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抗えぬ衝動
駄目だ……。どうしても止められない……。
誘惑に負けてなるものかとは思いつつも、疼きだす右手を抑えられなかった。
1つ1つを楽しむように、制御を失った右手がそれを求める。
もうやめろ……! 今後に支障をきたす訳にはいかない!
心では分かっていても逆らえないことがある。
いや、本当は俺自身こいつを求めているのか。
求めていることを認めたくないだけなのか。
くそっ、認めてやるよ。確かにお前のほうが正しかった。お前の言葉なんて嘘だと勝手に決めつけて意固地になっていただけだった。
そんな俺の葛藤などお構い無しに、右手は相変わらず欲望へと手を伸ばす。
ちくしょう……、やめられねぇし、止まらねぇ……。
男は夕食前に、かっ○えびせんをひたすら食べていた。