表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー3:『猫耳学者と未知の魔導構造!~コミュ障学者が王都を救う!?~』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/181

コミット 99:『旅立ちの朝!それぞれの想いと、クロノスの森への誓い!』

王都アウレア・シティでの数週間に及ぶ準備期間を終え、ついにニーナ、ヴァローナ、そしてセレスティの三人は、伝説の聖域「エデン」が存在するという「クロノスの森」へと旅立つ日を迎えた。


早朝、まだ街が静かな眠りについている中、三人は宿屋のロビーで落ち合った。それぞれが、旅の装備を身につけ、その表情には、期待と不安、そして確かな決意が浮かんでいる。


ヴァローナは、使い慣れた長剣を腰に帯び、騎士団時代を彷彿とさせる軽装の鎧を身に纏っている。その佇まいは、相変わらず厳格で、揺るぎない意志を感じさせる。


「……準備はいいか、二人とも。クロノスの森と呼ばれている場所周辺は、危険な為、立ち入りが禁止されている区域だ。生半可な覚悟で踏み込める場所ではない。何が待ち受けているか、全く予想もつかん」


セレスティは、アカデミアから借り受けた、貴重な古代文献が詰まった革の鞄を大切そうに抱え、その隣には、ニーナが開発した「古代魔法解析装置」が小型化されて収められている。彼女の猫耳は、緊張からかピクピクと動いているが、その瞳には、かつてのような怯えではなく、知的な探求心と、仲間と共に困難に立ち向かう勇気が宿っていた。


「は、はい……!私の知識が、少しでもお二人の役に立てるように……精一杯、頑張ります……!」


そしてニーナは、エレメンタル・ガードナーをイヤリングとして身につけ、腰には自衛用の短剣を差し、背中には旅の道具が詰まったリュックを背負っている。その表情は、いつものように明るく、自信に満ち溢れているように見えたが、その瞳の奥には、世界のシステムバグという巨大な敵に立ち向かう、SEとしての静かな闘志が燃えていた。


「(いよいよ、本格的なデバッグ作業の始まりってわけか。エデンにどんなバグが潜んでるのか、そして、それを修正することで、この世界がどう変わるのか……正直、不安がないわけじゃない。でも、この二人と一緒なら、きっと何とかなるはずだ!)」


三人は、宿屋の主人に別れを告げ、まだ薄暗い王都の街を歩き始めた。目指すは、王都の北方に位置する、広大なクロノスの森。そこは、古来より「神々の領域」「禁断の聖域」などと呼ばれ、足を踏み入れた者はほとんどいないという、人跡未踏の魔境だ。


城門を抜け、朝焼けに染まり始めた空の下、三人はクロノスの森へと続く街道を歩き出す。


「なあ、ヴァローナさん。クロノスの森って、具体的にどんな場所なの?やっぱり、ヤバい魔物とか、うじゃうじゃいる感じ?」


ニーナが尋ねる。


「……詳しいことは、私にも分からん。ただ、調べたところ、強力な魔物が多く潜んでいて、立ち入った冒険者が消息不明になる事故が多発したらしい。そのために立ち入りが制限されたと……そして、森そのものが、特殊な魔力波動で覆われており、方向感覚を失いやすいとも言われている。また、外部からの魔力干渉を遮断しているらしく外から魔法で中の様子を観察することも困難だということだ」


「うわー、完全に高難易度ダンジョンじゃん……しかも、マップ機能も使えないとか、鬼畜仕様すぎでしょ……」


「で、でも、古代の文献には、その魔力フィールドを中和するための、特定の『音叉』のような魔道具の記述が……もしかしたら、それが、森を安全に進むための鍵になるかもしれません……!」


セレスティが、得意の知識を披露する。


そんな会話を交わしながら、三人は、それぞれの想いを胸に、クロノスの森へと向かう。


世界のシステムバグを修正し、アルテアに真の調和を取り戻すために。そして、失われた古代の叡智「エデン」の謎を解き明かすために。


ギャルSEと堅物女騎士、そして猫耳天才学者の、奇妙で、しかし最強のパーティの冒険が、今、本格的に始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