らしながら言った。
(まったくいくら女のあんな姿見たからっていつまでも不快な思いを引きずってんじゃないわよ。あんだけしどろもどろされて引きずられたら私が悪くないのにモヤモヤが残るじゃん)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「令嬢、あの時は別に不快などとは」
フィルナンデスがアンジェリカの言葉に急に慌てて言った。
(私が父上達の前でも動揺してしまったのは令嬢のあの姿が頭から離れないからであって決して不快になど思った訳ではないというのに。4年前に見た時も久々に宮殿で再会した時も身体があんなにも女性らしく成長していたなど思いもしなかったから余計にあの光景には驚いたしつい魅入ってしまった。とても魅力的で綺麗だった。14歳の女性というのはあの様に女性らしい身体になるものなのだな)
フィルナンデスはアンジェリカの作業姿を思い出しつつそんな事を考えていた。
※アンジェリカは歳の割には発育がいい方だった。
「殿下、無理しなくてもいいのです。とにかくこの話は本当にここまでにしましょう。レベッカの前ではしどろもどろすない様にしてくださいね。わかりましたか?」
アンジェリカがこれ以上言わなくてもいいと言わんばかりに手を前に出して言った。
(フィルナンデスが優しいのはよく知ってるだけにこれ以上気を使われるといよいよ私が虚しくなっちゃうしね。それにほら見て。ロビンがフィルナンデスが気を使ってる事に気づいて心配そうな表情してるじゃないの。優しいは分かるけどあんまりロビンを心配させちゃだめよ。まぁこの光景は私には最高でしかないけども)
アンジェリカは1人"うれかじ18"の世界観に浸りつつそんな事を考えていた。
「あぁ」
フィルナンデスは困り笑みを浮かべて言った。
(これ以上はあまり言わないほうがいいな。令嬢もあの様な姿を見られたのだからこの話はもうしたくないようだしね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(アンジェリカは何故ずっと我々が不快に思っている前提で物を言っているんだ?普通は女性があんな姿を勝手に入ってきた者に見られたら文句の一つでも出てきそうなものだが。しかし、同じ屋根の下に暮らしているからあんな姿を見てしまったら気まずいというか何というか。私としたことが一瞬魅入ってしまったしな)
ロビンは複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。
(優しいフィルナンデスとそれを心配するロビン。あぁ〜なんて最高な光景なのよ〜。原作であの表情を見るより何倍も、いや何億倍もキュン死案件。眼福だわ〜いくらだって投げ銭して貢げるわ)
アンジェリカは2人を見て内心ニヤニヤしながらそんな事を考えていた。
※実際は完全なるアンジェリカの勘違い発想である。
「第二皇子殿下もお義兄様もいいですね?!」
アンジェリカはハッとなりロビンとオルシアンにも念を押すように言った。
「あぁ。分かったよ」
「あぁ」
オルシアンとロビンが頷きながら言った。
「はい!では、切り替えて作業小屋へ向かいましょう」
アンジェリカは笑顔で言った。
そして、アンジェリカ達は作業小屋へ向か歩き始めた。
アンジェリカ達が作業小屋へ向かっていると…
「アンジェリカお嬢様」
オルンが少し離れた場所からアンジェリカを見つけて笑顔で声をかけてきた。
「オルン」
アンジェリカは満面の笑みでオルンに手を振りながら言った。
(今日もオルンは輝いてるわね。ムスカとの結婚が決まってからオルンもムスカもより輝いてるもんね。BL愛って素敵すぎ♡あぁ今日はオルン達とお茶会出来ないのが残念すぎる。毎日オルンとムスカ達とお茶を飲みながら2人のラブラブ話を聞いて癒やされながらその話をおかずに日記を書いてるってのに)
アンジェリカは微笑ましい表情でそんな事を考えていた。
「今日は一緒にお茶できそうにないからいつものお茶菓子だけレベッカに届けさせるから食べてね」
アンジェリカが笑顔でオルンへ言った。
「分かりました。ありがとうございます。必ずレベッカさんから受け取りますね」
オルンは一瞬残念そうな表情をするもすぐに嬉しそうに微笑みながら言うと一礼をしてその場を離れていった。
(ギャァァァー。何今のオルンの顔は。私とお茶できないのを残念に思ってくれたの?も〜何て可愛いのかしら。きっと私がいつもオルンとムスカの話を楽しく聞いてるのもあってムスカとの話をできないことが残念なんだろうね。うんうん。私も話が聞けなくて残念だよ。でもごめん。今日はBLの神と言っても過言じゃない2人フィルナンデスとロビンとお茶を飲んでくるわ〜)
アンジェリカはオルンの後ろ姿を見てにまにましながらそんな事を考えていた。
「クライシス令嬢は使用人お茶をするのかい?」
フィルナンデスが少し驚いた表情で言った。
「はい。先程の庭師の者と御者の者とレベッカと用事がある時以外は一緒にお茶をするのが日課の一つの様なものですから。たまに執事のミゲルフも一緒することもあるんです。もちろん他の使用人ともお茶をすることは多々あります」
アンジェリカは笑顔で言った。
(特にムスカとオルンに関しては私の腐女子生活には欠かせないBLカップルだからね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そうなんだね。使用人達とお茶をするなどとはあまり聞いたことがないから少し驚いてしまってね」
フィルナンデスは困り笑みを浮かべて言った。
(今日も今日とてフィルナンデスの困った笑みいただきました。優しい笑みもたまらないけどこのちょっと眉を困らせた感じの笑みがこれまたたらない。あぁ〜原作の描写思い出すわ)
アンジェリカは内心ニヤニヤしながらそんな事を考えていた。
「そうなのですか?まぁ確かに使用人とお茶なんて普通はしないかもしれませんが我が屋敷では当たり前といえば当たり前になっていますのでそれはそれで他と違って逆にいいのでのはないかと思います」
アンジェリカは笑顔で言った。
(前世では一般市民だった訳だし私にはお金持ちっぽい価値観はないのかもね。楽しければそれでよくない?って感じだしね。BLカップルがいるなら尚大歓迎だし)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「ハハ、それもそうかもしれないね」
フィルナンデスは優しく微笑みながら言った。
(クライシス令嬢は本当に驚く事を何でもないかの様に言うから驚いてばかりだ。しかしその驚きは不快なものではなく良い驚きだけどね。これまで宮殿でも色々な使用人を見てきたが善意のある人間ばかりではない事を私は良く知っているからこそ使用人と当たり前にお茶をする令嬢は凄いと思うほかない。きっとここの使用人達は令嬢が自分達を大切にしていると感じる事のできる環境で働けているのだろうな。だからこそ使用人達も令嬢を大切に思っているに違いないな)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(ハハですって。あーあ。本当にどんな笑い方してもフィルナンデスが眩しすぎて大変だよね。"うれかじ18"の醍醐味の一つとも言える優しい天使の様な笑みを放つフィルナンデスにクールビューティでたまに見せるフィルナンデスを思うが故の優しい笑みを放つロビン。くぅ〜痺れるわぁ)
アンジェリカは内心はフィルナンデスの表情に悶々しながらそんな事を考えていた。
「ロビンもここでなら安心して生活できそうだね」
フィルナンデスが優しい笑みを浮かべて言った。
「あぁ。ありがたい事にここでの生活は不自由なくしてもらっているし安心して生活はできているな」
ロビンはふっと笑みを浮かべて言った。
「ロビンが安心でるなら私も嬉しい限りだよ」
フィルナンデスは優しく微笑みながら言った。
