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『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー3:『猫耳学者と未知の魔導構造!~コミュ障学者が王都を救う!?~』

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コミット 97:『パーティ連携訓練開始!それぞれの「バグ」と「強み」』

エデンへの旅立ちを目前に控え、ニーナたちは王都アウレア・シティ郊外の訓練場で、パーティとしての連携を確認するための訓練を開始した。これから先の旅では、より強力な敵や、複雑な状況に遭遇する可能性が高い。そのためには、三人の力を最大限に引き出すための連携が不可欠だった。


「よし、じゃあ、まずは基本的なフォーメーションから確認しようか!ヴァローナさんが前衛で敵を引きつけ、セレスティさんが後方から魔法支援、そして私が中衛で全体のバランスを取りながら、臨機応変に攻撃とサポートを行う!こんな感じでどう?」


ニーナの提案に、ヴァローナとセレスティは頷いた。


訓練は、まず模擬戦形式で行われた。アカデミアから借り受けた訓練用のゴーレムを相手に、三人はそれぞれの役割を意識しながら戦う。


ヴァローナは、元騎士団長としての卓越した剣技と指揮能力を発揮し、ゴーレムの攻撃を巧みに捌きながら、的確な指示を飛ばす。しかし、時折、過去の経験則に囚われ、新しい状況への対応が遅れる場面も見られた。


「ヴァローナさん、そのゴーレム、さっきとは攻撃パターンが変わってます!右腕の動きに注意してください!」


ニーナが警告する。


「むっ……!確かに……!」


ヴァローナは、一瞬戸惑いながらも、すぐに体勢を立て直し、ゴーレムの変則的な攻撃に対応する。


一方、セレスティは、後方から古代魔法の知識を活かした支援魔法を試みるが、極度の緊張と、自分の魔法への自信のなさから、なかなかタイミングよく魔法を発動できない。


「あ、あの……今です……か?そ、それとも、もうちょっと……待った方が……?」


「セレスティさん、もっと自信持って!あんたの魔法は、絶対に強力な武器になるんだから!タイミングは私が合わせるから、思い切って撃っちゃって!」


ニーナが励ます。


セレスティは、ニーナの言葉に勇気づけられ、震える手で魔法を放つ。それは、まだ威力も精度も不安定だったが、確かにゴーレムの動きを一瞬止める効果を発揮した。


ニーナは、二人の戦いぶりを見ながら、エレメンタル・ガードナーを駆使し、論理魔導(ロジカルマジック)で攻撃と防御を巧みに切り替え、戦況をコントロールしようと試みる。時には、ヴァローナの死角をカバーし、時には、セレスティの魔法を増幅させるようなサポートを行う。


訓練を繰り返す中で、それぞれの「強み」と、そして克服すべき「バグ」が浮き彫りになっていった。


ヴァローナの強みは、圧倒的な戦闘経験とリーダーシップ。しかし、その経験則が、時に柔軟な思考を妨げる「思考の硬直化」というバグに繋がる。


セレスティの強みは、比類なき古代魔法の知識。しかし、その知識を実践に移す自信のなさと、コミュニケーションへの苦手意識が、「知識のアウトプット」と「コミュ障」というバグを生み出している。


そして、ニーナ自身の強みは、論理魔導(ロジカルマジック)という規格外の魔法と、SE的な分析・問題解決能力。しかし、「他人の評価」を過度に気にするというバグが、時に大胆な判断を躊躇させたり、精神的なプレッシャーになったりすることもあった。


「(やっぱり、三人三様、色々な課題があるな……でも、それぞれの強みを活かし、弱点を補い合えれば、きっと、どんな困難な状況も乗り越えられるはずだ!)」


訓練の合間には、お互いの戦い方について意見を交換し、改善点を探っていく。最初はぎこちなかった連携も、訓練を重ねるごとに、少しずつスムーズになっていった。


この連携訓練は、三人が互いの能力を理解し、信頼関係を深める上で、非常に重要な意味を持つものとなった。そして、それぞれの「心のバグ」と向き合い、それを克服していくための、新たな一歩を踏み出すきっかけともなるのだった。

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