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コミット 67:『洞窟からの脱出!そして、新たな「世界の不具合」の予兆!?』

暴走していた魔石が粉々に砕け散ったことで、洞窟内の禍々しい魔力の奔流は完全に収まり、空間の歪みも感じられなくなった。まるで、悪夢から覚めたかのように、洞窟はただの静かな暗がりに戻っていた。


「(ふぅ……なんとか、最悪の事態は回避できたみたいだな。しかし、あの魔石、結局何だったんだろうな……誰が、何のためにあんなものを……?)」


ニーナは、深いため息をつきながら、周囲を見回した。魔石の破片は、もはや何の力も持たないただの石ころと化しており、そこからは何の情報も得られそうにない。


「(まあ、今はとにかく、ここから脱出するのが先決だな。入り口まで戻れるか……?)」


幸い、洞窟内の構造は、魔石の暴走が収まったことで安定しており、以前のように歪んで見えることは無くなった。ニーナは、エレメンタル・ガードナーの炎で周囲を照らしながら、記憶を頼りに、滑り落ちてきたと思われる入り口へと向かって進み始めた。


途中、何度か道に迷いそうになりながらも、数時間後、ニーナはついに洞窟の入り口らしき場所へとたどり着いた。外からは、微かに太陽の光が差し込んでいる。


「(よかった、やっと出られる……!もう二度と、あんな気味の悪い場所にはごめんだぜ!)」


ニーナは、安堵の表情を浮かべ、最後の力を振り絞って急な斜面をよじ登り、ついに洞窟の外へと脱出した。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと、ようやく生き返ったような気がした。


霧隠れの森は、以前のような濃い霧は晴れ、木々の間からは穏やかな陽の光が差し込んでいる。洞窟の異常が解消されたことで、森全体の魔力の流れも正常に戻りつつあるようだった。


「(これで、この森の『不具合』も、一応は修正完了ってことかな。騎士団領の天候不順も、少しはマシになるといいんだけど……)」


ニーナは、疲労困憊の体を引きずりながら、森を抜け、街道へと戻ることにした。今回の洞窟探検は、まさに命がけのデバッグ作業だったが、それと同時に、この世界には、まだ自分の知らない多くの謎や、人為的な「世界の不具合」が存在することを認識させられる経験でもあった。


「(あの魔石……あれは、明らかに誰かが意図的に設置したものだ。そして、その目的は、おそらく、この地域の魔力の流れを操作すること……でも、一体何のために?そして、失敗して暴走させたのは、単なる技術力不足なのか、それとも……?)」


様々な疑問が、ニーナの頭の中を駆け巡る。この世界のシステムは、自然現象だけでなく、何者かの意思によっても、大きく左右されているのかもしれない。


そんなことを考えながら街道を歩いていると、ふと、遠くの空に、奇妙な光を見たような気がした。それは、ほんの一瞬の出来事で、すぐに消えてしまったが、ニーナのダークエルフとしての鋭敏な感覚は、それがただの見間違いではないことを告げていた。


「(今の光……なんだろう……?何か、新しい『不具合』の予兆……とかじゃなきゃいいけど……)」


ニーナの胸に、新たな不安がよぎる。この世界のデバッグ作業は、まだまだ終わりが見えない。一つの不具合を修正しても、また別の場所で、新たな問題が発生する。それは、まるで巨大なシステムのメンテナンス作業のように、果てしない道のりなのかもしれない。

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