表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結保証】『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー2:『騎士団長と謎の魔物!?~論理と経験則の衝突、そして協調~』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/175

コミット 56:『安堵と疲労!騎士団、祝杯と……ニーナの歓迎会!?』

「嘆きの谷」の最深部で繰り広げられた、魔力流安定化作戦「黒渦封滅(こくかふうめつ)作戦」の成功は、騎士団駐屯地に大きな歓喜をもたらした。長らく続いていた天候不順の原因が取り除かれ、魔物の異常発生も沈静化する兆しが見えたことで、騎士たちはもちろん、近隣の村々からも感謝の声が届き始めていた。


その夜、駐屯地の食堂では、ささやかながらも盛大な祝宴が開かれた。普段は質素な食事に甘んじている騎士たちも、この日ばかりは持ち寄った酒や特別な料理を振る舞い、勝利の喜びを分かち合っていた。


「ニーナ殿に乾杯だ!」

「いやあ、あの術は本当にすごかったぜ!」

「これで安心して眠れるってもんだ!」


騎士たちは口々にニーナの功績を称え、彼女の周りには自然と人だかりができていた。最初は戸惑っていたニーナも、彼らの屈託のない笑顔と感謝の言葉に、次第に心が解きほぐされていくのを感じていた。


「(なんか……こういうの、悪くないな。前世じゃ、プロジェクトが成功しても、打ち上げは上司の自慢話を聞かされるだけの苦行だったけど……)」


「他人の評価」を過度に気にするニーナの心の傷は、まだ完全に癒えたわけではない。しかし、ヴァローナや騎士団の仲間たちからの、裏表のない純粋な評価と感謝は、ニーナの自己肯定感を少しずつ、しかし確実に育んでいた。それは、まるで問題だらけだった自己評価の仕組みに、正常なデータが入力され始めたかのような感覚だった。


ヴァローナも、この日はいつもの厳しい表情を少し緩め、部下たちと談笑していた。彼女の顔には、憑き物が落ちたような、晴れやかな色が浮かんでいる。時折、ニーナの方に視線を向け、小さく頷いてみせるその仕草には、確かな信頼と友情が感じられた。


「ニーナ、こちらへ来い」


ヴァローナが、手招きしてニーナを自分の席の隣へと呼んだ。


「これは、君のための歓迎会でもある。改めて、我々騎士団は君を歓迎する」


そう言って、ヴァローナは木製の杯をニーナに差し出した。中には、芳醇な香りのする葡萄酒が注がれている。


「え、歓迎会……?私、もうしばらくしたら、また旅に出るつもりなんですけど……」


ニーナは少し驚いて言った。


「構わん。君がここにいる間は、我々の仲間だ。そして、例えここを去ったとしても、君が我々にしてくれたことを、我々は決して忘れん」


ヴァローナの言葉は、力強く、そして温かかった。


ニーナは、少し照れくさいような、それでいて胸が熱くなるような気持ちで、ヴァローナと杯を交わした。騎士たちの陽気な歌声と笑い声が、食堂を満たしていく。


この賑やかな宴の中で、ニーナは、初めて「仲間」という存在の温かさと重要性を、心の底から感じていたのかもしれない。一人で戦うのではなく、誰かと力を合わせ、喜びを分かち合うこと。それは、前世の孤独なSE生活では決して味わえなかった、かけがえのない経験だった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


「面白かった!」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひブックマーク登録と、【★★★★★】評価で応援よろしくお願いします!


あなたの応援が、次のコミットに繋がります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