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「あぁ~キモい!!あんたってば幼馴染が来るのにそんなん仕込んでるの?あぁ~キモッ!」
「違うよぉ~;」
「あたしヤッパリ帰る!」
翔をずりずりと引きずりながらドアノブに手を掛ける。
「帰らないでよ(泣)」
「いいや帰るヮ」
さすがに階段では手を離し、服の襟をつかんでいたものの、あきらめずに玄関まで着いて来た。
「ねぇ、知ってる?」
「何?」
一息置いて凛は言った
「あんたの方が年上なんだよ?」
高1で4月2日16歳の翔にたいし、凛は12月24日クリスマス・イヴが誕生日だった。
当然、まだ15歳である。
「だから?」
たった三文字のその言葉に凛は脱力した。
「もういいわよ。」
それだけ言い放って翔の家を出た、と言ってもスグ隣りでちょうど翔の部屋の向かいが凛の部屋だった。
窓越しに「凛!」「凛!」とガラスで遮られてくぐもる声が聞こえる。
隣りと20cmも離れていないだろう。
窓を開ければ確実に乗り込んでくる。
「あぁ~~、うるさいわよ!!」
とその窓に向かってクッションを思い切り投げた。
「勉強しなさい!」
「凛は僕が嫌いなんだ・・・。」
「ッ!?」
振り返るとそこにはちょこんと腰を下ろした翔がすねていた。
やっていることが幼すぎる。スグすねるし、泣くし、しかもビニールシートで海なんて・・・。
そのくせ、学校ではまるで無視。
思わず、「嫌いな分けないじゃない!」ッと言いそうになる自分の口をあわてて閉じた。