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風の声 "石碑と精霊"

 その言葉に、皆の視線がカイムに向いた。

「……おそらく、この石碑は魔法道具の一種でしょう、そして魔法陣は起動するためのものですね?」

「ほう、それで?」

 挑戦的な村長に、カイムは冷静に答えた。

「あなた方は、この魔法道具で闇森を支配しようとしているのでしょう。間 接的に、精霊を支配し、我が物にしようと企んでいる。違いますか?」

「ふむ。そうだな、その通りかもしれん。それを企てているのがわしらとは限らんがな」

「どういうことですか?」

「言葉の通りじゃよ」

 黒幕がいるのか。バックに動いているやつがいそうだ。村長らからは敵意を感じられない。

「なんで、こんなことするんですか!?」

 エマエルが涙目に叫ぶ。

「こんなこと?」

「メリルちゃんを、お父さんを返してください!」

「メリル……? ああ、闇森に喰われた子か。ん? わしは、その子を助けようと……」

 村長が何かを思い出そうとした時、急に苦しみだした。

「ぐぁっ! あたま、が……っ!」

「村長さん!」

「く、来るなぁ!」

 エマエルが近付こうとすると、村長は杖をつきつけた。

「わしらのするべきことはただ一つ! 邪魔者を排除することだ!」

「危ない!」

 カイムは村長の攻撃を防ぐと、

「少し強引にいかせてもらいます!」

 続いて束縛魔法で村長たちを拘束した。

「アンジェラさん!」

「はい!」

 アンジェラは休んでいた間に組み上げた魔法で村長たちの洗脳魔法を解除した。

 分解された魔法は光の粒となって散っていった。

「よく、短時間で反式を組んでくれました」

「反式?」

「エマエルはまだ習ってないんだっけ。魔法を打ち消すための魔法のことよ」

「魔法は、魔法式と呼ばれる式で成り立っているのは知っていますね? その正反対の魔法式をぶつけると、魔法は消滅してしまうという面白い性質があるんですよ」

「ほぇー、そうなんだ」

「良ければ、私が個人授業をしてさしあげましょうか?」

「いいんですか!」

「ええ、将来のヴェルムに協力は惜しみませんよ」

 エマエルは嬉しいような恥ずかしいような笑顔を見せる。が、その背後の人影を、カイムは見逃さなかった。 

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