(最初はここへ養子に入るのは正直乗り気ではなかったし父上達の遺言だとしても断ろうとまで思っていた。だが、今はこうして養子に入って良かったと思える。ここへ養子に入っていなかったら今頃私はこの世にいないだろうし両親にも顔向けできなかっただろうからな。侯爵夫婦にもだがアンジェリカには本当に救われたな。考えてみれば4年前のあの日もアンジェリカに助けられたのだったな。あの日見た彼女にも驚いたが今の彼女には更に驚かされてばかりだ。普通ならば大事に大事に育てられ可愛がられていたところに他人である私が兄としてやってきたら嫌な気分になるだろうにその様な雰囲気は一切出すことく私を受け入れてくれたんだからな)
ロビンはそんな事を考えていた。
「あぁ。ありがとう。これまで心配かけてすまなかった。これからはクライシス侯爵家の名に恥じぬようにしようと思う」
ロビンは申し訳なさそうに言った。
「気にしなくていいさ。今日ロビンと会い大丈夫だという事はわかったから」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
「あぁ」
ロビンが口角を上げて頷きながら言った。
(しっかし2人が会話してるだけで絵になるってどゆこと?本当に前世で幾度となく"うれかじ18"の原作でこの2人の会話を読んだ事やら。それが生で見れて聞けるなんて♡もうお互いが気持ちを打ち明ける前からこんなにも気持ちが通じ合ってるのが手に取るようにわかるなんて興奮しすぎて漏らしちゃいそうになるよ)
アンジェリカは内心はよだれを垂らしかけながらニヤニヤしてそんな事を考えていた。
「何1人でニヤついているんだ?」
オルシアンがそんなアンジェリカを見てあきらか引いているような表情で言った。
(ハッ。私ニヤついてた?!オルシアンに見られてた?!)
アンジェリカは内心ぎょっとなりそんな事を考えていた。
「第二皇子殿下こそ苦虫を食べたような表情をしていますよ?」
アンジェリカはケロッとした表情で言った。
「何だと?!に、苦虫?!」
オルシアンはムッとなり言った。
(この令嬢は第二皇子の私に向かって何てことを言うんだ?!私が虫だと?!)
オルシアンはあんぐりしながらそんな事を考えていた。
「あ、作業小屋に着きました」
アンジェリカがオルシアンなんてスルーしつつ笑顔で言った。
「なっ」
オルシアンはそんなアンジェリカに慌てて言った。
(本当にこの令嬢は貴族令嬢なのか?!普通の令嬢は私に媚びてばかりなんだぞ?それなにこの令嬢はいつも私をからかっているぞ?)
オルシアンはそんな事を考えていた。
「さぁ、どうぞお入り下さい」
アンジェリカは更にオルシアンはスルーして笑顔で言った。
「失礼するよ」
フィルナンデスが笑みを浮かべて言った。
「失礼する」
ロビンが言った。
「第二皇子殿下はお入りにならないのですか?」
アンジェリカが不満気なオルシアンへ言った。
「入るさ」
オルシアンがツンとして言った。
(何でこんなに令嬢のペースに巻き込まれるんだ)
オルシアンはそんな事を考えていた。
(本当にからかい甲斐があるんだから)
アンジェリカはオルシアンの表情を見てくすくす笑いながらそんな事を考えていた。
(やはりオルシアンは令嬢に対して警戒心がなくなっている。令嬢の態度に不満気にしているが最初に抱いていた警戒心は感じられない。私も令嬢との距離を縮めたいのにオルシアンばかり令嬢と距離が縮まっているじゃないか。やはり令嬢とオルシアンを会わせるべきではなかった)
フィルナンデスがアンジェリカとオルシアンのやり取りを見て複雑な表情でそんな事を考えていた。
「では、せっかく作業小屋へご案内させてもらったので何か一つ作るところをお見せしますのでその目でしかとご覧下さい」
アンジェリカは自信満々にニカッと笑いながら言った。
「何を作るつもりなんだ?」
オルシアンが言った。
「う〜ん。そうですね。せっかく陛下達がいらっしゃるので陛下達へお父様達にも作った写真立てを作ろうかと思います」
アンジェリカは少し悩んだのちに笑顔で言った。
「写真立て?」
フィルナンデスが言った。
「はい。少し前にお父様とお母様にパーソル伯爵夫婦と一緒に写っている写真を入れた写真立てを作ったのです。陛下達もパーソル伯爵夫婦と幼馴染ですので同じ様にパーソル伯爵夫婦と一緒に写っている写真を入れた写真立てを作ってお渡ししようと思いまして」
アンジェリカが笑顔で言った。
「凄く素敵な物を作ったんだね」
フィルナンデスは笑顔で言った。
(令嬢は本当に優しいのだな。侯爵夫婦にとってこれから先その写真立てはかけがえのない思い出の品とかるだろうからね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「そう言って頂けると嬉しいです」
アンジェリカが笑顔で言った。
(フィルナンデスに褒められとか幸せすぎて顔がニヤけそうだわ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「確かに悪くないな」
オルシアンがツーンとしながら言った。
(普通にいいって言えばいいのにこれだからツンデレは)
アンジェリカはプッとなりそんな事を考えていた。
「アンジェリカお嬢様、冷たい飲み物をお持ちしました」
そこへレベッカが飲み物を持って戻ってきた。
「レベッカありがとう」
アンジェリカは笑顔で言った。
「では、作業に取り掛かる前に冷たい飲み物でも飲みましょう。今日はとても暑いので冷たい物が最高に美味しいので」
アンジェリカは笑顔で言った。
(暑い日にはやっぱり冷たいものに限るもんね。この世界だと貴族様達は暑い日でも熱いお茶飲みがちだから結構辛いんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
そして、アンジェリカはフィルナンデス達を小屋内にあるテーブルへ案内した。
レベッカがお茶を注いで各自の前えと置いた。
「このアイスティーはとても冷たくて美味しいので飲んでみて下さい」
アンジェリカは笑顔でフィルナンデス達へ行った。
「アイスティーとは冷たい紅茶ということかい?」
フィルナンデスが不思議そうに言った。
「その通りです。普段は温かい紅茶を飲みますがこんな暑い日は紅茶を冷たくする方がより美味しく飲めますからね。お好みでミルクやレモンを入れるのもおすすめです」
アンジェリカが笑顔で言った。
(この世界にはアイスティーたるものがなかったから勝手に作っちゃったんだよねぇ。レモネードとかもないからなぁ。基本的にこの世界だと冷たい飲み物は水かお酒だけだもんね。すっかり常連なった【ハッスルスイーツパラダイス】通称・ハスパラでも冷たい飲み物の提供を力添えしたけどBLカップル達に大人気だもんね。特にマッスル系のカップルには大人気だもんね。マッスル系のBLくん達は筋トレの後に冷たい物が欲するからだろうね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「冷たい紅茶か。初めて飲むよ」
フィルナンデスはアンジェリカの説明を聞いて小さく頷きながら言った。
「では、いただくよ」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
「私も頂くよ」
ロビンが言った。
「初めて飲むから少し心配だが」
オルシアンは不安気な表情で行った。
そして、フィルナンデス達3人はアイスティーを口にした。
「うん。とても美味しいね。一気に暑さが和らいだ気がするよ」
フィルナンデスは一口アイスティーを飲むと少し驚いた表情を浮かべたがすぐに微笑みながら言った。
(初めて飲んだけれどとても美味しいな。温かいお茶とは違い喉をスーっと通り熱のこもった体が冷えていくのを感じるしね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「本当だな。凄く美味しいな」
ロビンがフィルナンデスの言葉に賛同するかの様に頷きながら言った。
「悪くないな」
オルシアンはツンとした表情で言った。
(美味しいなら素直に美味しいって言えばいいのにね)
アンジェリカはオルシアンを見て笑いを堪えながらそんな事を考えていた。
「気に入って頂けた様で良かったです」
アンジェリカは嬉しそうに言った。
(前世ではアイスティー片手に"うれかじ18"を熟読してたのが懐かしく感じるなぁ。そんな思い出のアイスティーをまさかに"うれかじ18"の登場人物達が飲んでるとか本当に何?!たまらないんだけど?!)
