振心動様
「っちょっと、凛・・・・。」
母の震える声でニュースの流れるTV画面を見る。
「夏・・樹・・ちゃんが・・・。」
手からアイスが滑り落ちる、夏樹!!
龍夜まで・・・・。何?これ、嘘でしょ・・・。
翔と夏輝と私は昔から仲がよかった。
翔はどちらを取るのかとか、どっちとくっ付くのかとか。
3人共予想以上に顔が整って育ってきた。
夏輝だけ2つ上で、それでも仲がよくって。
ずっと遊んで、楽しくて、
夏輝が先に小学校に入って、次に私たちが入って、
夏輝が中学生になって、彼氏が出来て、それが龍夜で。
しばらく、遊んでくれなくなってそれでも夏樹が好きで・・。
私たち2人も中学校に入って、はじけたようにまた、仲良くなって、
そこに龍夜が加わって・・・・・。
なんで?
私たちが高校に入って、みんな同じ学校だねってよかったって笑ってたのに・・・。
たった、3日前、夏輝が初のオールデートだって、テレながら、どんな服を着ていけば龍夜が喜ぶかを翔に聞きに行って、
龍夜が私に夏輝にプレゼントはなにがいいか聞きに来て。
窓から、お互いのところに来ているのが見えて、
神様のいたずらだねってバカ言って笑って、
神様なんていないじゃない。