2腐活目♡腐女子が推しキャラに会ったらどうなるか想像つくよね?
アンジェリカ14歳…
いよいよ"うれかじ18"のストーリーが始まる年だった…
14歳になったアンジェリカはデビッド、メアリー、執事のミゲルフ、侍女のレベッカのアンジェリカLOVEな4人が屋敷に閉じ込めておこうかと本気で話し合う程の美少女に成長した。
しかし、中身は変わらず…いや4年前よりも更に腐女子にスーパーがつくほど腐女子生活ぶりに拍車がかかり完全に転生腐女子生活を謳歌していた。
それでもデビッド達はアンジェリカに変な虫がつくことを厳重に警戒していた。
それもそのはずだ…
4年の間で数名の命知らずな貴族令息がデビュタントも済ませていないアンジェリカに求婚書を送ってきたことがあった。
そんな数名の令息達にデビッドとメアリーはあえて圧をかけて脅すのではなくその令息達に見合った令嬢を紹介してその令嬢との婚姻を結ばせ二度とアンジェリカに求婚できぬように取り繕ったのだった。
もちろんアンジェリカはこんな悪行じみたデビッド達の行動など知るよしもなく毎日を謳歌していた。
この4年の間でアンジェリカはすっかり【ハッスルスイーツパラダイス】の常連になり今ではBLカップル達の為だけに作るペアアクセサリーやペア家具などを作りカップル達に販売していた。
BLカップル達も拝める上に大好きDIY
も出来てでアンジェリカはウハウハだった。
すっかり腐女子生活を謳歌していたアンジェリカだったが貴族達の間ではアンジェリカが性悪我儘極悪女だという噂がたっていた。
もちろん今のアンジェリカの中身は麻美なのでそんなわけないが風の噂でアンジェリカがとてつもなく美少女で尚且つ力のある侯爵家の娘だということを踏まえて他の貴族令嬢達がアンジェリカが皇太子妃候補に選ばれるのを恐れてその様なデタラメな噂盛りに盛って流していたのだった。
クライシス侯爵夫婦は娘を溺愛していることは貴族達の中では有名な話なのでその噂を信じる者は多かった。
噂を流した令嬢達はその噂が皇太子達皇族の耳に入ることを狙ったのだった。
アンジェリカの噂はもちろん皇室にまで届いていてその噂を知った皇帝ユリウスと皇后カシアは噂が流れていると知ったデビッドとメアリーが激怒するのではないかと心配したがよくよく考えると昔からアンジェリカについての噂は流れているしそれに対してデビッド達が激怒したところを見たことのなかったユリウス達は心配いらないかという結論に至りホッとした。
デビッドとメアリーはアンジェリカがそんな娘ではないのをよく分かっているし元はと言えばアンジェリカの良くない噂を最初の最初に流したのはデビッドとメアリーであってその噂が拍車をかけてより盛って流れているなら娘に対する求婚書も届かなくなると何故かポジティブ思考になりあえて噂を無視していたのだった。
そして当の本人であるアンジェリカもそんな噂なんて勝手に言わせておけばいいとあっけらかんとしていた。
アンジェリカは"うれかじ18"でのアンジェリカとは違い我儘など言わなかったが本当の自分は自分が大切に思っている人たちだけに理解してもらえればいいと考えていたので噂のことなど気にせず自分は腐女子生活に全力を注いでいた。
そんなアンジェリカは最近あるカップルの為に試行錯誤をしながらペアリングと家具を何点か作成しているところだった。
この度、ムスカとオルンが結婚することになったのだ。
4年の間で2人の仲を反対していた彼らの両親もよくやく2人の想いの強さに根負けして結婚を承諾してくれたのだった。
アンジェリカはそんな2人の結婚を誰よりも喜び2人の結婚指輪と新婚生活に使う家具の一部の作成をしてプレゼントしたいと考えたのだった。
そんな2人の為に試行錯誤して指輪と家具を作成中だというのにアンジェリカは馬車に揺られてデビッド達と共に宮殿へ向かっていたのだった。
(はぁ。やっぱりこの"うれかじ18"のストーリー展開には逆らえないってことなのね。初めてアンジェリカとフィルナンデスが顔を合わせてアンジェリカがフィルナンデスに一目惚れするシーンね)
アンジェリカはげんなりした表情でそんな事を考えていた。
(あの出来事がフィルナンデスを苦しめる事となり同時にロビンとの愛を打ち明け合うきっかけになったシーンね。でも、今のアンジェリカは私だから心配しないでフィルナンデス。私はフィルナンデスもロビンもどちらも傷つける事なく2人が愛を打ち明け確かめ合うように上手いこともっていってあげるから)
アンジェリカは一人グッと拳を握りしめながらそんな事を考えていた。
(私がアンジェリカである限りフィルナンデスとの婚約話が問題なんじゃないのよ。問題は私が生のフィルナンデスを前にして冷静でいられるかって事なのよね。"うれかじ18"のアンジェリカはフィルナンデスに一目惚れして大変だったけど私はある意味大変よ。前世でBL沼落ちしたきっかけになった"うれかじ18"の主人公の一人を生で拝むわけでしょ?無理無理無理。フィルナンデスを前にして悶絶せずにいられるわけがないのよ。どうやって平常心保ってていうの?腐女子生活を謳歌してる真っ只中の特大主人公ブーメランて)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(とにかくフィルナンデスに会ったら早々にその場から離れるに越したことがなさそうね。間近にフィルナンデスがいたら私きっと腐女子パワー全開になりそうだからね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「アンジェリカどうしたんだい?先程から1人で表情をころころと変えて何か考えているようだけどそんなに宮殿に行くのが嫌なのか?」
デビッドが言った。
「え?いいえ。そういう訳ではありませんよ」
アンジェリカはハッとなり慌てて言った。
「それより今日は何故宮殿へ?」
アンジェリカがデビッドへ言った。
("うれかじ18"のストーリーでは宮殿へ行った際にアンジェリカがフィルナンデスを見て一目惚れしたとは描写されてたけど宮殿に足を運んだ理由までは書かれてなかったのよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「あぁ、それはだな。陛下が急にお茶会の招待状を送ってきてな。是非アンジェリカも招待したいとのことでな。どうやら今日のお茶会には皇太子殿下も参加なさるようでな」
デビッドは不満気な表情を浮かべて言った。
「チッ。ユリウスのクソ野郎。皇太子が参加する席にアンジェリカを招待するなど何か企んでるに違いないな。皇太子に第二皇子までいる席にアンジェリカを。皇太后陛下の参加がなければふたつ返事で断っていたのにな」
デビッドは不満気な表情でブツブツと言った。
(お父様、心の声がただ漏れですけど?皇帝に対してクソ野郎発言は草も生えないよ?さすがのお父様も昔からお父様の事を知ってる皇太后様には逆らえないってわけね。ひとまず心の声がただ漏れなのはスルーするに限るわね)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「そうだったのですね。確か皇太子殿下は今年の春からルエービ学園へ入学されたのでしたよね?」
