表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【小ネタ集】ハッピーエンドがない乙女ゲームの世界に転生してしまったので  作者: 鉤咲蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/28

現代パロディ 2 ※最終更新2025.10



借り物競争のお題で「好きな人」が出た時


司会「【好きな人】!お題【好きな人】です!」

アベル:観客席を見回し、ちょうど目が合ったシャロンを指し急いで来るよう手振りで指示

シャロン:ウィルフレッドが後ろにいるかと慌てるもそんな事はなく、アベルと周りから急かされて合流、1位ゴール


司会「優勝おめでとうございます!お題は【好きな人】でしたが、迷いが無かったですね!」

頬を赤くしつつ困惑気味にアベルを見ているシャロン「……。」

アベル「それはそうだろう」

司会「ひゅー!」

アベル「誰でもいいというから」

司会「皆様お二人に拍手ー!」

(パチパチパチパチ)


アベル「は?……何だこの騒ぎは」

何かを察したシャロン「……」

司会「大胆!いいですね、家族を連れてくる選択肢もありましたが、さすが堂々と連れて来られました!」

アベル「?これはそういう競技だ」

シャロン「アベル」

(盛り上がる会場)

アベル「何だ」

シャロン「少しあの、誤解というか」


司会「この動じなさ!つまりそういう事でしょうか、お二人は元から…」

アベル「ああ。――」

(大歓声に掻き消される「友人だ」)

シャロン「アベル!」

アベル「何なんだ」

シャロン「貴方、お題を誤解して」

司会「ではせっかくなら!二人にはお熱いところを見せて頂きましょうっ!」

(歓声と悲鳴)


司会「よろしいですか?流石に恥ずかしいとか…」

握手だと思ってるアベル「別に構わない」

シャロン「アベル!本当に、あの!!」

司会「OKだそうです!!!」

(大盛り上がりの会場)

アベル「何をそんなに焦ってる?」

シャロン「だ、だからっ」

ウィルフレッド「ストーーップ!!」


ウィルフレッド「兄NGだ!本人がよくても俺が許さない!!」

司会「おおっと乱入者だ!お兄さん、どうしてもダメですか!?」

ウィルフレッド「駄目だ!二人は見世物じゃない。」

アベル「?」

シャロン「ウィル…!」

ウィルフレッド「アベル。お前に一つ言っておくけれど」


ウィルフレッド「そういうのは二人きりの時にしなさい。」

アベル「は?」

シャロン「ウィル!!」

ウィルフレッド「第一、そういう関係なら何で俺に言ってくれなかったんだ!祝いたかったのに!!」

アベル「何が?」

司会「えー、兄弟喧嘩は場外でお願い致します」


説明を受けたアベル「…好きに選べ、ではなく。好意を持っている相手を連れてこいと?」

頷くシャロン「……。」

どこから謝ればいいかわからないアベル「……悪かった」

シャロン「いえ…私がもっと早く伝えられれば」

アベル「しかし、それならウィルは何を言ってたんだ?」


扉バーン


ウィルフレッド「味に悩んだから、3種類違うケーキを買ってきたぞ!お祝いに食べよう!」

優勝祝いだと思ってるアベル「ありがとう。……そうだな、一旦食べるか」

ウィルフレッド「ああ!それでハグは、ちゃんと俺がいない間に済ませたか?」

アベル「は?」

シャロン「食べる前に話しましょう」



---


スマホのロック画面/待受


ウィルフレッド:

シャロン、アベル、クリスと4人(旅行先で親が撮った)/シャロン、アベル(笑顔※超レア)と3人(クリスが撮った)


アベル:

初期設定はどうかと思うと兄に言われ、たまたま実家に寄ったので撮った(いつか、誰かが飛び降りた)庭の塀/初期設定


---


家の門の内側で遊んでいたらボールが道路へ転がってしまい、「あっち行っちゃったね」と笑い合いながら駆けていく兄とその友達を見て、なぜかゾッとしたアベルが咄嗟に二人の手を掴み

