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みなとみらい探偵物語  作者: √16
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第1章

久し振りに書いたので質は悪いです。

あと完全に僕の趣味丸出しですけど許してください、、


「ない、無い、ない!」


確かに昨日まではガレージの真ん中に堂々と停まっていた私の愛車が無いのだ。


祖父から受け継いだ私の命よりも大切な愛車カワサキZ1000R、剥き出しのエンジンとヘッドライト所謂オートバイにおけるオーソドックスな形ネイキッドと呼ばれるスタイルのオートバイ、Z1000Rは剥き出しのヘッドライトにビキニカウルと呼ばれる風除けのようなパーツが装着してありビキニカウルもタンクもテールのデザインも全体的に角張っている。


そしていかにも古そうなデザイン、と言うよりも実際私のマシンは古いのだ。


1983年式、私の生まれる10年以上も前に製造された所謂旧車と呼ばれるものである。

しかしながら色は鮮やかなライムグリーンを基調とし濃紺と白のラインが入っている。

コンビニのファミマの色合いと同じだがカワサキはこのカラーリングをローソンカラーと名付けておりバイクを知らない人からしたら非常に分かりづらい。

なぜファミマの配色でローソンカラーと言うかと言うとそれにはちゃんとした理由があるのだがそんな事は今はクソ程どうでも良い!兎に角私のマシンが盗まれたのだ。


「ふぅ、落ち着け落ち着けわたし」


深呼吸をし取り敢えず警察に電話をした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


暖かな春の日差し、こいつを浴びてるとどうにも眠くなって仕事になりゃしない。

そんな事を考えながら事務所のソファに寝転びながら思っていた。


「ま、実際仕事無いから関係ねーけどさ」


と、まるで仕事がしたくて堪らないかのような口ぶりで言ってみせた。


浜松尊、森脇探偵事務所に勤める調査員いわゆる探偵である。

尊の勤める探偵事務所は横浜市はみなとみらい、馬車道付近の雑居ビル内にある。事務所は小さめで少し小汚いオフィスと言った感じであり中央に来客、クライアント用のソファとテーブルがあり窓際に調査員達のデスクがあるのだが尊はクライアント用のソファでしっかりと寛いでいた。


そんな時ドアが開いたので尊は急いで体を起こした。


「なんだ、神司さんかぁ驚かせないでくださいよもぉ」


「はは、お客さんかと思った?驚かせて悪かったね」


と、爽やかな笑顔と共に言った男は尊の先輩であり森脇探偵事務所の腕利き調査員、高宮神司。

尊より8つも歳上でありすらっとした体系でいつもニコニコしているチャラそうなお兄さんといった印象を受ける。


「仕事終わったんですか?」


「うん、あとは報告書を作成するだけだね」


「ところで今やってた依頼って何だったんですか?」


「いつも通りだよ、浮気調査」


「いっつもそればっかでつまんねーっすわ」


尊はうなだれる様に言った。


探偵と言うとフィクションの世界では難事件をかっこよく解決しているが現実世界ではそうは行かない。


刑事事件は勿論警察の仕事で探偵なんかが入り込む余地は無いし仮に入り込んだ所でなんの役にも立たない。


探偵の実際の仕事の殆どは浮気調査、稀に人探しや民間企業などの調査を依頼される事もあり酷い時には迷子のペットを探したり財布を落としたから探してくれーと言った事もある。最近で1番酷かったのは仕事で子供の運動会に行けないから代わりにビデオ撮影してくれと言う依頼だ。

現実の探偵の仕事は興信所の仕事とほぼ変わりない、と言うよりうちの探偵事務所は興信所を通り越してもはや便利屋になりつつある。


「ところで尊くん、最近横浜、川崎付近でバイクの盗難が多発してるらしいけど尊くんも気をつけないとね」


と、神司はコーヒーを入れながら言った。


「あー多分窃盗団ですよね、俺も一応対策しては居ますけどプロの窃盗団に狙われたらガレージに保管してても持ってかれる時は持ってかれますからねー」


「物騒だねぇ」


バイク好きでバイクを所有している尊にとっては近所に窃盗団が現れたのは嫌な事ではあるがバイクはもちろん、車の免許すら持っていない神司は完全に他人事だ。


そんな時事務所のドアが開いた、そこに立っていたのはやや小柄な女性だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ふむふむふむ、タイムリーな依頼ですね」