アンジェリカが言った。
そう…
"うれかじ18"のW主人公であるフィルナンデスとロビンの禁断の恋愛模様は主に2人が通う【ルエービ学園】で描かれていたのだ。
幼い頃から行動を共にしていた2人は当たり前に2人共に学園へ入学したのだ。
(ルエービ学園。反対から読むとビーエル(BL)学園。そこまでBL要素に徹底してて感心したんだったわね。今がちょうど季節的に初夏だからきっとフィルナンデスは夏休みに宮殿へ戻ってきてるのね。フィルナンデスもロビンも学園へ入学したと同時に寮で生活しているから。夏休みにたまたま帰省した時に運悪くアンジェリカに一目惚れされたのね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「アンジェリカ!どうして皇太子がルエービ学園へ入学したことを知っているのだ?!まさかアンジェリカ、、皇太子に興味があるのか?!」
デビッドがゾッとした表情で言った。
「本当なの?!アンジェリカ!」
デビッドの横に座っていたメアリーも体を前のめりにして言った。
「違いますよ。皇太子殿下がルエービ学園へ入学された事は新聞に掲載されていたのですよ?私はただその記事を読んだだけですよ?」
アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。
(どうしてすぐそういう思考になるのよ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そうか。そうだったのか。新聞は読むがわざわざそんな記事を見ていなかったから気づかなかったよ」
デビッドはホッとしたように言った。
「そうね。それによく考えたら会ったこともない皇太子に興味を持つなんてありえないものね」
メアリーもホッとした表情で言った。
(2人とも次期皇帝を皇太子って呼び捨てにするなんて相変わらず命知らずね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(だけど興味がないというのは違うわね。2人には悪いけど興味はあるわ。ん〜興味というよりは箱推ししてる漫画の主人公に会えるんだから興奮して当然よね?何度も漫画で絡みを舐め回す様に見たフィルナンデスと顔を合わせるんだよ?)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「メアリーの言う通りだな。会ったこともない相手に興味など持つはずがないな。私としたことが考えすぎたようだな」
デビッドは笑いながら言った。
「アンジェリカ。帰りたくなったら我慢などせずすぐに私かメアリーに言うんだぞ?いいな?」
デビッドは笑顔で言った。
「まぁアンジェリカが帰りたくなる前にあいつらがアンジェリカに余計な言動した時点でお茶会など台無しにして帰ってやるがな」
デビッドは不満気な表情で呟いた。
(だから〜心の声がだだ漏れなんだってば。我が両親ながら本当に二重人格じゃないか疑うわ。よく漫画の中ではアンジェリカの我儘だとはいえフィルナンデスとの婚約を許して話をつけたわね。お父様の事だから溺愛する娘が婚約や結婚なんて絶対嫌だったはずなのに。完全に横転案件だもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「分かりました」
アンジェリカは頷きながら言った。
そしてそうこうしているうちに馬車が宮殿へ到着した。
到着したアンジェリカ達は宮殿内にある温室へ案内された。
温室へ着くとそこには皇帝、皇后、皇太后アナスタシア、第二皇子オルシアン、、そして皇太子であるフィルナンデスがいた。
「デビッドようやく来たか」
ユリウスが案内されてきたアンジェリカ達を見て笑顔で言った。
「お待たせして申し訳ありません」
デビッドは笑みを浮かべて言ったが目が全く笑っていなかった。
「チッ。わざと遅れてきたことを知った上であんな笑顔を向けてくるとは一体何を企んでいるのだか」
デビッドがボソりと呟いた。
(お願いやめて。全部声に出てるのよ。せめて心の中で言ってよね。ていうかわざと遅刻したんかい!)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてデビッドを見ながらそんな事を考えていた。
「気にするな。想定内なことだからな」
ユリウスは清々しい笑みを浮かべて言った。
(皇帝陛下のメンタル強し!だてにお父様の幼馴染じゃないわね。わざとお父様が遅れてくることは想定内ってことね。ていうかお父様って子供の頃からこんなだったの?!もうおじい様とおばあ様は私が生まれてからすぐに2人で旅に出て何年も帰ってきてないから聞くに聞けないしね)
アンジェリカは感心しながらそんな事を考えていた。
「さぁ早くこちらへ来て座ってくれ」
ユリウスが手招きしながら笑顔で言った。
「チッ。」
デビッドは不満気に舌打ちした。
(このお茶会無事に終わるよね?)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
そして、アンジェリカ達はユリウス達の元へ歩き向かった。
「皇帝陛下、ならびに皇后陛下、皇太后陛下、そして皇太子殿下、第二皇子殿下にご挨拶申し上げます」
デビッドが無愛想に言った。
そして、デビッドに続きメアリーとアンジェリカも一礼をした。
「挨拶は程々にして座りなさい。お茶を淹れさせるから」
アナスタシアがやれやれといった表情を浮かべてアンジェリカ達へ言った。
「承知しました」
デビッドは不満気な表情のままユリウスを睨みつながら言った。
そんなデビッドを見てユリウスはニコニコしていた。
そして、アンジェリカ達が席につくとすぐにお茶の準備が整った。
「では、お茶も淹った事だし頂きましょう」
アナスタシアが言った。
アナスタシアのその一言でお茶会が始まったのだった。
「クライシス令嬢は皇太子と会うのは初めてだったよね?紹介しよう。私の息子で第一皇子で皇太子のフィルナンデスだ」
ユリウスが微笑みながらアンジェリカへ言った。
「フィルナンデス。こちらはクライシス侯爵令嬢のアンジェリカ嬢だ」
ユリウスは微笑みながらフィルナンデスへ言った。
「皇太子殿下にご挨拶申しあげます。初めてお目にかかりますクライシス侯爵家のアンジェリカ・クライシスと申します」
アンジェリカは椅子から離れカーテシーをしてフィルナンデスへ言った。
(うわぁぁぁ〜本物のフィルナンデスだわ。何度も何度も愛読した"うれかじ18"の主人公の一人が目の前にいるわ。うわぁぁぁ〜本当に主人公だけあって美しい顔だわ。フィルナンデスの回りに光が輝いて見えるのは私だけなのかな?これは思ったより破壊力が凄いわ。hashasしながら白目向きそうなのを必死で耐えてる私凄すぎ!)
