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『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました! 〜ギャルSEの異世界デバッグ!〜  作者: AKINA
フィーチャー6:『クロノスの森、バグの巣窟!~時空を超える試練、五人の絆がバグを断つ!?~』
200/216

コミット 200:『愛の再コンパイル!ゼフィラ、仲間を信じる翼が覚醒!』

ゼフィラの手が、光と闇の幻影に届こうとした、その瞬間。


『――あんたのその力、マジで半端なかったよ! あれが、あんたの新しい力なんだな!』


不意に、脳裏にニーナの屈託のない笑顔が蘇った。グリフォンとの戦いの後、自分の新しい力「エンカレッジ」の開花を、誰よりも喜んでくれた、あの真っ直ぐな瞳。


『……私は、お前のように軽薄ではないのでな』


ぶっきらぼうに言いながらも、自分の悪戯に本気で付き合ってくれるヴァローナの、不器用な優しさ。


『ぜ、ゼフィラさんが、その……私の研究資料を、勝手に枕にして寝てしまって……』


困ったように言いながらも、決して本気では怒らないセレスティの、純粋な眼差し。


『……ゼフィラ、お前のその美的センス、侮れんものがあるな……』


呆れた顔をしながらも、自分のデザイン案を認め、作品に取り入れてくれたフィリップの、職人としての実直さ。


「(……あ……)」


それは、幻影たちが言うような、脆くて儚い繋がりではなかった。種族も、価値観も、何もかもが違う、でこぼこだらけのパーティ。喧嘩もするし、呆れることもある。でも、そこには、嘘偽りのない、温かい「日常」があった。孤独だった自分を、何の打算もなく受け入れ、当たり前のように隣にいることを許してくれた、かけがえのない仲間たち。


「(そうだ……私は……)」


ゼフィラは、上がりかけていた手を、固く、固く握りしめた。


「――もう、一人じゃないッ!!」


魂の底からの叫びが、幻影の世界を震わせた。


「あなたたちが言うような、完璧な安らぎも、永遠の自由も、今の私には必要ない! 私が欲しいのは、不確かで、不格好で、いつか終わりが来るのかもしれなくても……それでも、今、確かにここにある、あの温かい光なのよ!」


ゼフィラは、幻影たちの誘惑をきっぱりと振り払った。その瞳には、もはや迷いの色はなかった。代わりに、仲間たちへの絶対的な信頼と、彼らと共に未来を歩むという、確かな決意が燃え盛っていた。


その瞬間、ゼフィラの背中の翼が、眩いほどの光を放った。これまで不安定に混じり合っていた純白と漆黒の羽根が、互いを否定し合うのではなく、互いを認め合い、そして高め合うかのように、完璧な調和をもって融合していく。光は闇を際立たせ、闇は光に深みを与える。それは、もはや「異端」の証などではない。光と闇、その両方を受け入れた者だけが手にすることができる、気高く、そして力強い、唯一無二の翼だった。


「なっ……!?」


天使と堕天使の幻影が、その神々しいほどの光景に、驚愕の表情を浮かべる。


「ありがとう。あなたたちのおかげで、ようやく分かったわ。私の本当の居場所が、どこにあるのかが」


ゼフィラは、晴れやかな笑顔で幻影たちに告げると、その新しい翼を大きく羽ばたかせた。巻き起こった清浄な魔力の風が、幻影の世界を、まるで朝靄を吹き払うかのように消し去っていく。


気づけば、ゼフィラは再び、クロノスの森の濃霧の中に一人立っていた。しかし、もう孤独は感じなかった。心の中には、仲間たちの温かい存在が、確かな光として灯っている。


過去のトラウマという名の古いプログラムを完全にアンインストールし、「愛」と「信頼」という新しいプログラムを再コンパイルしたゼフィラ。彼女は、力強い足取りで、仲間たちの気配がする方角へと、迷いなく歩き始めた。その翼は、仲間を信じ、守るための、力強い輝きを放ち続けていた。

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