「タイムリー…?」


依頼者の女性は首を傾げた。


先程まで尊が寝そべっていたソファには依頼者の女性が座っている。

明石音葉、21歳。やや小柄な体格で顔立ちは凛々しい印象を受けるがどこかあどけなさも残っている。


「おっと失礼しました、先程この付近でバイクの窃盗が相次いでると小耳に挟んだもので」


「何か知っているんですか!?」


「い、いやぁ、盗難が多発してると聞いただけで何も情報はわからないですね」


そもそも探偵は警察ではないのだから犯罪に関する最新の情報など持っているはずが無いのだ。


「そうですか…」


「とりあえず詳しくお話を聞かせて頂きたいのですが、」


さっきまで先輩と寝そべりながら話していた時とは打って変わってしっかり仕事モードに切り替わる尊、同じバイク乗りとしてとりあえず何がパクられたのか気になるところだ。


「盗難されたバイクの車種と盗難された場所、盗難に気付いた時間と盗難される前に最後にバイクを見た時間を教えてください」


「バイクが盗難されたのに気付いたのは昨日の20時頃でした。自宅のガレージに保管してたバイクがガレージを壊されて無くなっていました。最後に確認したのはその日の14時過ぎで。あぁ、バイクの名前はカワサキのZ1000Rです。」


「ふむふむ、なるほど〜14時から20時の間の6時間にガレージを破られ持っていかれたって事になるんですけど、」


尊はそう喋りながらソファを立ちデスクに置いてあるタブレットを取りに来た。

メモを取ったり今回の仕事に関する事を調べる訳ではない、純粋にバイク好きとしてZ1000Rがどんなものか調べたいだけだ。バイクについてはそれなりに詳しい尊だが旧車はあまり詳しくない為グーグル先生に聞かざるおえない。


まぁカワサキの旧車だろうと思ったけどなるほどね〜ローソンレプリカのことね、一人で心の中で頷く。


「今回はどう考えても素人の犯行ではありません、プロの窃盗団の犯行ですね。」


「それは私だってなんとなくはわかりますけど、、」


「正直に申しますと私達の力では窃盗団に盗まれたバイクを取り返すのはほぼ不可能に近いです」


「そんな!!警察なんか当てにならないから、絶対に取り戻したい大切なバイクだからこうして頼んでるです!!」


音葉はテーブルに手をつき泣きそうになりながらそう叫んだ。


「まぁ、お気持ちはわかりますが…」


尊は困ったような表情を浮かべながら続けた


「我々探偵に今回の依頼を頼むとなるとそれなりのお金もかかりますし見つからない可能性の方が高いんですよ?だったら新しいバイクを買う方が安上がりです」


「最低、、なんでそんな酷いこと言うんですか…」


音葉は肩を震わせながらそう言った。

膝に置いた手に涙が数滴落ちる、それを見て尊はうわ、やっちまったよ。

てかなんでそんなにキレてんの?いくら泣かれてもなぁ、普通に考えて新しく買った方が安いのになぁ。

そんな見当違いの事を考えていると音葉は涙を手で拭いながら続けた、


「亡くなった祖父から譲り受けた大切なバイクなんです、、」


あー、そう言う事ね?これはもしかしなくてもやっぱ俺が悪いパターンの奴?

そんな事を尊は考えているとコーヒーを持って神司がやってきた。


「音葉さんでしたっけ?取り敢えずこれでも飲んで落ち着いて下さい。うちの若い者が失礼しました、お砂糖はおいくつ?」


完全に紳士の対応である。

音葉はまだ目を擦りながらこっちこそ取り乱してすみませんとまるで非がないのに謝った。クライアントに誤った対応をした尊とは大違いの大人っぷりだ。

だがお砂糖は4つ、味覚はまだお子様のようだ。


「今回の音葉さんの大切はオートバイ、私達が探し出して見せますね」


神司は爽やかな笑顔を音葉に向けた


「ありがとうございます!」


「申し遅れました、私は高宮神司と申します。よろしくお願いします」


「あ、こちらこそ申し遅れました、明石音葉です!高宮さん!よろしくお願いします!」


けっ、この女神司さんには俺とはまるで態度がちげーなクソが


そんな風に心の中で思っていると神司がさらっと言った。


「あ、お願いしますって言われてもこの依頼を主に担当するのはこっちの浜松尊くんだから仲良くしてね!」


お茶目にウインクしながらとんでもないことに言ったなこいつ、


その瞬間尊と音葉はお互いの顔を見合った。

クライアントと揉めた挙句怠そうな依頼を担当する事になってしまった、先が思いやられるなぁ、、


そんな事を思いながらも尊は音葉のバイク、Z1000Rを探すのだ。













最後まで読んでくれたのなら嬉しいです、次いつ出せるか分からないですけど次も読んでくれたらもっと嬉しいです

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