コミット 185:『セレスティの願い!?「ニーナ様は、私のマスターです!」』
エデンへの旅は、依然として過酷な状況が続いていたが、そんな中でも、私たちパーティメンバーの絆は、日を追うごとに深まっていた。特に、セレスティは、私に対して、以前とは比較にならないほど心を開き、そして、強い尊敬の念を抱いてくれているようだった。
そんなある日の夜、野営の準備をしていると、セレスティが、決意を秘めたような表情で、私のそばにやってきた。
「あ、あの……ニーナさん……いえ、ニーナ様」
「ん?どうしたの、セレスティ?改まっちゃって」
「えっと……その……私、ずっと考えていたのですが……ニーナ様のことを……『マスター』と、お呼びしてもよろしいでしょうか……?」
セレスティは、顔を赤らめながらも、まっすぐな瞳で私を見つめてそう言った。
「(マ、マスター!?俺が!?いやいやいや、確かに、論理魔導とか教えてるけど、そういう主従関係みたいなのは、ちょっと……!)」
私は、一瞬、激しく動揺したが、セレスティのその真剣な眼差しと、彼女の言葉に込められた純粋な尊敬の念を感じ取り、無下に断ることはできなかった。
「え、えっと……マスター、って……それは、ちょっと大げさじゃないかな、セレスティ?」
「い、いえ!そんなことはありません!ニーナ様は、私に新しい知識を与え、私の進むべき道を示してくださる、まさに導き手……マスターと呼ぶにふさわしいお方です!どうか、このセレスティの願いを、お聞き届けください!」
セレスティは、深々と頭を下げた。その姿からは、彼女の固い決意が伝わってくる。
「(うーん、困ったな……。でも、セレスティが、こんなに真剣に言ってくれてるのに、邪険にするのも悪いしな……。まあ、呼び方なんて、所詮は記号みたいなもんだし、彼女がそれでモチベーション上がるなら、いっか……?)」
私は、少し悩んだ末、苦笑いを浮かべながら頷いた。
「わ、分かったよ、セレスティ。そんなに言うなら……好きに呼んでくれて構わないよ」
「本当ですか!?ありがとうございます、マスター・ニーナ!」
セレスティは、パァッと顔を輝かせ、満面の笑みを浮かべた。その日から、彼女は、私のことを「マスター・ニーナ」と呼ぶようになり、そして、以前にも増して、私の指示を忠実に(時には過剰なくらいに)実行してくれるようになった。
「(マスター、か……。なんか、照れるけど、ちょっとだけ、くすぐったい気もするな……。よし、マスターとして、セレスティをもっともっと成長させてあげられるように、俺も頑張らないとな!)」
このセレスティの「マスター呼び」は、パーティ内で新たな日常の一コマとなり、私たちの絆に、また一つ、新しい彩りを加えることになるのだった。




