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面倒見のいい幼馴染が、今日も僕を叱る  作者: Takayu
第八章 冬の寒さと、恋の温かさ
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第百四十五話 広がる輪、深まる冬

「――よし、送信っと」


ファミレスでの作戦会議(?)を終え、家に帰った僕は、はとこたちのグループチャットに、スキー旅行の提案メッセージを送った。

隣の家では、きっと優愛も同じ画面を見ているはずだ。


数分もしないうちに、スマホが連続して震えだした。


『スキー!? 行く行く! 絶対行くー!』

流満ちゃんの、勢いのあるスタンプ付きの返信。

『いいね。冬休み、ちょうど暇してたところだし』

幸葵さんからの、クールだけど嬉しそうな返信。

『あら、楽しそう。車の手配とかは、お姉さんに任せておいて』

大学生の和満さんからの、頼もしい申し出。


「……早っ」

思わず笑ってしまうくらいの、即答ぶりだった。

きっと、みんな、待っていたんだ。

またこうして、集まれることを。


続けて、優愛から個別のメッセージが届く。

『瀧川先輩たちにも連絡したよ。「面白そうだな。杏奈も乗り気だし、参加させてもらう」だって!』


これで、メンバーは決まりだ。

僕と優愛、希望と美褒、瀧川先輩と杏奈先輩。

そして、はとこ会のみんな。

総勢十名以上の、大所帯でのスキー旅行。


(……これ、絶対楽しいやつだ)


想像しただけで、ワクワクが止まらない。

少し前までの僕なら、「人付き合いが面倒くさい」とか言って、部屋に引きこもっていたかもしれない。

でも、今は違う。

優愛と一緒に、みんなの笑顔を作ることが、こんなにも楽しみだなんて。


『了解。じゃあ、宿の手配とか、また明日相談しようぜ、委員長』

『うん。任せて、副委員長』


スマホの画面越しに交わす、二人だけの秘密の呼び名。

それが、くすぐったくて、心地いい。


窓の外では、いつの間にか、雪がちらつき始めていた。

僕らの街にも、本格的な冬がやってくる。

でも、今年の冬は、きっと寒くない。

だって、こんなにも温かい「輪」が、僕の周りにはあるのだから。

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