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『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー3:『猫耳学者と未知の魔導構造!~コミュ障学者が王都を救う!?~』

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コミット 98:『セレスティの新魔法開発!古代と論理のハイブリッド魔術!』

パーティ連携訓練と並行して、ニーナとセレスティは、古代魔法と論理魔導(ロジカルマジック)を融合させた、新たな魔法の開発にも取り組んでいた。エデンへの旅は、未知の脅威に満ちている可能性が高い。そのためには、既存の魔法だけではなく、より強力で、より柔軟な魔法が必要になると考えたからだ。


「セレスティさん、この前の『調律の魔導回路』の理論を応用すれば、もしかしたら、複数の属性の魔力を同時に、しかも安定してコントロールできるかもしれない。もし、それができれば、状況に応じて属性を切り替えたり、複数の属性を組み合わせた複合魔法とかも使えるようになるんじゃないか?」


ニーナの提案に、セレスティは目を輝かせた。


「はい……!古代の文献にも、複数の属性を扱う『万象の魔術師』に関する記述がありましたが、その具体的な方法は失われてしまっていました……。でも、ニーナさんの論理魔導(ロジカルマジック)と、私の知識を組み合わせれば、あるいは……!」


二人は、再び研究室に籠り、新たな魔法の設計と実験に没頭した。セレスティが、古代文献から多属性制御に関する記述や、魔力の共振・調律に関する理論を抽出し、ニーナがそれを論理魔導(ロジカルマジック)のフレームワークに落とし込み、具体的な魔導回路として「コーディング」していく。


それは、まさに古代の知恵と現代の論理が融合した、ハイブリッドな魔法開発だった。


試行錯誤の末、二人が最初に完成させたのは、「多重属性(エレメンタル・シフト)」と名付けられた魔法だった。これは、複数種類の魔石を組み合わせることで、術者の周囲に複数の属性の魔力球を生成し、それを自在に切り替えたり、組み合わせたりすることで、様々な効果を発揮するという、極めて汎用性の高い魔法だ。


例えば、炎と風の魔力球を組み合わせれば、強力な「火炎旋風」を巻き起こし、水と土の魔力球を組み合わせれば、相手を拘束する「泥沼」を生成する、といった具合だ。


「すごい……!本当に、複数の属性を、こんなに簡単に……!」


セレスティは、自分の手元で踊るように属性を変える魔力球を見て、感動の声を上げた。


「まあ、まだ安定性には課題があるけどな。属性の切り替え時に、どうしても魔力のロスが生じちまう。この『スイッチングコスト』をどうやって最小化するかが、今後の課題だな」


ニーナは、SE的な視点から、さらなる改善点を指摘する。


次に二人が取り組んだのは、より攻撃的な魔法、「連鎖魔撃(マルチ・エレメンタル・バースト)」の開発だった。これは、複数の異なる属性の魔法を、同時に、あるいは連続して高速で発動させるという、まさに論理魔導(ロジカルマジック)の真骨頂とも言える魔法だ。


「(通常の魔法だと、一つの魔法を発動するのに、それなりの準備時間キャスティングタイムが必要になる。でも、論理魔導(ロジカルマジック)なら、あらかじめ複数の魔法の『実行シーケンス』を思考ロジックとして構築しておけば、理論上は、ほぼ同時に複数の魔法を起動できるはずだ……!)」


ニーナは、複数の簡単な攻撃魔法(火球(ファイアボール)氷槍(アイスランス)雷撃(ライトニングボルト)など。雷撃(ライトニングボルト)は、セレスティが再現した古代の雷撃魔法を、ニーナが論理魔導(ロジカルマジック)で安定化させたもの)の起動シーケンスを頭の中で緻密に組み立て、エレメンタル・ガードナーを通して魔石に流し込み、それを一斉に発動させる実験を行った。


結果は、驚くべきものだった。ニーナが魔力を込めた瞬間、訓練場のゴーレムに向かって、炎と氷と雷の魔法が、時間差ほとんどなく同時に叩き込まれ、ゴーレムを一瞬で粉砕してしまったのだ。


「やっば……!これ、マジでチート級の威力じゃん……!SEのマルチスレッド処理が、異世界でこんな形で役立つとはな……!」


ニーナ自身も、その威力に驚きを隠せない。


セレスティは、その圧倒的な光景を目の当たりにし、論理魔導(ロジカルマジック)の持つ無限の可能性に、改めて戦慄していた。


これらの新魔法は、まだ改良の余地が多く、実戦で安定して使うにはさらなる訓練が必要だったが、エデンへの旅において、強力な武器となることは間違いないだろう。そして何よりも、この魔法開発の過程は、セレスティに「自分の知識で新しいものを創造する喜び」を、そしてニーナに「SEとしてのスキルが異世界で通用する確信」を、それぞれ与えてくれるものとなった。


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