アンジェリカは内心興奮気味にそんな事を考えていた。
「、、、」
フィルナンデスはアンジェリカをじっと見て黙っていた。
「フィルナンデス?どうかしたのか?」
そんなフィルナンデスを見てユリウスが声をかけた。
「あっ、いえ。クライシス侯爵令嬢初めまして。私は皇太子のフィルナンデス・ドゥナ・アーバンだ。よろしく頼むね」
フィルナンデスはユリウスの声でハッとなるもすぐに優しい笑みを浮かべて言った。
(うわぁぁぁ〜笑顔が眩しすぎるでしょ。やっぱり原作通り柔らかく優しい素敵な笑顔だわ。こんな美しい笑顔でどれだけ読者を骨抜きにしたと思ってるの!罪な男。罪な男最&高かよ)
アンジェリカは内心悶絶しながらそんな事を考えていた。
「皇太子殿下にお会いできて光栄でございます」
アンジェリカは優しい笑みを浮かべて言った。
(本当に光栄も光栄だよ。うれかじ18の世界に転生して良かったよ〜フィルナンデスばんざ〜い)
アンジェリカは内心嬉し泣きレベルでそんな事を考えていた。
「チッ。うちのアンジェリカにあんな笑みを浮かべるなどけしからん」
デビッドが不満気に舌打ちしながらボソリと呟いた。
(お父様黙って!本当にここで首が飛ぶかもしれないよ?相手は皇太子だよ?というかこの世界の主人公の一人だよ?そんな事言ってたらモブキャラのお父様は死んじゃうよ?!)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「クライシス令嬢、同い年の第二皇子とも歳が近い皇太子とも仲良くしてやってくれ」
ユリウスは笑みを浮かべてアンジェリカへ言った。
「そんな私がごときが滅相もございません」
アンジェリカは慌てて言った。
(私は陰ながらフィルナンデスとロビンのイチャイチャを見るだけで満足なんです。いや、むしろ陰から見るから楽しいんです。それにオルシアンとはフィルナンデスとロビンを陰ながら見守る隊を結成したいくらいなんです。陛下。お宅の息子はどちらも最高なんです)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「アンジェリカの言う通りです。うちのアンジェリカが皇太子殿下と第二皇子殿下と仲良くするなど滅相もない。そんな義理はございません」
デビッドは苛ついた表情ではっきりと言った。
(だから毎度毎度皇族煽りはやめてよね。というか話がややこしくなるから入ってこないで)
アンジェリカはギョッした表情でそんな事を考えていた。
デビッドの横でメアリーがうんうんと頷いていた。
(お母様、同感しないで止めてくれよ。てか、このやり取りこれから何回やらなきゃならないわけ?!)
アンジェリカは呆れた表情でそんな事を考えていた。
「ハハハ。令嬢は美しい上に謙虚なのだな」
ユリウスはデビッドの言葉を笑いながらスルーして言った。
「本当によくこの両親の元でこんなに賢く育ったことでしょう」
アナスタシアがデビッドとメアリーを見て呆れた表情で言った。
「皇太后陛下の今のお言葉はお褒めの言葉と受け止めておきますね」
「同感ですわ」
デビッドとメアリーが笑顔で言った。
(何なのよこのお茶会の地獄的な空気は。私はただフィルナンデスを拝めればそれで満足だったのに)
アンジェリカは疲れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。
(あぁ〜でもこうしてフィルナンデスと出会ったということはいよいよ更に本格的にうれかじ18のストーリーが進んでいくわね。楽しみすぎるよ〜性悪アンジェリカではなくフィルナンデス&ロビンの恋を応援してるうれかじ18の一読者、いやうれかじ18ヲタクとして大好物の光景を目に焼付けながらヲタ活できる嬉しみ♡)
アンジェリカは内心よだれが垂れそうな気持ちでそんな事を考えていた。
(だけどこのお茶会は早く終わって欲しいものだわ。うれかじ18の原作の流れなからここで私がフィルナンデスに一目惚れしたと騒いでフィルナンデスとの婚約の話を持ち出すとこだけどそれはない訳だしフィルナンデスの顔も拝めたしこれ以上ここに滞在する意味はあんまりないんだよね。早く帰ってムスカ達の結婚祝いを作製したいんだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「クライシス嬢、今後はアンジェリカ嬢と呼んでも構わないかい?」
ユリウスが笑顔で言った。
「私もそう呼んでもいいかしら?」
カシアも笑顔で言った。
「はい。もちろ、、」
アンジェリカが笑顔で言おうとした瞬間。
(急に?!)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「だめだ」
「だめよ」
デビッドとメアリーが真顔で同時に言った。
「何故だ?デビッドは私の幼馴染だしメアリーはカシアの幼馴染でしょう?幼馴染の娘なのだから別に名前で呼んでも構わないだろうに。ジョーディーとマリサのところの息子の事は名前呼んでる訳だしね。うちの息子達の事も名前で呼んでも構わないからさ」
ユリウスはにこりと微笑みながら言った。
「ユリウスの言う通りだわ。私たちの仲なのだから構わないでしょう?」
カシアもにこりと微笑みながら言った。
「幼馴染だろうが関係ない。アンジェリカを名前で呼んでもいいのは私とメアリーと我がクライシス侯爵家に仕える者たちだけだ」
デビッドは額に血管を浮き上がらせながら苛立ち言った。
(誰がそんな事決めたのよ)
アンジェリカは呆れた表情でそんな事を考えていた。
(はぁ)
アンジェリカは内心ため息をついた。
「お父様、お母様。私は陛下や皇后陛下、皇太后陛下に名前で呼ばれても構いません。別に減るものではありませんし名前で呼んで頂ける事はとても光栄な事なのですから」
アンジェリカは優しい表情を浮かべてデビッドとメアリーに言った。
「いいや!減る」
デビッドが断固として言った。
メアリーもデビッドの意見に大きく頷いた。
(おい!空気読めっての)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「お父様、お母様は私がいいと言っているのにそれを反対なさるのですか?」
アンジェリカは目をうるうるさせて上目遣いでデビッドとメアリーに言った。
そんなアンジェリカを見てデビッドとメアリーはグッ…となり胸元を掴んだ。
「私たちがアンジェリカの言う事を反対するわけがないだろう?なぁ?メアリー?」
「ええもちろんその通りよ」
デビッドとメアリーは笑顔で言った。
「では、陛下達に私の名前を読んで頂いても構いませんか?」
アンジェリカが上目遣いのまま言った。
「あぁ。もちろんだとも」
「そうね。もちろんいいわ」
デビッドとメアリーは一瞬物凄く冷たい真顔になったがすぐに笑顔で言った。
(いや、がっつり真顔なった後の笑顔怖すぎ!我が親ながら親バカレベルがレベチすぎて娘の私も草生えるわ)
アンジェリカは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。
「お父様、お母様ありがとうございます」
アンジェリカは満面の笑みを浮かべて2人へ言った。
アンジェリカの笑顔を見たデビッドとメアリーは顔をニヤつかせたのだった。
「ということですので私の事を是非名前で呼んで下さい」
アンジェリカは笑顔でユリウス達へ言った。
「ありがとう。アンジェリカ嬢」
「今日からはアンジェリカ嬢と呼ばせてもらうわね」
ユリウスとカシアは笑顔で言った。
「はい」
アンジェリカは笑顔で頷きながら言った。
「「チッ」」
そしてそのやり取りを見たデビッドとメアリーは盛大に舌打ちしたのだった。
(おい!)
