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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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作者: ハジメ
掲載日:2026/08/30

『時間』『時代』『時』って?

 一人の老人が煙草をくわえ、立ち尽くして墓石を見つめている。

 そこには何も刻まれていない。ただの、無名の石だ。

「この石に、俺の名が刻まれるのか。……ふ、『用意』されていたというわけか」

 老人の背後にひとつの影が差した。老人はその主へと視線を向ける。

「次は、お前が継ぐのか。……俺の生き様を見てきた、お前が」

「ええ、残念ながら。あなたを見てきた『私』だからこそ、選ばれてしまったのですよ」

 老人の口元に、温かな笑みが浮かぶ。

「……お前は孤独に生きるか? それとも俺のように、誰かを傍に置くか?」

「できれば、誰も置きたくはありませんね。この世界において、誰かを傍に置くことは『現状』の維持――『変革』を阻むことを意味する」

「そうだな……。俺は安定が続くと信じていた。だからこそ、距離を置いてでも、お前を傍に置いていたのだ」

 影が老人に歩み寄る。

「時代は常に移ろいゆくものです。あなたもご存じの理だ。時の流れに逆らうことなど、誰にもできない」

「ああ」

 老人は静かに目を閉じた。

「ご自身が良く理解していらっしゃるはずだ。これからどうなるのかを……」

「……」

 影が腕を伸ばし、横一閃に薙ぐ。老人の首に深い断絶が走り、頭部は胴を離れ、倒れ伏した体の上を転がった。

「あなたの『意志』を無駄にはしません。それを引き継ぐのは、他ならぬ私なのですから」

 影は静かに去っていく。その場に残されたのは、物言わぬ老人の遺体のみだった。

選ばれてしまった影はどう動き始めるのか…『変革』を起こすのか、変革を起こしつつも『現状』に戻ってしまうのか…

『変革』は『未来』を指すのか『過去』を指すのか…どうなるのかは、読んでいただいた貴方の中で紡いでいってほしい物語です。

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