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第一章 がんの発見 一の5 胸椎とは何か
胸椎とは何か
これから胸椎という用語が頻繁に出てくる。さらに、患部として第2胸椎や第3胸椎などの数字まで出てくる。後の理解を容易にするために、図を使って簡単に説明しておこう。
胸椎は背骨つまり脊椎の一種である。脊椎は大きく頸椎、胸椎、腰椎の3つのグループに分類され、そのあとに尻の骨である仙骨と尾骨が1個ずつある。頸椎は首、胸椎は胸、腰椎は腰の部分に当たり、それぞれ7個、12個、5個ある。脊椎はそれぞれのグループで、頭側から1,2,3・・・番目と数えることになっているので、第2胸椎とは上側から2番目の胸椎ということになる。ちなみに第1胸椎の上は第7頸椎である。
胸椎は、ただの棒状構造をしているわけではなく、いくつもの突起を持ち、中に脳とつながった中枢神経系の脊髄が走る複雑な構造をしている。この複雑な構造については、手術の際に述べることにするので、ここでは胸椎の位置と番号を覚えておいて欲しい。
Kの第2と第3の胸椎が、がんに侵されている疑いが濃厚になったのである。