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第七章 肝臓がんの治療 七の2 セカンドオピニオンへ

セカンドオピニオンへ

 授業にいそしみつつも、夏休みに向かって肝臓がんの手術の手はずを整えなければならなかった。いつも愚痴を聞いてもらっているY大学病院の緩和ケアの先生に、手術を拒否されたことを相談すると、腹部大動脈瘤の手術をして血管のこともよくわかっているT医科大学病院で手術をしてもらったらいいのではないか、との示唆を受けた。そこでY大学の肝臓がんの担当医に、T医科大学にセカンドオピニオンを出してもらえるように頼んだ。すると、担当医はあっさりとそれを認めてくれ、紹介状とデータの入っているCDを用意してくれた。

 KのホームホスピタルであるY大学病院で、腹部大動脈瘤や肝臓がんの治療をしてくれない、という問題というか、つれなさや寂しさを感じることはままあったが、それでもセカンドオピニオンや転院を快く認めてくれたことは、心底ありがたいことであった。権威主義から患者を囲って、よその病院へのセカンドオピニオンや転院を嫌がる病院や医者も多いと思えるからだ。だが、それはこっちの勝手な憶測で、昔ならいざ知らず、現代ではどこの大病院も患者のためをおもって、自分の病院で手に負えないようだったら、他の病院の名医を紹介しているのかもしれない。


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