アンジェリカはフィルナンデスがアイスティーを飲む姿を見ながら内心は悶絶しながらそんな事を考えていた。
「あ、レベッカにいつものを入れてあげるわね」
アンジェリカはハッとなり言うと立ち上がり近くにあった棚から瓶を取った。
「はい」
アンジェリカは瓶の中から何かを取り出すとレベッカのカップに入れながら笑顔で言った。
「ありがとうございます」
レベッカは嬉しそうに微笑みながら言った。
「何を入れたんだい?」
フィルナンデスが不思議そうに言った。
「りんごのドライフルーツです。りんごのドライフルーツを入れることでりんごの風味と香りが加わってアップルアイスティーになるのです。レベッカはこの組み合わせのアイスティーが一番好きなのでアイスティーを飲む時は必ずりんごのドライフルーツを入れてあげるんです」
アンジェリカは笑顔で言った。
(アップルアイスティーを美味しそうに飲むレベッカが可愛くてたまらないから毎回絶対ドライフルーツを入れてあげるんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(アンジェリカお嬢様は本当にいつもいつも私の事を考えてくれる。本当に感謝してもしきれないわ。こうして一緒にお茶を飲む時間が私にとってどれだけ大切な時間なのか世界に言ってやりたいくらい。そんな大切な時間にあアイツらが一緒なのは気に食わないけどね)
レベッカはそんな事を考えていた。
(そもそもロビン坊ちゃまは百歩譲って仕方ないとしてもどうして皇太子と皇子まで?アンジェリカお嬢様に近づく男達はご主人様と奥様からも排除しろと言われているからすぐにでも排除したいところだけどそうもいかないから困ったもんね)
レベッカはチラりとフィルナンデス達の方を見ながらそんな事を考えていた。
「りんごのドライフルーツ?りんごのその様なものは初めて聞いたけどどこで入手しているんだい?」
フィルナンデスが不思議そうに言った。
「入手したのではなく自分で作ってるんですよ」
アンジェリカは笑顔で言った。
(そうなのよ。この世界にはドライフルーツもなかったんだよね。ドライフルーツ美味しいのにさ。ないなら作るしかないもんね。前世でドライフルーツの作り方を検索してて正解だったわ。あぁ〜スマホが恋しいよ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「令嬢自身が?!」
フィルナンデスは驚きながら言った。
「はい。フルーツは生で食べるだけが食べ方でありませんからね。ドライフルーツにする事で持ちも良くなりますし先程の様にお茶に入れてもよしお菓子を作る際に入れてもよしですので」
アンジェリカは笑顔で言った。
(私は主にムスカとオルンを観察しながらドライフルーツもぐもぐしてるけどね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「本当に令嬢は何でも出来るし発想力が凄いんだね」
フィルナンデスは驚きながら言った。
(彼女は一体どれだけ驚かせるんた?)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「そうですか?皇太子殿下にそう言って頂けるなんて光栄です」
アンジェリカは笑顔で言った。
(フィルナンデスから褒められるって何回褒められてもニヤニヤしてしまいそうなくらい気分がいいわ。前世知識バンザイだね)
アンジェリカは顔がニヤけるのを必死で堪えながらそんな事を考えていた。
「あ、あぁ」
フィルナンデスは慌てて言った。
(令嬢が笑顔を向けてくれる度に嬉しくなり心臓がうるさくなる)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「しかし、令嬢は本当に侍女を大切に思っているんだね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
(いくら専属だからといって普通はあれだけ侍女に対して身分関係なく親身になれるのは簡単にできることじゃないからね。見ていても令嬢が侍女をとても大切に思っているのが伝わってくるからね。侍女の方も令嬢を大切に思っているのが伝わってくるけどね。あの侍女は我々の事はよくは思ってはなさそうだけどね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「もちろんです。レベッカは大切な侍女であり家族でもありますから」
アンジェリカは満面の笑みで言った。
("うれかじ18"の原作では極悪女のアンジェリカにも最後の最後まで側にいたレベッカ。実際会ってみて辛い生い立ちだったのにも関わらずいつも私を大事に思ってくれるレベッカ。そんなレベッカを大切にしない選択肢なんてどこにもないからね。原作の様にアンジェリカと共に命を落とすなんて絶対させないんだもんね。それよりも沢山の幸せを感じて欲しいもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「アンジェリカお嬢様、、」
レベッカはアンジェリカの言葉に感激しつつ言った。
(私にとってもアンジェリカお嬢様は自分の命に代えてもお守りしたいと思えるほど大切に方であり私の光です)
レベッカは胸が熱くなるのを感じながらそんな事を考えていた。
「ところでドライフルーツとやらはりんご以外にあったりするのかい?」
フィルナンデスが言った。
「はい。他にもオレンジ、マンゴー、イチゴがございます」
アンジェリカが言った。
「私も一ついただいてもいいかな?」
フィルナンデスが笑顔で言った。
(令嬢の手作りのものが口にできるチャンスだ)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「構いませんかよ。では、オレンジ、マンゴー、イチゴを少しづつ出しますので味を楽しんでみて下さい」
アンジェリカが笑顔で言った。
(私の作ったものをフィルナンデスが口にすると?!こんな悶絶案件が舞い込んでくるとか今日は出だし最悪だったけどこの状況は悪くないわ)
アンジェリカは内心ニヤつきながらそんな事を考えていた。
「ありがとう」
フィルナンデスは笑顔で言った。
フィルナンデスの笑顔にアンジェリカは内心は悶々していたのは言うまでもない。
そして、アンジェリカはそれぞれのドライフルーツを瓶から取り出してお皿に盛るとフィルナンデスの前へとお皿を置いた。
「どうぞ召し上がってみて下さい」
アンジェリカは笑顔で言った。
「ありがとう。いただくよ」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
そして、フィルナンデスはドライマンゴーを一口食べた。
「これは、、とても美味しいね。生のマンゴーとはまた違う食感と味だね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
(フィルナンデスがドライフルーツ私の作ったドライフルーツ口にしたーキターーー!!フィルナンデスの美味しい顔頂きましたー)
アンジェリカは内心興奮気味にそんな事を考えていた。
「それは良かったです」
アンジェリカは平然を装いながら笑顔で言った。
「そんなに美味しいのか?私にも一口くれないか?」
ロビンがフィルナンデスを見て言った。
「あぁ。ほら」
フィルナンデスはそう言うとお皿からドライマンゴーを取りロビンの口へと運んだ。
