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第5章 長期入院生活 五の2 次女の就職

次女の就職

 入院したことによって、「瓢箪から駒」とも言えるような、よかったこともあった。

ベッドでFMラジオを聴いていると、T市役所で土木職の専門職員の募集があることがわかった。T市はKが居住しているところである。この募集案内が繰り返し流されたので、市役所のホームページを見て、詳しい内容を知った。この頃、Kの次女は、G県H市で地域コーディネーターという任期付きの職についていた。次女にメールをして、T市役所を受験することをすすめた。東京の大学を卒業して、田舎暮らしに憧れ、定職に就かずにH市の田舎で生活していることを、子供には子供の人生があると頭でわかったつもりでも、Kはずっと気にかけていた。田舎に住みたいならば、Y県にもG県に負けないくらいの田舎がたくさんあるではないか、と思ってしまうのだ。病気になる前から、地元に戻ってきて欲しいのが、本音であったのだ。そこで、「実際に行くかどうかは別として,腕試しとして受けてみたらどうですか?」と、やんわりとメールをしてみたのだった。

 すると本人も受けてみる気になり、願書を出した。受験して、晴れて採用が決まり、翌年の4月からT市役所の職員となって、楽しく仕事をしているようだ。もし、かれが入院しなかったならば、FMラジオを聴いてT市役所の職員公募の情報を手に入れることはなかっただろう。「万事塞翁が馬」、何が幸いするかわからないものである。


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