DAY1…東京、大人達の終わり。
おめでとうございます。
たくさんの祝福に包まれ、新しい細胞を見つけたことを本当に幸せに思う。
私が見つけたのは、大人になると様々な細胞がくっつき、合成していき、見つかる細胞。大人菌とも呼ばれる細胞だ。しかもその細胞は体の大事な場所に作用してくる細胞であることもわかった。
これを使えば100%の確率で、、、
やっと我々の計画が、実行される。
「久しぶりに外に出たけど、ほんとに暑いなー部車区は。」
子供達が頑張って温暖化を阻止しようとしているのはわかる。一ヶ月ほど外に出ていないだけで、ここまで街は変わってしまうのかと感心するくらいには。
だけど、それを上回る速さで今の地球は温暖化が進行していた。
村上康正は街を見渡し、道の至る所に見たことのない機械が増えているのを見る。部車区の大画面に映るのも今や子供。
「子供に頼るしかないんかなー」
仕事から逃げ、引きこもりを26歳になり始めた自分。それに比べて将来が明るい少年少女。いいなー
家から少し離れたスーパーで買い物を済ませ、スーパーを出る。すると、外には沢山のドローンが空に舞っていた。
「何だありゃ?」
康正は眉をひそめはるか上空を飛んでいるドローンに着目する。
その瞬間ドローンから何かが発射されるのが見えた。少しオレンジがかった霧のような物だった。その霧はみるみると地上に降りて行き、我々の吸い込む空気と一緒に体内に入る。
そして、次々と大人達はバタバタと倒れて行く。
「ど、どうした?!」
周りに倒れた大人たちの肩を叩き、安否を確認するが、反応はない。脈を測るが、どんどんと弱まっていき、ほぼ確認できないほどにまでなってしまった。
子供たちがスマホを確認したか思ったら一斉に呪われ、踊るように軽やかなステップで一つの場所に移動して行く。
この地には倒れて衰弱しきった大人達しかいなくなってしまった。
幸い自分には何のダメージもなかったが、体の奥底で何かが起こっているのかもしれない。
異様な空気に康正は膝が震え、膝をついたまま動けなくなってしまった。