「んっ!本当だな。普通のマンゴーとは違う食感だし酸味と甘味のバランスもとてもいいな」
ロビンがドライマンゴーを口にすると驚きながら言った。
「そうだろう?」
フィルナンデスはクスっと笑みを浮かべて言った。
「あぁ」
ロビンは頷きながら言った。
「グハッ」
アンジェリカが2人のそんな姿を見て思わず声を漏らした。
「アンジェリカお嬢様どうされました?!」
レベッカがそんなアンジェリカを見て慌てて言った。
「どうかしたのかい?!」
フィルナンデスも慌てて言った。
「い、いえ。大丈夫です。少しアイスティーが気管に入ってしまっただけですので」
アンジェリカは苦笑いを浮かべて誤魔化す様に言った。
「本当に大丈夫ですか?」
レベッカは心配そうに言った。
フィルナンデス達も心配そうな表情を浮かべていた。
「本当に大丈夫よ」
アンジェリカは笑みを浮かべて言った。
「それならいいのですが」
レベッカは心配そうに言った。
「ええ」
アンジェリカは笑みを浮かべて言った。
(ヤバかったわ。何とか誤魔化したけどさっきのあれは反則でしょ?!フィルナンデスがロビンの口にドライマンゴーを、、。フィルナンデスとロビンのお口あ〜ん場面を生で拝める日が来るなんて。もう死んでもいいわ。って一回死んじゃってるけどさ。あんな甘々ラブラブな2人を見たらそりぁあんな声も出るわ。一瞬幻?!って思っちゃったもんね。ヤバい、ヤバい、ヤバすぎる。本当に2人の甘々ラブラブシーンなんてご褒美すぎて漏らしちゃうよ)
アンジェリカは内心興奮と悶絶とが入り混じりウハウハなりつつそんな事を考えていた。
「第二皇子殿下も遠慮なさらずお召上がり下さい」
アンジェリカは更に誤魔化すように言った。
「別に遠慮など」
オルシアンが慌てて言った。
(何言ってんのよ。物欲しそうな顔しといて)
アンジェリカは吹き出すのを我慢してそんな事を考えていた。
「まぁそう言わずにどうぞ」
アンジェリカはクスっと笑みを浮かべて言った。
「そこまで言うならわかったよ」
オルシアンはツンツンしながら言うとドライイチゴを口にした。
「わ、悪くないな」
オルシアンは一瞬目を見開くもすぐにツンとして言った。
(まったくツンデレさんは)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そう言えば皇太子殿下もお義兄様もルエービ学園ではどの様に過ごされているのですか?」
アンジェリカが言った。
(実はこの話が聞きたくて仕方なかったんだよね。"うれかじ18"は主に学園での描写が多いからね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(令嬢は私の学園生活に興味を持ってくれているのか?)
フィルナンデスは心が跳ねるのを感じつつそんな事を考えていた。
「そうだね。知っての通りルエービ学園は皇族、貴族男子専用の学園で学生寮に入り皆そこから学園へ通っているんだ。学園では学問の他に剣術や音楽、芸術といった色々な分野を学べるようになっているんだよ」
フィルナンデスは嬉しそうに微笑みながら言った。
(こうして令嬢に私の生活の一部に興味を持ってもらい話せる事が嬉しくてたまらない)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(知ってますとも。徹底しまBL漫画である"うれかじ18"では学園すらも女子禁制。男子ばなりが渦巻く場所でフィルナンデスとロビンが愛を育む場所の一つになってんだからね。フィルナンデスとロビンは学園であんな事やこんな事や、、ぐふふふ)
アンジェリカは原作を思い浮かべつつニヤつきを必死で堪えながらそんな事を考えていた。
「私とロビンは同じクラスで他にも幼い頃より顔見知りな者が数人同じクラスなんだよ」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
(よ〜く存じておりますとも。"うれかじ18"のW主人公である2人の他にも主要系の登場人物としてフィルナンデスとロビンにそれぞれ恋心を抱くようになる伯爵家の息子であるジェイドとラスカルだよね。各自伯爵家の息子であるジェイドは貴族らしくない喋り方をするちょっとツンツンした性格で、ラスカルは三兄弟の末っ子で頭が賢い物静かな性格だったよね。ジェイドとラスカルも"うれかじ18"の展開を盛り上げる登場人物なんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「では、いつもその顔見知りの方も含めて過ごされているのですね」
アンジェリカは微笑みながら言った。
(う〜ん最高だね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そうだね。基本的には私とロビンと伯爵家の息子2人の4人で過ごすことが多いかな。ロビンと2人で過ごすことも多いけどね。ロビンとは本当に幼い頃から知ってるだけあって一緒にいると落ち着くからね」
フィルナンデスが笑顔で言った。
(4年前に令嬢と出会うまで私の昔の容姿に対して偏見を持たず勇気づけてくれる者は家族を除くとロビンだけだったからね。両親同士が幼馴染ということでロビンとは生まれた時から馴染みがあるからロビンはいつも私の支えだったのもあり今でも良き幼馴染であり親友だからか一緒にいると安心するんだよね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(令嬢に出会ってからは私の世界に一筋の光の様なものが差し込んできてロビンや家族に対する感じとは違うものを感じたのは今でも覚えているな。この4年間令嬢に私の成長した姿を見せたいと思う一新で痩せたり内向的な性格も直す様に努力してきたのだから)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「確かに私もフィルナンデスと2人の時が一番落ち着くというかしっくりくるな」
ロビンはふっと笑みを浮かべて言った。
(フィルナンデスとは親同士が幼馴染だからか幼い頃から一緒にいるから安心できるんだろうな。フィルナンデスは4年前までは今の姿からは想像できない程容姿も性格も違ったが根本的に優しいところは変わってないからな。フィルナンデスは幼い頃からあまり表情を大きく出さない私にも優しく接してくれていてそんなフィルナンデスに何度救われたことか。今となっては一番の理解者であり親友だからな)
ロビンはそんな事を考えていた。
「皇太子殿下もお義兄様もお互いがお互いを大切に思うほど仲がよろしいんですね」
アンジェリカは優しく微笑みながら言った。
(もう2人とも罪人だよ。"うれかじ18"ヲタを骨抜きにする罪人。こんなにオープンにお互いに対する思いを声に出すって大罪すぎて気を失いそうになるよ。最高すぎる大罪だよ。おたくらお互いの話する時どんな表情してるかわかってる?!ヲタク殺しの顔だよ?あんな愛おしそうな表情するなんて反則も反則。原作で読んで見るより億倍反則。あぁ〜本当にフィルナンデスもロビンも最高過ぎて叫びたい気持ちをグッと堪えてるよこちらは)
アンジェリカは内心机をバンバン叩きたくなるくらい興奮してそんな事を考えていた。
「本当に兄上もロビン兄様も仲が良すぎて私が蚊帳の外にいる様な気分になる時があるほどですからね」
オルシアンが拗ね気味に言った。
