3.魔剣の威力
忙しくて中々書く時間がとれません。
すんません。
見つかった。
どうする?
戦うか?
逃げるか?
⋯⋯どっちをえらんでも絶望的だ。
「ごめん、主。ティアが復活するまで、持ちこたえて。」
そう言い残すとティアは、返事を待たずにアシッドサーペントの前に飛び出す。
「ちょっ⋯おまっ!」
「危ねぇ嬢ちゃんっ!」
俺たちはティアを守ろうと飛び出すが、アシッドサーペントの方が速かった。
しかし、それよりさらにティアの方が速かった。
「【闇炎】」
ティアは突然現れた黒い大剣を構えると、そう呟き、ヘビに向けて横に薙ぎ払った。
瞬間、ティアの剣が黒い炎を吹き、ヘビを焼き尽くす。
「キシャアアアアアッッ!!!」
ヘビは身を焦がす炎にのたうち回るが、直ぐに動かなくなった。
「⋯ティア!助かった!本当に───ッ!ティア!?大丈夫か!?⋯⋯ティアッ!」
俺はティアに感謝を伝えようとするも、ティアがくらっ、と倒れてしまったのを受け止める。
大丈夫だ、息はある。
「大丈夫か嬢ちゃん!?」
「息はあるみたいだ、でも⋯⋯」
「『私が復活するまで』とか言ってたよな?アレだけの威力の魔法⋯⋯それこそ、聖騎士なんかの全力の一撃並だ⋯⋯魔力を使い切っちまったのかも知れねぇな」
「魔力⋯⋯なるほど、それでか⋯⋯」
俺はこの世界の仕組みや常識は知らないが、強い魔法を使って魔力が枯渇し倒れる、というのはよくある設定だ。
さっきのティアのセリフとも一致する。
「とりあえず、ティアを馬車まで運んで、ここから離れよう」
「もちろんだ」
俺とおっちゃんは、戦って助けてくれたティアを抱え、馬車に乗り込んだ──────
◇ ◆ ◇
「ん⋯⋯⋯主!無事?」
馬車で移動していると、暫くしてティアが目覚めた。
「ッ!起きたか!⋯⋯あぁ!無事だ。お前のお陰で助かった⋯⋯身体は大丈夫なのか?」
「⋯⋯ん。良かった。身体は大丈夫。魔力を使い過ぎただけだから」
「そうか⋯⋯良かった。本当に良かった!⋯⋯お前には二度も助けて貰って⋯⋯すまない」
「主を助けるのは、当然だから。主が負い目に感じる必要は無い」
「それでも、ありがとう、本当に」
「⋯⋯ん。感謝なら、受け取っておく」
俺はティアに二度も助けられた⋯⋯だが、俺はティアに何もしてやれていない。
出会って間もない少女に、守ってもらってばかりだ。
しっかりしないと。
もっと⋯⋯強くならないといけない。
せめて、恩返しが出来るくらいには。
俺がそう決心していると、前の方から啜り泣く声が聞こえてくる。
「あ、う、ぐす、う、いぃ、良い子だなぁ、おい⋯⋯」
「⋯⋯おっちゃん⋯⋯泣いてるのか?」
「こんなん、泣くに決まってるだろ!⋯⋯くぅ〜っ!俺だって、俺だってなぁ⋯⋯!」
おっさんは一層涙を激しくする。
え、ちょ、何かスイッチ入っちゃった?
「お、おっちゃん!大丈夫だ!おっちゃんはヘビから必死に俺とティアを守ろうとしてくれた!そういうかっこいい所に惹かれる女性は沢山いるさ!」
「⋯⋯ん。顔が怖くても、そういうのが好きな人もいる」
ちょ⋯⋯ティアさん。
あなた絶望的に褒めるの下手くそね。
「⋯⋯あぁ、そうだな、ありがとよ」
おっちゃん泣くのを止めて、太い腕で涙を拭う。
ティアの心無い言葉で余計に傷付けてしまってないか心配だったが、大丈夫みたいだ。
元気になったなら、良かったかな?
「⋯⋯こういう顔が、好きってやつもいるよな」
⋯⋯そっち?
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