第七章 肝臓がんの治療 七の3 大腸にポリープが
大腸にポリープが
半月ぶりにT医科大学病院にかかることになり、手術のためには、あらかじめY大学病院で、大腸がんの内視鏡検査を受けなければならなかった。検査前夜の食事は自宅で繊維質を含まないものを食べ、午後9時に下剤を飲み、それ以降は何も口にしなかった。当日は午前6時過ぎに1リットルの洗浄液を飲み、繊維質が含まれなくなるまで排便することになっていた。だが、モルヒネの副作用で胃腸が動く気配がなく、いくら待ってももよおしてこなかった。
ようやくもよおしトイレに駆け込み用をすましたが、それでY駅行きのバスに乗り遅れてしまった。仕方がないので、タクシーでY駅に行ったが、結構な出費だった。Y駅でまたもよおしたのでトイレに走った。2回目のうんちだったが、まだきれいな便ではなかった。とりあえず病院まで行って事情を説明し、浣腸をし、さらに温水洗浄までしてもらった。完全にきれいにはなっていなかったが、とりあえず内視鏡検査を受けることになった。
すると、なんと大腸が立ち上がって左側に行く曲がり角付近に、2㎜弱のポリープがあると医者が言った。一瞬ドキッとしたが、すぐに「こんなのはまったく問題ないですよ」と言ってくれた。この場を取り繕う言葉かと半信半疑だったが、続けて医者の「来年もまた受診しましょうね」という言葉で、ほっと胸をなで下ろした。
(がんじゃないんだ)