(あらまぁオルシアンったら可愛いったらありぁしない。フィルナンデス大好きなブラコンくんだから仕方ないけど今後そのオルシアンのブラコン愛がフィルナンデスとロビンの愛の逃亡を手助けするのに必要な感情だからその感情は大切にするんだよ)
アンジェリカは何故か1人うんうんと頷きながらそんな事を考えていた。
「オルシアンそんな事を思っていたのか?それは悪かったな」
ロビンがクスっと笑みを浮かべて言った。
「ロビン兄様今笑いましたね?!」
オルシアンはムッとなり言った。
「ハハ、すまないつい可愛いくてな」
ロビンは思わず笑いながら言った。
「もう」
オルシアンはツンツンして言った。
(尊し。ロビンとオルシアンのこんな癒し系なやり取りは原作ではなかったからレアすぎて動画におさめたいわ。オルシアンはロビンの事も兄様って慕ってたから余計に2人の仲を黙って陰ながら応援してたんだね。うんうん。よきよき)
アンジェリカは1人浸りつつそんな事を考えていた。
「学園には素敵な場所も沢山あるんでしょうね」
アンジェリカが言った。
「どうだろう。素敵な場所かどうかは分からないけれど学園内にある薔薇の温室など綺麗で有名だと聞いたことがあるよ。学園にいると当たり前に目にする温室だから外でその様に有名だったのは驚いたよ」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
「毎日見ていると当たり前になってしまいますからね。でも確かに薔薇の温室なんて素敵でしょうね」
アンジェリカが微笑みながら言った。
(ルエービ学園の【薔薇の温室】。"うれかじ18"の原作で何度か出てきたうれかじ18聖地の一つ。フィルナンデスとアンジェリカの婚約が決まってからフィルナンデス婚約を苦痛に思い薔薇の温室で1人苦痛に耐えていたところにロビンがやってきてフィルナンデスを慰め優しく抱きしめるシーンの場所。それから何度か薔薇の温室へ2人で足を運んだりしたんだよね。あの慰め優しく抱きしめるシーンは初めて読んだ時は痺れたね。SNSでも薔薇の温室がトレンド入りしたくらいだもんね)
アンジェリカは原作を思い浮かべつつそんな事を考えていた。
(いいな〜聖地の一つの薔薇の温室生で拝みたいなぁ。でも学園内だから流石に無理だよね)
アンジェリカか残念そうにそんな事を考えていた。
(令嬢は薔薇が好きなのだろうか。そうなのであれば是非とも見せて演りたいがさすがに学園に令嬢を連れて行く訳にはいかないからね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「女性ならまだしも男子専用の学園に薔薇の温室があってもな」
ロビンは困った表情で言った。
(夏休みが終わればすぐにその発言を撤回することになるんだから)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「素敵とは違うかもしれないが図書室は貴重は本なども置いてあるから魅力的ではあるな」
ロビンが言った。
「図書室ですか。確かにお義兄様は屋敷でも本をよく読んでるみたいですから貴重な本などが置いてある図書室は魅力的でしょうね」
アンジェリカはうんうんと頷きながら言った。
(これまた聖地の一つだよ。本を読むのが好きなロビンが夏休みが明けると養子先でもあるクライシス侯爵家の事、、特にアンジェリカのかなりハードな嫌がらせの事で悩んでて図書室で本を読んで気持ちを落ち着かせてたんだよね。そこへ元気のないロビンを心配したフィルナンデスがやってきてロビンの悩みを聞いて辛そうなロビンを優しく包み込む様に抱きしめるだよね。それ以降は気持ちを確かめ合ってから図書室に出向いては人のいない場所でこっそりキスを交わしたりする場所でもあるんだよね。あのシーンも痺れたよね。あの時はSNSのトレンドにフィルナンデス、ロビン、図書室が並んでたよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「捉え方ですが学園には素敵な場所(聖地)が沢山ありそうですね」
アンジェリカは微笑みながら言った。
「お2人とも学園生活も充実してる様で何よりですね」
アンジェリカは微笑みながら言った。
「そうだね。それなり楽しく過ごしてはいるよ。学べることも多いしね。学生寮もとても綺麗で過ごしやすい場所だしね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
(学園が始まるとこうして令嬢に会えないのが残念でたまらないけれど)
フィルナンデスは残念そうにそんな事を考えていた。
「学生寮ですか」
アンジェリカは微笑みながら言った。
(学生寮も聖地の一つだけど他の聖地よりもヲタク達を悶絶死させた聖地なんだよね。だって学生寮のお互いの部屋で何度も愛を確かめ合うようにフィルナンデスとロビンがやっちゃうシーンばっかりなんだもん。学生寮で美味しいご飯に枕投げ〜なんてシーンなんかなくとにかくやっちゃうシーンばっか描写されてる学生寮。それもやっちゃうシーンなのに美しすぎてヲタク達は完全に悶絶死させられたんだから。私は学生寮のシーンだけ集めた特別編の冊子まで前日から並んでまでGETしたくらいだよ。それに裸の2人が抱き合ってる諭吉が2人は飛んでくくらいの値段の抱き枕だって激戦の末にGETしたんだから。今はまだだけどこれから気持ちを確かめ合ったら学生寮は綺麗で過ごしやすいプラスαが待ってんのよお2人さん)
アンジェリカは原作を思い浮かべつつ内心は興奮が抑えきれないままそんな事を考えていた。
「学園の話を聞いていると私も早く入学したいです」
オルシアンが残念そうに言った。
(そっか。オルシアンもそのうちルエービ学園に入学するんだよね。"うれかじ18"の原作だとオルシアンが学園に入学する前にフィルナンデス達が愛の逃避行をしたからそこまで描写されてなかったんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「オルシアンもきっと入学したら色々と学べるだろうね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
「はい」
オルシアンは嬉しそうに言った。
(オルシアンは本当にフィルナンデスの前では全然ツンデレじゃないよね)
アンジェリカはクスっとなりつつそんな事を考えていた。
「ルエービ学園のお話(2人のBLイチャラブ話)を聞けて良かったです。色々と教えて下さりありがとうございます」
アンジェリカは笑顔で言った。
(あぁ、フィルナンデス達本人から話を聞けて最高だったなぁ。フィルナンデス達の話を聞きながら原作のあんな場面やこんな場面を思い返して照らし合わせてる時間が最高すきて頭おかしくなりそうだったよ。やっぱりヲタク腐女子に推してる漫画の主人公を会わせたら昇天するって話は嘘でもなかったね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「いや、そう言ってもらえたなら話をできて良かったよ」
フィルナンデスは優しく微笑みながら言った。
(令嬢は本当に話を聞いて喜んでるみたいだね。良かった)
フィルナンデスは嬉しく感じつつそんな事を考えていた。
(くぅ〜本当に微笑みが眩しすぎて困るよ)
アンジェリカは悶々しながらそんな事を考えていた。
(あーぁ。学園でのフィルナンデスとロビンのイチャこらを生で見れたらどんだけ幸せな事か。まぁさすがにそれは無理だろうからこうしてフィルナンデスとロビンのツーショットを目の前にしてることに感謝しなきゃだね。いってる間に夏休みが終わって2人は寮に戻るんだしね)
