コミット 181:『エレメンタル・ガードナーに魔導演算ユニットを接続!「うおっ、処理速度爆上がり!オーバークロック状態じゃん!」』
セレスティ専用の「古代文献記録装置」、そしてヴァローナ専用の「戦闘補助演算器」。フィリップ工房で開発された、魔導演算ユニットを応用したこれらの革新的な魔道具は、それぞれの持ち主の能力を飛躍的に向上させ、私たちのパーティ全体の戦力強化に大きく貢献していた。
そして、ついに、その魔導演算ユニットの恩恵を、私自身が最大限に享受する時が来た。フィリップが、私のイヤリング型デバイス「エレメンタル・ガードナー」と、最新型の魔導演算ユニットを、完全に一体化させるための、最終調整を完了させたのだ。この組み込みは、フィリップからの提案だった。彼曰く、「君のその特殊なデバイスと、この演算ユニットを直結させれば、想像以上の相乗効果が生まれる可能性がある」とのことだった。
「ニーナ君、待たせたな。君のエレメンタル・ガードナーと、この魔導演算ユニットの、完全同期及び最適化が完了した。これからは、二つのデバイスが、あたかも一つの有機的なシステムとして機能し、君の論理魔導の能力を、かつてない水準へと引き上げてくれるはずだ」
フィリップは、自信に満ちた表情で、私に、イヤリングと一体化した、手のひらサイズの美しい魔道具……いや、もはや「パーソナル・インテリジェンス・デバイス」と呼ぶべきそれを手渡した。
私は、高鳴る胸を抑えながら、そのデバイスを耳に装着する。すると、これまでとは比較にならないほどの、膨大で、そして清浄な魔力が、私の全身を駆け巡るのを感じた。
「(す、すごい……!何だ、この感覚……!?エレメンタル・ガードナーの魔力増幅率が、明らかに跳ね上がってる……!そして、頭の中の思考が、まるで超高速で処理されていくみたいだ……!これが、フィリップさんが言ってたとおり、記憶デバイス……いや、魔導演算ユニットとの完全同期……!)」
私は、早速、その新しいエレメンタル・ガードナーを使い、複雑な論理魔導を試してみることにした。以前は、発動と魔力制御にかなりの集中力を要した、複数の魔法効果を同時に扱うような高度なロジックも、新しいデバイスを使えば、まるで呼吸をするかのように、自然に、そして瞬時に実行することができる。
ガントレット形態への変形も、以前とは比較にならないほどスムーズで、かつ迅速だ。そして、ガントレットから放たれる魔法の光は、より一層輝きを増し、その威力も格段に向上しているのが、肌で感じられた。
「(うおっ、処理速度、マジで爆上がりじゃねえか!……これ、完全にオーバークロック状態だろ!フィリップさん、あんた、一体どんな魔法を使ったんだよ!)」
フィリップは、私のその驚愕の表情を見て、満足そうに微笑んだ。
「ふん、大したことはしておらん。ただ、君のエレメンタル・ガードナーの魔石の特性を最大限に活かし、そして、魔導演算ユニットとの間の魔力フローと情報伝達の経路を、極限まで最適化しただけだ。いわば、君の脳と、このユニットが、直接、高速な専用線で結ばれたようなものだと考えればいい」
フィリップのその言葉は、まさに的を射ていた。この新しいエレメンタル・ガードナーは、私の思考を、遅延なく、そして正確に、魔法という形へと変換してくれる、まさに「最強のインターフェース」と呼ぶにふさわしいものだった。
「フィリップさん……本当に、ありがとうございます!これがあれば、私、もっともっと、すごいことができる気がします!」
私は、心の底からの感謝を込めて、フィリップにお礼を言った。
このエレメンタル・ガードナーと魔導演算ユニットの完全なる融合は、私の論理魔導を、新たな次元へと進化させる。そして、それは、エデンへの道のり、そして、世界のシステム全体の不具合という巨大な謎に立ち向かうための、最も強力な武器となるだろう。




