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【完結保証】『ギャルエルフ』になった社畜SEの俺、転生先が『バグだらけの世界』だったので『デバッグ』することになりました!――ギャルSEの異世界デバッグ!  作者: AKINA
フィーチャー1:『異世界転生、ギャル爆誕!~SEの常識は異世界の非常識!?~』

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コミット 19:『論理魔導《ロジカルマジック》応用編!便利ツールが村人に大人気!?』

薪割りや揚水装置の(ある意味での)成功は、ニーナに一つの確信を与えていた。


「(この世界の魔法は、まだまだ改善の余地だらけだ。俺のSE知識と論理魔導(ロジカルマジック)があれば、もっと生活を豊かにできるはず!)」


そうと決まれば行動は早い。ニーナは村の生活を観察し、非効率な部分を洗い出しては、それを改善するための小さな論理魔導(ロジカルマジック)応用ツールの開発に取り掛かった。


まず手掛けたのは、「自動火起こし器」。村では毎日、火打ち石で苦労して火種を作っていたが、ニーナは小さな火系統の魔石に、一定の魔力を安定して供給し続けるプログラムを考えた。魔石に手をかざし、「(魔力供給、出力調整開始。安定化処理、よし!)」と念じると、魔石から小さな、しかし安定した炎が立ち昇った。 「おおっ!これは便利だ!」最初に試した村人が驚きの声を上げる。


次に開発したのは、「簡易水フィルター」。家畜小屋の魔力汚染の一件もあり、安全な水の確保は重要だと考えたのだ。水系統の魔石に、不純物を分離し、きれいな水だけを通す条件で分ける仕組みを組み込む。「(入力:元の水。条件:水以外の成分は通さない。出力:ろ過された水。よし、フィルター、スタート!)」魔石をセットした容器に川の水を注ぐと、反対側からは澄んだ水がぽたぽたと滴り落ちてきた。その水は、まるで内側から淡い光を放っているかのように清らかに見えた。


村人たちは、最初こそニーナの奇妙な発明を遠巻きに眺めているだけだった。得体の知れないギャルが、石ころをいじって何かブツブツ言っているのだ。無理もない。 しかし、自動火起こし器で簡単に火が熾り、水フィルターで水が綺麗になるのを目の当たりにすると、彼らの態度は徐々に変わっていった。


「ニーナちゃんの魔法、なんだか変わってるけど、すごいな!」 「おかげで、水汲みも火起こしも楽になったよ。ありがとうな!」


子供たちは「ニーナちゃんマジすげぇ!」と、目を輝かせてニーナの周りに集まってくるようになった。最初は戸惑っていた村長のゴードンさんや他の大人たちも、ニーナの論理魔導(ロジカルマジック)が生み出す恩恵を認めざるを得なくなり、次第に尊敬の眼差しを向けるようになっていった。


「(……ふむ、みんなの評価は上々、か。仕組みを良くした成果が直接返ってくるのは、悪くない気分だ)」

前世では、どれだけ完璧な仕事をしても、感謝されるどころか、新たな仕様変更や納期短縮で追い詰められるのが常だった。それに比べれば、この世界の反応は遥かに純粋で温かい。


しかし、同時に、その純粋な期待がプレッシャーとしてのしかかってくるのも事実だった。

「(みんなが俺の魔法をアテにし始めてる……失敗は許されない、みたいな空気が……キツい!)」

他人の評価を過度に気にしてしまう致命的な問題が、新たな形でニーナを苛め始めていた。


「(便利ツールを作るのはいいが、魔力補充や新しい機能の追加も俺がやるのか?というか、この世界の技術レベルで、俺の考えた仕組みを理解できる奴がいるのか……?)」

ニーナは、自分が開発した小さなツールたちが村人たちの生活に溶け込んでいく様子を眺めながら、SEとしての性とも言える、先の先まで考えてしまう思考のループに陥っていくのだった。便利さを提供する責任。それは、時に創造の喜びよりも重く感じられるものだった。


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