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『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました! 〜ギャルSEの異世界デバッグ!〜  作者: AKINA
フィーチャー6:『クロノスの森、バグの巣窟!~時空を超える試練、五人の絆がバグを断つ!?~』
202/216

コミット 202:『五人の絆が道を拓く!最強のパーティ、ここに爆誕!』

クロノスの番人が放つ、精神を蝕む絶望の波動。それは、私たちがせっかく乗り越えたはずの「心のバグ」を再発させ、パーティを内側から崩壊させようとする、最も悪質な攻撃だった。誰もが、再び過去の悪夢に引きずり込まれそうになり、膝が折れそうになる。


「(くそっ……! このままじゃ、全員やられる……!)」


私が歯を食いしばった、その時だった。


「……皆さん! 諦めないでください!」


凛とした、しかしどこか震える声が響いた。セレスティだった。彼女は、恐怖に耐えながらも、古代文献を収めた鞄を固く握りしめ、必死に声を張り上げていた。


「この魔物は……古代の文献にあった『残留思念集合体』に酷似しています……! 強い魔力溜まりに多くの負の感情が流れ込み、実体化した存在……! 物理的な核は持ちませんが、その代わり、その存在を維持するための『論理構造』が、極めて脆いはずです!」


その言葉は、暗闇の中に差し込んだ一筋の光明だった。


「(論理構造が脆い……バグだらけのエンティティ……だと!?)」


そうだ。こいつは、森の歪んだ魔力が無理やり形になっただけの、いわば「バグの塊」。ならば、正面から殴り合う必要はない。そのシステムの脆弱性を突き、デバッグすればいい!


「セレスティ、ナイス! みんな、聞いた!? こいつはバグの塊だ! これから、私たちがこいつをデバッグする!」


私の声に、仲間たちの瞳にわずかな光が戻る。しかし、番人の精神攻撃は依然として強力で、集中力を維持するのも困難だった。


「――私の出番、みたいねぇ」


その時、ゼフィラが一歩前に進み出た。彼女の背中の、光と闇が調和した美しい翼が、ふわりと広がる。


「みんな、私のこと、信じてくれるかしら?」


その問いかけに、私たちは迷いなく頷いた。ゼフィラの瞳には、仲間への絶対的な信頼が宿っている。


「うふふっ、嬉しいわ。――じゃあ、いくわよ! 私の愛で、みんなを守ってあげる!」


ゼフィラが両手を広げると、彼女の身体から、これまでにないほど強力で、そして温かいピンクゴールドの光のオーラが溢れ出した。それは、単に能力を向上させる「エンカレッジ」ではない。仲間を信じる心、愛する心が生み出した精神的な守護の力――「信頼の聖域サンクチュアリ・オブ・フェイス」だった。


その光が私たちを包み込んだ瞬間、頭の中に響いていた不快なノイズが嘘のように消え去り、代わりに心が温かい安心感で満たされていく。番人の精神攻撃が、完全にシャットアウトされたのだ。


「すごい……! ゼフィラさん!」 「これで、憂いなく戦えるな!」


「ニーナちゃん! あとは、あなたに任せたわよ!」


「任せて!」


ゼフィラの魔導防壁に守られ、私はついに論理魔導ロジカルマジックの解析に集中することができた。目の前の空間に、番人の歪んだ魔力構造が、無数の絡み合った光の線として展開される。それは、まさにスパゲッティコードそのものだったが、今の私には、その中にあるいくつかの致命的な脆弱性――魔力の流れが不安定になっている「脆弱性ノード」が、赤いエラー表示のように見えていた。


「フィリップさん! あの番人の右肩、左膝、そして頭部の三点! そこが奴の魔力循環の弱点だ! 私がタイミングを指示するから、その三点を正確に狙撃して!」


「承知した! 最高の腕前を見せてやろう!」


フィリップはライフルを構え、その瞳に冷静な光を宿す。


「ヴァローナさん! 番人の足元を見て! 地面から、黒い魔力が供給されてる! そのラインを、あなたの剣で断ち切って!」


「心得た!」


ヴァローナは、剣を低く構え、大地を走る禍々しい魔力の光の線を睨みつける。


「セレスティは、私と一緒に、最後の浄化の術式ロジックの構築を手伝って!」


「は、はいっ!」


五人の役割は、完全に分担された。ゼフィラが精神的な守りを固め、私が戦術を組み立て、フィリップとヴァローナが物理的な攻撃を実行し、セレスティが知識でそれを補助する。まさに、完璧なパーティシステムだった。


「フィリップさん、今だ! 右肩!」


私の合図と共に、フィリップのライフルが火を噴く。放たれた風の弾丸は、番人の右肩にある脆弱性ノードを正確に撃ち抜き、その部分の魔力構造を大きく乱した。


「ギシャアアッ!」


番人が苦悶の声を上げる。その隙を逃さず、ヴァローナが大地を走る魔力のラインを、渾身の剣撃で両断する。


「はあああっ!」


魔力の供給源の一部を断たれ、番人の身体が、一瞬だけ、より濃く実体化した。


「ニーナさん、今です! 浄化のロジック、完成しました!」


「サンキュー、セレスティ!――とどめだ! このバグだらけの存在に、最高の修正パッチをくれてやる! 『聖なる再起動ホーリー・リブート』!!」


私とセレスティが共同で組み上げた浄化の論理魔導ロジカルマジック。それは、エレメンタル・ガードナーから放たれる、眩いばかりの純白の光の奔流となって、実体化した番人の核へと突き刺さった。


番人の身体が、内側から浄化の光に満たされていく。黒紫色の禍々しい魔力は、美しい光の粒子へと変換され、そして、静かに霧散していった。


後に残されたのは、静寂を取り戻した森と、疲労困憊ながらも確かな達成感に満ちた表情で互いを見つめ合う、私たち五人の姿だった。クロノスの森、最後の試練。それは、私たち五人の絆の強さを証明するための、最高の舞台となったのだった。

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