表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/38

コミット 27:『初めての本格野宿!サバイバルスキル皆無のギャルSE、虫とのエンカウントに絶叫!?』

近隣の村々を巡る情報収集の旅は、必然的に野宿を伴うものだった。ニーナが拠点としている村から日帰りできない距離の村へ向かう際は、道中での野営が必須となる。 その夜、ニーナは初めて本格的な一人での野宿を経験することになった。街道から少し外れた、小高い丘の茂みの中に身を潜める。火を熾そうと、練習中の論理魔導(ロジカルマジック)を試みるが、湿った薪はなかなか燃え上がらない。ようやく小さな火種ができた頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。 そして、始まったのだ。自然界の洗礼、すなわち「虫とのエンカウント」が。


「ギャーーーーーース!!!」


最初にニーナの悲鳴を引き出したのは、手のひらサイズの蛾だった。羽に気味の悪い目玉模様がついたそいつが、ランタン(これも餞別にもらったものだ)の灯りに誘われて、ニーナの顔面にダイブしてきたのだ。


「(な、なんだ今の!?UMAか!?いや、ただのデカい蛾だ!落ち着け俺!)」


しかし、落ち着けるはずもなかった。蛾を皮切りに、羽音を立てて飛び回る羽虫の大群、足元を這いずる多足類の何か、そして極めつけは、ニーナの寝床に陣取ろうとした、拳ほどもある黒光りする蜘蛛。

「無理無理無理!こんなの変だろ!どういう仕様になってんだよ、この世界の虫は!」


ニーナは半狂乱になりながら、木の枝を振り回し、時には論理魔導(ロジカルマジック)で小さな炎を放って虫たちを追い払おうとするが、効果は薄い。むしろ、炎に新たな虫が寄ってくる始末だった。 Fカップの胸も、こんな時には邪魔でしかない。うつ伏せになれば圧迫感が酷く、仰向けになれば無防備な胸元が虫たちの格好の的になる。結局、体育座りのような窮屈な体勢で、うとうととするしかできなかった。


「(誰か助けて……こんなところで人生(異世界編)を終えるなんて、あんまりだ……)」


周囲の物音に怯え、虫の気配に震えながら、ニーナは心底思った。SEとしての知識はあっても、サバイバル能力は皆無。この世界で生きていくには、まだまだ学ぶべきことが多すぎる。そして、何よりも、早くまともな宿でふかふかのベッドにダイブしたい、と切に願った。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


「面白かった!」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひブックマーク登録と、【★★★★★】評価で応援よろしくお願いします!


あなたの応援が、次のコミットに繋がります!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