コミット 96:『三人娘のパジャマパーティー(?)!ギャルと騎士と猫耳学者、奇跡のケミストリー!』
エデンへの旅立ちを数日後に控え、ニーナ、ヴァローナ、そしてセレスティは、王都アウレア・シティの宿屋の一室で、最後の準備を進めていた。旅に必要な物資の調達、装備の点検、そして情報交換。それぞれの専門分野を活かし、着々と準備は整いつつあった。
その夜、珍しく三人で同じ部屋に泊まることになった。宿の主人の計らいで、少し広めの部屋を用意してもらったのだ。
「(まさか、このメンバーでパジャマパーティー(?)みたいなことになるとはな……前世の俺が見たら、卒倒するレベルの光景だぞ、これ)」
ニーナは、ベッドの上で胡坐をかきながら、内心で苦笑した。
ヴァローナは、いつものように騎士の鍛錬を終え、簡素な寝間着姿で窓辺に立ち、月を眺めている。その引き締まった背中と、凛とした佇まいは、寝間着姿であっても、彼女の騎士としての誇りを失わせていない。
一方、セレスティは、猫柄の可愛らしいパジャマ(ニーナが市場で見つけてプレゼントしたもの)に身を包み、ベッドの隅で小さなランプを灯し、何やら熱心に古代文献を読みふけっている。時折、興奮したように猫耳をピクピクさせたり、尻尾をパタパタさせたりする姿は、非常に微笑ましい。
「ねえねえ、二人ともー!せっかく女子(?)三人で集まってるんだからさ、たまにはガールズトークとかしちゃわない?」
ニーナは、わざと明るい声で提案した。
「ガールズトーク……だと?」
ヴァローナは、怪訝な顔で振り返る。
「ニ、ニーナさん……わ、私は、そういうのは、その……苦手で……」
セレスティは、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「いーじゃんいーじゃん!たまには息抜きも必要だって!ほら、ヴァローナさんも、いつも眉間にシワ寄せてないで、もっとリラックスしなよー」
ニーナは、強引に二人をベッドの周りに集め、お菓子(スポット探しの報酬のクッキーの残り)を広げ、無理やり「お泊まり会」の雰囲気を作り出した。
最初は戸惑っていたヴァローナとセレスティだったが、ニーナの底抜けに明るいペースに巻き込まれ、いつの間にか、それぞれの身の上話や、旅への期待、そしてほんの少しの不安などを、ぽつりぽつりと語り始めていた。
ヴァローナは、騎士団長時代の苦労話や、部下たちへの想いを、普段は見せない穏やかな表情で語った。セレスティは、自分の研究のことや、古代魔法の魅力について、目を輝かせながら熱弁した。そしてニーナは、適当にギャルっぽい恋愛話(もちろん創作)をでっち上げたり、前世のSE時代の愚痴を異世界風にアレンジして話したりして、場を盛り上げた。
「それにしても、ニーナのその……胸は、本当に見事なものだな。ダークエルフの女性は、皆そうなのか?」
ヴァローナが、ふと、ニーナの豊満な胸に視線を向け、真顔で尋ねた。
「ぶっ!?ちょ、ヴァローナさん、いきなり何言い出すんですか!セクハラですよ、セクハラ!」
ニーナは、顔を真っ赤にして抗議する。
「む?そうなのか?私は、純粋な称賛のつもりだったのだが……」
ヴァローナは、全く悪びれる様子がない。
セレスティは、そんな二人のやり取りを、ハラハラしながらも、どこか楽しそうに見守っていた。
ギャルと騎士と猫耳学者。全く異なる個性を持つ三人だったが、この奇妙なパジャマパーティー(?)を通して、お互いの意外な一面を知り、そして確かな絆を深めていく。それは、これから始まる過酷な旅において、かけがえのない支えとなるだろう。
夜が更け、三人はそれぞれのベッドで眠りについた。ニーナは、隣で小さな寝息を立てるセレスティと、静かに月明かりを浴びるヴァローナの姿を見ながら、不思議な安心感に包まれていた。
(こんな賑やかな旅になるなんて、最初は思ってもみなかったな……でも、悪くない。むしろ、最高に楽しいかもしれない)
ニーナの心には、新たな旅立ちへの期待と、そして大切な仲間たちと共にいることの喜びが、温かく満ち溢れていた。




