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始まりの少年


「ふ〜んふふんふ〜ん♪」


とある森の中、小さな足音と少年の鼻歌だけが流れていた。




暫く続いた足音と鼻歌がふと止まり少年は呟いた。


「水の音がする」


小さな声で呟いた少年はキョロキョロと周りを見渡たし音のなる方を探した。


「こっち方かなぁ…」


少年は水の音のする方向へまた歩き始めたのだった。



「あったぁ!川だぁ!」


水の音を頼りに歩いていた少年は遠くに流れる水を見つけて駆けて行った。


「綺麗な川だなぁ…飲んでも大丈夫かな?」


森を流れる川は地面が見える程透き通っており、小さな魚が泳いでいた。

少年は恐る恐る水面に手を伸ばし、小さな両手で水を掬い、ゆっくりと小さな口を付けた。


コクッ

「おいしい!!」


少年は目を輝かせ、笑顔を見せる。



「よし!」


コクコクコクッと一心不乱に水を飲んでいた少年は満足したのか元気に立ち上がった。


「これからどうしようかなぁ…」


元気に立ち上がった少年の表情が少し曇る。


「そもそもここはどこなんだろう?……皆んな心配してるかな……って暗くなってちゃだめだめ!!笑顔で行こう!!」


少年はブンブンと頭を振ってまた笑顔を作った。


「よ〜し!行こう!」


少年はまた当てもなく歩き始めた。



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