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第四章 胸椎再手術 四の7 転倒する

転倒する

 平成27年7月14日(火)10:05

「みなさま、おはようございます。今朝Kさんからメールが入りました。「二週間前の転倒で背骨の金具がずれて七月末に再手術です。退院は更に一カ月以上、9月中旬位になりそうです」とのことです。「無理をしないように」と返信しておきました。でも、強烈に痛そう。みなさまのご理解とご協力の程、よろしくお願い致します。」


 Kは6月30日に補助具を使って歩いてトイレに行こうとして、突然、廊下で後ろ向きに転倒した。その時は、別段怪我などなにもないように思えた。痛みも出なかったが、あとでレントゲン写真を撮ってみると、第2・第3の人工胸骨の上下を連結した金具のうち、下側の第4・第5の胸椎にとめていたボルトが緩んでいることが判明した。そこでまた背中を開いて、金具を正しく取り付ける手術を行うことになった。2回目とはいえ、そう簡単な手術ではない。こんな時に転ぶなんて、なんてドジなんだ、と誰もが思った。でも、それもKらしいな、とかれをよく知る多くの者がそう思った。

 だが、かれは別にドジを踏んで、転倒したわけではなかった。自分も知らないうちに意識がなくなって転んだのだ。後に、かれはリハビリセンターで先生の立ち合いの下、この時の再現テストを行った。その結果、急激な血圧の低下によって意識がなくなり、転倒したことが判明した。

 かれはこれ以後、退院するまで、看護師の立ち合いなくしては、一人でトイレに行くことは禁止されるようになった。病院としても、院内での事故は防がなくてはならないのだ。こうして、かれはリハビリセンター以外で歩くことができなくなってしまった。


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