アンジェリカはそんな2人を見て内心ものすごいツッコミを入れたのだった。
そんなデビッドとメアリーを見てユリウスとカシアはニコニコと笑っていた。
アナスタシアは呆れた表情を浮かべていた。
フィルナンデスとオルシアンは呆気に取られていた。
(陛下と皇后様何かこの状況楽しんでない?皇太后様はあからさまに呆れてるし。昔っからこんな状況を何度も目にしてきたからかな?フィルナンデスとオルシアンは完全に呆気にとられてるわね。うん!分かるわ。あたしもこの状況はカオスだと思ってるから)
アンジェリカは周りの様子を見つつそんな事を考えていた。
「そうだ。フィルナンデス、オルシアン。アンジェリカ嬢を庭園へ案内してあげるといいよ。この温室とは違う花がたくさん咲いているからね」
ユリウスが微笑みながらフィルナンデスとオルシアンへ言った。
「承知しました父上」
フィルナンデスが柔らかい笑みを浮かべて言った。
「承知しました父上」
続いてオルシアンも言った。
(あぁ。あのフィルナンデスの物腰柔らか笑顔に投げ銭!漫画で見るより数倍、いや数百倍キュンです。キュンに投げ銭です)
アンジェリカは内心ガッツポーズをしながらそんな事を考えていた。
「陛下、お心遣い感謝します」
アンジェリカが笑顔で言った。
(ちょうどこの場から居なくなりたかったからラッキー。これ以上お父様とお母様の醜態見てたら口から心臓出るとこだったもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「待て!アンジェリカ!皇子2人と3人きりなどだめだ!断じてだめだ!」
「そうよ。それなら私たちも一緒に行くわ」
デビッドとメアリーが慌てて言った。
「大丈夫ですよ。迷子になどなったりしませんから」
アンジェリカは笑顔で言った。
(2人がついてきたら意味ないでしょうが)
アンジェリカはツッコミながらそんな事を考えていた。
「し、しかし」
デビッドは慌てて言った。
「デビッド心配するな。敷地内を散歩するだけだ。それにもう少ししたらジョーディー達も到着するはずだから」
ユリウスが笑顔で言った。
(え?!ジョーディーってロビン父だよね?え?この場にロビンも来るってこと?!漫画にはそんなシーンなかったけど?!もしかして漫画だとアンジェリカがフィルナンデスに一目惚れしただの騒いだからロビン達が来たことすら描かれてなかったってこと?!)
アンジェリカはユリウスの言葉を聞き慌ててそんな事を考えていた。
「ジョーディー達がきたら勝手にお茶会を続けていればいいだろ」
デビッドはイラつきながら言った。
「お父様、、私この調子ですとお友達の一人もできなくなってしまいます」
アンジェリカがしょんぼりした表情を浮かべて言った。
「ア、アンジェリカ」
アンジェリカの表情を見たデビッドがギョッとなり慌てて言った。
「分かったよ。アンジェリカ行っておいで」
デビッドが更に慌てて言った。
(よし!)
アンジェリカは内心ガッツポーズをしながらそんな事を考えていた。
「本当にいいのですか?」
アンジェリカはしょんぼりしたまま言った。
「あ、あぁ。もちろんだとも、、」
デビッドは引きつり笑みを浮かべて言った。
(お父様、笑顔が思い切り引きつってますけど?本当は死ぬほど行かせるの嫌なんだろうな)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「ありがとうございます」
アンジェリカは満面の笑みを浮かべて嬉しそうに言った。
「アンジェリカ」
デビッドはアンジェリカの笑顔を見て表情を緩めて言った。
「だが、2人に嫌なことなどされたらすぐに戻ってくるんだぞ?」
デビッドはフィルナンデスとオルシアンを睨みつけながら言った。
(睨みすぎ!やめてよ本当に)
アンジェリカはギョッとしてそんな事を考えていた。
「わ、分かりました」
アンジェリカは頷きながら言った。
「で、では行ってきますね。殿下ご案内よろしくお願いします」
アンジェリカは急ぐ様に言った。
「あぁ。では行こうか」
フィルナンデスが優しい笑みを浮かべて優しく言った。
(もぉ〜本当にその笑顔の破壊力エグすぎて大変だよ。まさか予想外の展開でフィルナンデスとオルシアンと時間過ごすことになったけど私大丈夫か?理性保てるの?)
アンジェリカは内心悶絶しながらそんな事を考えていた。
「はい」
アンジェリカは内心の悶絶を隠しながら笑みを浮かべて言った。
そして、アンジェリカはフィルナンデスとオルシアンと共に庭園へと向かったのだった。
アンジェリカ達が温室を離れた後の温室の空気がデビッドとメアリーの不満MAXな雰囲気で完全にカオス状態になっていた。
「それにしてもジョーディー達は遅いね」
ユリウスが心配そうな表情を浮かべて言った。
「ユリウスが連日側近のジョーディーをこき使ってるから寝坊でもしたていにして遅れてるんじゃないか」
デビッドは完全に皇帝と侯爵ではなく幼馴染口調で話し始めた。
「子供達が居なくなったら一瞬で幼馴染モードになるんだね」
ユリウスは微笑みながら言った。
「堅苦しいのは苦手の知っているだろう」
デビッドは面倒臭そうに言った。
「まぁね。それよりもジョーディーが時間に遅れる事などないから心配だね。デビッドと違って理由をつけてわざと遅れる様な事はしない男だからね」
ユリウスはにこりと微笑みながら言った。
「ハッ。ジョーディーだって嫌になる時くらいあるだろう」
デビッドは呆れ笑いをしながら言った。
「デビッドと一緒にしたら駄目でしょう」
ユリウスは笑いながら言った。
その時だった…
「陛下、、お茶会中申し訳ありませんがお急ぎお伝えしたい件がありまして!」
そこへ皇室騎士団の騎士の一人が血相を変えて大慌てでやってきて言った。
「何事だ?」
ユリウスは騎士の表情を見て目を細めて言った。
「パーソル伯爵家を乗せた馬車が事故に遭ったそうです」
騎士が表情を歪めて言った。
「何だと?!」
ユリウスは立ち上がり驚いた表情で言った。
騎士の言葉を聞いたデビッド達も驚いた表情を浮かべていた。
「それでパーソル伯爵家の者たちはどういう状況なのだ?!」
ユリウスが表情を強ばらせて言った。
「どうやら事故状況が良くなく伯爵夫婦がひどい怪我を負われた様です。ご子息も怪我をされている様ですが命に別状はないとのことです、、」
騎士が苦渋の表情を浮かべて言った。
ユリウス、デビッド、ジョーディー。
カシア、メアリー、マリサが幼馴染であることは皆が知っている事情だけに騎士の表情もより苦渋に満ちていた。
「そんな、、」
ユリウスは信じられないという表情を浮かべて言った。
「ユリウス、すぐにジョーディー達の元へ向かおう」
デビッドが真剣な表情で言った。
「あ、あぁ、、そうしよう」
ユリウスは真剣な表情で頷きながら言った。
「ユリウス、私達も同行するわ」
カシアが真剣な表情を浮かべて言った。
「あぁ」
ユリウスが頷きながら言った。
「後のことは私に任せて早く向かいなさい」
アナスタシアが真剣な表情で言った。
「母上、、分かりました。では後のこと子供達の事はお任せするのでよろしくお願いします」
ユリウスが真剣な表情で言った。
ユリウスの言葉にアナスタシアが頷いた。
そして、ユリウス達4人はすぐにジョーディー達の元へと向かったのだった。
∼♡ω♡∼
デビッド達が宮殿を後にしたその頃…
アンジェリカ達は庭園へ到着していた。
「うわぁぁ〜素敵なお庭だわ」
アンジェリカは庭園を見渡しながら目を輝かせて言った。
(この庭園でフィルナンデスとロビンの秘密の逢引をしてたんだよね。逢引シーンは2回程にも関わらずあのシーンは読者を骨抜きにして更にうれかじ18の沼へと深くハマったのはうれかじ18界隈では有名な話だもんね。そんな庭園に足を踏み入れる事が出来るなんて最高か!陛下の提案ナイスすぎだわ)
アンジェリカは内心悶々とうれかじ18の漫画のシーンを思い出しながらそんな事を考えていた。
「庭園を気に入って頂けたようで良かった」
フィルナンデスが優しい笑みを浮かべてアンジェリカへ言った。
(ぬぐぅぅ。その笑顔は本当に毎回毎回キュンですレベルがハンパじゃないのよ。それにこんなうれかじ18の聖地を拝めてるんだから気に入る以外の何物でもないわけで)
アンジェリカはフィルナンデスの笑みを見てまるで光が差し込んでくるかのうに眩しそうな表情を浮かべてそんな事を考えていた。
「はい。とても綺麗な庭園で感動しました」
アンジェリカはどうにか正気を保って微笑みながら言った。
(気を抜いたらすぐに顔がニヤけてよだれが出そうだわ。気をつけなきゃだわ。想像以上にうれかじ18の世界の刺激強すぎ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「気に入ったのならばいつでもここへ遊びに来るといいよ」
フィルナンデスは笑みを浮かべて言った。
「い、いえ、そんな軽々しく足を運ぶことなど出来ません」
アンジェリカは慌てて言った。
(フィルナンデス何言ってんのよ!優しすぎる!そんな事を女子に軽々しく言ったらダメよ!ゴキブリホイホイならぬ悪女ホイホイ案件だよ?!私が本当アンジェリカなら大事故だよ?!)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「兄上、彼女の言う通りです。この宮殿の庭園は誰でも気軽に立ち入れる場所ではありません」
オルシアンが淡々と言った。
(うんうん。オルシアンの言う通りよ。ここはうれかじ18の大切な聖地なんだからロビン以外にそんなに簡単にここへ足を踏み入れさせたらダメよ!)