アンジェリカは残念そうにそんな事を考えていた。
ガタッ…
その時、レベッカが急に立ち上がったのでレベッカの椅子が立ち上がった勢いで倒れた。
「レベッカ?!」
アンジェリカが驚き言った。
フィルナンデス達も驚きレベッカの方を見た。
「レベッカどうしたの?!何だか顔色が悪いみたいだけど」
アンジェリカが心配そうに言った。
(さっきまではそんな事なかったのにどうしたんだろう)
アンジェリカは心配そうにそんな事を考えていた。
「あっ。急に立ち上がってしまい大きな音を立ててしまい申し訳ありません」
レベッカはハッとなり椅子を戻しながら慌てて言った。
「それは大丈夫だけど」
アンジェリカは心配そうな表情のまま言った。
「アンジェリカお嬢様。申し訳ないのですが少しお手洗いに行ってもよろしいでしょうか?」
レベッカが顔を強張れせて言った。
「良いに決まってるじゃないの。早く行ってきなさい」
アンジェリカは慌てて言った。
(お腹でも痛くなっちゃったのかな。アイスティーで体冷えちゃったのかな)
アンジェリカは心配そうにそんな事を考えていた。
「ありがとうございます。すぐに戻りますので」
レベッカは口早に言った。
「ゆっくりで大丈夫だから」
アンジェリカは優しく言った。
「ありがとうございます」
レベッカは何故だか一瞬複雑な表情になり言った。
そして、レベッカは急ぎ小屋を出ていった。
(レベッカがあんなに顔色を悪くしてるところ初めて見たわ。レベッカは私の知る限り体調なんて一度も崩した事がなかったから。顔色が随分悪かったけど本当に大丈夫なのかな)
アンジェリカは心配そうにそんな事を考えていた。
(戻ってきたら薬を飲ませて温かい飲み物でも作って飲ませてあげよう)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「侍女は大丈夫なのかい?」
フィルナンデスは心配そうに言った。
「レベッカのあんな姿はここへ来て初めて見たが大丈夫なのか?」
ロビンが心配そうに言った。
「もしかするとアイスティーで体が冷えすぎてしまったのかもしれません。戻った来たら薬を飲ませて安静にさせようと思います」
アンジェリカは不安気に言った。
「レベッカが戻って来るまでの間陛下たちにお渡しする写真立てでも作っていましょうか。せっかくここへいるのにこのままではお茶を飲んで終わってしまいそうですので」
アンジェリカが空気を変える様に言った。
「それもそうだね」
フィルナンデスが優しく言った。
「では、早速作業していきますね」
アンジェリカは笑顔で言った。
そして、アンジェリカは作業用のエプロンを着けるといつもの様に手際よく作業を始めた。
アンジェリカはフィルナンデスが何か手伝おうかと言う暇もなくスピーディーに作業をこなしていった。
「すごいな」
オルシアンがアンジェリカの作業姿を見て無意識に声を漏らした。
(本当に凄いな。巣箱を作ってる時の彼女にも驚いたけれど目の前の彼女の姿はあの時よりも遥かに凄い。国一の職人にも負けてない程の腕前じゃないかとも思ってしまう)
フィルナンデスはアンジェリカを見てそんな事を考えていた。
「おいおい、、溶接までできるのか?」
オルシアンは溶接作業もスムーズにこなすアンジェリカを見て信じられないという表情で呟いた。
(これは物作りのレベルじゃないぞ。貴族令嬢がこんなことまで出来るのか?本当に職人レベルじゃないか。令嬢が言っていたことはとんでもないレベルの本当の事だったんだな)
オルシアンは驚きを隠せないままそんな事を考えていた。
(それにあんなに生き生き楽しそうに物を作るんだな)
オルシアンはアンジェリカの表情を見て一瞬ドキッとなりつつそんな事を考えていた。
オルシアンは一瞬ドキッとした事に??となっていた。
「よし。これで完成です」
アンジェリカは写真立てを見て満足気な表情で言った。
「これは何と表現したらいいのか分からないがとても素晴らしい出来栄えだね」
フィルナンデスは写真立てを見て驚いた表情で言った。
「そうですか?ありがとうございます。両陛下も気に入ってくださればいいのですが」
アンジェリカはクスっと笑みを浮かべて言った。
(このデザインは前世でよく"うれかじ18"のキャラ達のレアポラロイドを入れる為に作ってた物だからスムーズに作れるしこの世界にはないデザインだから彼らからしたら珍しくもあるだろうね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(あわよくば生のフィルナンデスとロビン、他にもジェイドやラスカルの写真を撮って写真立て作ってそこに生写真入れて飾りたいなぁ。とりまムスカとオルンの結婚写真は飾るつもりだけどね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「きっと父上達も気に入ってくれると思うよ」
フィルナンデスは優しく微笑みながら言った。
「第二皇子殿下はこの写真立てをどう思われますか?」
アンジェリカはニヤリと微笑みながら言った。
(どうよオルシアン私の実力を間近で見た感想は)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「悪くないな」
オルシアンはバツの悪そうな表情で言った。
「それだけですか?」
アンジェリカは更に言った。
「、、。素晴らしい出来だな。正直口だけだと思っていたところもあったが令嬢の実力は本物だという事がわかったよ。あの日の言い方は悪かった」
オルシアンがバツの悪そうなまま言った。
「いいえ。わかって頂けて何よりです」
アンジェリカはニカッと笑いながら言った。
「あ、あぁ」
オルシアンはツンとして言った。
そんなオルシアンを見てアンジェリカはクスっと笑った。
「そういえばロビンはクライシス令嬢に何を貰ったんだい?侯爵夫婦は写真立てならばロビンは?」
フィルナンデスがふとロビンへ言った。
(実はずっと気になっていたからね)
フィルナンデスは複雑な表情でそんな事を考えていた。
「あぁ。私はアンジェリカからロケットペンダントを貰ったんだ。父上と母上と3人で撮影したら写真入りの」
ロビンはふっと笑みを浮かべて首からロケットペンダントを取り出しながら言った。
「アンジェリカ?」
フィルナンデスがすぐに反応して驚いた表情で言った。
「あぁ。クライシス侯爵家の養子に入り義妹となったので名前で呼んでいるんだよ」
ロビンがフィルナンデスの表情を見てすぐに察したのか言った。
「そう、、なんだね。ロビンが女性の名前を呼ぶなんて聞いたことがなかったから少し驚いたんだけどそうだね。家族になったのだから名前で呼んでも不思議ではないね」
フィルナンデスは慌てて笑みを浮かべて言った。
(何だろ。家族なのだから名前で呼ぶのはおかしくもないことなのにモヤモヤしてしまう。父上達が令嬢の事を名前で呼びたいと言った時に私も便乗すれば良かったのだろうか。名前で呼べないだけで令嬢と距離を感じてしまうしロビンを羨ましく思ってしまう)
フィルナンデスはモヤモヤしながらそんな事を考えていた。
(待てよ?ロビンはクライシス侯爵家に養子に入り義理だが令嬢と兄妹になったということだ。それならば今後は家で令嬢の先程の様な肌の露出が大きな洋服を着ている姿を見ることがあるかもしれないということか?それだけじゃなく寝巻き姿など普段私が見ることの出来ない姿を見るという事になるのか?)
