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コミット 94:『冒険者ギルドへGO!身分証ゲットだぜ!(ただしギャル)』

エデンを目指すという大きな目標、そしてセレスティという新たな仲間を得たニーナたち。しかし、本格的な旅に出る前に、解決しておかなければならない問題がいくつかあった。その一つが、ニーナ自身の「身分証明」だ。

ヴァローナは元騎士団長であり、セレスティもマギア・アカデミアの研究員という確固たる身分がある。しかし、ニーナは、今のところ「ヴァローナの知り合いのダークエルフ」という、非常に曖昧な立場だった。これでは、何かと不都合が生じる可能性がある。


「(うーん、やっぱり、ちゃんとした身分証みたいなものは必要だよな。特に、これから色々な場所を旅するとなると、関所とかで面倒なことになるのは避けたいし……)」


そこで、ニーナが思いついたのが、「冒険者ギルド」への登録だった。冒険者ギルドは、大陸各地に支部を持つ巨大組織であり、そこに登録すれば、身分を証明する「ギルドカード」が発行される。それは、ある程度の信用と、そして様々な便宜(情報収集や依頼の受注など)をもたらしてくれる、便利なアイテムだった。


「よし、決めた!アウレア・シティの冒険者ギルドに行って、登録してくる!」


「冒険者ギルド……ですか?」


セレスティは、少し不安そうな表情を浮かべる。「あそこは、その……柄の悪い方も多いと聞きますが……」


「大丈夫だって!何かあったら、このヴァローナ様が叩きのめしてくれるから!」


ニーナは、冗談めかしてヴァローナの方を見る。


ヴァローナは、やれやれといった表情でため息をついた。「……私は、お前の護衛ではないのだがな。だが、まあ、身分をはっきりさせておくことは重要だ。ついて行ってやろう」


こうして、ニーナは、ヴァローナとセレスティ(心配なのでついてきた)と共に、アウレア・シティの冒険者ギルド支部へと向かった。


ギルドの建物は、酒場を併設しているのか、昼間から多くの冒険者たちでごった返しており、喧騒と熱気に満ちていた。屈強な戦士、軽装の盗賊、ローブを纏った魔法使い……様々な風貌の者たちが、依頼の確認をしたり、仲間と情報交換をしたりしている。


「(うわー、なんか、テンプレ通りの冒険者ギルドって感じだな。こういう雰囲気、ちょっとワクワクするけど……やっぱり、ちょっと怖いかも……!)」


ニーナは、内心で少し緊張しながらも、受付カウンターへと進み出た。受付の女性は、一見すると愛想が良いが、どこか値踏みするような目でニーナを見ている。


「はい、ご用件は?」


「えっと、冒険者登録をしたいんですけどー」


ニーナは、努めて明るいギャル口調で答えた。


受付の女性は、ニーナのダークエルフという容姿と、その派手な服装(市場で新調した、動きやすさとギャルっぽさを両立させたもの)を見て、一瞬眉をひそめたが、すぐに業務的な笑顔に戻った。


「ダークエルフの方の登録は珍しいですね。いくつか質問と、簡単な実技試験、また登録後2日以内に1つ以上の依頼の実施が必要ですが、よろしいですか?」


「実技試験?マジすか!?」


簡単な質疑応答(名前、年齢、特技など。ニーナは適当に誤魔化しながら答えた)の後、ニーナはギルドの訓練場へと案内され、そこで簡単な人工の魔物 (ゴーレムのようなもの)との模擬戦を行うことになった。


「(まあ、論理魔導(ロジカルマジック)の性能テストも兼ねて、ちょっと派手にやっちゃいますか!)」


ニーナは、エレメンタル・ガードナーをガントレット形態にし、得意の炎と水の論理魔導(ロジカルマジック)を駆使して、ゴーレムをあっという間に戦闘不能にしてみせた。その鮮やかな戦いぶりは、周囲で見学していた他の冒険者たちからも、驚きの声が上がるほどだった。


こうして、ニーナは無事に冒険者ギルドへの登録を済ませ、真新しいギルドカードを手に入れた。そこには、「ニーナ、ランクF(新人)、特技:魔法(火、水)」と記されている。


「(よし、これで私も、晴れて冒険者の仲間入りだ!ランクFってのが、ちょっとアレだけど……まあ、ここから成り上がっていけばいいっしょ!)」


身分証を手に入れたことで、ニーナは、これからの旅への期待を、さらに大きく膨らませるのだった。

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