アンジェリカは内心1人頷きながらそんな事を考えていた。
「しかし、クライシス令嬢はクライシス侯爵の御息女だから問題ないだろう?父上と侯爵、母上と侯爵夫人は幼馴染の仲なのだから」
フィルナンデスは優しい笑みを浮かべてオルシアンへ言った。
「しかし!それをいい事に兄上へ近づこうとするかもしれないでしょう?あっ」
オルシアンが少し感情をあらわにしながら言いとすぐにまずいという表情を浮かべて呟いた。
「オルシアン!」
フィルナンデスが笑顔を消して険しい表情を浮かべて言った。
そんなフィルナンデスを見てオルシアンは気まずそうな表情を浮かべた。
フィルナンデスとオルシアンの間に微妙な空気が漂った。
(あぁ、そういうことね。オルシアンは私がフィルナンデスに言い寄ると思って警戒してたんだね。そういえば私の噂って色々広まってるって耳にしたもんね。オルシアンはフィルナンデスを大切に思ってるから心配してるんだね。考えてみたらうれかじ18の中でもオルシアンはアンジェリカに強い嫌悪を抱いてたもんね。オルシアン、本当にあんたは最高の弟だよ)
アンジェリカはすぐにオルシアンの意図を理解した様に1人ジーンと感動しつつそんな事を考えていた。
「クライシス令嬢すまないね。オルシアンが失礼な事を言ってしまって」
フィルナンデスは申し訳なさそうな表情を浮かべて言った。
「いえ、私は大丈夫ですからお気に入なさらず。第二皇子殿下は皇太子殿下の為を思って発言でしょうから」
アンジェリカはにこりと微笑みながら言った。
(うれかじ18の聖地でフィルナンデスとオルシアンの兄弟愛拝めるとか最高か!ゔあぁぁスマホがあったらこの光景を動画におさめて永久保存したいよ。スマホキボンヌ)
アンジェリカは内心悶絶しているのを隠してそんな事を考えていた。
「クライシス令嬢、、」
フィルナンデスはアンジェリカをじっと見つめて呟いた。
「第二皇子殿下。心配なさらずとも私は当分の間はどなたとも婚約などするつもりはありませんので」
アンジェリカはにこりと微笑みながらオルシアンへ言った。
(この先ロビンがフィルナンデスと駆け落ちする未来が待ってるんだからクライシス侯爵家は私が次期当主になれくらい頑張んなきゃいけないから婚約なんて考えてもないもんね。フィルナンデスとロビンの輝く愛の未来の為に私は頑張るわ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「えっ?!」
アンジェリカの言葉を聞きオルシアンが発する前に思わず驚き言ったのはフィルナンデスだった。
(え?)
アンジェリカはそんなフィルナンデスを見て驚きそんな事を考えていた。
「兄上?」
オルシアンはそんなフィルナンデスを見て少し驚き言った。
「あっ、いや。婚約が決まってもおかしくのない年齢のクライシス令嬢が婚約を考えていないと言ったので少し驚いてしまったね。普通はその婚約を視野に入れて話をする令嬢の方が多いと思ってね」
フィルナンデスは少し戸惑いながら苦笑いを浮かべて言った。
「まぁ確かにそうですね。普通クライシス令嬢の年齢なら婚約の話が出ていても不思議ではないですからね」
オルシアンは軽く頷きながら言った。
「あ、あぁ」
フィルナンデスは苦笑いを浮かべて言った。
(オルシアンは彼女の噂を信じているからあの様な発言をしたのだろう。彼女が噂とは違うことを私は知っているからクライシス令嬢がオルシアンに言われたことを気にして気を使いあんな発言をしたんだろう。彼女はあの時と何も変わってないんだね)
フィルナンデスはチラりとアンジェリカを見てそんな事を考えていた。
(ただ、あの頃も綺麗な令嬢だと思ったけれどあの頃は可愛らしさもあったが今は美しいという言葉がとてもよく似合う。クライシス侯爵夫婦があの様になるのも分からなくもない。しかも彼女は容姿だけでなく心も綺麗だ。その事を知るのは私だけでいい)
フィルナンデスは更にそんな事を考えていた。
「しかし、令嬢が婚約など考えてなくとも侯爵夫婦が黙っていないだろうに」
オルシアンは呆れたように淡々と言った。
「第二皇子殿下も先程ご覧になったでしょう?あの父と母が私に婚約を進めると思いますか?」
アンジェリカは苦笑いを浮かべて言った。
アンジェリカの言葉を聞きオルシアンはふと先程のお茶会の事を思い出していた。
「ゔゔっ。いや進めないだろうな。むしろ婚約の話が出た方が別の何かを進めそうだな」
オルシアンは思い出した後に苦笑いを浮かべて言った。
「そうでしょう?ですから本当に他のご令嬢達は婚約の話で盛り上がっているのでしょうけど私は生憎盛り上がってませんから。私には婚約の話よりもするべき事が山程ありますので私が皇太子殿下や第二皇子殿下に取り入ろうとすることはございませんのでご安心下さい」
アンジェリカは自信満々に笑みを浮かべて言った。
(今の私はムスカ達の結婚祝いも作んないといけないし何より私には腐女子生活を謳歌する事に加えて新たな挑戦計画があるから婚約なんてごめんだよね。まぁ私の噂が知れ渡ってるなら婚約の話すらこないかもだけどね)
アンジェリカは余裕そうにそんな事を考えていた。
「やりたい事とは何かな?」
フィルナンデスがどこか興味津々な表情で言った。
(本当に彼女は婚約など微々も考えていないのか?)