フィルナンデスはハッとなりそんな事を考えていた。
「確かにそうだな。私が女性の名前を呼ぶのはこれまでに乳母くらいだったから驚くのも無理はないな」
ロビンが小さく頷きながら言った。
「何だか名前を呼ぶだけで一気に親近感が湧いた様に感じるね。すっかりクライシス侯爵家の一員という感じだね」
フィルナンデスは笑みを浮かべて言った。
「まぁ確かにそうかもしれないな」
ロビンはフィルナンデスの言葉に納得する様に頷きながら言った。
(確かに言われてみたらそうかもしれないな。アンジェリカと名前で呼ぶだけで距離が近づいた気はするからな)
ロビンはそんな事を考えていた。
「私も令嬢の事を名前で呼んだりしたらだめだろうか?」
フィルナンデスがアンジェリカへ言った。
「え?私をですか?」
アンジェリカは驚き言った。
(急に?)
アンジェリカは驚きそんな事を考えていた。
「あぁ。だめだろうか」
フィルナンデスが寂しそうな表情で言った。
(私だって彼女を名前で呼びたい。名前を呼ぶことで距離が縮まる気がするから)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「フィルナンデスが急にそんな事を言うなんて驚きだな」
ロビンが驚き言った。
(これまで令嬢に対して一線を引き絶対に名前で呼ぶ様な事はしなかったというのに。まぁ私がクライシス侯爵家に養子に入った事もありもしかするとフィルナンデスも侯爵家と良好な関係を築く為にと思ったのかもしれないな)
ロビンはそんな事を考えていた。
「いや、ロビンが令嬢をそう呼んでいるから私も呼んでみたいと思ってね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
「そうか」
ロビンが言った。
(もしかしてフィルナンデスはロビンが私を名前呼びしてるから嫉妬してるの?!自分の愛するロビンが私の名前を呼んでるからロビンを私に取られるともでも思って不安になったの?!あぁ〜なんていじらしいのよ。ロビンを愛するが故に名前呼びをしただけで嫉妬なんて。フィルナンデス可愛すぎない?!)
アンジェリカはピンっと閃いた様にそんな事を考えていた。
(フィルナンデスとロビンの仲が私のせいで拗れさせる訳にはいかないよね。ここはフィルナンデスにロビンはフィルナンデスだけのものよって安心させる為にもロビンと平等にこの提案を承諾しなきゃだね。そうしたらフィルナンデスも私にロビンを取られるなんて心配なくなるでしょ?それにフィルナンデスにも名前を呼ばれるなんて最高じゃないの。本当は麻美って呼んでほしいけど今の私はアンジェリカだもんね。とにかく名前呼びはOKして2人の関係の邪魔をしないようにしなきゃ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「分かりました。名前で呼んで頂いても構いません」
アンジェリカはにこりと微笑みながら言った。
「本当か?!ありがとうアンジェリカ」
フィルナンデスはとても嬉しそうに微笑みながら言った。
(良かった。快く名前で呼ぶのを了承してくれた。ただ名前を呼べることがこんなにも嬉しいだなんて)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(ぬぐぅぅ。あの天使の様な笑みに名前呼びは刺激が強すぎるわ。変な声出そうになって危なかったわ。原作ではフィルナンデスもロビンもアンジェリカを名前で呼ぶことは一度もなかったけどこうして推しキャラ達に名前を呼んでもらえる日が来るなんてね。神様仏様この世界に転生させてくださりありがとうございます。これからも腐女子生活が謳歌できそうです)
アンジェリカは内心感動すら覚えてそんな事を考えていた。
「あ、ただお父様とお母様にはきちんと話しておきますね。殿下もご存知だと思いますがお父様達は私を名前で呼んでもいいのはクライシス侯爵家の人間だけだと強く思っていますので」
アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。
(両陛下が私を名前で呼ぶって時さえあんな感じだったのにそれに加えてフィルナンデスもとなればどうなるかは目に見えてるからまた私が一肌脱がないといけなさそうだもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「あ、そうだね。そうしてくれると助かるよ」
フィルナンデスは宮殿での事を思い出して苦笑いを浮かべて言った。
(確かに父上達がアンジェリカを名前で呼びたいと言っただけであの様な感じだったからね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「はい」
アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。
「アンジェリカお嬢様戻りました」
そこへレベッカが戻ってきた。
「レベッカ。大丈夫なの?まだ顔色が少し悪いようだけど」
アンジェリカは心配そうに言った。
「大丈夫です。少し体が冷えてしまっただけですので」
レベッカは微笑みながら言った。
「そう?でも念の為レベッカは部屋に戻って薬を飲んで休んでなさい。私は殿下達とお父様達のところへ戻るから」
アンジェリカが心配そうに言った。
「いえ本当に大丈夫ですので」
レベッカは慌てて言った。
「私が心配だから休んで欲しいのよ。ね?お願いよ?」
アンジェリカは心配そうに言った。
(どう見ても顔色が悪いままだもん。相当しんどいに決まってるもんね)
アンジェリカはレベッカを見てそんな事を考えていた。
「、、分かりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
レベッカは申し訳なさそうに言った。
「迷惑なんかじゃないわ。大切なレベッカにはきちんと休んで欲しいだけだからね」
アンジェリカは優しく微笑みながら言った。
「はい」
レベッカは小さく頷きながら言った。
レベッカはアンジェリカの優しさに唇をグッと噛み締めた。
「では、写真立てを両陛下へお渡ししたいので戻りましょか?」
アンジェリカがフィルナンデス達へ言った。
「そうだね」
フィルナンデスは微笑みながら言った。
そして、アンジェリカ達は作業小屋を後にして客間へ。
レベッカは自室へと向かった。
(私も令嬢の名前を呼んでもいいかと言うタイミングを逃してしまったな)