振り返って「どうした?」「なぁに?」とアベルに微笑む二人の後ろをトラックが通り過ぎて行く


トラックの存在も二人が危なかった事も気付いたのはアベルだけで、心臓の早い鼓動が耳に響いて、どっと冷や汗をかいていて、二人の手をぎゅっと握ったままで、少しの間何も喋れない

黙ったままのアベルに首を傾げる二人


(ハッ……さては、ちょっとのあいだでも、おれたちがそばにいないのがイヤで……?)と閃くウィルフレッド「だいじょうぶだぞ、アベル!おれもシャロンもそばにいるから!」

ひしっと弟を抱きしめるウィルフレッドに「もちろんよ」とにこにこ同調して自分もくっつくシャロン


全然そんな気持ちじゃないし心配や安堵が怒りに変わってきたアベル「……どうろに…でないで。」

弟が可愛いでれでれウィルフレッド「うん!ここであそぼうなっ」

アベルが珍しく手を握ってくれて嬉しいふわふわシャロン「さんにんいっしょね!」

本当にそういうのじゃないアベル「ちゃんときいて」


---


小学生ウィルフレッド、アベル、シャロンが日陰の縁側で各自水を張った桶に素足を入れつつアイスを食べるとして、

ウィルフレッドを真ん中にしようとしたアベルが真ん中にされて疑問に思う内に「暑いなー」「暑いわね」から会話が始まり、やがて汗もひいてきたウィルフレッドがアベルに寄り掛かり、

それを見たシャロンもアベルに寄り掛かり、ぴったりくっついたまま三人で左に、右にと軽く揺れて、アベルが「…暑いんじゃなかったの」と聞いても返ってくるのは楽しそうな笑い声だけで、風鈴の音がして、二人にくっつかれたところが温かくて、少し汗がにじむのに嫌な暑さではない、そんな夏のひと時。


---


ウィルフレッド「ハロウィンの仮装、俺達はお揃いにしよう!吸血鬼で」

内心嬉しいアベル「わかった」


当日ガチ特殊メイクで現れたウィルフレッド「すごいだろう?どうしたら怖く見えるか、ホラー映画とかで研究してオーダーしたんだ!」

アベル「…揃えるんじゃなかった?服の事しか聞いてないけど」


「え?だってお前に特殊メイクをしたら、シャロンと並んで写真を撮っても誰だかわからないじゃないか。」

「その言葉そのまま返すけど。」

「それより、シャロン達は何の仮装をしてくると思う?」

「何でもいいけど、そのメイク取ってきたら。」


「やっぱり魔女かな……シンプルに白い布でお化け?意外とゾンビとか。」

「クリスが泣く前に、普通のウィルに戻った方がいいと思う。」

「そう、クリスが狼男でシャロンが赤ずきんという線もあるかな?」

「せめて、その長過ぎる牙外したら。」


シスターなシャロン「す…すごいわウィル、なんて完成度の高い……!」

ウィルフレッド「そうだろう?ふふ、研究に研究を重ねたんだ!」

フランケンシュタインなクリス「かっこいいー!つよそう!」

アベル「(それでいいのか…)」

シャロン「アベルもよく似合ってるわ。とっても素敵」


「……ふ。残念ながら、敬虔な信徒であるシスター殿とは敵同士になるかな。」

「いいえ?貴方のような心優しい吸血鬼なら、共にいる事を神もお許しになるでしょう。」

「…優しくはない。君ほどは」

「ふふっ。そういう事にしておきましょう」


「……ウィル、姉上かわいいね。」

「わかる」

「二人とも、どうしたの?内緒話?」

「アベル、シャロン。今のやり取り、場所を教会に移してもう一回やってもらえないか?動画に残したい」

「絶対にやらない。」

「何でだ!?」


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

本編:ハッピーエンドがない乙女ゲームの世界に転生してしまったので

【ハピなしのまとめ】
◆(過去編・ゲームシナリオ)回まとめや
ここに載らない小ネタ含むまとめへのリンクはこちら↓
本編抜粋・小ネタリンクまとめ

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