コミット 112:『魅惑のエンジェルボディ、Fカップにロックオン!?ちょ、ゼフィラさん、そこは触っちゃダメな領域!』
商業都市アルカンシェルで突如として遭遇した、自称「天使の末裔」ゼフィラ。その圧倒的な美貌と、過剰なまでの色気、そして初対面とは思えない馴れ馴れしいスキンシップに、ニーナたちは完全にペースを乱されていた。
特にニーナは、ゼフィラのその蠱惑的な雰囲気と、周囲に漂う甘いピンク色の光の粒子(明らかに何らかの魔力的な作用がある)に、警戒心を抱きながらも、どこか目が離せないでいた。
「(この人、ヤバい……絶対に関わっちゃいけないタイプの人間だ。でも、なんかこう……目が離せないっていうか、無視できないっていうか……これが、天使の力ってやつなのか……?いや、この雰囲気は、ただの天使じゃないな……厄介なのは間違いない!)」
そんなニーナの内心の葛藤をよそに、ゼフィラは、ますます大胆な行動に出てきた。
「ねぇ、ニーナちゃん。あなた、本当にスタイルいいわよねぇ。特に、そのお胸……わぁ、おっきーい!これぞ、神様が与えたもうた、最高の芸術品ねぇ♡」
そう言うと、ゼフィラは、こともなげにニーナのFカップの胸に手を伸ばし、まるで品定めでもするかのように、むにゅっと触ってきたのだ。
「ひゃあああああ!?な、な、何するんですか、いきなり!セクハラですよ、セクハラ!訴えますよ、マジで!」
ニーナは、顔を真っ赤にして飛びずさる。前世の斉藤肇だった頃には、およそ縁のなかった、異性(?)からの大胆すぎるセクハラ行為に、完全にパニック状態だ。
「あら、ごめんなさーい♡ あまりにも見事だったから、つい手が伸びちゃったわ。でも、本当に素晴らしいわよ、その弾力……まさに、神の恵みね。ちょっと羨ましいくらいだわぁ」
ゼフィラは、全く悪びれる様子もなく、ペロリと舌なめずりをしながら、なおもニーナの胸に熱い視線を送っている。
「(だ、誰か助けてー!この天使、完全に倫理観がバグってる!羞恥心っていうパラメータが、完全に欠落してる!しかも、なんか、触られたところから、変な魔力が流れ込んでくるような……これって、もしかして、何かの魔力的な干渉……!?)」
ヴァローナは、ゼフィラのそのあまりにも破廉恥な行動に、ついに我慢の限界を超えたのか、剣の柄に手をかけ、鋭い眼光でゼフィラを睨みつけた。
「貴様……!いくら天使の末裔とやらを名乗ろうと、これ以上の無礼は許さんぞ!その手を、ニーナから離せ!」
「あら、怖い怖い。そんなに怒らないでよ、騎士様。私は、ただ、美しいものを愛でていただけなのにぃ。それとも、あなたも、このニーナちゃんの素晴らしいお胸に、興味があるのかしら?うふふっ」
ゼフィラは、ヴァローナの威圧にも全く臆することなく、むしろ面白がるように挑発的な言葉を返す。
セレスティは、この一触即発の (?)雰囲気に、完全に縮み上がり、今にも泣き出しそうな顔でオロオロしている。
「(もうダメだ……この状況、完全に制御不能だ……!誰か、この暴走天使を止めてくれー!っていうか、私の胸は、あんたたちのオモチャじゃないんですけどー!私の体に、勝手に触らないでください!)」
ニーナの心の叫びは、アルカンシェルの喧騒の中に、虚しく響き渡るのだった。このゼフィラという存在は、ニーナの「他人の評価」という不具合とはまた異なる、もっと直接的で、そして本能的な部分を揺さぶってくる、新たな強敵 (?)なのかもしれない。




