2.目を覚ましたら、枕元できのこがスマホを握っておすすめレビューしてきた。
雨音で目を覚ますと、枕元にきのこが生えていた。
そのきのこは、僕のスマホを握り、舌打ちした。
「読まなきゃ、枕元にきのこ生やしますよって、あたしゃ言いましたよね。なんで読まないんですか。手間かけさせて。」
「す、すみません…」
寝起きで状況が理解できないまま、とりあえず謝ってみた。するときのこは、ため息を大仰につくと、
「アンタ、ギャル好きですか?」
唐突に性癖を聞いてきた。
「まあ、人並みに。」
「それなら、これを読んでくださいよ。」
スマホ画面を僕の鼻に押し付けてくる。やめてくれ、画面が脂で大変なことに。
「5,814文字ですよ。それくらい読むのは朝メシ前でしょう?」
「読みます。読みますから、やめて下さい。」
「ギャルと簡単に付き合えると思っちゃいけませんよ。いいですか、読まないと脱ぎっぱなしの靴下にきのこ生やしますからね。」
そう言うときのこは、窓から雨の中へ消えて行った。
《レビュー作品》
「ギャル子は人類が滅びても俺と付き合わないみたいなので……本当に滅ぼしてみた」
https://ncode.syosetu.com/n3598gy/
短編作品の長いタイトルは、レビューしようと思ってもどうすればいいか…。
じゃあ、きのこにおすすめさせよう。