フィルナンデスは内心焦りながらそんな事を考えていた。
「私も知りたいところだな」
オルシアンは呆れつつ淡々言った。
(どうせ噂通り令嬢の我儘なお遊びなどだろうな)
オルシアンはそんな事を考えていた。
「それは、、秘密です」
アンジェリカはにこりと微笑みながらきっぱり言った。
(言えるわけないでしょう。だって私のやりたい事ってBLカップルを拝みながらBL専門の雑貨&アクセサリー販売して生活したいんです〜なんて貴族令嬢が簡単に言える訳ないでしょ。あわよくばフィルナンデスとロビンのペアアクセサリーなんか作って贈りたい願望はあるけどそんな事はできないもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「え?教えてくれないのかい?」
フィルナンデスは残念そうに言った。
(本当はやりたいことがあるのではなく既に想い人でもいるんじゃないのだろうか。クライシス侯爵夫婦の事を考えると本当は想い人の事を話したくても話せずにいるとかではないのだろうか)
フィルナンデスは気を落とし気味にそんな事を考えていた。
「ハッ」
オルシアンは呆れた表情で言った。
「ただ、物を作る事、、とだけお教えしておきますね」
アンジェリカは微笑みながら言った。
「物を作る?」
フィルナンデスは一瞬目を見開き言った。
(では、想い人がいるから婚約の事を考えていないのではなく本当にやりたことがあるということか。それならばまだ私にチャンスがあるということだね)
フィルナンデスは急に表情を明るくしてそんな事を考えていた。
「物を作る?何を作るんだ?まさか作るのは令嬢が作るつもりなのか?」
オルシアンは少し驚いた表情を浮かべて言った。
(貴族令嬢の中でも一番の我儘令嬢と噂されるこの女が物作りだと?)
オルシアンはそんな事を考えていた。
「もちろん私が作るんですよ。私はこう見えて物を作るのが得意なので」
アンジェリカは自信満々に笑みを浮かべて言った。
「装飾品なども、、作るのか?」
オルシアンは少し目を細めながら言った。
「ええ。今ちょうど我が家の使用人の結婚祝いにとアクセサリーを作製しているところです」
アンジェリカは頷きながら言った。
「わざわざ使用人の結婚祝いに令嬢が?!」
オルシアンは驚き言った。
「はい。絶対にその使用人達の結婚祝いに私が作ると決めていましたから」
アンジェリカは嬉しそうに微笑みながら言った。
(当たり前よ!私がこの世界に転生して初めて拝んだ私の大切なBLカップルなんだからその2人のお祝いのアクセサリーを私以外の人が作って贈るなんて事はさせないわ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「どのような装飾品を作っているんだ?」
オルシアンが言った。
(さっきまで私に嫌悪感むき出しだったのに随分話に食いついてくるじゃん。もしかしてオルシアンて)
アンジェリカはふとそんな事を考えていた。
「第二皇子殿下はもしかして物作りに、、装飾品を作ることに興味があるのですか?」
アンジェリカがもしかしたらと思いオルシアンへ言った。
「なっ、別に興味などあるわけないだろう」
オルシアンは慌てて強めに言った。
(ははぁぁ〜んオルシアンってうれかじ18だとフィルナンデスの弟ポジションの登場人物ではあったけど主要の登場人物じゃなかったからどんな性格とかは詳しく描かれてなかったけどフィルナンデスとは違ってツンデレタイプなのね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そうなのですね。第二皇子殿下さえよければ今作製中のアクセサリーを私が作るところをご覧になりませんかと思ったのですが興味などないのでしたらそんな必要はありませんね」
アンジェリカはにこりと微笑みながら言った。
(さぁどうする?オルシアン)
アンジェリカは内心ニヤリとしながらそんな事を考えていた。
「何?!見せてくれるのか?!」
オルシアンは食いつき気味に言った。
「え?ですが興味はないと」
アンジェリカはわざととぼけた様に言った。
「なっ」
オルシアンはバツの悪そうな表情で言った。
(この女わざと言ってるな)
オルシアンはそんな事を考えていた。
(オルシアンって案外可愛いいとこもあるじゃないの。からかい甲斐もあるかも?)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「それは私も見せてもらってもいいのかな?」
フィルナンデスがアンジェリカとオルシアンの話の間に入り期待を混じえた優しい笑みを浮かべて言った。
「え?皇太子殿下がですか?!」
アンジェリカは予想外の事に驚き言った。
(何でフィルナンデスが?!)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
オルシアンもアンジェリカ同様驚いていた。
「あぁ。だめだろうか?」
フィルナンデスはしょんぼりとした表情を浮かべて言った。
(ぬぐっ。フィルナンデスその顔は反則も反則すぎるでしょ。そんな顔されて断るとか無理ゲーじゃないの)
アンジェリカは内心悶えながらそんな事を考えていた。
「い、いえ。だめだなんてそんなことありません。ですが皇太子殿下が見ても楽しめるかどうかはわかりませんので」
アンジェリカは戸惑いとながら言った。
「そんな事ないさ。実は私はアクセサリーに興味があるからね」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
(将来、君に贈るために今からアクセサリーについて学んでおきたいからね)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(フィルナンデスがアクセサリーに興味を持ってるって?!そうだったっけ?!うれかじ18でそんな発言してたかなあ。あっ!もしかしてフィルナンデスはロビンに贈るためにアクセサリーに興味を持ってたとか?!あっ!うれかじ18の映画化でフィルナンデスがロビンにアクセサリーを贈るシーンがあるとしたら?!私は残念ながら映画を観る前に死んじゃったから内容は分かる訳ないけどありえるわ。だとしたらフィルナンデスの提案を断るなんていう選択はできない。フィルナンデスとロビンの禁断の愛の為だもん)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「分かりました。では皇太子殿下のご都合がよろしい日を前もってお伝えいただければ私が日程を調整いたしまので」
アンジェリカは何故か責任感の様なものを芽生えさせつつ言った。
「分かった。学園の休みの間にまたこちらから手紙を送るよ」
フィルナンデスは嬉しそうな笑みを浮かべて言った。
(これでクライシス令嬢に会う口実ができた)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「兄上が行くのならば私も一緒に行く」
オルシアンがツンとした態度で言った。
「え?でも第二皇子殿下は興味がないと」
アンジェリカはわざと言った。
「そ、それはそうだが兄上だけ行かせるのは弟として心配だからな」
オルシアンが慌てて言った。
(プッ。オルシアンったら可愛いんだから)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「そうですか。では第二皇子殿下も一緒にいらして下さい」
アンジェリカはニヤつきながら言った。
「何だその顔は」
オルシアンはアンジェリカの表情を見てムッとなり言った。
「どの様な顔ですか?」
アンジェリカはしらっと言った。
(本当にからかい甲斐があるったらないわ)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
(絶対面白がってる顔だろ)
オルシアンはそんな事を考えていた。
「オルシアン。別に私1人でも大丈夫だからそんなに心配しなくてもいいさ」
フィルナンデスが笑みを浮かべて言った。
(何故オルシアンはこんなにもアンジェリカ嬢と打ち解けているんだ?)