客間へ向かう途中にオルシアンはそんな事を考えていたのだった。
客間へ戻ったアンジェリカはまずフィルナンデスが自分を名前で呼ぶことになったと伝えた。
どうにかアンジェリカが上手く言い回しをしたがデビッドとメアリー、それにミゲルフは不満な顔をしていたのは言うまでもなくなった。
ユリウスとカシアはフィルナンデスがアンジェリカの事を名前で呼ぶことになった事に満足気に微笑んでいた。
そして、アンジェリカはユリウスとカシアの為に作った写真立てを2人へ手渡した。
2人とも写真立てを見て少し目を潤ませながらとても喜んでいた。
アンジェリカは自分が作ったもので2人が喜ぶ姿を見て嬉しくなった。
その後はデビッド達が写真立てについての話を始めアンジェリカがどれだけ天才的な才能の持ち主なのかをここぞとばかりに自慢気に話してお茶会は終わりを迎えたのだった。
クライシス侯爵邸を後にしたフィルナンデスは馬車の外を見ていた。
(今日は本当に楽しかった。アンジェリカとの距離が少し近づいた気がするし改めてアンジェリカの凄さを知った。それにアンジェリカを見ると胸の辺りが心地よい温かさに包まれた。この心地よさは一体なんなのだろうか)
フィルナンデスは外を見ながらそんな事を考えていた。
(本当に今日は驚きの連続だった。令嬢にあそこまで凄い才能があったのは本当に驚きだった。それにあの生き生きした表情で作業する姿はとても綺麗だった。ん?綺麗?い、いやただ輝いて見えたというだけだ。私は一体何を考えているんだ)
オルシアンは自分の考えにハッとなり1人慌ててそんな事を考えていた。
同じ頃クライシス侯爵邸ては…
(今日は急な訪問ではあったが両陛下にもフィルナンデスやオルシアンにも会うことができて本当に良かった。恐らくかなりの心配をかけていたに違いないからな。安心できる姿を見せることが出来て良かった。フィルナンデスは特に心配してくれて手紙もくれていたからな。こうして皆を安心させられる状況にあるのも義両親のお陰でもありアンジェリカのお陰でもあるな。特にアンジェリカには驚かされてばかりである意味目が離せない奴だな。4年前のあの日より更に堂々とした令嬢に成長しているな。そういえばあの日のアンジェリカから目を離せなかったのが懐かしいな。アンジェリカはあれが私だとは気づいていないだろうがな。あの日はアンジェリカのお陰でフィルナンデスに食べさせたいと思っていたケーキを食べさせてやることができたんだよな。そういえばあの日私はアンジェリカの話をフィルナンデスしたんだったな。変わった女に会ったと。確かフィルナンデスも同じ様な変わった女に会ったという話をしてたんだっけな)
ロビンは自室で本の整理をしながらそんな事を考えていた。
(そんな奴が自分の義妹になるなんてな。世の中は何がどうなるか分からないものだな。だが本当にアンジェリカは誰とも婚約しないつもりなのだろうか?いや、いくらあの両親とはいえいつかはどこぞの令息と婚約し結婚をするのだろうな)
ロビンはその時胸がチクっとなるのを感じつつ?という表情でそんな事を考えていた。
一方、アンジェリカは自室で今日の出来事を日記に綴っていた。
「とにかく最終的に最高な日でした
。と。よし今日の日記も最高な内容なものになったね。いつもはムスカとオルンのラブラブ状況だけど今日は何といっても"うれかじ18"の主人公達の内容だからね」
アンジェリカは日記を書き終えて満足気に言った。
(W主人公のお目を汚してしまったとはいえ最終的には最高すぎる展開で終わったから終わり良ければ全て良しだね)
アンジェリカはニヤニヤしながらそんな事を考えていた。
(原作ではフィルナンデスが侯爵邸に足を運ぶなんて事がなかっただけに今日はかなりレアな展開だったんだよね。心配するフィルナンデスがロビンを見つめる目はたまらなかったわ。逆にクールビューティなのにフィルナンデスを心配するロビンの姿もやばかったなぁ)
アンジェリカは更にニヤニヤしながらそんな事を考えていた。
(学園の話を聞くと学園での2人の姿が見たくて仕方なくなっちゃったよね。男子校ってのが歯がゆいよね。BLだから当たり前なんだけどそこが逆に学園に入れないっていう壁なんだよね)
アンジェリカは残念そうにそんな事を考えていた。
(どうにかしてルエービ学園に2人を覗きに行けないもんかねぇ)
アンジェリカは悩みながらそんな事を考えていた。
「はぁ。そんな方法なんてないよねぇ。コネだってないし」
アンジェリカはため息をつきながらそんな事を考えていた。
「あ、そうだ。レベッカは大丈夫かな?ちょっと様子でも見に行こう」
アンジェリカはハッとなり言った。
そして、アンジェリカはレベッカの部屋へレベッカの様子を見に行った。
レベッカはアンジェリカが来た事に嬉しそうにしていた。
アンジェリカはそんなレベッカを見てホッとした。
(体調は良くなったみたいだね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
アンジェリカはレベッカが元気そうしていた事に安堵したのだった。
しかし、数日後またレベッカの顔色が悪くアンジェリカは心配した。
レベッカは大丈夫だと言うもののアンジェリカは心配でたまらなかった。
そこでアンジェリカはレベッカの気分が晴れる様にと気晴らしも兼ねて2人で街へ出かけようと提案した。
レベッカはアンジェリカと出かけれる事が嬉しくてとても喜んだ。
アンジェリカはレベッカが嬉しそうにしているのを見て嬉しくなった。
そして、アンジェリカとレベッカは2人仲良く街へ出かけた。
2人は街で美味しい物を食べたり洋服や雑貨などを見て楽しい時間を過ごしていた。
レベッカも心から楽しそうにしていたのでアンジェリカも嬉しくなった。
(レベッカが楽しそうで良かった。本当にここ数日は顔色が悪くてどこか元気がなさそうで心配してたけどこうやってレベッカが笑ってる姿を見てると私も嬉しくなるんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
そう…
その時までは…
「一生幸せにするから俺と結婚してくれ」
1人の男性が突然アンジェリカとレベッカの前に現れ土下座をしながら大声で言った。
(さっきまでレベッカと楽しく街を回ってたのにこれはどういう状況なわけ?!)
アンジェリカは土下座する男性を見ながらあんぐりした表情でそんな事を考えていたのだった…
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