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第一話 今日も叱られた
「もう!何回言わせるのよ」
そんな彼女の声で僕は机から起きた。
僕の名前は青空 溢喜。涼風高等学校の一年生だ。
そして今、目の前で僕に注意しているのは海波 優愛。同じクラスの幼馴染だ。
なぜ注意されてるって?
そりゃあ単純な話さ。
そう、寝癖だ。ホントにそれだけだ。
さっきも言ったが、彼女とは昔からの幼馴染だ。だからこそ、僕は彼女のことをよく知ってる。
優愛は面倒見がとてもいい。名前にある通り、優しくて愛がある。僕のためだとは思うが、いろいろなことを指摘してくる。
制服の着方とか、鞄の置き方とか…。
「寝癖ぐらい直してきなさいよ!」
「いいだろー。別にこれくらい…」
そう言ってまた机に突っ伏そうとすると、
「そんなことばっかりやってると、まともな大人になれないよ?…聞いてる?」
聞いてます聞いてます。心の中でそう答えた僕は、結局そのまま夢の世界へダイブした。
……まぁ、きっと明日も同じやり取りになるだろうけど。