フィルナンデスは内心は拗ねた様にそんな事を考えていた。
「え?しかし」
オルシアンは少し戸惑った様に言った。
(兄上何か怒ってるのか?顔は笑っているけれど何故か少し機嫌が悪いように感じるのは気の所為か?)
オルシアンは戸惑いつつそんな事を考えていた。
「オルシアンは別に行きたいわけで行くんではないんだよね?それならば無理して行く必要はないよ」
フィルナンデスは笑みを浮かべて言った。
「いや、別に無理などは」
オルシアンは更に戸惑いつつ言った。
(え?何この空気は。何でうちに来るかこないかでこんな空気になんのよ)
アンジェリカはフィルナンデスとオルシアンのやり取りを見てそんな事を考えていた。
(何故かオルシアンが一緒だとクライシス令嬢とオルシアンの仲が良くなる様な気がしてならない。オルシアンは昔から私が容姿を気にして表に出られない時から私の代わりに沢山の貴族令嬢達と顔を合わせているからか色目を使ったり媚を売る事しか考えない令嬢達ばかり近づいてきたのもあり貴族令嬢に対して嫌悪感しか抱いていないのにクライシス令嬢に対してここまで感情を出して話をするという事はクライシス令嬢に対して少なからず嫌悪感が薄れているということだろうからね)
フィルナンデスは複雑な表情でそんな事を考えていた。
「それならば私だけアンジェリカ嬢の元へ行くよ」
フィルナンデスは笑みを作り言った。
「あの、お話し中のところ申し訳ありませんが、、」
アンジェリカがフィルナンデスとオルシアンの話の間を割って言った。
「どうしたんだい?」
フィルナンデスが微笑みながら言った。
(ぐはっ。何回見ても生フィルナンデスの奇跡の微笑みには良すぎて気を確かに持つのがやっとだよ)
アンジェリカは内心よだれを垂らしそうなのを必死に堪えてそんな事を考えていた。
「本日この庭園を案内して下さったお2人にお礼の意味も込めて我がクライシス邸へご招待させていただくというのはいかがですか?そうすればお2人が今のような行く行かないの話で言い合いにならないでしょう?」
アンジェリカは冷静に笑みを浮かべて言った。
「それは」
フィルナンデスには少し戸惑いつつ言った。
(それだと必ずオルシアンと行かなければならないじゃないか)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「コホン。令嬢がそこまで言うなら第二皇子として断るのはよくないだろうから招待を受け取るとしよう」
オルシアンは小さく咳払いをしてからツンとした態度で言った。
(プハッ。オルシアンまじで面白すぎ。ツンデレすぎるでしょ)
アンジェリカは笑いそうなのを必死に堪えながらそんな事を考えていた。
「皇太子殿下も招待を受けて下さいますか?」
アンジェリカは笑みを浮かべて言った。
「あぁ、もちろんだとも」
フィルナンデスは嬉しそうに微笑みながら言った。
(クライシス令嬢のせっかくの好意オルシアンが同行するのが嫌だと言って断るなど出来るわけがない。オルシアンが一緒なのはいささか不服だけれどクライシス令嬢に会えるのではあればそこは我慢だ)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
「では、決まりですね」
アンジェリカは笑顔で言った。
(何かよくわかんないけど2人の変な空気感はなくなったね。これで我が家でフィルナンデスとオルシアンの兄弟愛を拝むことができるなんて勝確でしかない)
アンジェリカは内心ガッツポーズをしながらそんな事を考えていた。
その時…
「アンジェリカお嬢様」
音も立たずレベッカが現れてアンジェリカへ声をかけた。
フィルナンデスとオルシアンは音もなく現れたレベッカを見て驚くと同時に素早く警戒体制に入った。
(レベッカ?家にいるはずのレベッカがここにいるって事は何か急ぎの用があるってことだね)
アンジェリカは特に驚く事なく冷静にそんな事を考えていた。
「お2人共この者は私の専属の侍女のレベッカですので怪しい者ではありません。ですので警戒される必要はありません」
アンジェリカが冷静に言った。
「そうなんでね」
フィルナンデスはアンジェリカの言葉を聞きすぐに警戒心をとき優しい表情で言った。
オルシアンも警戒心をといた。
「レベッカ、こちらは皇太子殿下と第二皇子殿下よ」
アンジェリカがレベッカに言った。
「皇太子殿下ならびに第二皇子殿下にご挨拶申し上げます。アンジェリカお嬢様の専属侍女をさせて頂いていますレベッカと申します」
レベッカは礼儀正しく頭を下げて言った。
(この2人が皇太子と第二皇子ね。ご当主様と奥さまが警戒されていた2人ね)
レベッカはフィルナンデスとオルシアンを交互に見てそんな事を考えていた。
「あぁ。フィルナンデス・ドゥナ・アーバンだ。今後もよろしく頼む」
フィルナンデスは笑みを浮かべて言った。
(このレベッカという者、、私もオルシアンも一切彼女の気配に気づかなかった。私もオルシアンも気配にはかなり敏感な方だがその我々ですらも気づかなかったとは彼女はただ者ではないようだ)
フィルナンデスは微笑みながらもそんな事を考えていた。
(今後ともよろしくですって?!それはアンジェリカお嬢様に今後も近づくってこと?!これはご当主様と奥さまに報告するべ案件ね)
レベッカはそんな事を考えていた。
「私はオルシアン・ドゥナ・アーバンだ」
オルシアンは真顔で言った。
(この侍女、、私もだが兄上ですら彼女の気配を感じ取れなかった。この侍女ただ者ではないな)
オルシアンもそんな事を考えていた。
「それでレベッカどうしたの?何かあったからここにいるのでしょう?」
アンジェリカは平然と言った。
「はい」
レベッカは真剣な表情で頷きながら言った。
「実はご当主様から急ぎの連絡が入りアンジェリカお嬢様をお迎えにあがりました」
レベッカが言った。
「お父様から?何か緊急な事でも起こったの?」
アンジェリカは驚いた表情で言った。
(わざわざレベッカをこさせるくらいだから緊急な事でもあったんだね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「実は、、パーソル伯爵様御一行が馬車の事故に遭われた様でご当主様と奥さまが皇帝陛下と皇后陛下と共にパーソル伯爵様と御婦人の元へ向かわれたようです。ですので私にアンジェリカお嬢様の迎えを頼まれました。先程皇太后陛下にお会いしてその旨はお伝えしてあります」
レベッカは深刻そうな表情で言った。
「パーソル伯爵御一行が事故に遭ったですって?!」
アンジェリカは驚き言った。
(ロビン達が事故に?!でも、うれかじ18の原作ではアンジェリカがフィルナンデスに一目惚れした日にロビン達が事故に遭ってなんかないしそもそもロビンの両親が事故にあった時はロビンは両親と一緒にはいなかったのにどーゆこと?!)
