表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界システム、ギャルSEがデバッグします!  作者: AKINA
フィーチャー1:『異世界転生、ギャル爆誕!~SEの常識は異世界の非常識?~』
9/12

コミット 9:『ギャル魔術《チャームスペル》発動!?え、今のって魅了…ってマジ!?』

畑の魔力流調整という名の内緒の作業から数日。あの区画の作物は、少しずつだが着実に元気を取り戻しつつあった。それを見た村人たちは、「日頃の行いが良いから、神様が助けてくれたんだべ」などと言っていたが、まさか異世界から来た元SEがこっそり手直ししていたなんて、本当に想像もしていないだろう。


私の論理魔導(ロジカルマジック)の訓練も、少しずつではあるが進歩していた。相変わらず成功率は低いものの、少なくとも爆発することはなくなり、狙った場所に魔力の矢(と呼ぶにはまだお粗末だが)を飛ばせるようにはなってきたのだ。


そんなある日の昼下がり。私は村の子供たちに囲まれていた。


無意識の魅了?きっかけは、本当に些細なことだった。村の広場で一人、魔力コントロールの練習をしていたところ(もちろん、ごく基本的な、魔力を集めたり散らしたりする程度のものだが)、数人の子供たちが興味津々でこちらを見ていたのだ。


「(うわ、また見られてる……。まあ、子供なら大丈夫、かな?)」


前世では子供と関わる機会などまったくなかったが、この世界の子供たちは比較的純粋で、大人たちのようなじろじろとした視線を向けてくることはない。とはいえ、やはり注目されるのは苦手だった。


私が練習をやめてどうしようかと困っていると、一番年上の男の子――確かトビーと言ったか――がおずおずと近づいてきた。


「ねえ、ニーナお姉ちゃん、今のも魔法?」


「え?あ、うん……まあ、そんな感じ、かな?」


しどろもどろに答える私。すると、他の子供たちもわらわらと集まってきて、口々に質問攻めにしてきた。


「すごーい!」「もっと見せて!」「火とか出せるの?」


「(いやいや、火とかまだ無理だって!出せても豆鉄砲レベルだから!)」


内心で焦りつつも、子供たちのキラキラした目で見つめられると、邪険にもできない。私は困り果てて、とりあえず愛想笑いを浮かべるしかなかった。前世で鍛えられた(?)営業スマイル、発動!


「あはは……大したことないよー。まだまだ練習中だしー」


できるだけ明るく振る舞ってみる。すると、どうだろう。子供たちの目の輝きが、さらに増したように見えたのだ。


「ニーナお姉ちゃん、優しいね!」


「もっと遊んでほしいな!」


「お姉ちゃん、大好き!」


口々にそう言って、子供たちが私にまとわりついてくる。中には、私の腕にぎゅっとしがみついてくる子や、背中に飛び乗ろうとする子までいる始末だ。


「え、ちょ、ちょっと、みんな、落ち着いて……!」


私は本気でパニックになった。なぜこんなに懐かれているのか、まったく理解できない。


確かに、水鏡で見た自分の姿は、ダークエルフという種族の特徴を持っているようだった。ファンタジー作品などだと、ダークエルフには人を惹きつけるような不思議な力がある、なんて設定を見たことがあるような気もするが……。


「(……ん?私、何か特別なことしたっけ?もしかして、この身体には、無意識に他人を惹きつけちゃうような、何か……そんな力が備わってるの?ダークエルフ特有の何か、とか……?本気で、ありえないでしょ?)」


背筋に、ゾワゾワッとしたものが走る。もし本当にそうだとしたら、これは本当に厄介な特性だ!意図せず他人を魅了してしまうなんて、コミュ障気味の元SEには荷が重すぎる!


子供たちは、そんな私の内心の葛藤など知る由もなく、キャッキャと楽しそうにはしゃいでいる。その純粋な笑顔を見ていると、悪い気はしないのだが……やはり、この異常なまでの懐かれ方には、何か裏があるような気がしてならないのだ。


結局、その日は日が暮れるまで、子供たちの遊び相手をさせられる羽目になった。ヘトヘトになって村長の家に戻った私に、マーサさんは「ニーナちゃんは本当に子供に好かれるねえ」とニコニコしていた。


「(……好かれてる、のか?それとも、何か別の力で引き寄せている、のか……?)」


自分の持つ、まだよく分からない力。それが少しだけ怖くなった、そんな一日だった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


「面白かった!」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひブックマーク登録と、【★★★★★】評価で応援よろしくお願いします!


あなたの応援が、次のコミットに繋がります!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