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【完結保証】『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー2:『騎士団長と謎の魔物!?~論理と経験則の衝突、そして協調~』

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コミット 45:『ニーナ式トレーニング効率化講座!?騎士たちの「筋肉の調子」を改善!』

ギデオンとの会話を通じて、ヴァローナの抱えるトラウマの深さを知ったニーナ。彼女の「心の不具合思考の硬直化」を改善するのは容易ではないと痛感したが、それでも何か自分にできることはないかと考えを巡らせていた。そんな中、ニーナの目に再び留まったのが、騎士たちの非効率極まりない筋力トレーニングだった。


「(うーん、やはり見ていられない!あのトレーニングじゃ、筋肉が悲鳴を上げているだけだ!完全に『筋肉の調子』が悪くなっているじゃないか!) 」


騎士たちは、相変わらず特定の部位ばかりを鍛える偏ったメニュー(例えば、ひたすら腕立て伏せや剣の素振りばかりで、下半身や体幹トレーニングが疎かになっているなど)を、精神論で乗り切ろうとしていた。ウォームアップやクールダウンといった概念も希薄で、怪我人が出ても「気合が足りん!」で片付けられている始末。


「(これじゃ、せっかくのポテンシャルも台無しだ!よし、ここはひとつ、俺が前世でかじったスポーツ科学の知識と、ギャル的ノリで、彼らのトレーニングを効率化してやるか!) 」


ニーナは、早速ヴァローナに許可を取り付け(物資管理の件で少しは信用を得ていたためか、意外とすんなり許可が出た)、騎士たちを集めて「ニーナ式トレーニング効率化講座」を開講することにした。


「はーい、みんな注目ー!今日から、君たちのそのカッチカチの筋肉とトレーニング方法を、私がちょちょいと改善して、もっとイケてる感じにしちゃうから、よろしくねー!」


いつものギャル口調全開で宣言するニーナに、騎士たちはポカンとした表情を浮かべている。特に古参の騎士たちからは、「なんだ、あの小娘は」「ギャルに筋肉の何が分かるというのだ」といったヒソヒソ声が聞こえてくる。


「(うっ……このアウェイ感、他人の評価を気にする性格が疼くんだが……!でも、ここで怯んでちゃダメだ!) 」


ニーナは内心で呟く。


ニーナは気を取り直し、具体的なトレーニング理論の説明を始めた。


「まずねー、みんなのトレーニング、なんかこう、一部の筋肉ばっかり酷使してる感じ?それじゃ、身体のバランス崩れちゃうし、結局パフォーマンスも頭打ちになっちゃうんだよねー。大事なのは、全身の筋肉をバランス良く鍛えること!アウターマッスルだけじゃなくて、インナーマッスルも超重要だから!」


ニーナは、ストレッチの重要性、筋肉の超回復のメカニズム、そして高強度インターバルトレーニング(HIIT)の概念などを、できるだけ分かりやすい言葉(とギャル語)で説明していく。前世で多少かじった程度の知識だが、それでもこの世界の騎士たちの根性論よりはマシだろうと考えた。


「例えばさー、今までみたいに、だらだら長時間同じこと繰り返すんじゃなくて、短時間でマジ全力出す運動と、ちょっと休憩するのを繰り返す『HIITトレーニング』ってのがあってさー。これ、脂肪燃焼効果もハンパないし、持久力も爆上がりするってウワサなんだよねー!」


最初は半信半疑だった騎士たちも、ニーナが実際に手本を見せ始めると、その表情が徐々に変わっていった。


「じゃあ、まずは基本のスクワットから!ただ膝を曲げ伸ばしするだけじゃダメ!お尻を後ろに突き出す感じで、股関節からしっかり動かす!はい、みんなやってみてー!」


ニーナが手本で見せたスクワットは、ぎこちないながらもポイントを押さえたフォームだった。そのしなやかな動きは、およそギャルとは思えないほどキレがある。さらに、彼女が時折見せる瞬発力や持久力は、並のダークエルフの基準を明らかに超えていた。連続で数十回のバーピージャンプをこなしても息一つ乱さず、むしろ楽しんでいるかのようなその姿に、騎士たちは唖然とする。


「(あれ……?今の動き、自分でもびっくりするくらいスムーズだったな……身体が軽い……?) 」


ニーナ自身も、自分の身体能力が時折、予測を超えたパフォーマンスを発揮することに薄々気づき始めていた。


古参兵のギデオンは、ニーナの動きを注意深く観察しながら、隣の騎士に囁いた。「……おい、あのお嬢さんの動き、見たか?あれは、ただのダークエルフの身体能力じゃないぞ……まるで、鍛え抜かれた戦士のような……尋常じゃないキレだ」


ニーナの指導のもと、騎士たちは新しいトレーニング方法を実践し始めた。最初はぎこちなかった動きも、徐々にスムーズになり、数日もすると、明らかに効果を実感する者が出始めた。


「姐さん!なんか最近、身体の調子が良いっす!」

「確かに、前より疲れにくくなった気がするぜ!」

「このストレッチ、マジで効きますね!」


特に若い騎士たちは、目に見える効果に喜び、すっかりニーナを「姐さん」と慕うようになった。ヴァローナは、そんな様子を少し複雑な表情で見守っていたが、騎士たちのパフォーマンスが向上している事実は認めざるを得ず、内心ではニーナの知識と指導力に感心し始めていた。


ニーナ式トレーニングは、騎士団に新しい風を吹き込み始めていた。それは、単なる肉体の強化だけでなく、古い慣習に囚われていた彼らの意識にも、小さな変化をもたらしつつあったのだ。


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