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短編・詩 全般

piece

作者: 些稚 絃羽

ばら撒いたパズルのピース

手元の箱には1つとして残らず

やがて軽い音を無数にたてて

つるりとした床に落ちる



或いは床を掴むように

或いは床を撫でるように

或いはそれらに重なるように



所構わず散らばったピースの1つを手に取り

不要になった箱は投げ捨て

ただ手にあるピースの隣人を捜す

何度も繰り返し繋げてきたそれは

いとも簡単に瞳を吸い付かせる



ひんやりとした床は体温を奪う

それでも気にせず

目の前の散り散りになった者達を出会わせる

(でこ)(ぼこ)

インクで付けられた模様があるだけのピースが

四方を埋められ全身を喜びのために輝かす



小さく切り取られた景色はみるみるうちに大きくなり

やがて床が何処かへの旅の入り口になる



はずだったのに



大きな四角の中

小さく一点床の色が浮かび上がって

そこだけやけに現実的(リアル)

そこだけやけに鮮明(クリア)

隣合う者達は心成しか色を失くす



乾いた笑いが飛ぶ

欠けた僕にはお似合いさ

失ったピースは捜さぬまま

床に非現実(シュール)を広げて

何もできずに横たわる

落とした雫はつるりとした景色の上に

大粒の雨となって1つ、2つと降り注いだ



僕の欠片(ピース)

君は何処へ行ったのか



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