アンジェリカはレベッカの話を聞いて混乱気味にそんな事を考えていた。
「何だって?!パーソル伯爵達が事故だと?!」
フィルナンデスがレベッカの話を聞いての驚いて戸惑いつつ言った。
オルシアンも驚きを隠せずにいた。
「それで事故の状況はわかってるの?」
アンジェリカが慌ててレベッカへ言った。
「先程、皇太后陛下に伺ったのはパーソル伯爵様と御婦人は酷い怪我を負われているとのことで御子息は軽い怪我を負われたものの命に別状はないとのことです」
レベッカが複雑な表情で言った。
「そんな、、」
アンジェリカは驚いた表情で言った。
(ロビンの両親が酷い怪我を負ってるってことはやっぱり危険な状態なのかなぁ。ロビンは命に別状はないとなるとやっぱりこの事故で、、)
アンジェリカは複雑な表情でそんな事を考えていた。
「ロビンは大丈夫なのか、、」
フィルナンデスがレベッカの話を聞いて呟いた。
(そうだよね。自分の愛する人が事故ったって聞いたら驚くし心配になるもんね)
アンジェリカはフィルナンデスを見てそんな事を考えていた。
「だが、パーソル伯爵夫婦が酷い怪我を、、」
フィルナンデスは表情を歪めて言った。
「何ということだ、、」
オルシアンも表情を歪めて言った。
(フィルナンデスもオルシアンもロビンはもちろんだけどロビンの両親とも面識があるだろうからそりぁショックだよね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「私もすぐにロビンの元へ向かわなければ」
フィルナンデスが必死な表情で言った。
「私も同行します」
オルシアンは真剣な表情で言った。
「皇太子殿下、第二皇子殿下。今向かうのはやめておいた方がいいのではないでしょうか」
アンジェリカが慌てて言った。
(ロビンはもちろんロビンの両親の事が心配なのはよく分かるけど今フィルナンデスとオルシアンがそこへ向かったってはっきり行って迷惑になるんじゃないかなぁ。すでにお父様達が向かってる訳だしフィルナンデス達が行ったところで今は何もできることなんてない気がする。強いて言うならフィルナンデスが愛するロビンの側にいてあげる事でロビンは気持ち的に少し落ち着くかもしれないけどさ。それに、、)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「何故だ?!パーソル伯爵や夫人、ロビン様と我々は親しい仲なんだぞ?」
オルシアンが不満気に言った。
「陛下や父達が私達に何も言わず現場に向かわれた時点で殿下達は一先ず陛下達から何かしらの連絡が入るまでは宮殿へいらした方がいいかと思いますので。きっと陛下達も現場へ向かわれるまで詳しい詳細までは分からなかったでしょうしパーソル伯爵様達と交流がある殿下達を変に心配させたくないという気持ちもあるでしょうし。一先ず皇太后陛下がいらっしゃるのでしたらきっと皇帝陛下が皇太后陛下に私達の事を頼まれたのかもしれませんし」
アンジェリカは冷静に言った。
「しかし」
オルシアンは一瞬グッとなり言った。
「クライシス令嬢の言う通りよ」
その時、アナスタシアがやってきて言った。
「お祖母様」
フィルナンデスが言った。
アンジェリカとレベッカはアナスタシアへ一礼した。
(やはりあのクライシス侯爵夫婦の娘とは思えない程に冷静かつ正確に物事を判断して行動する子ね。でもまぁデビッド達も娘の事になるとああだけれどもそれ以外の事に対しては常に冷静に行動する2人だったわね)
アナスタシアはチラリとアンジェリカを見てほんの一瞬口角を上げてそんな事を考えていた。
「お祖母様、パーソル伯爵達はどうなったのですか?」
フィルナンデスは焦る気持ちをどうにか落ち着かせながら言った。
(パーソル伯爵や夫人はもちろんだけれどロビンは大丈夫なのだろうか。つい昨日会いまた明日と笑顔で別れたばかりなのに)
フィルナンデスは不安気な表情でそんな事を考えていた。
「まだ連絡はないわ。ユリウス達も現場に向かっている途中でしょうから到着次第すぐに連絡が来るからそれまで私達はここで連絡を待ちましょう。心配な気持ちは分かるけれどフィルナンデスとオルシアンが今行ったところで迷惑になるだけよ」
アナスタシアは冷静かつ優しくフィルナンデス達へ言った。
「分かりました、、」
フィルナンデスはグッと拳を握り頷きながら言った。
「分かりました」
オルシアンは納得はいかないという表情をしつつも頷きながら言った。
「クライシス令嬢はせっかく来てもらって悪いけれどこのまま侍女と共に邸へ戻り侯爵からの連絡を待ちなさい」
アナスタシアが言った。
「はい。そう致します」
アンジェリカは真剣な表情で頷きながら言った。
(私がここにいたてって仕方ないもんね。とりあえず私に出来ることっていったらロビン達の無事を祈ることくらいだもんね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「それでは私達はここで失礼致します。本日はお茶会のお誘いありがとうございました」
アンジェリカは優しく微笑みながら丁寧にアナスタシアへ言った。
「ええ」
アナスタシアは優しく微笑みながら言った。
「皇太子殿下、第二皇子殿下、本日はお話できて良かったですし素敵な庭園への案内もありがとうございました」
アンジェリカはにこりと微笑みながら言った。
「こちらこそ今日はクライシス令嬢に会えて良かったよ」
フィルナンデスは優しい笑みを浮かべて言った。
(本当はもっと一緒の時間を過ごしたかったが)
フィルナンデスはそんな事を考えていた。
(こんな状況だっていうのにフィルナンデスの微笑みが眩しくて、、眩しくて、、)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「勿体ないお言葉です」
アンジェリカは冷静を保ち言った。
「気をつけて帰るんだぞ」
オルシアンはツンとした表情で言った。
「はい。お気遣いありがとうございます」
アンジェリカはクスッと微笑みながら言った。
(最後までツンデレなのね)
アンジェリカはそんな事を考えていた。
「それでは私達は失礼します」
アンジェリカがそう言うと一礼した。
レベッカも続けて一礼をした。
そして、アンジェリカとレベッカはクライシス侯爵家の馬車へ乗り込み宮殿を後にしたのだった。
(実を言うと原作を知ってる私ならロビンの両親の死を阻止できるかもって思ってたんだけどまさかこの状況で事故が起こるなんてね。原作とは違う状況の事故だからどうかロビン達家族が助かります様に、、)
アンジェリカは馬車の中で切実にそんな事を考えていた。
しかし…
アンジェリカの願いも虚しくパーソル伯爵夫婦は還らぬ人となってしまったのだった。
アンジェリカが宮殿へ訪れた日から3日後パーソル伯爵夫婦の葬儀が行われた。
"うれかじ18"の原作ではアンジェリカはパーソル伯爵夫婦の葬儀には参加しなかったが麻美であるアンジェリカは幼馴染を亡くした両親を心配してデビッド達に同行したのだった。
アンジェリカはそこで"うれかじ18"のもう一人の主人公であるロビンと顔を合わせたのだった。
ロビンの横にはフィルナンデスが立っていた。
しかし、アンジェリカの目に映るロビンは涙1つ流すことなく目が虚ろで今にも消えてしまいそうだった……
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